E00436 IFRS
前期
1.36兆 円
前期比
105.9%
株価
5,483 (09/12)
発行済株式数
515,731,154
EPS(実績)
197.84 円
PER(実績)
27.71 倍
前期
1,047.5万 円
前期比
102.4%
平均年齢(勤続年数)
44.5歳(19.9年)
従業員数
3,480人(連結:34,862人)
当社グループは、当社、連結子会社111社及び持分法適用会社15社より構成され、調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ、冷凍食品、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)、更にその他の事業活動を行っております。
当社グループの当該事業における位置づけは次のとおりです(☆印は持分法適用会社)。
報告セグメント |
製品区分 |
主要な会社 |
調味料・食品 |
調味料 |
味の素食品㈱ |
栄養・加工食品 |
||
ソリューション&イングリディエンツ |
欧州味の素食品社 |
|
冷凍食品 |
冷凍食品 |
味の素冷凍食品㈱ |
ヘルスケア等 |
医薬用・食品用アミノ酸 |
味の素ヘルシーサプライ㈱ |
バイオファーマサービス(CDMO) |
味の素オムニケム社 フォージ・バイオロジクス社 (注)1 |
|
ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等) |
味の素ファインテクノ㈱ |
|
その他 |
味の素ダイレクト㈱ |
|
その他 |
製造受託 |
☆EAファーマ㈱ |
油脂 |
☆㈱J-オイルミルズ (注)2 |
|
物流 |
☆F-LINE㈱ |
|
サービス他 |
味の素エンジニアリング㈱ ㈱味の素コミュニケーションズ ☆NRIシステムテクノ㈱ |
(注)1.2023年12月21日(現地時間)付で、米国の遺伝子治療薬CDMOのフォージ・バイオロジクス・ホールディングス社の全持分を取得し、同社及びその子会社を連結子会社としております。その後、フォージ・バイオロジクス・ホールディングス社はその子会社のフォージ・バイオロジクス社に吸収合併されております。
(注)2.当社グループの中で、国内の証券市場に上場している会社は次のとおりです。
東証プライム市場(提出日現在):㈱J-オイルミルズ
なお、事業系統図は次のとおりです(☆印は持分法適用会社)。
※画像省略しています。
業績等の概要
当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
2023年度は、「成長性」と「効率性」の両立を図るべく、現在の事業の効率化や差別化等のための設備投資を行うとともに、今後の医療モダリティ成長や社会的貢献が見込まれる遺伝子治療CDMO領域への投資を実施しました。これらの投資に加えて、「効率性」を志向した900億円の自己株式取得や約380億円の配当など、過去最高となった営業キャッシュ・フローのおおよそ1.5倍の投資および株主還元を行いました。
2024年度以降も成長4領域への差別化等のための積極投資による「成長性」と資本等の「効率性」を一層追求するため、ネットD/Eレシオのレンジを0.4~0.6倍に引き上げます。同時に、さらなるキャッシュ・フロー創出のための運転資金改善プログラムの強化、EBITDAマージン改善のグループベースでの取り組みや政策保有株の売却も、引き続き行っていきます。
ユニークで強靭な高収益構造へシフトするための資本戦略の3つの実行
1.各事業部のパフォーマンスをコーポレートとして支える型化や仕組みの実行
2.競争優位性視点で事業ポートフォリオの変化を実現
3.投資家の支持を得るためのエンゲージメント強化
※画像省略しています。
①事業のパフォーマンスを支える型化や仕組みの組織開発と実行
国内外グループ会社の知見を結集して、企業価値のさらなる向上のため、会社の発展段階(新規設立or取得or成長or成熟)や事業形態に応じて、将来の事業成長を見据えた多面的な構造解析で改善方法等の「型」の「学びあい」の場を設けています。たとえば、以下が「型」の例です。
(ⅰ)月次ローリング・フォーキャストの実施による経営品質の向上活動
(ⅱ)クロス・ファンクショナルな購買活動の新たな視点でのキャッシュ・フロー改善
(ⅲ)与信管理枠定期見直しにおける自動化プログラム
(ⅳ)SKUごとの物流費まで含めた多面的で徹底的な採算管理
これは、管理会計の基本の「型」を重視する取り組みで、FP&A人財が、財務・経理・税務部門の出身者だけではなく、事業部、地域本部、他のコーポレート部門、製造部門や研究開発部門等、相互に交流するなかで、基本の徹底を学ぶ重要な取り組みと考えています。
<グローバル標準の型化と展開>
※画像省略しています。
②競争優位性視点で事業ポートフォリオの変化を実現
事業ポートフォリオについては、持続的成長をもたらし、志(パーパス)を追求し続けるための当社グループらしい「型」を創ります。既存事業と4つの成長領域(新規領域)の融合による事業モデル変革(BMX)によって、提供価値起点の事業ポートフォリオへと進化していきます。
事業ポートフォリオの進化に向けては、既存事業の成長性と収益性を把握しつつ、各組織の中期的ロードマップにおけるキー戦略を4つのアクション(①集める、②変える、③始める、④止める)で整理し、成長への資源配分の優先順位を定めます。長期軸ではイノベーション戦略と連動し、未来構想の仮説抽出を行う仕組みを構築します。
そして、事業のステージ、事業領域ごとの成長メカニズムや事業特性に応じ、成長加速のための資源配分を行っていきます。
<キャッシュ・アロケーションの考え方>
※画像省略しています。
<ポートフォリオ再設計の検討>
※画像省略しています。
③投資家の支持を得るためのエンゲージメント強化
中期ASV経営の推進による2030ロードマップ実現に向けて、株主・投資家の皆様からご期待をいただくとともに、エンゲージメントを通じて多くの示唆をいただいています。さらなる進化を実現するためのアミノサイエンス®を通じた価値創造、強みの源泉である人財をはじめとした無形資産の強みなど、株主・投資家の皆様のご理解を深めていただくために株主総会や各種説明会、年間700社を超える個別対話を積極的に展開しています。
短期業績の着実な成長とともに、株主・投資家の皆様から中長期目線での成長に対するご期待をいただけるよう取り組んでいます。サステナビリティへの取り組みを通じネガティブインパクトの低減だけでなく、イノベーションによるポジティブインパクトの創出にチャレンジしていくことを積極的に情報開示し、企業価値評価モデルの持続的な成長性や資本コスト低減も推進しています。
持続的な企業価値向上の実現を目指すとともに、資本効率性の追求にも積極的に取り組み、2030年までに2022年比でEPS3倍の実現を目指します。
まだまだ味の素グループをご存じではない機関投資家や個人投資家がたくさんいらっしゃいます。中期ASV経営を支えていただく株主資本構成の実現に向け、2024年度には新たにIR室を設置し、株主・投資家の皆様との接点を拡充するとともに、さらなる企業価値向上につなげていきます。
<様々なステークホルダーとの継続的な対話>
※画像省略しています。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績は、「(4) 当連結会計年度の経営成績の分析」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(3) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たって必要な見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び同「5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)の販売減の影響等によりヘルスケア等セグメントが減収となったものの、販売単価の上昇や換算為替の影響等により調味料・食品セグメント及び冷凍食品セグメントが増収となった結果、前期を801億円上回る1兆4,392億円(前期比105.9%)となりました。
事業利益は、ヘルスケア等セグメントの減収等の影響を受けたものの、調味料・食品セグメント及び冷凍食品セグメントの増収効果等により、前期を123億円上回る1,476億円(前期比109.1%)となりました。
営業利益は、その他の営業収益で前期に当期を大幅に上回る固定資産の売却益の計上等があったため、前期を22億円下回る1,466億円(前期比98.5%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期を69億円下回る871億円(前期比92.6%)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の概況
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
対前期実績 |
売上高(億円) |
事業利益(億円) |
||||||
第146期 |
前期増減 |
前期比 |
第146期 |
前期増減 |
前期比 |
|||
調味料・食品 |
8,469 |
719 |
109.3 |
% |
1,115 |
267 |
131.5 |
% |
冷凍食品 |
2,818 |
146 |
105.5 |
% |
95 |
75 |
475.7 |
% |
ヘルスケア等 |
2,945 |
△51 |
98.3 |
% |
243 |
△242 |
50.1 |
% |
その他 |
158 |
△13 |
92.1 |
% |
21 |
22 |
- |
|
合計 |
14,392 |
801 |
105.9 |
% |
1,476 |
123 |
109.1 |
% |
(注)各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
① 調味料・食品セグメント
調味料・食品セグメントの売上高は、販売増や換算為替の影響等により、前期を719億円上回る8,469億円(前期比109.3%)となりました。事業利益は、増収効果等により、前期を267億円上回る1,115億円(前期比131.5%)となりました。
※画像省略しています。 |
<主要な変動要因> |
・調味料は、全体で増収。 ・栄養・加工食品は、全体で増収。 ・ソリューション&イングリディエンツは、日本における外食向け製品の販売増や、海外における為替影響等により増収。 |
|
※画像省略しています。 |
<主要な変動要因> |
・調味料は、全体で大幅増益。 ・栄養・加工食品は、全体で増益。 ・ソリューション&イングリディエンツは、主に日本における外食向け製品や、加工用うま味調味料が増益となり、全体で大幅増益。 |
② 冷凍食品セグメント
冷凍食品セグメントの売上高は、販売単価の上昇や換算為替の影響等により、前期を146億円上回る2,818億円(前期比105.5%)となりました。事業利益は、増収効果や構造改革効果等により、前期を75億円上回る95億円(前期比475.7%)となりました。
※画像省略しています。 |
<主要な変動要因> |
・冷凍食品は、全体で増収。 |
|
※画像省略しています。 |
<主要な変動要因> |
・冷凍食品は、全体で大幅増益。 |
③ ヘルスケア等セグメント
ヘルスケア等セグメントの売上高は、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)の販売減の影響等により、前期を51億円下回る2,945億円(前期比98.3%)となりました。事業利益は、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)、バイオファーマサービス&イングリディエンツいずれも減益となり、前期を242億円下回る243億円(前期比50.1%)となりました。
※画像省略しています。 |
<主要な変動要因> |
・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、主に為替影響により、全体で増収。 ・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、電子材料の販売減により減収。 ・その他は、全体で増収。 |
|
※画像省略しています。 |
<主要な変動要因> |
・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)ともに大幅減益。 ・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、減収に伴い大幅減益。 ・その他は、増収に伴い増益。 |
④ その他
その他の事業の売上高は、前期を13億円下回る158億円(前期比92.1%)となり、事業利益は、前期を22億円上回る21億円となりました。
当連結会計年度の連結損益計算書の段階ごとの概況
① 売上高
売上高は前期を801億円上回る1兆4,392億円(前期比105.9%)となりました。地域別に見ますと、日本では、前期を1億円上回る5,101億円(前期比100.0%)となりました。海外では、前期を800億円上回る9,291億円(前期比109.4%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ3,992億円(前期比113.4%)、3,789億円(前期比107.1%)及び1,508億円(前期比105.4%)となりました。売上高海外比率は64.6%(前期は62.5%)となりました。なお、売上高は販売元の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
② 売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費、持分法による損益
売上原価は、売上高の増加に伴い、前期から390億円増加し、9,277億円(前期比104.4%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.9ポイント改善し、64.5%となりました。販売費は、主として広告費の増加や為替影響等により、前期から151億円増加し、2,016億円(前期比108.1%)となりました。研究開発費は、前期から28億円増加し、287億円(前期比111.2%)となりました。一般管理費は、主として従業員給付費用の増加や為替影響等により、前期から110億円増加し、1,380億円(前期比108.7%)となりました。持分法による損益は、47億円の利益(前期は43億円の利益)となりました。
③ 事業利益
事業利益は、前期を123億円上回る1,476億円(前期比109.1%)となりました。地域別に見ますと、日本では609億円(前期比108.8%)、海外では867億円(前期比109.4%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ683億円(前期比132.8%)、107億円(前期比58.8%)及び76億円(前期比80.2%)となりました。事業利益海外比率は58.7%(前期は58.6%)となりました。なお、事業利益は販売元の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
セグメント別の事業利益の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記7.セグメント情報」をご参照ください。
④ その他の営業収益(費用)
その他の営業収益は、前期に当期を大幅に上回る固定資産の売却益の計上等があったことにより、前期から204億円減少し、204億円(前期比50.0%)となりました。その他の営業費用は、前期に味の素フーズ・ノースアメリカ社に係るのれんについて減損損失の計上等があったことにより、前期から59億円減少し、214億円(前期比78.4%)となりました。
⑤ 営業利益
営業利益は、前期を22億円下回る1,466億円(前期比98.5%)となりました。
⑥ 金融収益(費用)
金融収益は、前期から16億円増加し、77億円(前期比127.5%)となりました。金融費用は、前期から25億円減少し、124億円(前期比82.8%)となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を69億円下回る871億円(前期比92.6%)となり、1株当たり当期利益は167円44銭(前期は175円97銭)となりました。
(5) 当連結会計年度の連結財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆5,117億円に対して2,627億円増加し、1兆7,744億円となりました。これは主として、Forge Biologics Holdings, LLC(以下、Forge社)の全持分取得に伴うのれん等の増加に加え、換算為替の影響による各資産残高の増加によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末の6,887億円に対して2,016億円増加し、8,904億円となりました。これは主として、有利子負債の増加によるものです。有利子負債残高は、短期借入金の増加及びコマーシャル・ペーパーやサステナビリティ・リンク・ボンドの発行等により、前連結会計年度末に対して1,551億円増加し、4,916億円となりました。
資本合計は、自己株式の取得により減少した一方、主に円安の進行に伴う在外営業活動体の換算差額の増加により、前連結会計年度末に対して610億円増加しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、8,146億円となり、親会社所有者帰属持分比率は45.9%となりました。
セグメントごとの概況は、次のとおりです。
① 調味料・食品セグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の6,003億円に対して466億円増加し、6,469億円となりました。
② 冷凍食品セグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の2,003億円に対して95億円増加し、2,099億円となりました。
③ ヘルスケア等セグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の3,373億円に対して1,320億円増加し、4,694億円となりました。これは主として、Forge社の全持分取得に伴うのれん等の増加によるものです。
(6) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況
|
|
|
(億円) |
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
差額 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,176 |
1,680 |
504 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△300 |
△1,324 |
△1,023 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△1,110 |
△67 |
1,043 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
48 |
98 |
50 |
現金及び現金同等物の増減額 |
△186 |
387 |
574 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,327 |
1,715 |
387 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,680億円の収入(前期は1,176億円の収入)となりました。税引前当期利益が1,420億円であり、減価償却費及び償却費782億円、法人所得税の支払額545億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,324億円の支出(前期は300億円の支出)となりました。連結の範囲の変
更を伴う子会社株式の取得による支出743億円、有形固定資産の取得による支出657億円があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、67億円の支出(前期は1,110億円の支出)となりました。短期借入金の増加738億円やコマーシャル・ペーパーの増加530億円があったものの、自己株式の取得による支出913億円や配当金の支払額384億円があったこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,715億円となりました。
(7) 当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途
① 資金の流動性について
当連結会計年度は短期流動性に関し、コミットメントライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段によって十分な手元流動性を確保しております。
また、十分な手元流動性比率の維持に加え、主要取引銀行と締結しているコミットメントラインにより資金の安全性を確保しており、当連結会計年度末のコミットメントラインの未使用額は円貨で1,700億円、外貨で100百万米ドルです。さらに、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が緊急貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備しております。
② 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、事業資金及びForge社の持分取得に関し、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー発行等による資金調達活動を行いました。また、サステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワークを策定し、これに基づき2023年6月にサステナビリティ・リンク・ボンドを発行しております。
③ 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として事業資金及びForge社の全持分取得であります。
(8) 経営上の目標の達成状況について
経営上の目標の達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。