売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02958 IFRS

売上高

2.41兆 円

前期

2.48兆 円

前期比

97.4%

時価総額

8,703.0億 円

株価

3,868 (07/12)

発行済株式数

225,000,000

EPS(実績)

458.04 円

PER(実績)

8.44 倍

平均給与

1,247.2万 円

前期

1,208.5万 円

前期比

103.2%

平均年齢(勤続年数)

41.4歳(15.0年)

従業員数

2,035人(連結:22,819人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。

当企業集団にてかかる事業を推進する連結対象会社は、連結子会社307社、持分法適用会社126社の計433社(うち、当社が直接連結経理処理を実施している連結対象会社は、連結子会社178社、持分法適用会社76社の計254社)から構成されております。

当社グループは、2023年4月1日付にて「航空産業・交通プロジェクト本部」、「インフラ・ヘルスケア本部」、「化学本部」、「生活産業・アグリビジネス本部」、「リテール・コンシューマーサービス本部」、「その他」を再編し、報告セグメントの区分方法を変更しております。

 

当社グループの事業区分ごとの主な取扱商品又はサービス・事業の内容及び主な関係会社は以下のとおりとなります。

2024年3月31日現在

セグメントの名称

主要取扱商品又はサービス・事業の内容

主要関係会社 (連結区分)

自動車

完成車トレーディング、組立製造・卸売事業、小売事業、品質検査事業、販売金融、デジタル技術を取り入れた販売及びサービス事業

・双日オートグループジャパン㈱(子)

 

・Albert Automotive Holdings Pty Ltd(子)

連結子会社     45社

持分法適用会社  5社

・Sojitz de Puerto Rico Corporation(子)

・SILABA MOTORS, S.A.(子)

 

航空産業・交通プロジェクト

航空事業(民間機・防衛関連機器代理店及び販売、ビジネスジェット、中古機・パーツアウト)、交通・社会インフラ事業(交通プロジェクト、空港・港湾等社会インフラ)、船舶事業(新造船、中古船、傭船、不定期船、自社船保有)

・双日エアロスペース㈱(子)

・㈱ジャプコン(子)

 

 

 

 

 

 

連結子会社     35社

持分法適用会社 11社

 

 

 

インフラ・

ヘルスケア

環境インフラ事業(再生可能エネルギーIPPインフラ投資、再生可能エネルギー関連サービス事業)、電力インフラソリューション事業(IWPP、エネルギーマネジメント、電力EPC)、省エネルギーサービス事業、エネルギー事業(石油・ガス、石油製品、LNG、LNG関連事業)、原子力関連事業(原子燃料、関連機器)、ICTインフラ事業(通信タワー、ファイバー等)、産業・都市インフラ開発事業(工業団地、住宅、オフィス、スマートシティ、データセンター)、クラウドサービス・マネージドサービス、ヘルスケア事業(病院PPP、医療周辺サービス、ヘルスケア新興技術)、産業機械事業、軸受事業、四輪・二輪部品事業、自動車製造設備事業、舶用機械事業、電力エネルギー・プラント事業

・Orchid Wind Power GmbH(子)

・Starwind Offshore GmbH(子)

・Sojitz Global Investment B.V.(子)

 

・Ellis Air Group Pty Ltd(子)

 

・エルエヌジージャパン㈱(持)

 

・さくらインターネット㈱(持)              (※1)

 

・PT. Puradelta Lestari Tbk(持)

 

・Sojitz Hospital PPP Investment B.V.(子)

 

・SOJITZ HEALTHCARE AUSTRALIA PTY LTD(子)

 

・Qualitas Medical Limited(持)

 

・双日マシナリー㈱(子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連結子会社     51社

持分法適用会社 40社

 

 

 

金属・資源・リサイクル

石炭、鉄鉱石、合金鉄(ニッケル、クロム、ニオブ等)及び鉱石、アルミナ、アルミ、銅、亜鉛、貴金属、窯業・鉱産物、コークス、炭素製品、インフラ事業、鉄鋼関連事業、資源リサイクル事業

・双日ジェクト㈱(子)

・Sojitz Development Pty Ltd (子)

・Sojitz Resources (Australia) Pty. Ltd.(子)

 

・Sojitz Moly Resources, Inc.(子)         (※2)

連結子会社     22社

持分法適用会社 15社

・㈱メタルワン(持)

・Japan Alumina Associates (Australia) Pty. Ltd.(持)

 

 

 

セグメントの名称

主要取扱商品又はサービス・事業の内容

主要関係会社 (連結区分)

化学

有機化学品、無機化学品、機能化学品、精密化学品、工業塩、ヘルスケア・天産品、レアアース、汎用樹脂、高機能樹脂、環境対応樹脂、工業用・食品用包装資材、高機能フィルム・シート、プラスチック成形機、その他合成樹脂製品、液晶・光学部品・プリント基板等電子材料、産業資材用繊維原料及び製品

・双日プラネット㈱(子)

・プラマテルズ㈱(子)

・PT. Kaltim Methanol Industri(子)

 

・Sojitz SOLVADIS GmbH(子)                (※3)

 

 

 

 

 

連結子会社     23社

持分法適用会社 11社

 

 

 

生活産業・

アグリビジネス

穀物、小麦粉、油脂、油糧・飼料原料、菓子、菓子原料、その他各種食品原料、化成肥料、建設資材、輸入原木、製材・合板・集成材等木材製品、住宅建材、チップ植林、製紙、脱炭素(バイオマス・カーボンクレジット)、農業・地域創生

・双日建材㈱(子)

・Thai Central Chemical Public Co., Ltd.(子)

・Saigon Paper Corporation(子)

 

・Atlas Fertilizer Corporation(子)

連結子会社     25社

持分法適用会社 12社

 

 

 

リテール・

コンシューマーサービス

食品・消費財流通事業、コンビニエンスストア事業、外食事業、商業施設運営事業、不動産開発・分譲・賃貸・管理運営事業(住宅、オフィス等)、砂糖及び糖化原料、小麦粉、穀類、油脂、澱粉、乳製品、農産加工品及び農産原料、畜肉原料及び畜肉加工品、家禽肉加工品、水産加工品及び水産原料、その他各種食品及び原料、輸入煙草、綿・化合繊織物、各種ニット生地・製品、衣料製品、寝具及び寝装品、物資製品、衛生材料

・双日食料㈱(子)

・マリンフーズ㈱(子)

・トライ産業㈱(子)

・DaiTanViet Joint Stock Company(子)

・双日ファッション㈱(子)

 

・双日インフィニティ㈱(子)

 

・双日ライフワン㈱(子)

 

・双日ロイヤルインフライトケイタリング㈱(子)

 

・ロイヤルホールディングス㈱(持)          (※1)

 

・㈱JALUX(持)

 

・SJフューチャーホールディングス㈱(持)

連結子会社     30社

持分法適用会社 24社

・フジ日本精糖㈱(持)                      (※1)

 

 

その他

職能サービス、国内地域法人、物流サービス事業、保険サービス事業、ネットワークサービス事業

・双日九州㈱(子)

・双日ロジスティクス㈱(子)

 

・双日インシュアランス㈱(子)

 

・双日ツーリスト㈱(子)

連結子会社     22社

持分法適用会社  2社

・双日シェアードサービス㈱(子)

・㈱双日総合研究所(子)

・日商エレクトロニクス㈱(子)

 

 

海外現地法人

複数の商品を取扱う総合商社であり、世界の主要拠点において当社と同様に多種多様な活動を行っております。

セグメント情報では、取扱商品の類似性に基づいてそれぞれの事業区分に含めております。

・双日米国会社(子)

・双日欧州会社(BV)(子)

・双日欧州トレードホールディングス(子)

 

・双日アジア会社(子)

連結子会社     54社

持分法適用会社  6社

・双日香港会社(子)

・双日中国会社(子)

 

 

 

(※1)関係会社のうち、2024年3月31日現在、国内証券市場に公開している会社は以下のとおりです。

・さくらインターネット㈱(東証プライム)

・ロイヤルホールディングス㈱(東証プライム、福証本則)

・フジ日本精糖㈱(東証スタンダード)

 

(※2)2024年5月30日を以って、Sojitz Moly Resources, Inc.は、株式売却により関係会社から除外となりました。

 

(※3)2023年12月1日を以って、solvadis deutschland gmbh 及び同グループ4社は双日EU会社を存続会社として合併し、Sojitz SOLVADIS GmbH に社名変更しました。

 

(※4)上表に含まれない子会社のうち、海外現地法人の双日欧州会社、双日米国会社傘下のSojitz Energy

       Services LLCが特定子会社に該当します。

 

24/07/01

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を設定することが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りと異なる場合があります。

見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 

 

① 金融商品の公正価値

当社グループは、資産又は負債の公正価値を測定する際に、入手可能な限り、市場の観察可能なデータを用いております。公正価値の具体的な算定方法は次のとおりであります。

 

(a) 資本性金融資産

上場株式については、取引所の価格によっております。非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法、その他の評価技法を用いて算定しております。非上場株式の公正価値測定に当たっては、割引率、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント、非支配持分ディスカウントを加味しております。非上場株式の公正価値の評価方針及び手続の決定はコーポレートにおいて行っており、評価モデルを含む公正価値測定については、個々の株式の事業内容、事業計画の入手可否及び類似上場企業等を定期的に確認し、その妥当性を検証しております。

 

(b) デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債

通貨関連デリバティブ

為替予約取引、直物為替先渡取引、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引については、期末日の先物為替相場に基づき算出しております。

金利関連デリバティブ

金利スワップについては、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。

商品関連デリバティブ

商品先物取引については、期末日現在の取引所の最終価格により算定しております。商品先渡取引、商品オプション取引及び商品スワップ取引については、一般に公表されている期末指標価格に基づいて算定しております。

 

 

② 非金融資産の減損

当社グループは期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数の確定できない無形資産については毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しております。個別資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。

回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。公正価値は市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積もって算定しております。使用価値は、貨幣の時間価値及び個別資産又は資金生成単位に固有のリスクに関する現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローを割引いて算定しております。将来キャッシュ・フロー見積りにあたって利用する事業計画は原則として5年を限度としております。なお、当社グループは、使用価値及び公正価値の算定上の複雑さに応じて外部専門家を適宜利用しております。

過年度にのれん以外の資産について認識した減損損失については、期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入れを認識しております。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れておりません。

なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損している可能性が示唆されている場合には、投資全体の帳簿価額について回収可能価額を帳簿価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。

当社グループでは、固定資産の減損会計等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。

 

③ 引当金

引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。

貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた現在の税引前の割引率を用いて割引いた金額で引当金を計上しております。

 

④ 確定給付制度債務の測定

確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職給付制度であります。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いております。

割引率は、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建ての、主として報告日における信用格付けAAの債券の利回りであります。

過去勤務費用は、即時に純損益で認識しております。

当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。

 

 

⑤ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率又は税法で算定しております。

繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は期末日において再検討しており、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度は、コロナショックからの経済活動の再開に伴うサービス消費の活発化及び堅調な雇用により、景気回復に底堅い動きがみられます。一方、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化、中東情勢の緊迫化など地政学リスクの高まり、中国の不動産市況悪化と需要低迷、根強いインフレと各国中銀の金融引き締め継続といった不確実性の影響を絶えず注視していく必要があります。

米国では、インフレ抑制を目指し、FRBが2022年3月~2023年7月に11回に及ぶ利上げを実施しましたが、その後2023年9月~2024年3月は5会合連続で金利を据え置いており、政策金利は5.25~5.50%となっております。2024年の米国経済はインフレ鈍化と堅調な雇用や消費を受け、ソフトランディングがメインシナリオになりつつあります。

EU経済圏では、ECBが2024年4月の理事会で5会合連続の政策金利据え置きを決定しました。3月の消費者物価上昇率は前年比2.4%に鈍化しています。EU経済圏の第4四半期GDPは、前年同期比+0.2%と停滞が続いています。

中国では、2月の消費者物価指数(CPI)が前年同期比+0.7%と6ヶ月ぶりに上昇しましたが、今後のCPIには注意が必要です。2024年1~2月の主要経済指標には好転しているものがあるものの、1~2月の住宅販売面積は前年同期比-31.6%に低下しており、不動産市況は依然停滞傾向にあります。

アジアでは、2023年の欧米を中心とした外需低迷から回復基調に転じ、財輸出が増加傾向にあります。アジア各国は為替への影響を考慮し、米国等の金融政策に追随するタイミングで、2024年後半以降の利下げを見込んでいます。

日本では、2023年10~12月のGDP成長率は前期比+0.1%の鈍い伸びとなりました。日銀が2024年3月にマイナス金利などの大規模金融緩和政策を解除し、17年ぶりに利上げを決定しましたが、日米金利差が開いている状態が続き円安が継続しています。名目賃金を示す現金給与総額は上昇していますが、実質賃金の低下が長期化するなかで国内消費は足踏み状態が続いています。

 

当期の経営成績を分析しますと、次のとおりであります。

 

収益は、石炭の価格下落による金属・資源・リサイクルでの減収に加え、各種化学品の取扱数量減少による化学での減収などにより、2兆4,146億49百万円と前期比2.6%の減収となりました。

売上総利益は、石炭の価格下落やコストの増加による金属・資源・リサイクルでの減益に加え、各種化学品の取扱数量減少や一過性の損失による化学での減益などにより、前期比116億12百万円減少3,259億55百万円となりました。

税引前利益は、売上総利益の減益に加え、連結子会社の新規取得などによる販売費及び一般管理費の増加により、前期比295億38百万円減少1,254億98百万円となりました。

当期純利益は、税引前利益1,254億98百万円から、法人所得税費用224億37百万円を控除した結果、当期純利益は前期比127億64百万円減少1,030億60百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期純利益は前期比104億82百万円減少し、1,007億65百万円となりました。

当期純利益にFVTOCIの金融資産や在外営業活動体の換算差額などを計上した結果、当期包括利益は前期比274億80百万円増加し、1,732億83百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は前期比298億83百万円増加し、1,683億17百万円となりました。

 

親会社の所有者に帰属する当期純利益のセグメント別業績は次のとおりであります。

 

当社グループは、2023年4月1日付にて一部の報告セグメントの区分方法の変更を行っており、連結財務諸表の注記事項「5 セグメント情報」に記載しております。

 

 

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当期実績(A)

(2024年3月期)

前期実績(B)

(2023年3月期)

増減額

(A)-(B)

主な増減要因

自動車

2,281

6,016

△3,735

フィリピンの自動車販売事業の低調及びタイのディストリビューター事業からの撤退等により減益

航空産業・交通

プロジェクト

4,316

6,960

△2,644

航空機関連取引の減少等により減益

インフラ・

ヘルスケア

15,851

7,644

8,207

前期における台湾洋上風力発電事業の資産評価見直しに伴う損失計上の反動等により増益

金属・資源・

リサイクル

43,492

62,704

△19,212

石炭事業の市況下落及びコストの増加等により減益

化学

14,773

18,610

△3,837

合成樹脂含む化学品全般の需要低迷及び上期での一過性の損失等により減益

生活産業・

アグリビジネス

7,464

6,294

1,170

タイの肥料事業での利益率の良化や販売数量の増加等により増益

リテール・

コンシューマー

サービス

13,108

6,831

6,277

国内リテール事業の回復及び商業施設の売却や新規投資に伴う負ののれん等による増益

 

 

なお、本部別の成長戦略は以下のとおりです。

 

<自動車>

自動車販売を中核とした既存事業の強みを活かし、持続的な成長を目指す戦略を展開しています。既に知見や実績のある領域の拡大を基盤に、「機能」「特色」「変革」の3つを成長戦略のキーワードとして、販売力・金融・デジタルといった機能を強化することで、差別化し優位性のあるビジネスモデルを追求します。これにより持続的な成長を実現すると共に、社会課題やニーズに対してソリューションや価値を提供し、豊かなモビリティ社会の実現へ寄与していきます。

 

<航空産業・交通プロジェクト>

航空・船舶・鉄道の3大輸送手段における長年の経験と豊富な知見をもとに、2024年4月1日付機構改革に伴い新たに加わった社会インフラ事業でのノウハウを掛け合わせ、各事業を面として紡ぎ、社内外との共創を通じて、社会的な共感力と訴求力が高い事業を創出していきます。当社機能の先鋭化・多角化を推し進め、事業価値向上を図り、変化する顧客やマーケットニーズを的確に捉えた横断的なソリューションを提供していきます。

 

<インフラ・ヘルスケア>

エネルギー及びヘルスケア領域において、脱炭素、人口増加、高齢化などの社会課題解決に対応し、従来の「アセット型」インフラビジネスに加え、顧客へのサービス・ソリューション提供を行う「事業型ビジネス」を構築し、収益機会及び規模の拡大を目指します。また、投資先企業の顧客基盤・人脈やパートナー企業を通じたローカルネットワークを拡充し、当社の有形・無形の資産を活用することで双日ならではの競争優位を構築し、新たな価値を創造します。

 

<金属・資源・リサイクル>

社会の持続可能性への貢献のために、循環型社会と脱炭素への適応を重視した事業ポートフォリオへの変革を推進します。資源リサイクル領域の事業基盤強化を徹底的に追求すると共に、デジタル化や脱炭素の推進により既存事業のビジネスモデルを変革することで、市況耐性を強化し、社会ニーズに応じた新たな価値を提供しながら、さらなる安定的な資源の供給体制を構築していきます。

 

<化学>

現在化学業界では、大きな転換期を迎えており、デジタル化実装によるオペレーションの次世代化など、商流変化の機会を獲得するために実効性のある施策を講じると共に、各地域のサプライチェーンの変化を捉えるため、海外拠点における現地化を一層推進していきます。また、脱炭素の社会的要請が高まる中、その潮流に即した事業の創出にも注力し、規模感のある事業投資の実行を進め、収益の塊を獲得していきます。

 

<生活産業・アグリビジネス>

経済成長の著しい新興国を中心に、肥料・アグリビジネス事業、食料・飼料畜産事業、林産・バイオマス事業などの既存事業をさらに強化していくと共に、中でも東南アジアでトップクラスの市場シェアを保有する肥料事業において、デジタルを組み合わせることで新たなビジネスを構築、収益の拡大を進めています。また、ベトナムで進める牛の肥育・加工・販売事業は、豚肉や鶏肉へと取り組みを拡大し、同国最大の総合食肉事業への展開を目指します。

 

<リテール・コンシューマーサービス>

強みであるベトナム・リテール事業、水産事業、畜肉事業の成長に注力し、「売る力」×「運ぶ力」をさらに磨くことで収益の積上げを図ります。ベトナムにおいては、既存事業の強化に留まらず、個々の事業が相互に連動して取引先と共に成長して行く面展開を戦略として掲げ、新たに当社グループに加わったDaiTanViet(卸事業)とのシナジーでバリューアップを図ると共に、デジタルを活用しサプライチェーンの効率化を進めます。水産事業は既存事業を軸に収益を強化し、米国や中国・アジアの水産市場の成長を商機として海外販売の拡大に挑戦します。

 

(3) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について

① 財政状態

当期末の資産合計は、円安の影響に加え、連結子会社の新規取得などにより、前期末比2,260億30百万円増加2兆8,868億73百万円となりました。

負債合計は、円安の影響に加え、連結子会社の新規取得や営業債務及びその他の債務が当期末日の休日影響により増加したことなどにより、前期末比1,469億79百万円増加1兆9,312億45百万円となりました。

資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、自己株式の取得や、配当金の支払いがあったものの、当期純利益の積み上がりや、為替の変動によるその他の資本の構成要素の増加などにより、前期末比863億63百万円増加9,240億76百万円となりました。

この結果、当期末の自己資本比率は32.0%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比678億64百万円増加6,972億90百万円となり、ネット有利子負債倍率は0.75倍となりました。

 

※自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、親会社の所有者に帰属する持分を使用しております。

また、有利子負債総額にはリース負債を含めておりません。

 

次に、資産をセグメント別に分析しますと、以下のとおりであります。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当期実績(A)

(2024年3月期)

前期実績(B)

(2023年3月期)

増減額

(A)-(B)

主な増減要因

自動車

290,675

182,691

107,983

パナマ自動車販売会社及び豪州中古車販売会社の新規取得等により増加

航空産業・交通

プロジェクト

204,334

201,354

2,980

航空機関連取引におけるその他の流動資産の増加等により増加

インフラ・

ヘルスケア

547,634

516,454

31,179

豪州省エネルギーサービス事業会社の新規取得等により増加

金属・資源・

リサイクル

533,366

531,874

1,492

石炭の価格下落及び取扱数量減少により営業債権及びその他の債権の減少があったものの、円安の影響等により増加

化学

324,872

322,189

2,682

営業債権及びその他の債権の増加等により増加

生活産業・

アグリビジネス

258,339

238,907

19,432

タイの肥料事業での販売数量増加等により増加

リテール・

コンシューマー

サービス

533,567

419,917

113,650

ベトナム業務用食品卸会社及びマグロ加工販売会社の新規取得等により増加

 

 

② キャッシュ・フロー

当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは1,121億87百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは124億29百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは1,865億23百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は1,962億75百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期の営業活動による資金は、営業収入及び配当収入などにより1,121億87百万円の収入となりました。前期比では594億52百万円の収入減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期の投資活動による資金は、パナマ自動車販売事業会社、ベトナム業務用食品卸会社への出資があったものの、航空機関連取引や米国ガス火力発電事業の売却による回収などにより124億29百万円の収入となりました。前期比では167億28百万円の収入減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期の財務活動による資金は、借入金の返済や自己株式の取得及び配当金の支払いなどにより1,865億23百万円の支出となりました。前期比では438億44百万円の支出減少となりました。

 

「中期経営計画2023」におけるキャッシュ・フローマネジメントにつきましては、引き続き営業活動と資産入替により創出されたキャッシュの範囲内で成長投資と株主還元をマネージし、中でも、短期の運転資金増減の影響を受けない基礎的キャッシュ・フローを、「中期経営計画2020」から「中期経営計画2023」の6年間累計で黒字とする目標にしておりました。

業績が堅調に推移したため、2023年度の基礎的営業キャッシュ・フローは1,092億円の黒字となりました。これに加えて、政策保有株式や入替による投資の売却、航空機関連取引での回収などもあった一方で、新規投資の実行や株主還元による支出などによって、基礎的キャッシュ・フローは628億円の赤字となりましたが、6ヶ年累計での基礎的キャッシュ・フローは1,397億円と大幅な黒字を達成いたしました。

「中期経営計画2026」においても、引き続き営業活動と資産入替により創出されるキャッシュを原資に成長投資と株主還元を実施する方針であり、上記の6ヶ年累計における黒字と併せて基礎的キャッシュ・フローが黒字となる範囲でマネージする方針です。

 

※画像省略しています。

*1 基礎的営業CF=会計上の営業CFから運転資金増減を控除したもの

*2 自己株式取得を含む

*3 基礎的CF=基礎的営業CF+調整後投資CF-支払配当金-自己株式取得

            (調整後投資CF=会計上の投資CFに長期性の営業資産等の増減を調整したもの)

 

③ 資金の流動性と資金調達について

当社グループは、「中期経営計画2023」におきまして、従来と同様に資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針とし、一定水準の長期調達比率の維持や、経済・金融環境の変化に備えた十分な手元流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努め、当期末の流動比率は150.2%、長期調達比率は81.9%となりました。

長期資金調達手段の1つである普通社債につきましては、当連結会計年度は発行しておりませんが、引き続き金利や市場動向を注視し、適切なタイミング、コストでの起債を検討してまいります。

また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び25.75億米ドル(6億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。

 

(目標とする経営指標の達成状況等)

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 「中期経営計画2023」の振り返り(13~14ページ)」をご参照ください。

 

(販売、仕入及び成約の状況)

① 販売の状況

「(2) 当連結会計年度の経営成績の分析」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 5 セグメント情報」をご参照下さい。

 

② 仕入の状況

仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。

 

③ 成約の状況

成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。

 

※将来情報に関するご注意

本資料に掲載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、業績を確約するものではありません。実際の業績等は、内外主要市場の経済状況や為替相場の変動など様々な要因により大きく異なる可能性があります。重要な変更事象等が発生した場合は、適時開示等にてお知らせします。