売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E30728 Japan GAAP

売上高

3,079.1億 円

前期

2,432.0億 円

前期比

126.6%

時価総額

381.3億 円

株価

991 (04/24)

発行済株式数

38,477,128

EPS(実績)

26.77 円

PER(実績)

37.02 倍

平均給与

668.0万 円

前期

682.5万 円

前期比

97.9%

平均年齢(勤続年数)

40.2歳(16.1年)

従業員数

513人(連結:910人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、提出会社、その他の関係会社1社、子会社20社(全て連結子会社)及び関連会社14社(全て持分法適用関連会社)で構成されております(2023年3月31日現在)。飼料事業として配合飼料の製造・販売、食品事業として豚などの飼育・仕入・販売及び食肉・加工品の仕入・販売、鶏卵の仕入・生産・加工・販売、水産物の仕入・販売等、その他の事業活動を展開しております。

 当社グループの事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。

 

・飼料事業……製品については、当社が製造するほか、連結子会社の苫小牧飼料㈱、東北飼料㈱、志布志飼料㈱、関連会社の釧路飼料㈱、仙台飼料㈱、鹿島飼料㈱、平成飼料㈱、八代飼料㈱及び他社へ製造委託しております。また、関連会社の門司港サイロ㈱に配合飼料の原料を寄託しております。製品販売は、当社が直接、又は連結子会社の北海道フィードワン販売㈱、八戸フィードワン販売㈱、岩手フィードワン販売㈱、鹿島フィードワン販売㈱、東海フィードワン販売㈱、北九州フィードワン販売㈱、南九州フィードワン販売㈱、関連会社の道北協同飼料販売㈱、㈱北海道サンフーズ及びその他特約店等を通して、一般得意先、あるいは連結子会社の㈱第一原種農場、㈱南部ファーム、㈲いわき中央牧場、㈲グリーンファームソーゴ、南洋漁業㈱、関連会社の㈱美保野ポーク、㈲東北グローイング、極洋フィードワンマリン㈱への販売を行っております。また、国外において、関連会社のKYODO SOJITZ FEED COMPANY LIMITED(ベトナム)、NIPPAI SHALIMAR FEEDS PRIVATE LIMITED(インド)は飼料の製造・販売を行っております。

なお、その他の関係会社の三井物産㈱からは、原料を購入し同社に対し製品を販売しております。

関連会社のマルイ飼料㈱とは、配合飼料の製造に関し業務提携しております。

 

・食品事業

畜産事業関連……連結子会社の㈱第一原種農場、㈱南部ファーム、関連会社の㈱美保野ポークが豚の生産・販売を行っております。

また、連結子会社の㈲グリーンファームソーゴが鶏卵の生産・販売を行うほか、関連会社の㈲東北グローイングが雛の生産・販売を行っております。

 

畜産物事業関連…当社は、畜産物の仕入・加工・販売を行っております。

連結子会社のマジックパール㈱、フィード・ワンフーズ㈱、㈱横浜ミート、ゴールドエッグ㈱は、畜産物の仕入・加工・販売を行っております。

 

水産物事業関連…当社は、水産物の仕入・販売等を行っております。

関連会社の極洋フィードワンマリン㈱がクロマグロの養殖及び販売を行っております。

 

・その他………当社は、畜水産機材及び不動産賃貸等の事業を行っております。連結子会社の南洋漁業㈱が当社の配合飼料の研究目的で海水魚の養殖事業を、連結子会社の㈲いわき中央牧場が当社の配合飼料の研究目的で酪農事業を行っております。また、連結子会社の空知管理サービス㈱が不動産の賃貸・管理を行っております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/06/23

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動正常化に向けた動きが進展しました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等による世界的なエネルギー・原材料価格の上昇や各国の金融政策の転換による金融資本市場の変動、それらに付随する物価の上昇、欧米の金融機関の破綻等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

飼料業界におきましては、主原料であるとうもろこし価格は、原油価格の高騰によるエタノール向け需要の回復から価格が上昇していた中で、ロシア・ウクライナ情勢による世界的な穀物の供給不安により、年間を通じて歴史的な高値圏で推移しました。加えて、円安の進行により主原料を始めとする多くの原材料の国内価格は前年同期を大きく上回っております。

畜産物につきましては、豚肉相場は、国内出荷頭数の減少と輸入豚肉の現地相場高止まりによる割高感及び北米積出港の港湾ストライキ等の不安定さから国産豚肉需要は依然として高く、前年同期を上回って推移しております。鶏卵相場は、生産コスト高騰による餌付け羽数が減少していた中で、全国的な鳥インフルエンザの拡大が止まらず、供給量が減少したことから、前年同期を大きく上回って推移しております。牛肉相場は、物価上昇の中で消費者の生活防衛意識が一層高まり、牛肉への需要が減少したことで、前年同期を下回って推移しております。

こうした環境にあって、当社グループは3ヶ年の中期経営計画の達成に向けて、原料調達の多様化・生産体制の合理化、畜産・水産生産者へ供給する製品の品質向上及び生産成績改善につながるサービス提供等の取り組みを進めてまいりました。

当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は3,079億1千1百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益は14億2千2百万円(前年同期比66.9%減)、経常利益は17億1千1百万円(前年同期比66.2%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億3千万円(前年同期比71.8%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。

 

(飼料事業)

 飼料事業では、畜産・水産飼料の販売数量が前年同期を上回り、平均販売価格についても大幅に上昇したこと等から、売上高は2,640億7千3百万円(前年同期比29.8%増)となりました。営業利益は、とうもろこしや魚粉等の原材料価格の大幅な上昇に加え、飼料価格安定基金負担金の増額、燃料費や物流費の高騰等の影響により製造原価や販売費及び一般管理費が増加し、39億2千5百万円(前年同期比39.9%減)となりました。

 

(食品事業)

 食品事業では、豚肉相場が期初より高値圏で推移しており、鶏卵相場についても鳥インフルエンザの影響で急騰したこと等から、売上高は413億3千4百万円(前年同期比10.6%増)となりました。しかしながら、豚肉・鶏卵相場高騰の影響により食品関係子会社の仕入コストが増加したことに加え、畜産飼料価格の上昇により農場関係子会社の生産コストについても増加したこと等から、3億6千9百万円の営業損失(前年同期は5千2百万円の営業損失)となりました。

 

(その他)

 特約店、畜産・水産生産者への畜水産機材等の販売の結果、売上高は25億3百万円(前年同期比2.7%増)となり、営業利益は2億6千6百万円(前年同期比6.8%減)となりました。

 

 

 財政状態の状況は、次のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、現金及び預金の増加、畜産・水産飼料の平均販売価格の上昇による売上債権の増加、原材料価格の上昇による棚卸資産の増加等により1,279億1千3百万円(前期末比17.9%増)となりました。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は、原材料価格の上昇による仕入債務の増加、運転資金需要に対応するための借入金の増加等により825億9千8百万円(前期末比29.7%増)となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加、その他の包括利益累計額の増加等により453億1千4百万円(前期末比1.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ38億7千7百万円増加し、当連結会計年度末には73億2千2百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等による資金の増加があったものの、運転資金需要の大幅な増加による資金の減少が上回り、78億1千6百万円の支出(前年同期は27億4千万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却等による資金の増加があったものの、有形及び無形固定資産の取得等による資金の減少が上回り、11億8千7百万円の支出(前年同期は9億5千2百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等による資金の減少があったものの、運転資金需要に対応するための借入金の増加等による資金の増加が上回り、128億8千1百万円の収入(前年同期は11億7千4百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産及び仕入高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

245,867

132.9

食品事業

38,895

112.4

報告セグメント計

284,762

129.6

その他

2,400

108.6

合計

287,162

129.4

(注)1 金額は製造原価及び仕入高の金額によっております。

2 セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

 

b.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

264,073

129.8

食品事業

41,334

110.6

報告セグメント計

305,408

126.8

その他

2,503

102.7

合計

307,911

126.6

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対して100分の10を超える相手先がありませんので、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、畜産飼料、水産飼料、食品事業、海外事業を4本柱とする収益の最大化を目指していく中で、連結経常利益62億円を最終年度とする3ヶ年(2021年度~2023年度)の「第3次中期経営計画」を策定し原料調達・生産体制の強化、畜産・水産生産者の皆様に供給する製品の品質・サービスの向上、コスト低減などの取り組みを継続して進めております。

 当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,079億1千1百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益14億2千2百万円(前年同期比66.9%減)、経常利益17億1千1百万円(前年同期比66.2%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は10億3千万円(前年同期比71.8%減)となりました。

 

 当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因は、次のとおりであります。

 当社グループにて製造・販売する配合飼料の主原料(とうもろこし等)の多くは海外からの調達に頼っているため、米国等の産地での作付面積・天候変動による収穫量の増減、先物相場における投機筋の動向、中国での使用量増加に伴う輸入量の増加、原料産地における地政学的リスク、海上運賃の変動等は、原料コストに大幅な変動を与える可能性があります。

 また、為替相場の急激な変動が調達コストに反映され、経営成績に重要な影響を及ぼします。このため為替予約を行い、影響を最小限に止める努力をしておりますが、計画された原料コストによる調達ができない可能性があります。

 当社グループは、連結子会社及び関連会社に畜産物、養殖魚の生産会社を有しております。畜水産物相場が大幅に変動した場合や、疾病等の発生により生産物の出荷停止や大量廃棄を余儀なくされる場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社グループの主要な製品である配合飼料の販売先は畜産・水産生産者であり、飼料価格の急激な上昇や畜水産物相場の極端な低迷に伴う経営悪化により、債権回収面に問題が発生する可能性もあります。

 当社は配合飼料製造業者として、配合飼料価格安定制度に携わっております。同制度において配合飼料製造業者として負担する積立金の大幅な増減は、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 畜水産業界を取り巻く環境は、食の安心安全についての法制度の見直しが進められておりますが、このような状況下、生産コストの上昇を伴う法令等の改正があった場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、農業政策が変更された場合等により、当社グループの中核となる飼料事業を取り巻く環境が変化した場合には、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループはこれらの状況を踏まえ、各部門にて現状把握と将来予測による戦略プランの立案・実行に努めるとともに、グループ戦略会議を実施しております。また、当社グループ内で発生した問題に対し組織単位レベルで対策を検討・実施しており、グループ全体における経営活動の更なる改善・向上を目指しております。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

(飼料事業)

 飼料事業では、畜産・水産飼料の販売数量は前年同期を上回り、平均販売価格も前年を大きく上回ったことから増収となりました。一方、損益面においては、原材料価格や燃料費の高騰による製造原価の増加、物流費や飼料価格安定基金負担金の増加等による販売費及び一般管理費の大幅な増加から減益となりました。

 そのような環境の中で当社グループは、工場への生産設備増強等を実施し顧客ニーズを捉えた製品の供給により他社との差別化を図ってまいります。

 

(食品事業)

 食品事業では、食肉においては豚肉相場が高値圏で推移したこと、鶏卵においても鳥インフルエンザの影響により鶏卵相場が高騰したことにより増収となりました。一方で豚肉・鶏卵相場高騰の影響により、食品関係子会社の仕入コストが増加したことに加え、畜産飼料価格の上昇により農場関係子会社の生産コストも増加したこと等から減益となりました。

 そのような環境の中で当社グループは、収益の4本柱の一つである食品事業の更なる成長と効率化による収益拡大を実現するため、引き続き付加価値商材の販売拡大を目的とした設備投資の実施による増産体制構築、防疫管理及び安全衛生管理の徹底と生産の効率化に取り組んでまいります。

 

(その他)

 その他では、畜水産機材等の販売において、資材等の高騰により増収となったものの、仕入原価の上昇が上回ったことから減益となりました。

 

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況は、次のとおりであります。

 当社グループは、経常利益を重要な指標として位置づけております。2022年度の経常利益は17億1千1百万円となり、第3次中期経営計画における2022年度の計画値58億円を大きく下回る結果となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社グループの主な資金需要は、飼料事業における配合飼料の製造・販売、食品事業における豚などの飼育・仕入・販売及び食肉・加工品の仕入・販売、鶏卵の仕入・生産・加工・販売、水産物の仕入・販売等のための営業費用並びに設備の新設・更新・合理化工事等の投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。

 なお、当社は、2018年3月に総額65億円のタームローン契約、2022年8月に総額100億円のシンジケートローン形式のサステナビリティ・リンク・ローン契約をそれぞれ締結しております。本契約締結により、借入条件と窓口を一本化し、資金調達の機動性及び安定性を確保することを目的としております。

 また、当社は、2022年8月に総額100億円のシンジケートローン形式のコミットメントライン契約を締結しております。本契約締結により、外部要因による資金需要の増加に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保して事業の安定性と財務の健全性向上を図ることを目的としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。