E00491 Japan GAAP
前期
633.0億 円
前期比
116.6%
株価
2,036 (01/10)
発行済株式数
22,689,000
EPS(実績)
7.93 円
PER(実績)
256.64 倍
前期
539.3万 円
前期比
102.1%
平均年齢(勤続年数)
42.5歳(18.1年)
従業員数
655人(連結:940人)
当社グループは、連結子会社13社、関連会社4社により構成されております。
当社グループが営んでいるセグメントの内容と、グループ各社の位置づけは次のとおりであります。
<コーヒー関連事業>
当社が営んでいる事業で、コーヒー製品等を消費者、飲食店及び食品問屋、飲料メーカー等に販売しております。
<飲食関連事業>
株式会社イタリアントマトは、飲食店事業及び洋菓子等の販売を国内外に展開しております。
株式会社アマンドは、飲食店事業及び洋菓子等の販売を営んでおります。
<その他>
ニック食品株式会社は、飲料を中心とした食品の製造及び受託加工を行い、飲料販売会社等に販売を行っております。
キーコーヒーコミュニケーションズ株式会社は、オフィスサービス事業及び通販事業を営んでおります。
株式会社キョーエイコーポレーションは、運送物流事業を営んでおります。
キーアソシエイツ株式会社は、当社グループの保険代理店事業を営んでおります。
スラウェシ興産株式会社は、インドネシア共和国よりコーヒー生豆を輸入し、当社に販売しております。
なお、インドネシア共和国におけるコーヒー農園経営及びコーヒー生豆の集買・精選は、スラウェシ興産株式会社の連結子会社であるPT.TOARCO JAYAが行っております。
honu加藤珈琲店株式会社は、コーヒー製品等の通販事業を営んでおります。
台湾キーコーヒー株式会社は、コーヒー製品等の販売及び直営店舗の運営を行っております。
事業の系統図及び主要な会社名は、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類変更等により経済活動の正常化が一層進み、景気は緩やかな回復傾向にありました。一方で、物価の上昇や海外景気の下振れリスクなどもあり依然として先行きは不透明な状況が続いております。
コーヒー業界におきましては、国内のコーヒー消費量は前年を下回ったものの、業務用市場の消費量が新型コロナウイルス感染症の行動制限解除による人流の活発化や訪日客の回復等により伸長を続けるとともに、家庭用市場の消費量においては店頭価格の引き上げがある中、前連結会計年度と同水準で推移しました。
業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、コーヒー先物市場の認証在庫量の低位推移やロブスタ種最大の生産国ベトナムの天候不順による減産などにより大幅に上昇しました。また、中東の紛争発生を受けた海上運賃の値上がりや為替相場の円安基調継続により、コーヒー生豆調達価格は高値で推移しました。加えて、資材費の上昇などからコーヒー製造コストは増加しており、厳しい経営環境が続きました。
このような状況の下、当社は「コーヒーを究めよう。お客様を見つめよう。そして心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう。」という企業理念を果たすため、長年にわたり培った「品質第一主義」のもと、「事業構造の改革」、「収益力強化」及び「グループ総合力強化」を3つの柱とし、新たな需要の創出や生活者のニーズにお応えする商品開発、お取引先の業績に寄与する企画提案型の営業活動を推進してまいりました。
「事業構造の改革」については、営業活動及び管理業務のDX推進、環境配慮型の資材採用を拡大並びに製造ラインのロボティクス化による省人化などを実施しました。また、物流の2024年問題に関して物流を効率化するための活動、基幹系システムや生産管理システムの刷新に向けた取り組みを継続しました。
「収益力強化」については、付加価値の高い商品の販売数量増量、工場の製造効率化及び主力商品の製造拠点や物流拠点の見直しによるコスト低減を実施しました。また、家庭用商品の主要ブランドについてリブランディングを行いました。
「グループ総合力強化」については、グループ全体におけるサステナビリティ関連方針に基づいた活動を推進し、グループ会社と連携した持続可能なコーヒー生産の実現に向けた幅広い取り組みを強化しました。
当社は従前から環境配慮や人権尊重に取り組んでおり、前年度には2030年を見据えた新メッセージ「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を制定し、喫茶文化の継承と持続可能なコーヒー生産の実現を目指すために「コーヒーの未来部」を創設し、さらに本年度は「サステナビリティ推進室」の新設によりサステナビリティに関する施策をより広範に推進しております。また、人的資本経営に資する部署として「人財開発課」を新設し、併せて全社横断で人選した「ウェルビーイングプロジェクトチーム」を立ち上げ、従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進に取り組んでおります。
これらの取り組みの結果、業績につきましては主力のコーヒー関連事業他、各事業で前連結会計年度に引き続き増収となり、営業利益は原価率が上昇したものの販売促進費の抑制などにより増益となりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は738億円(前連結会計年度比16.6%増)、営業利益は7億64百万円(前連結会計年度比212.4%増)、経常利益は8億67百万円(前連結会計年度比148.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億80百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。
<連結経営成績>
(単位:百万円)
セグメントの営業概況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)調整額は主に、セグメント間取引消去、棚卸資産の調整額、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(コーヒー関連事業)
業務用市場では、デジタルツール活用による顧客管理強化やWEB活用による受注自動化の他、売掛金回収業務の効率化などに取り組みました。また、トアルコ トラジャや氷温熟成珈琲など差別性の高いコーヒーの販売を推進するとともに、酒類他業務用食材の取り扱いアイテム強化による拡販を行いました。
お取引先の活性化策としては、世界中の品質の優れたコーヒーを提供する月間企画などの提案やコーヒーインストラクターによるコーヒーセミナーの実施、昨年に続き業務用食材の展示提案会を開催しました。
カフェ開業支援の施策として取り組む様々な立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は4店舗新規出店となりましたが、8店舗の閉店があり導入店舗数は68店舗となりました。
売上につきましては、新型コロナウイルス感染症の分類変更による人流の活性化などによりお取引先へのコーヒー及び業務用食材の販売量が増加し、前連結会計年度に比べ大幅な増収となりました。
家庭用市場では、デジタルツール活用による顧客へのプレゼン力の強化及び情報共有化、新規カテゴリー商品としてライオンコーヒー(フレーバーコーヒー)や堀田勝太郎(煎茶ティーバッグ)を販売並びに物流ロット及びリードタイムの改善などに取り組みました。
商品展開では、春夏商品として発売45周年を機に「トアルコ トラジャ」シリーズを全面リニューアルするとともにお客様の声を反映した「期間限定」商品を、ドリップ オンとインスタントコーヒーで発売しました。秋冬商品では主要ブランドレギュラーコーヒー「PREMIUM STAGE(プレミアムステージ)」を次世代に続くブランドへ成長させるため簡易抽出型コーヒー「ドリップ オン」シリーズ等も加えた新ブランド「KEY DOORS+(キードアーズプラス)」へリブランディングを実施し、新たな商品ラインアップ展開で20代から30代の若年層の開拓に取り組みました。
ギフト商品では、「ドリップ オン」シリーズをはじめ、中元期は「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」など全27アイテム、歳暮期には「トラジャ&氷温熟成 アロマフラッシュ缶」等様々な飲用シーンに応える贈り物として全20アイテムをラインアップしました。
売上につきましては、グランドテイストシリーズの積極的な販促活動の奏功等により前連結会計年度に比べ増収となりました。
原料用市場では、コーヒー相場連動の取引であり販売単価上昇により大幅な増収となりました。
コーヒー関連事業における営業利益は、コーヒー生豆調達価格や製造コストなどの増加もある中、各市場における売上伸長により前連結会計年度に比べ増益となりました。
この結果、当連結会計年度におけるコーヒー関連事業の売上高は656億90百万円(前連結会計年度比18.1%増)、営業利益は11億57百万円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。
(飲食関連事業)
株式会社イタリアントマトは、売上面では新型コロナウイルス感染症の分類変更もあり人流が回復する中、季節限定メニューの毎月投入、催事の開催等による来店客数の回復などにより前連結会計年度を大きく上回りました。利益面では売上状況の変化に応じた人員配置や食材の発注、管理を行うとともに、廃棄ロスの低減に取り組み、人件費、原材料費の適正化を推進しました。また、原材料調達価格や光熱費などのコスト上昇を受けた商品開発及び商品の価格改定を実施、付加価値の高いメニューの投入にも継続して取り組んだ結果、利益水準は大きく改善しました。同社店舗数は141店(直営店49店、FC店92店)となりました。
この結果、当連結会計年度における飲食関連事業の売上高は42億32百万円(前連結会計年度比9.2%増)、営業損失は14百万円(前連結会計年度は2億19百万円の営業損失)となりました。
(その他)
ニック食品株式会社は、売上面では業務用飲料製品等の受注数量が減少し前連結会計年度の実績に届かなかったものの、利益面では製造経費の圧縮や生産体制の見直し等の改善が図られたことにより大幅な増益となりました。
通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、売上原価、物流費などが前連結会計年度に比べ大幅に上昇する中、販売価格の引き上げや販売促進費の抑制により売上高及び利益の確保に努めた結果、減収、増益となりました。
この結果、当連結会計年度におけるその他事業の売上高は38億76百万円(前連結会計年度比1.5%増)、営業利益は2億41百万円(前連結会計年度比79.3%増)となりました。
(コーヒー相場:ICO複合指標価格)
当連結会計年度の生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 生産数量には外注支給を含んでおります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
(注) 数量には外注製造委託分の生豆が含まれております。
当社グループは販売計画に基づく見込生産を行っているため、受注生産はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去致しております。
2.主な相手先別の販売実績金額及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産の部は前連結会計年度末に比べ30億64百万円増加し、548億32百万円となりました。負債の部は26億22百万円増加し、238億61百万円となりました。純資産の部は4億41百万円増加し、309億71百万円となりました。
これらの主な要因は次のとおりです。
当連結会計年度末における流動資産の残高は364億73百万円となり、前連結会計年度末より19億69百万円増加となりました。これは主に、売掛金の増加(15億11百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(6億68百万円増)などによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産の残高は183億59百万円となり、前連結会計年度末より10億94百万円増加となりました。有形固定資産は主に減価償却が進んだことによる建物及び構築物の減少(1億30百万円減)、設備投資による機械装置及び運搬具の増加(3億44百万円増)、土地の減少(1億42百万円減)などにより88百万円増加しました。無形固定資産はその他の減少(2億23百万円減)などにより2億41百万円減少しました。投資その他の資産は投資有価証券の増加(10億81百万円増)などにより12億47百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は219億68百万円となり、前連結会計年度末より25億83百万円増加となりました。これは主に、短期借入金の増加(21億56百万円増)などによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は18億92百万円となり、前連結会計年度末より39百万円増加となりました。これは主に、繰延税金負債の増加(2億59百万円増)、退職給付に係る負債の減少(1億91百万円減)などによるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は309億71百万円となり、前連結会計年度末より4億41百万円増加となりました。これは主に、配当金の支払いによる減少(2億60百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益の増加(1億80百万円増)、その他有価証券評価差額金の増加(3億28百万円増)、退職給付に係る調整累計額の増加(1億76百万円増)などによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4億88百万円、減価償却費9億75百万円、売上債権の増加15億88百万円、未収消費税等の減少5億40百万円などにより、4億81百万円の収入となりました。(前連結会計年度は30億95百万円の支出)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出6億26百万円、有形固定資産の取得による支出9億70百万円などにより、16億89百万円の支出となりました。(前連結会計年度は9億73百万円の支出)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入れ21億47百万円、配当金の支払い2億60百万円、リース債務の返済による支出1億24百万円などにより、17億41百万円の収入となりました。(前連結会計年度は27億57百万円の収入)
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は46億67百万円となり、前連結会計年度末より5億47百万円の増加となりました。
当社グループの主要な運転資金需要は、原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修、店舗出店等に係る投資資金であります。
また今後、当社グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献する新規事業や業務提携等への投資の検討を行ってまいります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していきます。
資金の流動性については、当連結会計年度末現在において当社グループの現金及び預金残高は、46億67百万円であり、今後の営業活動によって確保されるキャッシュ・フローに加え、金融機関の当座貸越契約による融資枠を設けており、十分な流動性を確保しているものと考えております。
(5) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。