コムシスホールディングス株式会社

ブランドなど:日本コムシス
建設業設備工事プライムTOPIX Mid400

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00322 Japan GAAP

売上高

5,711.9億 円

前期

5,633.0億 円

前期比

101.4%

時価総額

4,331.8億 円

株価

3,257 (07/16)

発行済株式数

133,000,000

EPS(実績)

206.41 円

PER(実績)

15.78 倍

平均給与

918.4万 円

前期

928.2万 円

前期比

98.9%

平均年齢(勤続年数)

52.2歳(21.6年)

従業員数

104人(連結:17,405人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社を持株会社とする「コムシスグループ」は、当社及び日本コムシス株式会社、サンワコムシスエンジニアリング株式会社、株式会社TOSYS、株式会社つうけん、NDS株式会社、株式会社SYSKEN、北陸電話工事株式会社、コムシス情報システム株式会社の8統括事業会社に加え、子会社88社及び関連会社18社から構成され、通信キャリア事業、ITソリューション事業及び社会システム関連事業等を主な事業内容としております。

 2024年3月31日現在の事業の系統図は概ね次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

 

24/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるコムシスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績

等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

<コムシスグループの業績>

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、社会経済活動の正常化が進む中、景気の緩やかな回復が続くことが期待されておりますが、エネルギー価格及び原材料価格の高騰、また、ウクライナや中東などの世界情勢や金融資本市場の変動等にも引き続き注視する必要があります。

 コムシスグループを取り巻く事業環境につきましては、通信インフラ分野においては、光回線の新規需要の縮

小、モバイル通信事業者の投資抑制の影響により近年トータルとしての工事量は減少してきましたが、首都圏過密地域ではモバイルトラヒック増による通信品質問題への対応が進められました。中期的にはNTTグループをはじめ、通信事業者における次世代の通信インフラ整備(IOWN・6Gの実用化など)に向けた投資が期待されるところであります。

 ITソリューション分野においては、市場全体として継続的に拡大しております。近年はデジタル技術による社会の課題解決に向けて行政・教育・医療等の分野においてデータ連携基盤の整備が進められております。

 社会インフラ分野においては、データセンター建設やデータセンター間相互接続の需要拡大、激甚化・頻発化する自然災害などに対応した防災・減災、国土強靭化が推進され、国土形成計画においては、インフラのハード面の機能とICT技術を活用したソフト施策を組み合わせたインフラの複合化・多機能化・効果最大化を図ることが求められており、東京都の防災計画「TOKYO強靭化プロジェクト」においても同様の取り組みが進められております。また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギー分野へのGX成長投資も期待されております。

 コムシスグループといたしましては、通信キャリア事業においては、モバイル関連工事が減少するなど厳しい事業環境の中、地域ブランドの強みを最大限に活かした周辺ビジネスの拡大、インフラシェアリング事業など新規顧客獲得に向けた営業力強化、コムシスグループ全体最適化(エリアマネジメント体制の強化、アクセス・モバイル事業一体運営)など事業基盤強化に取り組んでまいりました。また、昨年の台風6号による沖縄での自然災害、1月に発生した令和6年能登半島地震における被災地域の通信設備復旧にグループ一丸となって取り組んでまいりました。

 ITソリューション事業においては、アライアンスパートナーとの協業による大型案件の獲得、元請案件の増加に伴うプロジェクトマネジメント強化に取り組んでまいりました。今後はIT投資の最大マーケットである首都圏での一体運営強化、通信キャリア事業との連携による高レイヤへのリソースシフト及びフルレイヤソリューションの提供により新規事業領域の拡大を図ってまいります。

 社会システム関連事業等においては、グループ連携による大型高速道路案件や大手ゼネコンとのJVによる大規模データセンターの受注などトップラインの拡大に加え、弧状推進工法によりデータセンター間伝送路工事を実施してまいりました。引き続き堅調なデータセンターの受注拡大、グループ全体での技術者育成、人材リソースの柔軟な流動に取り組んでまいります。

 今後とも、DXを活用した生産性向上、多様で柔軟な働き方改革の深化などコムシスグループの経営基盤強化を図ってまいります。また、サステナビリティの取り組みとして、SBT認定を取得(2023年10月)いたしました。引き続き温室効果ガス排出削減に向けて積極的に取り組み、SDGsの目指す社会の実現に貢献するとともに、コムシスグループの持続的成長を図ってまいります。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、514,647百万円(前期比2.5%増)となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、146,591百万円(前期比5.7%減)となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、368,055百万円(前期比6.2%増)となりました。

 

ロ 経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、受注高617,917百万円(前期比11.7%増)、売上高571,186百万円(前期比1.4%増)となりました。

 また、損益につきましては、営業利益39,221百万円(前期比22.2%増)、経常利益40,396百万円(前期比30.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益27,453百万円(前期比42.0%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

グループ別の受注高・売上高・セグメント利益[営業利益]

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

売上高

セグメント利益

[営業利益]

金額

増減率

金額

増減率

金額

増減率

日本コムシスグループ

302,025

24.3%

262,570

0.4%

17,422

87.8%

サンワコムシスエンジニアリンググループ

63,345

△7.0%

61,202

△10.8%

3,919

△40.2%

TOSYSグループ

37,960

13.1%

33,503

3.1%

2,166

5.0%

つうけんグループ

67,208

2.4%

67,355

7.8%

6,585

8.1%

NDSグループ

83,141

2.1%

83,799

6.8%

4,880

17.6%

SYSKENグループ

31,573

△0.8%

31,477

5.7%

1,387

△2.0%

北陸電話工事グループ

17,445

10.6%

16,412

1.8%

758

18.5%

コムシス情報システムグループ

13,339

12.8%

12,986

9.9%

1,621

15.7%

(注) 「受注高」及び「売上高」は外部顧客への取引高を記載しております。なお、「セグメント利益」は当社及びセグメント間取引により生じた利益を含んでおります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11,143百万円増加し、51,932百万円(前期比27.3%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

投資活動による

キャッシュ・フロー

財務活動による

キャッシュ・フロー

現金及び現金同等物

期末残高

当連結会計年度

44,275

△15,941

△17,214

51,932

前連結会計年度

61,781

△6,843

△48,233

40,788

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 コムシスグループが営んでいる事業の大部分を占める通信キャリア事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

 よって「生産、受注及び販売の状況」については、当社の連結での受注、売上及び手持高の状況をセグメント別に記載しております。

 

イ 受注実績

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 (百万円)

 増減率

 (%)

日本コムシスグループ

242,941

302,025

24.3

サンワコムシスエンジニアリンググループ

68,082

63,345

△7.0

TOSYSグループ

33,559

37,960

13.1

つうけんグループ

65,648

67,208

2.4

NDSグループ

81,467

83,141

2.1

SYSKENグループ

31,818

31,573

△0.8

北陸電話工事グループ

15,775

17,445

10.6

コムシス情報システムグループ

11,830

13,339

12.8

その他

1,941

1,878

△3.3

合計

553,065

617,917

11.7

(注) 受注実績は外部顧客への取引高を記載しております。

 

ロ 売上実績

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 (百万円)

 増減率

 (%)

日本コムシスグループ

261,546

262,570

0.4

サンワコムシスエンジニアリンググループ

68,630

61,202

△10.8

TOSYSグループ

32,492

33,503

3.1

つうけんグループ

62,503

67,355

7.8

NDSグループ

78,449

83,799

6.8

SYSKENグループ

29,789

31,477

5.7

北陸電話工事グループ

16,124

16,412

1.8

コムシス情報システムグループ

11,818

12,986

9.9

その他

1,941

1,878

△3.3

合計

563,295

571,186

1.4

(注)1 売上実績は外部顧客への取引高を記載しております。

2 主な相手先別の売上及びその割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

NTTグループ

223,686

39.7

224,181

39.2

 

 

ハ 手持高

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 (百万円)

 増減率

 (%)

日本コムシスグループ

116,442

155,897

33.9

サンワコムシスエンジニアリンググループ

21,648

23,791

9.9

TOSYSグループ

8,596

13,053

51.8

つうけんグループ

11,258

11,110

△1.3

NDSグループ

22,728

22,070

△2.9

SYSKENグループ

9,045

9,141

1.1

北陸電話工事グループ

2,187

3,219

47.2

コムシス情報システムグループ

2,121

2,474

16.6

その他

合計

194,028

240,759

24.1

(注) 手持高は外部顧客への取引高を記載しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績等

a.財政状態

(資産の部)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,636百万円減少し、302,347百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

流動資産

増減額(△は減少)

主な要因

現金預金

11,132百万円

日本コムシスグループにおける増加

受取手形・完成工事未収入金等

△10,687百万円

日本コムシスグループにおける減少

未成工事支出金等

△8,809百万円

日本コムシスグループにおける減少

リース投資資産

3,892百万円

日本コムシスグループにおける増加

 

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ14,151百万円増加し、212,300百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

固定資産

増減額(△は減少)

主な要因

有形固定資産

4,173百万円

日本コムシスグループにおける土地の取得等による増加

無形固定資産

△917百万円

のれんの償却による減少

投資その他の資産

10,894百万円

投資有価証券の増加、

退職給付に係る資産の増加

 

 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,514百万円増加し、514,647百万円となりました。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ10,118百万円減少し、124,327百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

流動負債

増減額(△は減少)

主な要因

支払手形・工事未払金等

△5,592百万円

日本コムシスグループにおける減少

工事損失引当金

△5,167百万円

日本コムシスグループにおける減少

 

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,302百万円増加し、22,263百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

固定負債

増減額(△は減少)

主な要因

繰延税金負債

3,201百万円

日本コムシスグループにおける増加

退職給付に係る負債

△986百万円

日本コムシスグループにおける減少

その他

△802百万円

日本コムシスグループにおける長期未払金の減少等による減少

 

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ8,816百万円減少し、146,591百万円となりました。

 

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ21,330百万円増加し、368,055百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

純資産

増減額(△は減少)

主な要因

利益剰余金

14,633百万円

親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加

 この結果、自己資本比率は70.3%(前連結会計年度末は67.9%)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

 通信インフラ分野においてモバイル関連工事が減少するなど厳しい事業環境となる中、ITソリューション・社会システムの分野においては、グループ連携による営業強化及びアライアンスパートナー連携による売上拡大の取り組みにより、当連結会計年度の売上高は571,186百万円となり、前連結会計年度に比べ7,890百万円の増収となりました。

 

(営業利益)

 売上高の増加に加え、エリアマネジメント体制の強化、アクセス・モバイル事業一体運営など、コムシスグループ全体最適化に向けた事業基盤強化への取り組みにより、当連結会計年度の営業利益は39,221百万円となり、前連結会計年度に比べ7,117百万円の増益となりました。

 

(経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は1,621百万円となりました。これは受取配当金829百万円、固定資産賃貸料269百万円などによるものであります。また、営業外費用は446百万円となりました。これは、貸倒引当金繰入額99百万円、賃貸費用94百万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の経常利益は40,396百万円となり、前連結会計年度に比べ9,462百万円の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は2,217百万円となりました。これは固定資産売却益1,840百万円、投資有価証券売却益95百万円などによるものであります。また、特別損失は1,631百万円となりました。これは、固定資産圧縮損660百万円、事業構造改革費用273百万円、固定資産除却損226百万円、減損損失208百万円、特別退職金144百万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は27,453百万円となり、前連結会計年度に比べ8,114百万円の増益となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 コムシスグループの資金需要は、営業活動については、生産に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、従業員給与等の販売費及び一般管理費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資が主な内容であります。

(財政政策)

 コムシスグループでは、有利子負債を圧縮し、連結ベースでの資金管理の強化を図るため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しております。

 

ハ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」における当連結会計年度の達成状況は次のとおりであります。

 当連結会計年度における売上高につきましては、571,186百万円(前期比1.4%増)となり、通期目標であった570,000百万円を達成いたしました。

 また、営業利益につきましては、39,221百万円(前期比22.2%増)となり、通期目標であった34,000百万円を達成いたしました。

ニ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

<日本コムシスグループの業績>

 日本コムシスグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者からの設備投資が減少する中、ITソリューション事業・社会システム関連事業において営業力強化によるビジネス領域拡大など受注拡大に取り組み、大型システム構築工事や都市再開発関連工事の獲得により増収となりました。損益面においても、売上高増加に加え、リソース最大活用など効率化施策による生産性向上の他、前年度の大型プロジェクトにおいて発生した不採算の反動増の影響もあり増益となりました。

 

<サンワコムシスエンジニアリンググループの業績>

 サンワコムシスエンジニアリンググループの当期業績につきましては、売上高においては、社会システム関連事業における高速道路関連工事などの大型案件受注があるものの、NCC電気通信設備工事事業における5G関連工事の需要減少などの影響により減収となりました。損益面においても、次期基幹サブシステムとRPA活用による業務効率化、モバイル業務集約および資格者の有効活用による生産性向上に加え、オフィス環境の見直しなどによる働き方改革にも取り組んでまいりましたが減益となりました。

 

<TOSYSグループの業績>

 TOSYSグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者からの5G関連などの設備建設工事や設備保守の他、ITソリューション事業におけるクラウドマネージドサービス提供による企業DX支援、社会システム関連事業における河川整備や電線共同溝など公共関連工事の受注拡大に取り組み増収となりました。損益面においても、売上高増加に加え、業務DX推進のためのプラットフォーム整備に取り組み増益となりました。

 

<つうけんグループの業績>

 つうけんグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者の設備投資が減少する中、新たな事業創出に向けたアライアンス拡大を強化してまいりました。ITソリューション事業におけるグループ連携による案件掘り起しや行政DX案件の受注拡大、社会システム関連事業における地中化工事、民間大型案件受注拡大により増収となりました。損益面においても、設計業務等のエリアフリー業務集約による生産性向上や工事平準化による施工稼働最大化を図り増益となりました。

 

<NDSグループの業績>

 NDSグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者からの地域への光ケーブルの開局工事や電磁誘導対策工事の他、ITソリューション事業における学校間NW構築工事や大手ホテルチェーンへのセットトップボックス設置工事、社会システム関連事業における電力配電設備工事や高速道路関連工事の受注拡大、マンション一棟一括売却などに取り組み増収となりました。損益面においても、売上高増加に加え、業務集約などによる生産性向上を図り増益となりました。

 

<SYSKENグループの業績>

 SYSKENグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者の設備投資が減少する中、通信キャリア関連事業と民需・公共事業における大型案件の受注拡大と、着実な工事進捗への取り組みにより増収となりました。損益面においては、高利益案件の減少、資材価格高騰などの影響により減益となりました。

 

<北陸電話工事グループの業績>

 北陸電話工事グループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者からの電力工事、モバイル工事の他、社会システム関連事業において系統用蓄電池構築工事などの受注拡大に取り組み増収となりました。損益面においても、RPAを活用した効率化の推進、建設・保全の一体運営など業務集約や拠点集約など継続的な生産性の向上を図り増益となりました。また、令和6年能登半島地震においては被災した通信設備の早期復旧に取り組んでまいりました。

 

<コムシス情報システムグループの業績>

 コムシス情報システムグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者、官公庁及び金融機関などに向けたシステム開発、構築等の受注拡大に取り組み、官公庁のクラウド基盤や金融機関システムのモダナイズなどの事業が拡大し増収となりました。損益面においても、売上高増加に加え、プロジェクトのリスクマネジメントの徹底により増益となりました。

 

(参考)<当社(持株会社)の状況>

 当社は、日本コムシス株式会社等統括事業会社から経営管理料として1,447百万円、配当金として13,487百万円を収受いたしました。この結果、営業収益14,934百万円(前期比4.9%増)、営業利益13,490百万円(前期比4.7%増)及び当期純利益13,433百万円(前期比4.9%増)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 コムシスグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、一定期間にわたり収益を認識する売上高、工事損失引当金の計上、貸倒引当金の計上、固定資産の減損、棚卸資産の評価、退職給付債務及び年金資産の認識、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関して、必要と思われる見積り及び判断を合理的な基準に基づき実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 コムシスグループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 コムシスグループにおいて、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる重要な見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。