E00114 Japan GAAP
前期
1,675.9億 円
前期比
104.5%
株価
3,520 (04/26)
発行済株式数
35,635,879
EPS(実績)
263.33 円
PER(実績)
13.37 倍
前期
784.4万 円
前期比
104.1%
平均年齢(勤続年数)
44.0歳(17.4年)
従業員数
1,707人(連結:3,518人)
当企業集団は、当社、親会社、子会社15社、関連会社1社によって構成され、電気設備工事を中心とする設備工事業を主な事業とし、設備工事に関連するエンジニアリングサービス、機器の販売等の事業活動を展開しております。
各事業における当企業集団の位置付け等は次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(設備工事業)
当社は電気設備工事を中心とした設備工事業を営んでおり、その施工する工事の一部を連結子会社である住電電業㈱他11社、非連結子会社である田村電気工事㈱及び関連会社である西部電工㈱へ発注しております。
(その他事業)
当社は保険代理店業務を営んでおります。
連結子会社であるスミセツテクノ㈱は機器の製作、修理及び給湯給水器の製造、販売を、エスイーエム・ダイキン㈱は空調機器、太陽光発電システム等の販売を中心とした事業を営んでおります。
当社は、スミセツテクノ㈱、エスイーエム・ダイキン㈱に対して機器の発注をしております。
当社の親会社である住友電気工業㈱は自動車関連事業、情報通信関連事業、エレクトロニクス関連事業、環境エネルギー関連事業、産業素材関連事業他を営んでおり、当社は同社並びに同社のグループ会社から各種設備工事を受注しており、また、同社並びに同社のグループ会社から電線ケーブル等の材料を仕入れております。
なお、当グループの事業内容を区分すると次のとおりであります。
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和される等、社会経済活動の正常化が進んだことから、個人消費を中心に緩やかな景気回復傾向が見られました。しかしながら、国内においては、原材料価格の高止まりや円安の進行により物価の上昇傾向が続いております。また、当社グループが事業展開している東南アジア地域においても、内需は順調に回復しているものの、物価上昇による景気の下振れ懸念もある等、国内外ともに景気の先行きは依然として不透明な経済状況で推移いたしました。
国内の建設市場におきましては、公共投資及び民間投資ともに堅調であり、デジタル関連、物流関連施設等、成長分野においては増加基調で推移する等、回復の動きが見られたものの、資機材価格の高止まりや調達遅延等による不安要素も加わり、設備投資動向の先行きは不透明な状況で推移いたしました。また、東南アジア地域においても、内需や設備投資が回復する等、全般的には回復基調にあるものの、受注獲得競争は依然厳しい状況が続いており、引き続き注視していく必要があります。
このような状況の中、当社グループは、「住友事業精神」と「住友電設グループ企業理念」に基づく経営の基本方針に沿って、電気の安定供給等の社会インフラ維持に努める等、社会の要請に応えるべく事業活動を展開しています。2020年度よりスタートした中期経営計画「VISION24」(2020~2024年度:5ヵ年計画)に基づき、「新たな成長戦略と総合力で持続的発展を!」をテーマに掲げ、「総合設備企業グループ」として、各部門の施工力、技術力の底上げに向けて資源を投入し、より一層の成長・拡大を図るため、グループ一体となって取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
受注高につきましては、国内での大型工事の受注もあり、電力工事や一般電気工事が大幅に増加したこと等から前期より増加いたしました。売上高につきましても、一般電気工事や情報通信工事、プラント・空調工事の大型手持工事が進捗し、前期より増加いたしました。
利益面では、働き方改革・職場環境の改善等、事業の根幹を支える人材の確保・育成のための経費増をカバーすべく、工事採算の改善、経費削減にグループ一体となって取り組んだ結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期より増加いたしました。
受注高は188,787百万円(前連結会計年度比5.5%増)、売上高は、175,120百万円(同4.5%増)となりました。事業の種類別では、設備工事業の受注高は179,335百万円(同5.2%増)、売上高は165,669百万円(同4.2%増)となり、機器販売を中心とするその他事業の受注高及び売上高は9,451百万円(同10.2%増)となりました。
売上総利益は、採算の改善にグループを挙げて取り組んだ結果、24,253百万円(同6.6%増)、売上総利益率は13.8%となりました。販売費及び一般管理費は10,792百万円(同10.6%増)となり、営業利益は13,461百万円(同3.5%増)、営業利益率は7.7%となりました。
営業外収益は991百万円(同3.4%増)、営業外費用が58百万円(同9.1%減)となった結果、営業外収支は932百万円の黒字となり、経常利益は14,394百万円(同3.6%増)と前連結会計年度と比べ増益となり、経常利益率は8.2%となりました。
特別利益には投資有価証券売却益299百万円を計上しました。また、特別損失の計上はありませんでした。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は14,694百万円(同4.8%増)となりました。ここから、法人税等3,874百万円、法人税等調整額754百万円、非支配株主に帰属する当期純利益681百万円を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は9,384百万円(同2.7%増)となりました。
なお、設備工事業における種類別の受注高、売上高の概況は、次のとおりであります。
電力工事部門は、再生可能エネルギー関連工事の増加により、受注高は24,192百万円(同22.4%増)となりましたが、売上高は同関連工事の進捗減により、19,148百万円(同5.6%減)となりました。
一般電気工事部門は、国内外での大型工事の受注等により、受注高は112,211百万円(同3.2%増)となりました。売上高は手持工事を順調に消化し、105,950百万円(同5.3%増)となりました。
情報通信工事部門は、前期に移動体基地局工事の前倒し受注による反動減等があったものの、都市再開発大型案件の情報ネットワーク工事の受注等により、受注高は29,597百万円(同2.8%増)となりました。売上高は同様に情報ネットワーク工事の進捗等により、28,517百万円(同3.8%増)となりました。
プラント・空調工事部門は、大型のプラント工事の受注や手持工事の進捗により、受注高は13,334百万円(同1.9%増)、売上高は12,052百万円(同13.7%増)となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、売上債権が増加したことに加え、中期経営計画「VISION24」で掲げる成長投資における設備投資に伴い有形固定資産が増加したこと等から前連結会計年度末より1,550百万円増加の162,587百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、仕入債務や未成工事受入金が減少したこと等により、前連結会計年度末より4,682百万円減少の62,968百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、主に利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末より6,233百万円増加の99,618百万円となりました。この結果、自己資本比率は58.4%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上に加え、売上債権・仕入債務等の増減、法人税等の支払額を加減した結果、当連結会計年度は5,094百万円の収入(前連結会計年度は6,861百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出等により、当連結会計年度は2,388百万円の支出(前連結会計年度は11,525百万円の収入)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払い等により、当連結会計年度は3,502百万円の支出(前連結会計年度は3,382百万円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の54,921百万円に対して、492百万円減少し、54,428百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な運転資金であり、必要資金については自己資金の充当及び金融機関からの借入により調達しております。当社グループは、「質」にこだわる経営を推進し、健全かつ強固な財務体質を構築してきました。また2020年度よりスタートした中期経営計画「VISION24」において、持続的な成長を目指すため、5年間で200億円の成長投資を行っていく予定であります。
国内外の経済は先行きの不透明感が継続しておりますが、当社は十分な流動性資金を確保しており、事業運営への影響はありません。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年度よりスタートした中期経営計画「VISION24」に基づき、「新たな成長戦略と総合力で持続的発展を!」をテーマに、「総合設備企業グループ」として、各部門の施工力、技術力の底上げに向けて資源を投入し、売上高の拡大を図るとともに、各部門が連携した総合力で、客先へのトータルサービスを拡大するための各重点施策を着実に推進しております。当社グループは、中期経営計画「VISION24」において、経営上の目標の達成状況を判断するために、「受注高」、「売上高」、「経常利益(率)」、「ROE(自己資本当期純利益率)」、「自己資本比率」及び「配当性向」を重要な指標として測定することとしており、2024年度の数値目標として、「受注高:2,000億円」、「売上高:2,000億円」、「経常利益(率):150億円(7.5%)」、「ROE(自己資本当期純利益率):10%をターゲット」、「自己資本比率:50%水準を維持」、「配当性向:40%をターゲット(2024年度)」をそれぞれ掲げております。なお、当連結会計年度におきましては、「受注高:188,787百万円」、「売上高:175,120百万円」、「経常利益(率):14,394百万円(8.2%)」、「ROE:10.2%」、「自己資本比率:58.4%」、「配当性向:35.5%」となり、2024年度の数値目標達成に向け着実に前進しております。
当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
(3) 売上実績
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高及び施工高の状況
(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
(2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(3) 完成工事高
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第97期の請負金額1,300百万円以上の主なもの
第98期の請負金額1,400百万円以上の主なもの
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(4) 手持工事高(2023年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち請負金額1,700百万円以上の主なもの
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照のこと。
(重要な会計方針及び見積り)
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠し、作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、期末日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。当社の重要な会計方針のうち、特に見積り、判断の度合いが高いものは以下の項目であります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
収益の認識
当社は工事契約に関して、一定の期間にわたり充足される履行義務は、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識し、一時点で充足される履行義務は、工事完了時に収益を認識することとしておりますが、業界の慣行から追加工事を含め、正式な契約書の締結が遅れる場合があり、この場合には、当社は期末日時点において合理的に請負代金を見積り、収益計上をしております。従って、当社の見積りと実績が異なった場合、翌期の損益に影響を与える可能性があります。
また、工事原価総額の見積りにあたっては、利害を別とする関係部門間で協議し、工事契約を遂行するための作業内容を特定・網羅し、かつ個々に適切な原価を算定した上で、着工後の工期変更、人件費・労務費の増減、使用部材の価格変動や仕様変更がある場合、適時に工事原価の見直しを行っております。
しかしながら、大規模工事においては工事原価の変動要素が多く、工期も長期にわたることから、設計変更や追加工事、工期延長等の可能性があります。そのため、工事内容の見直しがあった場合には、当連結会計年度末時点の工事原価総額の見積りにおいて不確実性があり、翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。