売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00491 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日までの9ヶ月間)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスが分類変更となったこと等により経済活動の正常化が進みました。一方で、資源価格の高止まりや円安の影響を受けた物価の上昇、世界的な金融引締め、中国経済の先行き懸念などもあり依然として先行きは不透明な状況で推移しました。

コーヒー業界におきましては、業務用市場の消費量が新型コロナウイルス感染症の行動制限解除による人流の活発化や訪日客の回復等により伸長を続けるとともに、家庭用市場の消費量においても店頭価格の引き上げもある中、前年同期並みで推移しました。

業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆調達価格は、コーヒー先物市場の認証在庫量の低位推移や中東の紛争発生を受けた海上輸送の懸念等からコーヒー生豆相場が上昇、為替相場も円安が継続し高値が続いています。また、資材費などの上昇からコーヒー製造コストは高止まりしており、厳しい経営環境が続きました。

このような状況の下、当社グループは「コーヒーを究めよう。お客様を見つめよう。そして心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう。」という企業理念を果たすため、長年にわたり培った「品質第一主義」のもと、「事業構造の改革」、「収益力の強化」及び「グループ総合力の強化」を3つの柱とし、新たな需要の創出や生活者のニーズにお応えする商品開発、お取引先の業績に寄与する企画提案型の営業活動を推進してまいりました。

また、当社は従前から環境配慮や人権尊重に取り組んでおり、前年度には2030年を見据えた新メッセージ「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を制定し、喫茶文化の継承と持続可能なコーヒー生産の実現を目指すために専門部署「コーヒーの未来部」を創設し、更に本年度は「サステナビリティ推進室」の新設によりサステナビリティに関する施策をより広範に推進しております。

当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は568億96百万円(前年同期比20.1%増)、営業利益は13億43百万円(前年同期比55.0%増)、経常利益は14億59百万円前年同期比46.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億28百万円(前年同期比42.9%増)となりました。

 

<連結経営成績>                           (単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

前年増減

前年増減率

売    上    高

47,362

56,896

9,534

20.1%

営  業  利  益

866

1,343

476

55.0%

経  常  利  益

998

1,459

461

46.2%

親 会 社 株 主 に 帰 属

す る 四 半 期 純 利 益

719

1,028

308

42.9%

 

 

セグメントの営業概況は次のとおりであります。             

                   (単位:百万円)

事業区分

売上高

営業利益又は営業損失(△)

当第3四半期

前年増減

前年増減率

当第3四半期

前年増減

前年増減率

コーヒー関連事業

50,768

9,106

21.9

1,553

273

21.4

飲食関連事業

3,119

354

12.8

△36

146

その他

3,008

73

2.5

241

113

88.2

調整額

△415

△56

合  計

56,896

9,534

20.1

1,343

476

55.0

 

(注)調整額は主に、セグメント間取引消去、棚卸資産の調整額、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(コーヒー関連事業)

業務用市場では、デジタルツール導入による顧客管理強化やWEB活用による受注自動化の他、売掛金回収業務の効率化などに取り組みました。また、トアルコ トラジャや氷温熟成珈琲など差別性の高いコーヒーの販売を推進するとともに、酒類他業務用食材の取り扱いアイテム強化による拡販を行いました。

お取引先の活性化策としては、世界中の品質の優れたコーヒーを提供する月間企画などの提案やコーヒーインストラクターが中心となったお取引先向けコーヒーセミナーの実施や昨年に続き2回目の業務用食材の展示説明会を開催しました。

カフェ開業支援の施策として取り組む様々な立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は4店出店となり、導入店舗数は71店舗となります。

売上につきましては、新型コロナウイルスの分類変更による人流の活性化などによりお取引先へのコーヒー及び業務用食材の販売量が増加し、前年同期に比べ大幅な増収となりました。

家庭用市場では、春夏商品として発売45周年を機に「トアルコ トラジャ」シリーズを全面リニューアルするとともにお客様の意見を反映した期間限定「ドリップ オン」や「インスタントコーヒー」などを発売しました。秋冬商品では主力ブランドレギュラーコーヒー「PREMIUM STAGE(プレミアムステージ)」を次世代に続くブランドへ成長させるため簡易抽出型コーヒー「ドリップ オン」シリーズ等も加えた新ブランド「KEY DOORS+(キードアーズプラス)」へリブランディングを実施し、新たな商品ラインアップ展開で20代から30代の若年層の開拓に取り組んでおります。

ギフト商品では、「ドリップ オン」シリーズをはじめ、中元期は「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」など全27アイテム、歳暮期には「トラジャ&氷温熟成 アロマフラッシュ缶」等様々な飲用シーンに応える贈り物として全20アイテムをラインアップしました。

売上につきましては、主力商品グランドテイストシリーズの積極的な販促活動の奏功等により前年同期に比べ増収となりました。

原料用市場では、コーヒー相場連動の取引であり販売単価上昇により大幅な増収となりました。

コーヒー関連事業における営業利益は、コーヒー生豆調達価格や製造コスト及び人件費や販売促進費などの増加もある中、各市場における売上伸長により前年同期に比べ増益となりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間におけるコーヒー関連事業の売上高は507億68百万円前年同期比21.9%増)、営業利益は15億53百万円前年同期比21.4%増)となりました。

(飲食関連事業)

 株式会社イタリアントマトは、売上面では新型コロナウイルス分類変更もあり人流が回復する中、季節限定メニューの毎月投入、催事の開催等による来店客数の回復などにより前年同期を大きく上回りました。利益面では売上状況の変化に応じた人員配置や食材の発注、管理を行うとともに、廃棄ロスの低減に取り組み、人件費、原材料費の適正化を推進しました。また、原材料調達価格や光熱費などのコスト上昇を受けた商品開発及び商品の価格改定を実施、付加価値の高いメニューの投入にも継続して取り組んだ結果、利益水準は大きく改善しました。同社店舗数は143店(直営店49店、FC店94店)となりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における飲食関連事業の売上高は31億19百万円前年同期比12.8%増)、営業損失は36百万円前年同期は1億82百万円の営業損失)となりました。

(その他)

ニック食品株式会社は、売上面では、外食需要の回復による業務用飲料製品を中心とした受注増が一巡し前年並みの実績となりましたが、利益面では、製造経費の圧縮や生産効率の向上により製品製造原価の抑制が図れ増益となりました。

通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、売上原価が前年同期に比べ大幅に上昇する中、販売価格の引き上げや販売促進費の更なる抑制により売上高及び利益の確保に努め、改善傾向にはありますが前年同期比では大幅な減収、減益となりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間におけるその他事業の売上高は30億8百万円前年同期比2.5%増)、営業利益は2億41百万円前年同期比88.2%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資 産)

総資産は前連結会計年度末に比べて54億95百万円増加し、572億64百万円となりました。

流動資産は46億51百万円増加し、391億55百万円となりました。これは現金及び預金の増加(8億80百万円増)、受取手形及び売掛金の増加(37億8百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(5億99百万円増)などによるものであります。

固定資産は8億43百万円増加し、181億8百万円となりました。有形固定資産は償却が進んだことにより25百万円減少しました。無形固定資産は1億76百万円増加し、投資その他の資産は投資有価証券の増加(8億24百万円増)などにより6億92百万円増加しました。

(負 債)

負債は前連結会計年度末に比べて45億69百万円増加し、258億7百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度末に比べて45億25百万円増加し、239億10百万円となりました。これは支払手形及び買掛金の増加(9億88百万円増)、短期借入金の増加(30億56百万円増)などによるものであります。

固定負債は43百万円増加し、18億96百万円となりました。これは繰延税金負債の増加(1億2百万円増)、退職給付に係る負債の減少(65百万円減)などによるものであります。

(純資産)

純資産は前連結会計年度末に比べて9億26百万円増加し、314億56百万円となりました。これは利益剰余金の増加(7億68百万円増)などによるものであります。

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億65百万円であり、主要な支出はコーヒー関連事業であります。

(6) 経営上の問題点と今後の取組みについて

当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」中の「対処すべき課題」について、重要な変更はありません。