売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00436 IFRS

売上高

1.36兆 円

前期

1.15兆 円

前期比

118.2%

時価総額

3.01兆 円

株価

5,775 (04/26)

発行済株式数

521,430,854

EPS(実績)

180.40 円

PER(実績)

32.01 倍

平均給与

1,047.5万 円

前期

1,046.5万 円

前期比

100.1%

平均年齢(勤続年数)

44.6歳(20.3年)

従業員数

3,335人(連結:34,615人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、連結子会社110社及び持分法適用会社14社より構成され、調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ、冷凍食品、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)、更にその他の事業活動を行っております。

 当社グループの当該事業における位置づけは次のとおりです(☆印は持分法適用会社)。

報告セグメント

製品区分

主要な会社

調味料・食品

調味料

 味の素食品㈱
 味の素AGF㈱
 タイ味の素社
 タイ味の素販売社
 ワンタイフーヅ社
 インドネシア味の素社
 インドネシア味の素販売社
 アジネックス・インターナショナル社
 ベトナム味の素社
 フィリピン味の素社
 マレーシア味の素社
 ナイジェリア味の素食品社
 ブラジル味の素社
 ペルー味の素社
☆プロマシドール・ホールディングス社

栄養・加工食品

ソリューション&イングリディエンツ

 欧州味の素食品社
 味の素ベーカリー㈱
 デリカエース㈱
☆ヤマキ㈱

冷凍食品

冷凍食品

 味の素冷凍食品㈱
 味の素フーズ・ノースアメリカ社

ヘルスケア等

医薬用・食品用アミノ酸

 味の素ヘルシーサプライ㈱
 味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社
 上海味の素アミノ酸社

バイオファーマサービス(CDMO)

 味の素オムニケム社
 味の素アルテア社

ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)

 味の素ファインテクノ㈱

その他

 味の素ダイレクト㈱

その他

製造受託

☆EAファーマ㈱

油脂

☆㈱J-オイルミルズ (注)

物流

☆F-LINE㈱

サービス他

 味の素エンジニアリング㈱

 ㈱味の素コミュニケーションズ

☆NRIシステムテクノ㈱

(注)当社グループの中で、国内の証券市場に上場している会社は次のとおりです。

 東証プライム市場(提出日現在):㈱J-オイルミルズ

 

 なお、事業系統図は次のとおりです(☆印は持分法適用会社)。

 

※画像省略しています。

 

 

23/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

 当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。

 

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 2020年度から2022年度までは、再成長に向けた構造改革のフェーズと位置付けて、ROICの向上と着実なオーガニック成長、コア事業への集中、アセットライトの推進に重点的に取り組んできました。

 WACC(加重平均資本コスト)を上回るROICの改善に向けては、味の素グループの経営と現場が一体となって、「成長性」と「効率性」の2つの軸で経営資源の最適配分を行い、収益性の持続的な向上と現有資産の効率的な活用を現場で実行して参りました。また、重点事業への集中とアセットライトの推進により、約1,300億円規模の事業資産の圧縮や、約800億円規模のリソースアロケーション、政策保有株の売却を行ってきました。この結果、当初目標としていた2022年度までの構造改革をほぼ計画通り終え、今後は成長力強化に向けた財務戦略に移行していきます。

 

2030年のありたい姿の実現に向けた3つの方針

① 事業戦略と資本戦略の適合による、企業価値最大化のためのキャッシュ・アロケーション方針

② 株主価値の継続的な向上に向けたマネジメント方針

③ 株主還元の継続的な強化方針

 

※画像省略しています。

 

① 事業戦略と資本戦略の適合による、企業価値最大化のためのキャッシュ・アロケーション方針

・成長投資・M&Aの投資を最優先

 キャッシュ・アロケーションについては、WACCを上回る投資として重点事業のオーガニック成長力を強化する投資を最優先します。加えて、ビジネスモデル変革(BMX)でシフトする4成長領域(ヘルスケア、フード&ウェルネス、ICT、グリーン)での成長を加速する投資に集中し、味の素グループ全体の成長力を向上します。更に、既存事業の非連続成長や新規事業領域創出を実現するためのM&A投資も積極的に検討・実施していきます。

 

・ネットD(*1)/Eレシオ30~50%の範囲内で機動的な株主還元

 事業成長力強化に必要な投資を行ったうえで、営業キャッシュ・フローに余力がある場合、ネットD/Eレシオ30~50%の範囲内で、新たな方針による機動的な株主還元を行っていきます。なお、直近のネットD/Eレシオはこの範囲の下限で推移していますが、中期的にはこの上限に上げ、収益力の拡大とキャッシュ創出力の更なる向上で、格付を維持させていきます。

 *1 有利子負債-現預金×75%

 

 

 

※画像省略しています。

※画像省略しています。

 

 

② 株主価値の継続的な向上に向けたマネジメント方針

・ローリングフォーキャストによる、継続的かつ確かな事業成長

 業績見通しをタイムリーに更新し、業績動向の把握から打ち手の検討、その効果の確認に至る一連のプロセスであるローリングフォーキャストを通じ、継続的な事業の成長を確かなものにしていきます。また、業績のリスクとなる原燃料・物流費高騰に対してTDC(*2)マージンのモニタリングを強化するなど、事業環境に応じたKPIを設定しています。これらの取り組み浸透の自分事化を目的として、当社決算の概要や株価形成に関する従業員へのリテラシー向上施策も実施しております。

 *2 Total Delivered Cost/物流費を含めたトータル・コスト

 

・実効税率のマネジメント方針

 味の素グループでは、事業を展開する各国法定実効税率のミックスや配当に伴う税金負担等を総合的に考慮して、グループ標準税率を27%(2023年度)と設定しています。また、グローバルでの税務リスクモニタリング、サステナビリティ投資における税務恩典の活用等で、実効税率の低減を進めていきます。

 

・資本・資産効率の向上(機動的な自己株式取得、現預金の圧縮)

 機動的な自己株式取得の継続で、EPSの分母である発行済株式総数を継続的に圧縮し、ROICの向上、ひいてはそれを上回るROEの実現に繋げます。並行して、手元現預金の水準を最小化して、余資を成長投資や株主還元に活用していきます。

 

・WACC(加重平均資本コスト)の低減

 味の素グループの企業価値算定式の重要な要素であるWACCを低減させるため、様々な施策に取組んでいます。具体的には、ローリングフォーキャスト推進による業績の安定化、サステナブルファイナンス活用による調達コストの低減、ネットD/Eレシオのレンジ内上限への変更、個人株主の比率拡大による相対的な株価安定化等が挙げられます。なお、2023年度の全社トータルのWACCは6%です。

 

WACC上昇要因と低下のための施策

※画像省略しています。

 

③ 株主還元の継続的な強化方針

・累進配当政策の導入

 累進配当とは、業績が一時的に悪化した場合でも現状の一株あたり配当金を維持することを指します。2023年度以降は減配せず、増配又は配当維持の方針とします。

 

・ノーマライズドEPSに基づく配当の導入

 減損損失の計上等、非定常的な利益変動の影響を受けにくい事業利益をベースとする考え方を導入し、「ノーマライズドEPSに基づく配当」と呼ぶことにしました。この新たな配当金額算定式は、事業利益に味の素グループ標準税率27%(2023年度)を加味し、還元係数は35%としています。この算定式によって算出した過去の配当理論値と、実際の配当を比べてみると、より強化されて魅力的な配当額となることが分かります。事業利益を着実に増加させ、今後もさらなる増配を図ります。

 

※画像省略しています。

 

・機動的な自己株式取得の継続、総還元性向50%~の方針維持

 総還元性向50%~(対当期純利益)はこれからも継続します。また、自己株式取得についても、事業環境、金融環境、資本効率、株価水準等を勘案し、機動的かつ積極的に実施してEPSの向上につなげていきます。

 

※画像省略しています。

 

・自己株式保有方針の明確化

 当社では4つの成長領域への投資を加速し、成長へとシフトする方針ですが、投資の源泉の多様性をはかるため、及び持続的な企業価値向上を目的とした従業員への株式報酬を検討するため等の理由から、発行済株式総数の1%程度を上限に、取得した自己株式を保有する方針としております。

 

④ その他

・予測できない急激な環境変化への対応

 

 原燃料価格や為替レートの急激な変化、また金利や資金調達環境等の金融環境変化に対応し、安定的に事業継続していくために財務資本戦略を強化しています。

1) グローバルでの各地域内、地域間で資金を有効活用するためのキャッシュマネジメントの仕組みの整備

2) 社債、コマーシャル・ペーパー、金融機関借入、売上債権流動化等調達手段の多様化と期日の分散、及びこれをバックアップする円貨、外貨のコミットメントラインの整備

3) 長期かつ固定金利での資金調達の志向

4) 適切な為替ヘッジ等を実施するためのグループポリシー、ガイドラインの整備

※画像省略しています。

 

 

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産、受注及び販売の実績は、「(4) 当連結会計年度の経営成績の分析」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

(3) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たって必要な見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び同「5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。

 

(4) 当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、換算為替の影響に加え、調味料・食品セグメント、冷凍食品セグメント及びヘルスケア等セグメントいずれも増収となり、前期を2,097億円上回る1兆3,591億円(前期比118.2%)となりました。

 事業利益は、原材料等のコスト増の影響を受けたものの、換算為替の影響やヘルスケア等セグメントの増収効果等により、前期を144億円上回る1,353億円(前期比111.9%)となりました。

 営業利益は、その他の営業費用で味の素フーズ・ノースアメリカ社に係るのれんについて減損損失の計上等があったものの、その他の営業収益で固定資産(遊休資産)の売却益の計上等があったため、前期を243億円上回る1,489億円(前期比119.6%)となりました。

 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期を183億円上回る940億円(前期比124.2%)となりました。

 

当連結会計年度のセグメント別の概況

 セグメントごとの業績は、次のとおりです。

 

対前期実績

売上高(億円)

事業利益(億円)

第145期

前期増減

前期比

第145期

前期増減

前期比

調味料・食品

7,750

1,107

116.7

829

17

102.1

冷凍食品

2,672

455

120.5

2

9

 

ヘルスケア等

2,996

484

119.3

525

91

121.1

その他

171

50

141.2

△4

25

 

合計

13,591

2,097

118.2

1,353

144

111.9

(注)各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。

 

① 調味料・食品セグメント

 調味料・食品セグメントの売上高は、換算為替の影響に加え、海外における単価上昇や販売数量増等により、前期を1,107億円上回る7,750億円(前期比116.7%)となりました。事業利益は、原材料等のコスト増の影響があったものの、換算為替の影響や増収効果等により、前期を17億円上回る829億円(前期比102.1%)となりました。

 

  ※画像省略しています。

<主要な変動要因>

・調味料は、全体で大幅増収。

 日本は、前年の内食需要拡大の反動等により、減収。

 海外は、為替影響に加え、単価上昇、販売数量増により、大幅増収。

・栄養・加工食品は、全体で増収。

 日本は、減収も、コーヒー類の構造改革影響を除くと増収。

 海外は、為替影響に加え、単価上昇、即席麺や飲料等の販売数量増により、大幅増収。

・ソリューション&イングリディエンツは、加工用うま味調味料の単価上昇や為替影響、外食向け製品の販売増等により、大幅増収。

  ※画像省略しています。

<主要な変動要因>

・調味料は、全体で減益。

 日本は、原材料等のコスト増や減収の影響等により、大幅減益。

 海外は、原材料等のコスト増影響あるも、増収効果、為替影響等により増益。

・栄養・加工食品は、全体で減益。

 日本は、原材料等のコスト増影響等により、大幅減益。

 海外は、原材料等のコスト増影響あるも、増収効果、為替影響等により大幅増益。

・ソリューション&イングリディエンツは、原材料等のコスト増影響あるも、増収効果、為替影響等により、全体で大幅増益。

 

② 冷凍食品セグメント

 冷凍食品セグメントの売上高は、換算為替の影響や単価上昇等により、前期を455億円上回る2,672億円(前期比120.5%)となりました。事業利益は、原材料等のコスト増の影響があったものの、増収効果や換算為替の影響等により、前期を9億円上回る2億円となりました。

 

  ※画像省略しています。

<主要な変動要因>

・冷凍食品は、全体で大幅増収。

 日本は、構造改革の影響あるも、業務用製品の復調や単価上昇等により、前年並み。

 海外は、為替影響や単価上昇等により、大幅増収。

  ※画像省略しています。

<主要な変動要因>

・冷凍食品は、全体で増益。

 日本は、戦略的費用の投入や原材料等のコスト増影響等により、減益。

 海外は、原材料等のコスト増影響あるも、増収効果、為替影響等により、増益。

 

③ ヘルスケア等セグメント

 ヘルスケア等セグメントの売上高は、バイオファーマサービス&イングリディエンツ、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)等の販売増や換算為替の影響等により、前期を484億円上回る2,996億円(前期比119.3%)となりました。事業利益は、増収効果や換算為替の影響等により、前期を91億円上回る525億円(前期比121.1%)となりました。

 

  ※画像省略しています。

<主要な変動要因>

・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、バイオファーマサービス(CDMO)、医薬用・食品用アミノ酸の販売増に加え、為替影響により、大幅増収。

・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、主に電子材料の販売増により、大幅増収。

・その他は、為替影響に加え、メディカルフード等の販売増により大幅増収。

 

  ※画像省略しています。

<主要な変動要因>

・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、大幅増収に伴い、増益。

・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、大幅増収に伴い大幅増益。

・その他は、戦略投資増等により、減益。

 

④ その他

 その他の事業の売上高は、前期を50億円上回る171億円(前期比141.2%)となり、事業利益は、4億円の損失となりました。

 

当連結会計年度の連結損益計算書の段階ごとの概況

① 売上高

 売上高は前期を2,097億円上回る1兆3,591億円(前期比118.2%)となりました。地域別に見ますと、日本では、前期を241億円上回る5,099億円(前期比105.0%)となりました。海外では、前期を1,856億円上回る8,491億円(前期比128.0%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ3,520億円(前期比123.4%)、3,539億円(前期比134.8%)及び1,431億円(前期比123.7%)となりました。売上高海外比率は62.5%(前期は57.7%)となりました。なお売上高は販売元の所在地を基礎とし国又は地域に分類しております

 

② 売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費、持分法による損益

 売上原価は、売上高の増加に伴い、前期から1,652億円増加し、8,887億円(前期比122.8%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、原材料等のコスト増の影響等により、2.4ポイント悪化し、65.4%となりました。販売費は、主として為替影響や海上輸送費の高騰による物流費の増加等により、前期から176億円増加し、1,864億円(前期比110.4%)となりました。研究開発費は、前期から10億円増加し、258億円(前期比104.1%)となりました。一般管理費は、為替影響等により、前期から147億円増加し、1,270億円(前期比113.1%)となりました。持分法による損益は、43億円の利益(前期は9億円の利益)となりました。

 

③ 事業利益

 事業利益は、前期を144億円上回る1,353億円(前期比111.9%)となりました。地域別に見ますと、日本では560億円(前期比102.7%)、海外では793億円(前期比119.5%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ514億円(前期比108.4%)、183億円(前期比156.9%)及び95億円(前期比132.1%)となりました。事業利益海外比率は58.6%(前期は54.9%)となりました。なお事業利益は販売元の所在地を基礎とし国又は地域に分類しております

 セグメント別の事業利益の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記7.セグメント情報」をご参照ください。

 

④ その他の営業収益(費用)

 その他の営業収益は、固定資産(遊休資産)の売却益の計上等があったことにより、前期から141億円増加し、409億円(前期比153.0%)となりました。その他の営業費用は、味の素フーズ・ノースアメリカ社に係るのれんについて減損損失の計上等があったことにより、前期から42億円増加し、273億円(前期比118.4%)となりました。

 

⑤ 営業利益

 営業利益は、前期を243億円上回る1,489億円(前期比119.6%)となりました。

 

⑥ 金融収益(費用)

 金融収益は、前期から7億円減少し、60億円(前期比88.8%)となりました。金融費用は、前期から60億円増加し、149億円(前期比167.2%)となりました。

 

⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益

 親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を183億円上回る940億円(前期比124.2%)となり、1株当たり当期利益は175円97銭(前期は139円42銭)となりました。

 

(5) 当連結会計年度の連結財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆4,570億円に対して546億円増加し、1兆5,117億円となりました。これは主として、原材料価格等の上昇の影響による棚卸資産の増加に加え、円安の進行に伴う換算為替の影響による各資産残高の増加によるものです。

 負債合計は、前連結会計年度末の7,173億円に対して285億円減少し、6,887億円となりました。これは主として、有利子負債の減少によるものです。なお、有利子負債残高は、社債の償還や借入金の返済等により、前連結会計年度末に対して274億円減少し、3,364億円となりました。

 資本合計は、主に円安の進行に伴う在外営業活動体の換算差額の増加により、前連結会計年度末に対して832億円増加しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、7,686億円となり、親会社所有者帰属持分比率は50.8%となりました。

 

セグメントごとの概況は、次のとおりです。

① 調味料・食品セグメント

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の5,971億円に対して31億円増加し、6,003億円となりました。

② 冷凍食品セグメント

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1,961億円に対して42億円増加し、2,003億円となりました。

③ ヘルスケア等セグメント

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の3,035億円に対して338億円増加し、3,373億円となりました。これは主として、為替影響及び設備投資に伴う有形固定資産等の増加によるものです。

 

(6) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況

 

 

 

(億円)

 

2022年3月期

2023年3月期

差額

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,455

1,176

△279

投資活動によるキャッシュ・フロー

△615

△300

314

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,230

△1,110

119

現金及び現金同等物に係る換算差額

88

48

△40

現金及び現金同等物の増減額

△301

△186

114

現金及び現金同等物の期末残高

1,514

1,327

△186

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,176億円の収入(前期は1,455億円の収入)となりました。税引前当期利益が1,400億円であり、減価償却費及び償却費718億円、棚卸資産の増加416億円や法人所得税の支払額391億円があったこと等によるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、300億円の支出(前期は615億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出683億円や有形固定資産の売却による収入402億円があったこと等によるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、1,110億円の支出(前期は1,230億円の支出)となりました。配当金の支払額316億円、自己株式の取得による支出300億円や社債の償還による支出200億円があったこと等によるものです。

 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,327億円となりました。

 

(7) 当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途

① 資金の流動性について

 当連結会計年度は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメントライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。

 十分な手元流動性比率の維持に加え、主要取引銀行と締結しているコミットメントラインにより資金の安全性を確保しております。当連結会計年度末のコミットメントラインの未使用額は円貨で1,500億円、外貨で100百万米ドルです。さらに、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が緊急貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備しております。

② 資金の調達

 当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、コマーシャル・ペーパー発行等による資金調達活動を行いました。

③ 資金の使途

 当連結会計年度の資金の使途は、主として事業資金です。

 

(8) 経営上の目標の達成状況について

 経営上の目標の達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。