E02925 Japan GAAP
前期
2,900.8億 円
前期比
118.7%
株価
2,799.5 (07/12)
発行済株式数
247,618,938
EPS(実績)
161.57 円
PER(実績)
17.33 倍
前期
402.4万 円
前期比
102.3%
平均年齢(勤続年数)
32.0歳(8.0年)
従業員数
3,859人(連結:6,261人)
当社グループは、株式会社エービーシー・マート(以下、「当社」という。)を企業集団の中核とし、連結子会社11社及び非連結子会社7社から構成されております。靴を中心とした商品の販売及び自社商品の企画開発を主たる事業としております。
当社は、国内において、全国各地に展開している小売店「ABC-MART」「ABC-MART GRAND STAGE」「ABC-MART SPORTS」等を通じて、靴を中心に、当社ブランド「HAWKINS」「Danner」「ABC Select」等の自社商品とナショナル・ブランド商品の販売を行い、市場のニーズやトレンドを取り入れた商品の提供をしております。また当社は、靴の企画・開発を自社で行っており、国内外の委託工場でこれらの商品を生産し、国内市場に供給しております。良質な商品を国内のマーケットニーズに即した適正な価格で提供できる仕組みを最大限に活かし、常にお客様に支持される商品づくりを志向しております。
海外におきましては、韓国で連結子会社ABC-MART KOREA,INC.が、台湾で連結子会社ABC-MART TAIWAN,INC.が、ベトナム社会主義共和国で連結子会社ABC-MART VIETNAM Co.,Ltd.が「ABC-MART」を運営しております。また米国では、連結子会社LaCrosse Footwear,Inc.を筆頭にLaCrosseグループが、自社ブランドである「Danner」「White's Boots」等の靴の企画・製造・販売を行っており、米国内で小売店「Danner」ストアを運営しております。
事業系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度(2023年3月1日から2024年2月29日まで)における事業環境は、コロナ禍から社会経済活動の正常化が本格化し、外国人旅行客の増加もあり、消費が急速に拡大しました。一方で、地政学的なリスクの高まりを背景に円安や物価の高騰が続いており、景気回復の減速が懸念されております。
シューズ業界におきましては、世界的なインフレの進行とインバウンド需要の高まりにより、コロナ禍に縮小したマーケットが回復基調で推移しました。消費動向としては、エネルギーや食料品等の価格上昇により、お客様の価格志向は消耗品と嗜好品とで二極化が進みましたが、トレンド商品としての靴は需要が増加傾向にあります。商品トレンドは、新作スニーカーを中心としたスポーツ系カジュアルに加え、旅行やレジャーなどアウトドア系ファッションの需要が拡大しております。
これらのことから、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
このような状況下、当社グループは、デジタルインフラの活用、グランドステージと複合業態店舗の拡大、スポーツシューズやスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応してまいりました。店舗展開につきましては、国内外合わせて79店舗の新規出店を行い、70店舗の改装を実施しました。当社グループの店舗数は、1,487店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は前期比18.7%増の3,441億97百万円となりました。利益面につきましては、都心部大型路面店の売上回復が寄与し、営業利益は前期比31.6%増の556億71百万円、連結営業利益率は16.2%となりました。経常利益は前期比33.4%増の578億34百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比32.2%増の400億9百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
販売戦略につきましては、昨秋以降、日本、韓国、台湾、ベトナムの4ヶ国で新作シューズを同時リリースするなど、プロモーション活動をグローバルに展開してまいりました。商品展開としては、著名アーティストとのコラボレーション企画による新作スニーカーやカジュアルシューズ、アパレルの販売に注力してまいりました。物価の高騰が続く中、セール時期にはお求めやすい価格帯の商品を取り揃えるなど、お客様のニーズに対応した取り組みを実施してまいりました。
店舗展開におきましては、郊外のショッピングセンターを中心に45店舗の新規出店を行いました。トレンドアイテムとスポーツアパレルの拡充を図るため、「GRAND STAGE」と「ABC-MART SPORTS」の出店を拡大いたしました。業態変更を目的としたスクラップアンドビルドと好立地への移転を実施したため、34店舗の閉店を行いました。これらの結果、期末の国内店舗数は1,095店舗となりました。既存店におきましては、増床改装を中心に55店舗の改装(うち35店舗は増床改装、27店舗は業態変更)を実施しました。「ABC-MART」や「ABC-MART SPORTS」など複数のバナーを一箇所に集めた複合業態店舗の出店拡大を積極的に進めてまいりました。これらの結果、当期末時点の「GRAND STAGE」は87店舗、また複合業態店舗は103店舗となりました。なお、当連結会計年度から連結の範囲に加わった株式会社オッシュマンズ・ジャパンが運営する「OSHMAN'S」は上記国内店舗数に含めております。当連結会計年度において、「OSHMAN'S」は5店舗出店、1店舗閉店、計14店舗となりました。衣料品の販売がメインの「OSHMAN'S」は「GRAND STAGE」とターゲット層が類似していることから、相互送客による売上拡大と業務効率による利益獲得を目的に「GRAND STAGE」と「OSHMAN'S」の同施設内における共同出店を進めております。当期末時点において8店舗展開しております。
国内店舗の営業状況につきましては、下期に入り、都心部の大型路面店の売上がコロナ前の水準にまで回復しました。通期の売上高増収率(通販含む。)につきましては、「OSHMAN'S」を除き、全店で前期比17.2%増、既存店で前期比16.8%増となりました。インバウンドの増加により、物価上昇下においても高単価スニーカーの販売が好調だったこととアパレル売上の伸長により、既存店の客単価が前期比8.8%上昇しました。オンライン販売については、デジタル売上高(実店舗におけるEC在庫の販売分を含む。)が前期比5.6%増となりました。
これらの結果、国内における売上高は前期比20.1%増の2,378億74百万円、セグメント利益は前期比30.6%増の457億25百万円となりました。
海外の店舗展開につきましては、韓国に22店舗、台湾に7店舗、米国に1店舗、ベトナムに4店舗、計34店舗の新規出店を行いました。期末店舗数(2023年12月31日現在)は、韓国316店舗、台湾63店舗、米国8店舗、ベトナム5店舗、計392店舗(閉店 韓国14店舗、台湾11店舗)となりました。
海外の業績につきましては、為替はいずれの通貨に対しても円安水準となりました。韓国につきましては、トレンドアイテムの販売が好調だったことから、売上高は前期比15.4%増の663億22百万円となりました。台湾につきましては、国内マーケットは競争が激しいものの国内需要の取り込みが堅調だったため、売上高は前期比18.8%増の117億57百万円となりました。米国につきましては、DTCとEコマース事業が好調だったことから、売上高は前期比13.0%増の292億29百万円となりました。ベトナムにつきましては連結業績へ与える影響は軽微であります。海外連結子会社はいずれも12月決算であります。
これらの結果、海外における売上高は前期比15.4%増の1,075億86百万円、セグメント利益は前期比37.0%増の98億93百万円となりました。
(販売実績)
品目別販売実績
(注)1 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。セグメント別の販売実績につきましては、「1 連結財務諸表等 注記事項(収益認識関係) 1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
2 当連結会計年度より、「ウェアその他」の金額的重要性が増したため、「その他」から別掲しております。
地域別売上実績
(注) 1 「その他」の売上高の主なものは、通信販売及び卸売上等によるものであります。
2 単位当たり国内店舗売上実績は以下のとおりであります。
(注) 1 平均売場面積は、店舗の稼働日数を基礎として算出しております。
2 平均従業員数は、アルバイト・契約社員を含み、役員を除いております。なお、アルバイト・契約社員は期中加重平均(1日8時間換算)で算出し、加算しております。
(仕入実績)
(注) 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。
流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ272億36百万円増加し、2,886億27百万円となりました。主な要因は、店舗売上の増加による現金及び預金の増加282億89百万円等によるものであります。
固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ42億48百万円増加し、987億8百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加20億11百万円及び敷金保証金の増加10億30百万円等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ8億5百万円増加し、456億81百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ306億80百万円増加し、3,416億54百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加254億41百万円及び円安による為替換算調整勘定の増加37億96百万円等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ245億37百万円増加し、1,727億62百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、512億30百万円の収入(前期比403億47百万円収入増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益572億57百万円、減価償却費57億83百万円、棚卸資産の減少額28億78百万円、受取利息及び受取配当金11億13百万円、及び法人税等の支払額159億64百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、114億5百万円の支出(前期比24億1百万円支出増)となりました。この主な要因は、定期預金の預入による支出41億7百万円、新規出店及び店舗改装等に伴う有形固定資産の取得による支出63億65百万円、無形固定資産の取得による支出12億18百万円、敷金及び保証金の差入による支出13億94百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、185億87百万円の支出(前期比92億28百万円支出増)となりました。この主な要因は、輸入仕入に係る短期借入金の減少額45億59百万円及び配当金の支払による支出140億27百万円等を反映したものであります。
当社グループの運転資金及び設備投資は、主に自己資金により充当しております。当連結会計年度末現在、1,727億62百万円の現金及び現金同等物の残高を保有しており、将来資金に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
今後の資金使途については、販売体制を強化するためのITを含めた設備投資、店舗用不動産の投資や海外事業の拡大への投資を目的といたします。また将来の企業買収や企業提携なども視野に入れて財源の確保をしてまいります。また株主様への利益還元として安定的な配当政策の実施は元より、配当性向を意識した増配が毎期実現できるよう努めてまいります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。