E03418 Japan GAAP
前期
2,080.8億 円
前期比
102.1%
株価
2,794 (04/25)
発行済株式数
75,840,000
EPS(実績)
135.21 円
PER(実績)
20.66 倍
前期
612.4万 円
前期比
91.8%
平均年齢(勤続年数)
39.3歳(8.7年)
従業員数
550人
当社は、「100円ショップ」の小売業及び卸売業を主な内容として、事業活動を展開しております。なお、当社は100円ショップ事業の単一セグメントであります。
・小売業は、商品(消費財)を消費者に直営店舗にて販売する事業であります。
・卸売業は、商品(消費財)をフランチャイジー、大口顧客に卸販売する事業であります。
フランチャイジー、大口顧客はFC店舗又は自社店舗にて消費者に販売しております。また、海外FC店向けに輸出又は国内代理店への卸販売も行っております。
なお、当社商品発注に係るシステムの利用に際し基本契約を締結している先をFC店と総称しております。ただし、FC店との契約においては、商標の利用は任意であり、ロイヤリティの徴求はしておりません。
当社の取扱商品は、雑貨及び菓子食品に区分され、さらに利用シーンにより以下カテゴリーに分類しております。
メイクアップ・ケア用品、アクセサリー、衛生・健康用品、バス・トイレタリー用品、クリーン・ランドリー用品、洗剤用品、キッチン調理道具、キッチン水廻り、卓上用品、製菓用品、アウトドア、インテリア用品、インテリア装飾、目的別収納、フリー収納、キャラクター、パーティ、パーソナル、ウエザー、喫煙具・仏具、カー・サイクル用品、衣料用品、紙製品、筆記具、文具小物、ファイル・文具収納、学童文具、シール・スタンプ、オフィス・店舗用品、印鑑、園芸装飾・園芸道具、工作・手芸、ペット用品、DIY用品、ハンドクラフト、一般電気関連、デジタル機器関連、季節商品、菓子、食品、製菓材料
事業の系統図は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、供給制約の影響や輸入原材料価格の高騰などによる下押し圧力を受けているものの、個人消費への感染症の影響が和らぐもとで、基調としては緩やかに持ち直しました。しかし、ウクライナ情勢や世界的なインフレとそれを受けた各国の金融政策の影響など、今後の動向には細心の注意が必要と思われます。先行きにつきましては、感染症の影響が和らいでいくもとで回復基調をたどることが期待されますが、物価上昇に伴う実質所得面からの下押し圧力が、個人消費に一定の影響を及ぼす可能性があるなど、きわめて不確実性が高い状況にあると考えられます。
小売業界におきましては、コロナ禍で苦戦していた企業の業績が回復する一方、巣ごもり需要の反動の影響が見られました。急激な円安や原材料コスト上昇を受けて消費者物価は上昇傾向にあり、今後の消費者動向を注視する必要があると考えております。
このような状況のなか当社は、「試練を乗り越え、勝ち残る」をテーマとして、①商品スペックの見直しによる原価上昇抑制に注力、②複数出店案件が見込める企業との関係強化及び未出店地域の重点開拓、③システムを活用した社内全体の効率化追求に取り組んでおります。セルフレジにつきましては、当事業年度において808店舗に導入、設置店舗数は3月末で1,066店舗となりました。利用率は上昇傾向にあり、順次導入を進めております。
出退店につきましては、直営店出店において計画比遅れがちに推移し、当事業年度において、出店が直営店132店舗、退店が直営店43店舗、FC店4店舗となり、期末の店舗数は、直営店1,922店、FC店39店の合計1,961店となりました。
直営既存店売上高は、巣ごもり需要の反動等により、前期比97.6%となりました。
主要経営指標につきましては、売上原価率は、円安や原材料コスト上昇の影響により、58.1%と前期比1.5ポイント上昇しました。また、販売費及び一般管理費につきましても、既存店売上高が前期を下回ったこと等により、売上高に対する比率が1.3ポイント上昇したため、当事業年度の売上高営業利益率は7.3%(前期10.1%)となりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前期末に比べ41億58百万円増加し、1,268億57百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前期末に比べ8億30百万円減少し、294億10百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前期末に比べ49億89百万円増加し、974億47百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高2,123億59百万円(前期比2.1%増)、営業利益154億45百万円(前期比26.2%減)、経常利益156億17百万円(前期比26.8%減)、当期純利益102億54百万円(前期比28.3%減)となりました。
部門別売上高の状況は次のとおりであります。
区分 |
第35期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第36期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
直営店 |
205,110 |
98.6 |
209,453 |
98.6 |
102.1 |
FC店 |
2,076 |
1.0 |
2,006 |
1.0 |
96.6 |
その他 |
896 |
0.4 |
899 |
0.4 |
100.3 |
合計 |
208,084 |
100.0 |
212,359 |
100.0 |
102.1 |
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比12億28百万円減少し、561億12百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比63億13百万円収入が減少し、113億37百万円のプラスとなりました。これは、税引前当期純利益の計上153億55百万円及び減価償却費45億89百万円などの増加に対し、棚卸資産の増加15億68百万円及び法人税等の支払69億7百万円などにより減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比42億72百万円支出が増加し、66億12百万円のマイナスとなりました。これは、新規出店や既存店のリニューアルに伴う有形固定資産の取得46億2百万円及び差入保証金の差入12億31百万円などにより減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比17億88百万円支出が減少し、59億54百万円のマイナスとなりました。これは、配当金の支払52億66百万円及びリース債務の返済6億87百万円により減少したためであります。
③仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当事業年度における仕入実績を商品区分別に示すと、次のとおりであります。
商品区分 |
仕入高(百万円) |
前期比(%) |
雑貨 |
122,601 |
105.4 |
菓子食品 |
2,132 |
99.8 |
その他 |
159 |
143.4 |
合計 |
124,893 |
105.3 |
(注)その他には、消耗品費への振替高等が含まれております。
b.販売実績
当事業年度における販売実績を商品区分別、事業部門別に示すと、次のとおりであります。
イ.商品区分別売上高
商品区分 |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
雑貨 |
209,252 |
102.1 |
菓子食品 |
2,895 |
100.3 |
その他 |
212 |
101.3 |
合計 |
212,359 |
102.1 |
(注)その他には、店舗に設置した自動販売機等の手数料収入等が含まれております。
ロ.事業部門別売上高
事業部門 |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
直営売上高 |
209,453 |
102.1 |
FC売上高 |
2,006 |
96.6 |
その他 |
899 |
100.3 |
合計 |
212,359 |
102.1 |
(注)「その他」の区分は「卸売等売上高」「海外売上高」の合計額を表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産合計)
当事業年度末における総資産は、前期末比41億58百万円増加し、1,268億57百万円となりました。流動資産は、商品及び製品が増加したことなどにより21億74百万円増加しました。固定資産は、新規出店や既存店のリニューアルに伴い有形固定資産が増加したことなどにより19億83百万円増加しました。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、前期末比8億30百万円減少し、294億10百万円となりました。流動負債は、未払法人税等が減少したことなどにより、14億16百万円減少しました。固定負債は、資産除去債務が増加したことなどにより5億85百万円増加しました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、前期末比49億89百万円増加し、974億47百万円となり、自己資本比率は前期末から1.4ポイント上昇し76.8%となりました。
b.経営成績の分析
(売上高・売上原価)
売上高につきまして、事業部門別にみますと、直営売上高は前期比2.1%増の2,094億53百万円となりました。これは、巣ごもり需要の反動等により、既存店売上高が前期比97.6%と想定を下回った一方、出店による純増店舗数が89店舗あったためであります。FC売上高は前期比3.4%減の20億6百万円、その他は前期比0.3%増の8億99百万円となりました。
直営売上高の売上高全体に占める割合は98.6%と前期比変わらずとなりました。
売上原価率につきましては、円安や原材料コスト上昇の影響により、58.1%と前期比1.5ポイント上昇しました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、前期比42億44百万円増加し、735億88百万円となりました。これは、直営店舗数の増加に伴う給料及び手当の増加11億11百万円や地代家賃の増加12億89百万円、水道光熱費の増加10億93百万円などにより、費用が増加したためであります。既存店売上高減少による効率性悪化に、水道光熱費上昇が加わり、売上高販管費比率は34.7%と前期比1.3ポイント上昇しました。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益につきましては、前期比2億46百万円減少し、2億1百万円となりました。これは、受取補償金の減少1億75百万円などにより、収益が減少したためであります。
営業外費用につきましては、前期比10百万円増加し、29百万円となりました。これは、固定資産除却損の増加5百万円などにより、費用が増加したためであります。
(特別利益・特別損失)
特別利益につきましては、前事業年度、当事業年度ともに計上がありませんでした。
特別損失につきましては、46百万円増加し、2億62百万円となりました。これは、減損損失が46百万円増加したためであります。
(法人税等)
法人税等につきましては、住民税均等割額が増加した影響などにより、表面税率は33.2%と前期比0.9ポイント上昇しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与えた要因
当事業年度の経営成績に重要な影響を与えた要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。
c.資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要及び財務政策
当社の資金需要の主なものは、新規出店に係る設備投資に対するものであります。当事業年度では、新規出店及び既存店のリニューアルを中心に65億86百万円の投資を行っており、これらはすべて自己資本から充当しております。利益水準及び在庫の効率性が上がるなかで、投資は営業キャッシュ・フロー内での増加であるため、財務面の安全度は増しております。今後も収益レベルの向上と、効率的な在庫管理により営業キャッシュ・フローの増加に努めるとともに、投資対効果を十分検討した設備投資を継続してまいります。また、急激な環境変化にも対応できうるレベルの財務安全性を維持しつつ、さらなる成長を目指してまいります。
ロ.キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローにつきましては、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比12億28百万円減少し、561億12百万円となりました。当事業年度における状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、中期経営計画を遂行することで、収益力の向上及び資産効率の向上を図り、安定的に売上高営業利益率5%以上を確保することを目指しております。
当事業年度における当社の売上高営業利益率は7.3%であり、目標水準を継続して確保しております。今後につきましても、当該指標の確保に努めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に際し、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。この見積り及び仮定設定に関しては、過去の実績や状況に応じた合理的かつ妥当な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、当初の見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5「経理の状況」の「注記事項」(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、当社の採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の「注記事項」(重要な会計方針)に記載しております。