E00439 Japan GAAP
前期
1,933.9億 円
前期比
125.9%
株価
1,185 (03/28)
発行済株式数
30,371,908
EPS(実績)
27.23 円
PER(実績)
43.52 倍
前期
620.9万 円
前期比
91.0%
平均年齢(勤続年数)
41.3歳(16.4年)
従業員数
428人(連結:509人)
当社グループは、当社、子会社7社及び関連会社2社で構成され、鶏・豚・牛・魚用飼料の製造、販売などを行う「飼料セグメント」、消費者向けの畜水産物の販売、畜産用機器の販売、配合肥料の製造販売などを行う「その他セグメント」を展開しております。
なお、配合飼料製造のため、各工場所轄税関での第一種承認工場の認可を、畜産用機器販売のため、建設業の許可を受けております。
当社グループの事業内容、当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
飼料………………… 当社が製造し直接得意先へ配合飼料を販売するほか、特約店を通じて販売を行っております。
連結子会社みらい飼料株式会社は、当社より原料を仕入れ、畜産用飼料の製造・販売を行っております。
連結子会社有限会社豊洋水産は、当社の水産用飼料の研究開発を行うとともに、水産物の生産及び販売を行っております。
持分法適用関連会社三通中部飼料(山東)有限公司は、水産用飼料の製造・販売を行っております。
その他……………… 当社は、セサミンを含んだ特殊卵「ごまたまご」やいも類を多く含む飼料で育てた「いもぶた」をはじめとする畜産物の委託生産を行うとともに、生産者から畜産物及び水産物を仕入れ、販売を行っております。
連結子会社中部チムニー株式会社は、畜産物及び水産物を当社より仕入れ、販売しております。
当社は、配合肥料の製造・販売や、工場跡地等活用のための不動産の賃貸を行っております。
連結子会社中部エコテック株式会社は、畜産用機器の開発、仕入及び販売を行っております。
連結子会社株式会社ダイコクは当社、グループ会社及び得意先に損害保険代理店業務を行っております。
連結子会社中部艾科太科(大連)環境技術有限公司は、畜産用機器の仕入及び販売を行っております。
連結子会社吉林華中緑色生態農業開発有限公司は、配合肥料の製造・販売を行っております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐなか、景気は緩やかに持ち直しているものの、急激な円安の進行や資源・エネルギー価格の高騰による物価の上昇、ロシア・ウクライナ情勢の長期化など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
飼料業界におきましては、前期から上昇傾向にあった主原料のとうもろこし価格が、ロシアによるウクライナ侵攻の深刻化や堅調なエタノール生産等から、当期に入ってさらに上昇しました。7月下旬にいったん値を下げたものの、米国の天候不順などから再び上昇基調に転じ、高値圏で推移しております。また、日米金利差の拡大などから急速に進んだ円安は、政府・日銀による為替介入や日銀の金融政策見直しにより円高に転じたものの、円安基調に変わりなく、飼料の原材料価格は大幅に上昇しております。このような状況を反映して、当社は4月から3四半期連続で値上げした配合飼料価格を1月に値下げしました。また、商系飼料メーカーが負担する飼料価格安定基金負担金単価が2倍以上に上昇したり、過去最大規模で広がった鳥インフルエンザの影響で採卵鶏用飼料の流通量が減少したりするなど、厳しい事業環境は続いております。
このような状況のなか、当社グループは飼料セグメントの規模拡大と収益力向上、その他セグメントの事業成長の加速、成長する収益基盤を支えるサステナビリティ経営の推進の3つの基本戦略を基に、強固な収益基盤の構築に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,434億76百万円(前期比25.9%増)、営業利益16億70百万円(前期比59.6%減)、経常利益20億69百万円(前期比54.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8億27百万円(前期比74.2%減)となりました。
売上高は、飼料事業の平均販売価格や販売量が前期を上回ったことなどにより、25.9%の増収となりました。営業利益は、資源・エネルギー価格高騰による製造コストの増加や販売費及び一般管理費の増加などにより59.6%の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に貸倒引当金繰入額を計上したことなどにより減益幅が拡大し、74.2%の減益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(飼料)
売上高は、畜産飼料の平均販売価格、販売量ともに前期を上回ったため、前期比26.7%増の2,297億7百万円となりました。セグメント利益は、前期比88.8%減の4億63百万円となりました。畜産飼料は、採卵鶏用飼料やブロイラー用飼料の拡販を果たし、販売面は堅調に推移したものの、資源・エネルギー価格高騰による製造コストの増加、飼料価格安定基金負担金単価の上昇による販売費及び一般管理費の増加や貸倒引当金繰入額を特別損失に計上したことなどにより、減益となりました。また、水産飼料は、主原料の魚粉価格高騰やウナギ・ブリの稚魚の導入量が減少して競争が激化したことによる利益率低下などにより、業績が悪化しました。
(その他)
売上高は、前期比14.2%増の137億68百万円、セグメント利益は、前期比9.2%増の9億60百万円となりました。畜産用機器事業は販売台数が増加したものの、資材価格の高騰や費用の増加、為替差損の発生により減益となりました。肥料は販売量が伸び悩んだものの利益率の改善により、また鶏卵販売は特殊卵の販売量の増加により、増益を確保しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、19億53百万円となりました。当連結会計年度における資金の減少は27億88百万円でありました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は64億78百万円(前期比40億12百万円増加)となりました。主な資金獲得の要因は税金等調整前当期純利益10億85百万円、減価償却費30億21百万円、仕入債務の増加24億53百万円であります。一方、主な資金使用の要因は売上債権の増加94億3百万円、棚卸資産の増加40億95百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は35億62百万円(前期は4億68百万円の資金獲得)となりました。主な資金使用の要因は固定資産の取得による支出36億9百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は72億42百万円(前期は50億28百万円の資金使用)となりました。主な資金獲得の要因は借入金の増加が純額で82億50百万円であります。一方、主な資金使用の要因は配当金の支払額10億7百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
飼料 |
228,782 |
128.3 |
合計 |
228,782 |
128.3 |
(注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2. 上記以外、その他において肥料の生産がありますが、僅少のため省略しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 |
受注残高 |
||
金額(百万円) |
前期比(%) |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
その他 |
2,640 |
104.7 |
392 |
69.3 |
(注)受注生産を行っているのは畜産用機器のみであります。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
飼料 |
229,707 |
26.7 |
報告セグメント計 |
229,707 |
26.7 |
その他 |
13,768 |
14.2 |
合計 |
243,476 |
25.9 |
(注)1. セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
伊藤忠飼料株式会社 |
24,780 |
12.81 |
25,243 |
10.37 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、飼料事業の平均販売価格や販売量が前期を上回ったことなどにより、前期比25.9%の増収となりました。営業利益は、畜産用配合飼料における飼料価格安定基金負担金の増加やエネルギー価格高騰による費用増加、水産用配合飼料の利益減少などにより、59.6%の減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、畜産用配合飼料における原料ポジションがあります。配合飼料は、その飼料原料の90%以上を輸入穀物によって生産しております。穀物相場は、世界的な人口増加や新興国の急速な経済成長による需給バランスの変化や生産国の在庫率、世界経済の動向等により近年大きく変化しております。このように飼料における原料コストは穀物相場によって大きく影響を受けます。また輸入穀物のため為替、船運賃等の動きにも影響を受けます。これらの原料コストの変動に伴う対応として飼料業界では飼料販売価格の改定を四半期毎に行っておりますが、飼料販売価格の変動幅と原料コストの変動幅の乖離によって、原料ポジションが改善したり悪化したりします。また、飼料販売価格の変動による畜産経営への影響を緩和するために、配合飼料価格安定制度があります。同制度により、配合飼料メーカーが負担する飼料価格安定基金負担金の増減が当社の損益に大きく影響を及ぼします。
セグメントごとについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動の結果使用した資金は64億78百万円、投資活動の結果使用した資金は35億62百万円となりました。また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備資金を自己資金及び借入により調達することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。