売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00492 IFRS

売上高

2.84兆 円

前期

2.66兆 円

前期比

106.9%

時価総額

8.25兆 円

株価

4,125 (11/01)

発行済株式数

2,000,000,000

EPS(実績)

242.66 円

PER(実績)

17.00 倍

平均給与

927.0万 円

前期

903.9万 円

前期比

102.6%

平均年齢(勤続年数)

41.4歳(15.2年)

従業員数

5,940人(連結:53,239人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社と、連結子会社221社、持分法適用会社18社から構成される当社グループはたばこ事業、医薬事業並びに加工食品事業を展開しているグローバル企業であり、その主な事業内容及び各関係会社等の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。

なお、次の3区分は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」に掲げる報告セグメントの区分と同一です。

 

〔たばこ事業〕

 当該事業につきましては、JT International S.A.を中核として、世界各国でたばこ製品の製造、販売等を行っております。

 (主な関係会社)

JT International S.A.、LLC JTI Russia、Gallaher Ltd.、JTI Polska Sp. z o. o.、LLC Petro、JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.Ş.、TSネットワーク㈱、日本フィルター工業㈱

    その他連結子会社166社、持分法適用会社14社

 

〔医薬事業〕

 当該事業につきましては、医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。主に当社が研究開発を行い、鳥居薬品㈱が製造、販売及びプロモーション業務(当社製品を含む)を担っております。

 (主な関係会社)

鳥居薬品㈱、Akros Pharma Inc.

 

〔加工食品事業〕

 当該事業につきましては、冷凍・常温食品、調味料等の製造、販売をテーブルマーク㈱等が行っております。

 (主な関係会社)

テーブルマーク㈱

その他連結子会社21社、持分法適用会社2社

 

 上記の報告セグメントの他に、不動産賃貸等に係る事業等を営んでおります。なお、報告セグメントに属さない関係会社として、連結子会社23社、持分法適用会社2社があります。

 

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

 

また、各事業における研究開発、調達、製造、販売等の分野ごとの概要は以下のとおりです。

 

〔たばこ事業〕

 当社グループのたばこ事業は、販売数量で世界第3位(中国国家煙草総公司を除く)を誇り、130以上の国と地域で製品を販売しております。当社グループは世界におけるCombustibles(注1)の販売数量シェア上位10ブランドのうち3ブランド(注2)を製造・販売しております。

(注1)製造受託/水たばこ/加熱式たばこ/無煙たばこ/E-Vaporを除く燃焼性のたばこ製品

(注2)2022年度データ

 

<研究開発>

研究開発力を長期に亘る競争力の源泉とすべく、特に葉たばこの育種、原材料及びその加工、たばこの香喫味、製造技術並びにRRP(注)関連技術の分野に注力し、製品価値の向上とコストの低減を目指しております。基礎研究及び応用研究開発領域については、日本国内の研究所がグローバル機能を有しており、製品開発領域については、各国・各地域の異なるニーズ・嗜好に対応すべく、ローカルベースでの開発も行っております。

(注)RRPは、加熱式たばこ及びE-Vapor製品等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-

Risk Products, RRP)を指しております。

 

<原料葉たばこの調達>

たばこの原料である葉たばこは、農作物であるため、その調達状況は天候に左右され、また、近年、エネルギー資源や他の作物の価格高騰等により、葉たばこ供給の不安定化や価格の上昇傾向が見られます。このような状況下において、当社グループは垂直統合及びサプライヤーとの連携強化により、原料の安定的な調達と調達コストの低減を目指しております。

 

<製造>

 お客様に信頼される高品質なたばこづくりを目指し、グローバルな製造体制を構築しております。日本国内では3つのたばこ製造工場及び2つのその他たばこ関連工場が、日本を除く27か国では33のたばこ製造工場(その他たばこ関連工場含む)が稼動しております。また、当社グループブランドの製造委託及び2社間でのクロスライセンスによる製造も一部行っております。

 

<マーケティング>

 ブランドロイヤリティを高めるために、様々な規制を遵守しつつ、積極的かつ効果的なマーケティング活動を展開しております。

 グローバルには、グローバル・フラッグシップ・ブランド(以下「GFB」という)(注)を中心に、一部のローカルブランドによる補完を行いながらマーケティング活動を行っております。また、RRPにおいては、PloomブランドやLogicブランド等を展開しております。

(注)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFBとしております。

 

・小売価格

 たばこの小売価格設定にあたっては、ブランドのポジショニング、製品価値との見合い、競合製品の価格、利益確保といった観点に加え、定価制や課税方式(従量税・従価税)等、国ごとに異なる特有の制度面からも検討を行います。小売価格変更の契機として最も代表的なものは増税です。近年、国内外問わず財政及び公衆衛生の観点からたばこ税の増税が行われております。

 

<販売(流通)>

 お客様に当社グループの商品を確実にお届けするために、当社グループは各市場の法的制約、慣行等に合わせて、自社流通や現地代理店及び流通業者の利用等、最適な流通販売ルートの確保を行っております。

 また、販売チャネルに関しても、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケットといったチェーン企業をはじめ、個人商店、自動販売機、オンライン等があり、その販売構成比は国ごとに異なります。当社グループは、販売チャネル状況、お客様動向及び競合動向を加味した営業体制を構築しております。

〔医薬事業〕

当社グループは、1987年より医薬事業に進出し、「国際的に通用する特色ある研究開発主導型事業の構築」「オリジナル新薬の開発を通じての存在感の確保」をミッションとし、現在は医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。

1998年12月には鳥居薬品㈱(以下「鳥居薬品」という)の発行済株式総数の過半数を取得し、その後、製造、販売及びプロモーション機能を鳥居薬品に、研究開発機能を当社に統合しました。

また、2000年4月には、米国ニュージャージー州にあるグループ会社Akros Pharma Inc.に臨床開発機能を追加し、海外での臨床開発拠点を設立しました。

 当社グループは、安定的な利益貢献に向け、各製品の価値最大化、研究開発パイプラインの強化並びに、戦略的な導出入機会の探索及び提携先との連携強化に取組んでおります。

 

<研究開発>

研究開発は医薬事業の基盤であり、医薬事業の長期的成長と収益性にとって重要なものです。研究開発活動は主に「循環器・腎臓・代謝」「免疫・炎症」「中枢」の領域にフォーカスしており、当年度は322億円を投資しました。

 

・研究開発プロセス

 「探索研究、創薬研究、前臨床試験」を医薬総合研究所が、その後の「臨床試験、承認申請・承認取得」を臨床開発部門等とグループ会社であるAkros Pharma Inc.が、それぞれ担っております。また、開発途中段階にて海外における開発権及び商業化権を導出した化合物については、導出先企業が以後のプロセスを担います。

 

<製造>

当社グループ製品の製造に関しては、2020年に当社グループ工場での製造を中止したため、医薬品製造の全工程を外部に委託しております。

 

<販売及びプロモーション>

・海外における販売及びプロモーション

現在、海外において自社の販売組織を保有しておらず、化合物ごとに、開発途中段階で海外における開発及び商業化権を他社に導出し、導出先から販売実績に応じたロイヤリティを受領しております。

 

・日本における販売及びプロモーション

日本国内での当社グループ製品の医薬品卸売業者への販売及び医療施設へのプロモーションについては、主に鳥居薬品によって行われております。なお、プロモーションについては、同社の全国7か所の営業支社に在籍する282名の医薬情報担当者(MR)によって行われております。

主要製品としては、「コレクチム軟膏(アトピー性皮膚炎治療薬)」、「リオナ錠(高リン血症治療剤)」、「レミッチ(透析患者における経口そう痒症改善剤)」、「シダキュアスギ花粉舌下錠」、「ミティキュアダニ舌下錠」があります。

 

〔加工食品事業〕

 当社グループは、1998年より加工食品事業に参入し、それ以来、自律的な成長に加えて、M&Aや資本提携等によって事業を拡大させてきました。

 2008年には日本の大手冷凍食品メーカーであった㈱加ト吉の株式を公開買付により取得してグループ会社とし、同年に当社グループの加工食品事業を㈱加ト吉に移管し、事業統合を実施するとともに、2010年に㈱加ト吉はテーブルマーク㈱と名称を変更する等、統合シナジーの追求及び一体感の更なる醸成を図りました。

 当年度末現在、テーブルマーク㈱、富士食品工業㈱及びその他グループ各社が事業を担っております。テーブルマーク㈱は、日本を中心に、冷凍うどん、パックごはん、冷凍お好み焼を中心とした冷食・常温事業を展開しております。富士食品工業㈱は、酵母エキス調味料、昆布・カツオ等の抽出エキス調味料、組立型調味料、オイスターソース等の調味料を主力とした調味料事業を展開しております。

 当社グループの主要な製品には、冷凍麺の「冷凍さぬきうどん」、パックごはん「たきたてご飯」、酵母エキス調味料「バーテックス」等があります。

 

<研究開発>
 消費者のニーズや嗜好にあった革新的な製品の開発に注力しており、多様化するお客様ニーズに対応するため、当社グループが保有する独自技術を活かした、付加価値ある製品の開発に取組んでおります。

 具体的には、当社グループ独自の発酵・製パン・冷凍技術を活かして、焼きたての味と食感を維持・再現した、家庭で手軽に焼きたての味が楽しめる焼成冷凍パンを開発しました。また、冷凍麺ではうどんの新製法「丹念仕込み『綾・熟成法』」を開発し、これにより、うどんの高品位・高付加価値化を実現することが可能となりました。

 

<調達>
 安全な食品づくりは、安全で高品質な原料の調達から始まります。当社グループでは、原料の選定にあたり、サプライヤーから提出される品質規格保証書の内容確認だけではなく、主要な原料については、残留農薬等のモニタリング検査や原料工場の定期的な監査を食品衛生法等関連法規の適法性はもとより、当社グループ独自で定めている基準により実施しております。

 更に、海外から調達する原材料において、原料農場の土壌や水質の検査、栽培状況の確認、農薬の管理状態のチェック、飼育場や養殖場の点検等、原材料の生産現場から安全性を確認する体制を構築しております。

 

<製造>
 当社グループでは、日本で16の工場、海外で8つの工場を運営しており、また、国内外の委託工場に当社グループの加工食品の製造を外部委託しております。2020年度より稼働した1工場(注)を除き、国内外の自社グループ工場と生産委託を行っているすべての冷凍食品工場においては、ISO22000又はFSSC22000を取得しております。ISO22000及びFSSC22000では、HACCPの考え方による科学的な裏付けをもった衛生管理や重要管理点をコントロールするためのルールを定め、その管理手法に基づいた継続的な改善を行います。

(注)当該工場についても、現在ISO22000及びFSSC22000の取得を進めております。

 

<マーケティング>

 お客様視点での市場分析と当社グループが保有する技術を組み合わせることにより、新たな付加価値を持った製品提案を行い、市場の拡大を目指しております。また、効果的な販売促進施策によるお客様の製品認知度の向上に努めております。

 

<販売及び流通>

 収益力強化に向けて、営業部門組織体制の最適化に取組むとともに、量販店、コンビニエンスストア等への積極的なアプローチによる取扱い品目の拡大や優位な陳列場所の確保に取組んでおります。

 

<食の安全>

 お客様に安全な製品を、安心して召し上がっていただくために、東京及び中国(青島)に品質管理センターを設置しており、製品の企画・開発段階からの使用原材料の検査・監査を実施するとともに、工場での生産時・出荷前の検査並びに製品づくり全体の安全管理を行っております。また、「食の安全に関するアドバイザー」である外部専門家の方々より、評価・助言をいただき、多様な知見・視点を積極的に取り入れ、事業活動に反映しております。これらの取組みは、上記<調達>及び<製造>に記載した内容を含め、ウェブサイト等で公開しております。

24/03/22

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する主な注記は以下のとおりです。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、別段の表示が無い限り、当該事項は提出日現在において判断したものです。

 

(非GAAP指標について)

当社グループは、当社が適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない非GAAP指標を追加的に開示し

ております。非GAAP指標は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。

 

調整後営業利益

営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除いた調整後営業利益を開示しております。調整項目(収益及び費用)はのれんの減損損失、リストラクチャリング収益及び費用等です。

また、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率も追加的に開示しております。当社グループは、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としており、その達成を目指してまいります。

 

為替一定ベース

為替一定ベースとは、たばこ事業における当期の自社たばこ製品売上収益又は調整後営業利益から、前年同

期の為替レートを用いて換算・算出した為替影響を除いた指標です。為替一定ベースの実績は、一定の方法を

用いて算出した一部市場のインフレに伴う売上又は利益の増加分を除いております。

 

自社たばこ製品売上収益

 たばこ事業においては、自社たばこ製品に係る売上収益を開示しております。自社たばこ製品売上収益には、物流事業及び製造受託等に係る売上収益は含まれておりません。

 

(超インフレの調整について)

当社グループは、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件に従い、会計上の調整を加えております。

 

(RRPについて)

RRPは、加熱式たばこ及びE-Vapor製品等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-Risk Products, RRP)を指しております。

加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品です。当社製品ポートフォリオでは、高温加熱型のHeated tobacco

sticks(HTS)、低温加熱型のInfused-tobacco capsules(Infused)があります。

一方、E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、装置内若しくは専用カートリッジ内のリキッド(液体)を電気加熱させ、発生するベイパー(蒸気)を愉しむ製品です。

 

 

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。

(1)経営成績の状況

① 全社実績

(単位:億円)

 

2022年12月期

2023年12月期

増減率

売上収益

26,578

28,411

6.9%

調整後営業利益

7,278

7,280

0.0%

営業利益

6,536

6,724

2.9%

当期利益(親会社所有者帰属)

4,427

4,823

8.9%

 

<売上収益>

売上収益は、たばこ事業及び医薬事業での増収により、前年度比6.9%増の2兆8,411億円となりました。為替一定ベースのcore revenue(注)は、前年度比6.1%増となりました。

 

<調整後営業利益>

為替一定ベースの調整後営業利益は、主にたばこ事業における増加により、前年度比5.2%増となりました。為替影響を含めた調整後営業利益は、一部現地通貨による為替影響がネガティブに発現し、前年度と同水準の7,280億円となりました。

 

<営業利益>

営業利益は、調整項目における買収に伴い生じた無形資産に係る償却費の減少や不動産の処分に係る収益の増加により、前年度比2.9%増の6,724億円となりました。

 

<親会社の所有者に帰属する当期利益>

親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加に加え、金融損益の改善や法人所得税費用の減少により、前年度比8.9%増の4,823億円となりました。

 

(注)為替一定ベースのcore revenueは、為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益、医薬事業・加工食品事業・

     その他の売上収益の合計。

 

② セグメント別実績

〔たばこ事業〕

(単位:億本、億円)

たばこ事業

2022年12月期

2023年12月期

増減率

総販売数量

5,273

5,401

2.4%

 Combustibles販売数量(注1)

5,194

5,313

2.3%

 RRP販売数量(注2)

79

88

11.8%

自社たばこ製品売上収益

23,152

24,786

7.1%

調整後営業利益

7,540

7,498

△0.6%

 

<総販売数量>(注3)(注4)

総販売数量は、Western Europeにおける総需要の減少があったものの、Asia及びEMAにおける継続的なシェア伸張や一部市場における総需要の増加により、前年度比2.4%増の5,401億本となりました。Combustibles販売数量は、主にEMAにおける増加により、前年度比2.3%増となりました。RRP販売数量は、主に日本における継続的なHTSカテゴリ内のシェア伸張及び新たな市場での投入により、前年度比11.8%増となりました。市場シェアは、主要市場であるイタリア、台湾、日本、フィリピン、ロシアを含めた様々な市場で伸張しました。

 

なお、当年度における製造委託を含めたCombustibles及びRRPを合わせた製造数量は、前年度に対し321億本増加し、5,584億本(前年度比6.1%増)となりました。

 

<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>

自社たばこ製品売上収益は、Western Europe及びEMAを中心とした単価上昇効果、Asia及びEMAにおける継続的なシェア伸張及びポジティブな為替影響等により、前年度比7.1%増となりました。調整後営業利益は、ネガティブな為替影響を受けたことから、前年度比0.6%減となりました。RRP関連売上収益(注2)は、RRP販売数量及びシェアの増加等により、前年度比8.3%増の816億円となりました。

為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益は、それぞれ前年度比6.4%増、4.4%増となりました。

 

(注1)製造受託/水たばこ/加熱式たばこ/無煙たばこ/E-Vaporを除く燃焼性のたばこ製品。

(注2)RRP販売数量にはデバイス・関連アクセサリー等は含まれておりませんが、RRP関連売上収益にはデバイ

    ス・関連アクセサリー等に係る売上収益が含まれております。

(注3)総需要及び市場シェアは当社推計です。

(注4)たばこ事業セグメントについては、3つのクラスター(Asia、Western Europe、EMA)に区分けしてお

    ります。Asiaは日本を含むアジア全域、Western Europeは西欧地域、EMAはアフリカ、中近東、東欧、ト

    ルコ、南北アメリカ大陸及びすべてのGlobal Travel Retail(免税市場)を含んでおります。Asiaには台

    湾、日本、フィリピン等、Western Europeにはイタリア、英国、スペイン等、EMAにはトルコ、ルーマニ

    ア、ロシア等を含んでおります。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表

    連結財務諸表注記 6.事業セグメント(2)セグメント収益及び業績」をご参照ください。

 

〔医薬事業〕

(単位:億円)

医薬事業

2022年12月期

2023年12月期

増減率

売上収益

829

949

14.4%

調整後営業利益

111

174

56.2%

 

<売上収益及び調整後営業利益>

売上収益は、導出品のライセンス契約に係る一時金収入及び当社の連結子会社である鳥居薬品株式会社の増収により、前年度比14.4%増となりました。

調整後営業利益は、研究開発費の増加があったものの、売上収益の増収により、前年度比56.2%増となりました。

 

〔加工食品事業〕

(単位:億円)

加工食品事業

2022年12月期

2023年12月期

増減率

売上収益

1,555

1,539

△1.1%

調整後営業利益

35

68

95.2%

 

<売上収益及び調整後営業利益>

売上収益は、冷食・常温事業において、価格改定に加え、外食需要の回復による業務用製品の売上伸長があるものの、ベーカリー事業譲渡による売上収益の剥落により、前年度と概ね同水準となりました。

調整後営業利益は、原材料費等の高騰があるものの、冷食・常温事業における価格改定効果や外食需要の回復による業務用製品の増収影響により、前年度比95.2%増となりました。

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況

① 財政状態の状況

〔資産〕

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,340億円増加し、7兆2,821億円となりました。これは、現金及び現金同等物の増加があったことに加え、為替影響によるのれんの増加があったこと等によるものです。

〔負債〕

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,383億円増加し、3兆3,696億円となりました。これは、借入金及び未払たばこ税の増加があったこと等によるものです。

〔資本〕

当連結会計年度の資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,957億円増加し、3兆9,125億円となりました。これは、配当金の支払いがあったものの、在外営業活動体の換算差額の増加があったことに加え、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加があったこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当年度末現在における現金及び現金同等物は、前年度末に比べ1,733億円増加し、1兆402億円となりました(前年度末残高8,669億円)。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,670億円の収入(前年度は4,838億円の収入)となりました。これは、法人税の支払い、棚卸資産の増加及び前払たばこ税の増加があったものの、主にたばこ事業による安定したキャッシュ・フローの創出があったこと等によるものです。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,261億円の支出(前年度は1,018億円の支出)となりました。これは、有形固定資産、無形資産及び投資の取得による支出があったこと等によるものです。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、2,705億円の支出(前年度は3,062億円の支出)となりました。これは、短期借入金の増加があった一方で、配当金の支払い及び社債の償還による支出があったこと等によるものです。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

当社グループは、たばこ事業、医薬事業及び加工食品事業において広範囲かつ多種多様な製品の生産・販売を行っており、その品目・形式・容量・包装等は多種類であること、また主要な製品については受注生産を行っていないことから、各セグメントの生産規模及び受注規模を金額及び数量で表示することはしておりません。

このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

なお、当社グループの売上収益総額に対する割合が100分の10以上の相手先に対する売上収益及びその割合については、以下のとおりです。

 

相手先

2022年12月期

2023年12月期

金額(億円)

割合(%)

金額(億円)

割合(%)

Megapolisグループ

3,875

14.6

3,710

13.1

 

(注)たばこ事業において、ロシア等で物流・卸売事業を営むMegapolisグループに対して製品を販売しております。

(4)重要性のある会計方針

① IFRSの適用

当社グループは、1999年にRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得、2007年にGallaher社を買収し、130以上の国と地域で製品を販売するグローバル企業として着実な成長を続けてきました。こうした中で、日本において国際的な財務・事業活動を行っている上場企業に対して、2009年度よりIFRSの任意適用が認められたことを踏まえ、当社グループは、2011年度よりIFRSを適用することとしました。これにより、当社グループは資金調達手段の多様化、経営管理面での品質向上を目指してまいります。

 

② 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに決算日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。

見積り及び仮定は経営者により継続して見直しております。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。

上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。

 

(5)目標となる経営指標について

当社グループは、経営理念である「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づき、中長期に亘る持続的な利益成長が最も重要であると考えております。持続的利益成長の基盤である事業そのもののパフォーマンスを計るためには、為替影響、一時的要因及び特殊要因を除くことが適切と捉え、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としております。

2023年12月期の為替一定ベースの調整後営業利益は、前年度比5.2%増と厳しい事業環境の中でも前年を上回りました。

2023年12月期の経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に示しております。

全社利益目標の達成に向けた経営方針等の詳細については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(6)経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループにおける海外でのたばこ事業拡大に伴い、その寄与分につき、為替の変動が連結財務諸表に影響を与えております。2023年12月期においては、為替一定ベースの調整後営業利益は前年度比5.2%増となった一方、為替影響を含めた調整後営業利益は前年度と同水準となり、ネガティブな為替影響を受けました。2024年12月期においても、ネガティブな為替影響を想定しております。

当社グループは、為替リスクを緩和すべく、収入通貨と支払通貨を合致させるナチュラルヘッジの実施に努めております。また、一部の為替リスクに対しては、デリバティブ又は外貨建有利子負債等を利用したヘッジを行っております。

以上を含む、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

(7)財務活動の基本方針

当社グループの財務活動の基本方針は、以下のとおりです。

① グループ内キャッシュマネジメント

グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主としてキャッシュマネジメントシステム(CMS)によるグループ内での資金貸借の実施を最優先としております。

 

② 外部資金調達

短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期資金については、金融機関からの借入、社債、株主資本又はその組み合わせにより調達することを基本としております。

安定的で効率的な資金調達のために、複数のコミットメント融資枠を設定する等、取引する金融機関と資金調達手段の多様性を維持しております。

③ 外部資金運用

外部資金運用においては、安全性と流動性を確保した上で、適切な収益を求め、また投機的取引を行ってはならないことを定めております。

 

④ 財務リスク管理

当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。主要な財務上のリスク管理の状況については、定期的に当社の社長及び取締役会への報告を行っております。

また、当社グループの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。

なお、財務リスク管理の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 33.金融商品 (2)リスク管理に関する事項 ~(8)市場価格の変動リスク」までをご参照ください。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

 設備投資、運転資金、外部資源の獲得、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式取得並びに法人税の支払い等に資金を充当しております。

 重要な資本的支出の予定及び資金の調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

 

② 資金の源泉

 主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行により、必要とする資金を調達しております。

 

<キャッシュ・フロー>

 「(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

<有利子負債>

 当社グループの当年度末現在の有利子負債の返済・償還予定額は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

帳簿価額

1年以内

1年超~2年以内

2年超~3年以内

3年超~4年以内

4年超~5年以内

5年超

短期借入金

2,090

2,090

1年内返済予定の長期借入金

244

244

長期借入金

1,230

28

2

202

1

1,000

社債

7,859

1,111

1,000

5,845

合計

11,423

2,333

1,139

2

202

1,001

6,845

(注)リース負債を除いております。

(長期負債)

社債(1年内償還予定を含む)は、前年度末現在7,373億円、当年度末現在7,859億円、金融機関からの長期借入金(1年内返済予定を含む)は、それぞれ1,572億円、1,474億円です。長期リース負債は、前年度末現在401億円、当年度末現在382億円です。

当年度末現在、長期債務格付は、ムーディーズ・ジャパン㈱ではA2(安定的)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱ではA+(安定的)、㈱格付投資情報センター(R&I)ではAA(安定的)となっており、同日現在、国際的なたばこ会社の信用格付としてはそれぞれ最高レベルです。

格付は、事業を行う主要市場の発展及び事業戦略の成功、並びに当社グループではコントロールできない全般的な景気動向等、数多くの要因によって影響を受けます。格付は随時、撤回あるいは修正される可能性があります。格付はそれぞれ、他の格付と区別して単独に評価されるべきものです。JT法のもと、当社により発行される社債には、当社の一般財産に対する先取特権が付されております。この権利により、国税及び地方税並びにその他の法定債務を例外とし、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先されます。

 

(短期負債)

金融機関からの短期借入金は、前年度末現在637億円、当年度末現在2,090億円です。コマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。短期リース負債は、前年度末現在202億円、当年度末現在214億円です。

 

③ 流動性

当社グループは、従来営業活動により多額のキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでおります。営業活動によるキャッシュ・フローは今後も安定的で、通常の事業活動における必要資金はまかなえると予想しております。また、当年度末現在、国内・海外の主要な金融機関からの5,677億円のコミットメント融資枠があり、そのうち76.2%が未使用です。更に、コマーシャル・ペーパープログラム、アンコミットメントベースの融資枠、国内社債発行登録枠及びユーロMTNプログラム等があります。