E00361 Japan GAAP
前期
251.3億 円
前期比
111.2%
株価
268 (04/26)
発行済株式数
35,000,000
EPS(実績)
14.23 円
PER(実績)
18.84 倍
前期
706.6万 円
前期比
94.9%
平均年齢(勤続年数)
42.4歳(16.7年)
従業員数
44人(連結:77人)
当社グループは、当社、子会社2社及び関連会社4社により構成されており、砂糖事業・バイオ事業を主な事業としております。
当社グループ各社の事業に係る位置付けは、次のとおりであります。
上記の事項を事業系統図で示すと、次のとおりであります。
(注)※1 連結子会社
※2 関連会社で持分法適用会社
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナとの共生が進展する中で、各種政策の効果もあり、個人消費やインバウンド需要にも回復の動きがみられました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化から、エネルギー価格や原材料価格は高止まりし、さらには米国の政策金利引上げ等による大幅な為替変動など、先行きに対する不透明感が一層増している状況にあります。
このような環境の中で、当社及び当社グループはお客様、地域社会、関係取引先、従業員及びその家族の安全と健康を確保することを最優先に、生活必需品である砂糖や、オリゴ糖をはじめとした機能性素材等の製品を、非常時においても安定して消費者の皆様にお届けすることを第一義に考え、お客様のおなかの健康に貢献する「おなかにやさしい会社」として、砂糖事業及びバイオ事業の計画達成に向けて全力で取り組んでまいりました結果、当期の業績は以下のとおりとなりました。
ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限、1ポンド当たり)が19.42セントで取引を開始した海外原糖市況は、原油価格の高騰を受けた砂糖主要生産国ブラジルでのさとうきびを原料とするエタノール生産比率の上昇観測やインドやタイにおける多雨によるさとうきび圧搾作業の遅延等が、砂糖の供給不足懸念を招き、相場は終始20セント前後の高値圏で推移しました。2月には3月限納会日に2016年以来となる22.36セントの高値をつけ、結局22.25セントで当期を終了しました。
国内市中価格(日本経済新聞掲載、上白大袋1kg当たり)は、期初204円~205円で始まり、海外粗糖相場の高騰や海上運賃の上昇、急激な円安の影響を受けた結果、8月上旬に216円~217円に値を上げました。さらに2月中旬には、227円~229円に値を上げ同水準のまま当期を終了しました。
精糖及びその他糖類など国内販売のうち、家庭用製品では需要の減少傾向から伸び悩み、量販店における特売の減少等の影響も受け低調に推移しました。業務用製品については人流回復により外食産業向けや土産品等向けが復調、飲料向けユーザーへの販売も好調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。
この結果、当期における砂糖事業全体の売上高は26,105百万円(前連結会計年度比12.3%増)、原材料コスト等の上昇に伴いセグメント利益は1,238百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
オリゴ糖部門では、整腸に対する消費者ニーズの高まりを受け、各種販促活動を強化し、新規獲得も含め拡販に努めました。この結果、「オリゴのおかげ」シリーズでは大容量タイプの売上が伸長しましたが、前期においてオリゴ糖が人気TV番組で紹介されたことによる特需への反動があったことから、売上高は前年同期を下回りました。
ビーツ部門は、広告宣伝活動に注力し積極的な販促活動を行いました結果、ドリンクタイプはECサイトでの販売を中心に着実に伸張しております。
この結果、バイオ事業全体の売上高は1,790百万円(前連結会計年度比2.3%減)、セグメント利益は424百万円(前連結会計年度比13.7%減)となりました。
その他の事業につきましては、ニューESRビル事務所の一部賃貸等を行い、所有不動産の活用に努めました結果、売上高は134百万円(前連結会計年度比0.7%増)、セグメント利益は61百万円(前連結会計年度比3.2%増)となりました。
以上の結果、当期の売上高は27,950百万円(前連結会計年度比11.2%増)、営業利益は622百万円(前連結会計年度比22.8%減)、経常利益は731百万円(前連結会計年度比19.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は498百万円(前連結会計年度比18.3%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて1,320百万円減少し、2,212百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、447百万円(前連結会計年度比634百万円の減少)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益731百万円、減価償却費630百万円による資金の増加があった一方で、棚卸資産の増加691百万円、法人税等の支払246百万円による資金の減少があったことによるものであります。
投資活動の結果支出した資金は、374百万円(前連結会計年度は711百万円の資金支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出297百万円、投資有価証券の取得による支出1百万円による資金の減少があったことによるものであります。
財務活動の結果支出した資金は、1,395百万円(前連結会計年度は1,738百万円の資金支出)となりました。
これは主に、借入金の純減額1,258百万円による資金の減少があった一方で、配当金の支払136百万円による資金の減少があったことによるものであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は11,828百万円となっております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な判断に基づき、会計上の見積りを行なっております。実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される見積もりと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、先行き不透明な状況が続いており、収束時期等を確実に予測することは困難な状況にありますが、会計上の見積りにおいては、将来の事業に対する重要な影響はないと仮定しております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測等・仮定とは異なる可能性があります。当社グループでは、将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測等・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)退職給付に係る負債」に記載のとおりであります。
減損の適用においては、減損会計適用資産の特定とグルーピングを行った後、減損の兆候判定を行います。
当社グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減額する会計処理を適用しております。
同会計処理の適用に当たっては、営業活動から生ずる損益の継続的低下や地価の著しい下落等によって減損の兆候が見られる場合に減損の有無を検討しております。減損の検討には将来キャッシュ・フローの見積額を用いており、減損の認識が必要と判断された場合には、帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を減損しております。なお、回収可能価額は将来キャッシュ・フローの見積額の現在価値、又は正味売却価額のいずれか高い金額によって決定しております。
将来の営業活動から生ずる損益の悪化、使用範囲又は方法についての変更、経営環境の著しい悪化、市場価格の著しい下落等により減損の認識が必要となった場合、また、見積りの前提条件の変更等により将来キャッシュ・フローの見積額が減少することとなった場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて236百万円減少し、25,877百万円となりました。
これは主に、現金及び預金1,320百万円の減少した一方で、受取手形及び売掛金286百万円、商品及び製品93百万円、原材料及び貯蔵品544百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて886百万円減少し、14,849百万円となりました。
これは主に、有利子負債1,248百万円の減少によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて649百万円増加し、11,028百万円となりました。
これは主に、利益剰余金348百万円の増加、その他有価証券評価差額金301百万円の増加であります。
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載いたしました当社グループを取り巻く環境の他、今後の見通しにつきましては、当社事業は新型コロナウイルス感染症の影響に左右されるものの、感染症法上の分類が5類へ移行されることに伴い全般的な経済活動は正常化に向かいつつ、景気の持ち直しが期待されております。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格や原材料価格の高騰は当面避けられず、当社及び当業界を取り巻く環境は厳しく、予断を許さない状況が続くものと予想されます。
かかる環境の下、当社及び当社グループは、国民の生活を支える基礎的食品である砂糖や、オリゴ糖をはじめ健康付加価値のある機能性素材等を、消費者の皆様に安定してお届けすることを第一義とし、たとえ未曾有の災禍にあっても、生産・供給体制の継続に最大限注力するとともに、各事業の安定を期す為の万全の体制を敷き、生産・販売・物流等サプライチェーン全般において、役職員一体となって、その供給責任を果たしてまいります。
また、お客さまのおなかの健康に貢献する「おなかにやさしい会社」を中長期的な経営ビジョンと位置付け、以下の各事業を推進してまいります。
a.砂糖事業
砂糖事業につきましては、砂糖需要が漸減傾向にある要因として、砂糖への根強い誤解と砂糖制度の不均衡に起因する砂糖以外の甘味料(異性化糖、加糖調製品、高甘味度甘味料等)の市場拡大が挙げられます。この問題に対し、消費者の皆様へ砂糖の機能特性に対する理解を深めるべく啓蒙活動に注力するとともに、国産糖・輸入糖・異性化糖・加糖調製品・高甘味度甘味料等すべての甘味製品についてその現状を明確にし、新たな総合甘味制度の確立に向け、行政・国産糖従事者・精糖及び他甘味業界が互いに連携し取り組んでいくべく、当業界一体となって声を挙げ、より一層厳しく対処してまいります。また、政府の食料安定供給に関する指針に沿い、非常時においても安全安心な製品を安定的に供給することが食品会社に課せられた使命であるとの認識の下、品質管理および危機管理体制の強化、環境変化にも適応した事業体制の構築と経営基盤の更なる強化に努めてまいります。とりわけ、気候変動等による原料価格やエネルギー価格の高騰の影響が顕著となっておりますが、次期につきましても適正な価格での原糖買付、製造コストの低減に一層努めてまいります。
b.オリゴ糖事業
バイオ事業につきましては、オリゴ糖部門では、「オリゴのおかげ」シリーズが前期のTV特需の反動から販売数量は落ち着きを見せたものの、ヘビーユーザー向け大容量タイプの需要が高まるなど一定の販売数量を確保しました。自然由来の安全安心な、少量でも整腸効果が期待できる乳糖果糖オリゴ糖「オリゴのおかげ」を、免疫力の大切さが再認識されている今こそ、改めて他社製品との差別化を図るべく幅広いメディアを積極的に活用し、一層の業容拡大に努めてまいります。
c.その他バイオ事業
ビーツ部門につきましては、本格的な事業化に向け、第一弾として発売した「ビーツドリンク」、さらには「ドライビーツチップ」を主軸に、ECサイトでの販売を中心に拡販に努めてまいります。また、RED BEETシリーズとして、料理に毎日手軽にとりいれやすいをコンセプトに商品ラインナップの拡充にも引き続き取り組み、ビーツの国内認知度向上に注力してまいります。
サイクロデキストリン部門につきましては、一層の技術改善等を行い、事業推進に努めてまいります。
d.新商品開発
新商品開発につきましては、消費者の皆さまのライフスタイルの変化や嗜好の多様化に柔軟に対応すべく、開発から販売まで一貫した新商品新規事業体制をより一層推進するとともに、当社の原点である「砂糖」の様々な機能(保水、防腐、酸化防止等)に着目し、化粧品等、食品以外の用途も含めた高付加価値分野の開発、商品化・事業化に全力を注いでまいります。
e.大東製糖株式会社との業務提携について
2022年11月10日に、「素焚糖(すだきとう)」で知られる大東製糖株式会社が当社の筆頭株主となるとともに、両社業務提携の検討を開始する旨、お知らせいたしました。その後、業務提携委員会を設置し、両社間において協議してまいりました結果、同社と業務提携契約を締結することとなりました。
世界的気候変動や、ウクライナ情勢を始めとした地政学リスクの高まりに加え、砂糖の価格調整制度の構造的な歪みがもたらす過重な調整金負担等により、砂糖業界はこれまでにない変革を迫られております。大手メーカーによる再編合理化が進む中、両社といたしましても未来に向けた新たな取り組みを進めていくべきと考えております。
両社の特色・強みを活かし、シナジーを最大限に生み出すべく、販売体制強化、食品加工・化学分野への新たな事業展開、さとうの未来を創る社会貢献活動を中心に事業推進に努めてまいります。