E00473 Japan GAAP
前期
486.5億 円
前期比
104.9%
株価
936 (04/26)
発行済株式数
13,000,000
EPS(実績)
7.92 円
PER(実績)
118.14 倍
前期
529.7万 円
前期比
103.5%
平均年齢(勤続年数)
40.2歳(9.3年)
従業員数
528人
当社の企業集団は、当社及び子会社2社(株式会社エス・エフ・ディー及びマイツベーカリー株式会社 以下、当社グループという)で構成され、その主な事業内容は、弁当、おにぎり、調理パン、寿司及び惣菜等の製造卸販売であります。
主な事業の系統図は、次のとおりであります。
(注) 1. 株式会社エス・エフ・ディーは、主に不動産賃貸に関する業務を行っております。
2. マイツベーカリー株式会社は、当社70%出資で設立し、主に原材料の仕入、販売を行っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による悪化から持ち直しの動きがみられるものの、ウクライナ情勢に起因した資源価格の上昇や、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクなど依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループは中食業界に属し、主要な取引先であるコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア等へ弁当、おにぎり、調理パン、寿司及び惣菜等を製造卸販売しており、当社グループを取り巻く環境は、コロナ禍における消費者需要の変化への対応が求められる中、原材料やエネルギー価格の高騰等、引き続き厳しい状況が続いております。
こうした状況下、当社グループは、「良品づくり」のさらなるレベルアップをめざす5カ年計画をテーマとした中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)を策定し、4つの基本戦略、「販売戦略」、「コスト戦略」、「人財戦略」、「環境戦略」に基づき目標達成に向け取り組んでおります。
販売面では、今後ますます需要が見込まれる冷凍弁当や冷凍惣菜、冷凍おせちの製造など冷凍事業の拡大を図りました。2023年2月に幕張メッセで行われた「スーパーマーケット・トレードショー2023」へ出展し、冷凍弁当をはじめとする冷凍事業の商品や新商品である「具っしり太巻」の紹介など、新規カテゴリーの商談や新規取引先の開拓、これまでとは異なる業態のお客さまとの繋がりなど、継続して販売力の強化に取り組みました。
開発面では「家庭の味」にこだわり、製造開始からお客様のもとに届くまでの鮮度を高めることにより、商品価値の向上による他社との差別化を図り、また、原材料の高騰を見据えた商品規格の見直しや新商品の提案を積極的に行いました。
生産面では、政府のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染症防止対策に取り組むとともに、従来からの衛生管理に加え、生産管理部や購買部の工場巡回を通し、食に携わる企業としての責任を全うするため、「良品づくり」に向けた課題の解決や業務の改善に取組んでおります。また大阪工場では炊飯設備を入替え、舎利の美味しさや品質向上に努めました。
コスト面では、人員不足による労働コストの増加や、原材料やエネルギー価格の高騰等が続いておりますが、これらを吸収するべく主要食材の調達方法の見直し、調理加工品アイテム数の削減や機械化による品質及び生産性の向上、各工場間での横断的な製造経費の見直しに取り組みました。
人財面では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための社内ルールを周知徹底し、従業員の健康管理に努めつつ、WEBを活用した職種別の会議体や勉強会を継続し、スキルの向上や組織力の強化と均一化に取り組みました。
環境面では、プラスチック使用量を削減するため、軽量化した発泡素材容器への切換えを進め、また廃棄物を削減するため、関西工場、京滋工場、四国工場に生ごみ処理機を設置し、さらに四国工場に太陽光発電設備を設置するなど、脱炭素社会の実現に向け、省エネ・再エネの推進と環境負荷の軽減に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は、有形固定資産の減少を主因に前連結会計年度末と比較して5億5千9百万円減少し、303億8千1百万円となりました。負債は、長期借入金の減少を主因に前連結会計年度末と比較して4億1百万円減少し、163億5千万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益1億3百万円を計上する一方、配当金の支払額2億6千5百万円等により前連結会計年度末と比較して1億5千8百万円減少し、140億3千1百万円となりました。
(b) 経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高は前期比23億9千3百万円増の510億4千7百万円、経常利益は前期比3億6千4百万円増の19億4百万円、大阪工場の減損損失を14億7千3百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億7千7百万円減の1億3百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は66億3千3百万円と、前連結会計年度末と比較して11億5千1百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は29億7千万円(前連結会計年度は25億9千1百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4億7千万円、減価償却費15億4千2百万円、減損損失14億7千3百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9億4千万円(前連結会計年度は9億9千8百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9億5千2百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億7千9百万円(前連結会計年度は7億9千2百万円の支出)となりました。これは主に、借入れによる収入15億円、借入金の返済による支出21億1千1百万円、配当金の支払額2億6千5百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格により表示しております。
当社グループは、受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造・出荷しておりますので、受注ならびに受注残高についての記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、303億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億5千9百万円減少しました。これは主に有形固定資産の減少によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、163億5千万円となり、前連結会計年度末に比べ4億1百万円減少しました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、140億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億5千8百万円減少し、自己資本比率は、45.9%となりました。
(b) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ23億9千3百万円増加し、510億4千7百万円(前年同期比4.9%増)となりました。これは主に、「内製化」や「手作り感」にこだわり他社との差別化を図ることで既存取引先様への販売が拡大したこと、またカフェチェーンとの取引の伸長や冷凍おせちをはじめとする冷凍事業の拡大により、売上高が堅調に推移したことによります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ4億7千5百万円増加し、70億5千7百万円(前年同期比7.2%増)となりました。また、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加し、13.8%となりました。これは主に、売上高の増加に加え、原材料やエネルギーコストの高騰が続く中、スピード感を持って商品規格の見直しや新商品の提案を積極的に行い、また購買部による主要食材の調達方法の見直し等でコストの低減を図り、さらに機械化による品質及び生産性の向上に取り組んだことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1億2千4百万円増加し、51億8千1百万円(前年同期比2.5%増)となりました。これは主に、売上高の増加に伴う営業や開発人員の増員による人件費の増加であります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ3億5千万円増加し、18億7千6百万円(前年同期比23.0%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ1千2百万円増加し、7千3百万円(前年同期比20.1%増)となりました。これは主に、受取利息及び配当金と助成金収入の増加によるものです。営業外費用は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、4千5百万円(前年同期比3.5%減)となりました。これは主に、支払利息の減少によるものであります。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ3億6千4百万円増加し、19億4百万円(前年同期比23.7%増)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度と比べ0.5ポイント増加し、3.7%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ4千6百万円増加し、4千8百万円(前年同期比2,688.6%増)となりました。これは主に保険解約益によるものであります。特別損失は、前連結会計年度に比べ14億4千2百万円増加し、14億8千2百万円(前年同期比3,577.5%増)となりました。これは主に、大阪工場の減損損失によるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ9億7千7百万円減少し、1億3百万円(前年同期比90.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(b) 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資など事業活動に必要な資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、有利子負債は85億4千3百万円であります。
今後も営業活動により得られるキャッシュ・フロー及び借入を基本に将来必要な資金を調達していく考えであります。
③重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「良品づくり」のさらなるレベルアップをめざす5カ年計画をテーマとし、「販売戦略」「コスト戦略」「人財戦略」「環境戦略」を基本戦略とする、中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)を策定し、連結売上高550億円、連結経常利益率3.3%(「収益認識に関する会計基準」適用後)を目指しており、計画達成に向け活動を進めております。
3年目となる2023年3月期は、新型コロナウイルス感染症による悪化から持ち直しの動きがみられ、連結売上高510億4千7百万円であり、2022年5月10日に開示しております連結売上高計画490億円に比べ、20億4千7百万円の増加となりました。連結経常利益率は3.7%であり、連結経常利益率計画3.2%に比べ、0.5ポイント増加となりました。引き続き当該目標の達成に向け邁進してまいります。