E00511 Japan GAAP
前期
208.9億 円
前期比
117.3%
株価
1,421 (07/16)
発行済株式数
8,345,370
EPS(実績)
191.36 円
PER(実績)
7.43 倍
前期
511.5万 円
前期比
104.7%
平均年齢(勤続年数)
38.5歳(12.3年)
従業員数
122人(連結:153人)
当社グループの企業集団は、当社及び連結子会社1社の2社から構成されており、「液卵関連事業」と「調味料関連事業」の2つの事業を中核としております。また、「その他」として太陽光発電事業を行っております。
当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
また、主要な関係会社についても異動はありません。
液卵関連事業
当事業においては、鶏卵を割卵して卵殻を取り除いた「液卵」「凍結卵」を製造販売しております。多くの業務用加工食品に使用される食の半導体ともいうべき「液卵」「凍結卵」の安定品質、安定供給力を認められ、主に大手食品メーカーや外食向けに納入しております。
(主な関係会社)当社
調味料関連事業
当事業においては、業務用粉体調味料及び顆粒調味料等を製造販売しております。開発力や商品力を認められ、主に大手食品メーカーに納入しております。
(主な関係会社)日本化工食品株式会社
その他
太陽光発電事業を営んでおります。
(主な関係会社)当社、日本化工食品株式会社
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により景気は緩やかな回復傾向にあるものの、不安定な世界情勢や円安等による資源価格及び物価の上昇等、景気の先行きには注視が必要な状況にあります。
食品業界におきましては、原材料価格や製商品価格の値上げが相次ぎました。また、鶏卵業界では、2022年秋から2023年初頭にかけて発生した過去最大規模の鳥インフルエンザの影響が続き、2023年10月まで鶏卵相場が高水準で推移しました。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の連結売上高につきましては、液卵関連事業において販売価格の改定を進めたこと等により、前連結会計年度に比べ17.3%増の24,503百万円となり過去最高となりました。
損益につきましては、液卵関連事業において、当連結会計年度は鶏卵相場(全農東京M基準値)の平均値が上期324円/kg、下期228円/kgと例年とは動きが大きく異なり、また、鶏卵相場の変動幅も極めて大きいものとなりました。そのため、製品及び原料の取得原価と正味売却価額及び再調達原価との間に著しい差異が生じたことから、棚卸資産の評価の見直しを行いました。その結果、製商品について349百万円、原料について151百万円の棚卸資産評価損を計上し、売上原価が増加しました。一方で、売上高が過去最高となったこと等により、連結営業利益は同12.1%増の1,766百万円、連結経常利益は同12.0%増の1,809百万円となり、いずれも10期連続で過去最高益を更新しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益等の増加に加え、当社所有の土地の収用に伴う収用補償金の計上、また役員退職慰労金の支給により課税所得が減少し法人税等が低く抑えられたことから、同43.0%増の1,597百万円となり、5期連続で過去最高益を更新しました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
液卵関連事業
当セグメントにおきましては、主要な商品である液卵の販売単価及び原料の仕入単価は鶏卵相場に連動して変動するものが多くあり、鶏卵相場が高く推移した場合は販売単価及び仕入単価はともに高く推移します。逆に、鶏卵相場が低く推移した場合は販売単価及び仕入単価はともに低く推移します。そのため、販売単価と仕入単価の差益の一定額以上の確保と販売数量の確保により利益が最大になるように努めております。
当セグメントにおける売上の指標である販売数量につきましては、前連結会計年度に比べ5.4%減となりました。これは主に、1月から3月の直近3ヵ月では前年同期を上回る販売数量で推移したものの、上期において極度の鶏卵不足の中、得意先である食品メーカーにおいて液卵調達への懸念から液卵の使用量を減らしたこと等によるものであります。
売上高につきましては、販売数量は減少したものの、人件費や光熱費の上昇をはじめとする様々な製造コストの増加や、上期における鳥インフルエンザ多発に伴う鶏卵の供給不足による原料仕入価格の高騰、さらに得意先からの要請を受けて安定供給に努めるべく輸入卵を含む原料を買い付けたことに伴い、販売価格の改定を進めました。その結果、液卵売上高は前連結会計年度に比べ19.7%増の21,971百万円となりました。また、加工品売上高は、ゆで卵や茶碗蒸しベースの販売価格の改定等により同22.5%増の978百万円、その他売上高は鶏卵販売の減少等により同48.3%減の324百万円となりました。この結果、当セグメント合計の売上高は同17.6%増の23,274百万円となりました。
セグメント利益につきましては、上述の棚卸資産評価損の計上により売上原価が増加しましたが、販売価格の改定を行ったことや、製造コストの増加に対応するため工場の生産効率の向上や歩留まりの向上に努めるなど、業績を向上させるべく様々な施策を講じた結果、同11.7%増の1,686百万円となりました。
調味料関連事業
当セグメントの売上高につきましては、原料仕入価格の値上がりに対応するため販売価格の改定を進めたことや、当社グループ内での卵白プロテインの委託加工等の販売増加及び健康食品等の付加価値商品向けの販売増等により、前連結会計年度に比べ17.9%増の1,479百万円となりました。
セグメント利益につきましては、前述のとおり売上高が増加したこと等により同28.3%増の70百万円となりました。
その他
当セグメントは太陽光発電であり、売上高は前連結会計年度に比べ1.5%減の23百万円となり、セグメント利益は修繕費の計上等により同20.4%減の9百万円となりました。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は14,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ967百万円増加しました。
流動資産は9,429百万円となり、前連結会計年度末に比べ908百万円増加しました。主な要因は、上期に鶏卵相場が大幅に上昇したことに伴う在庫単価の上昇や今後の鳥インフルエンザ発生に伴う供給不足に備えて製品在庫を積み増したこと等による商品及び製品の増加1,619百万円、現金及び預金の減少517百万円等によるものであります。
固定資産は5,207百万円となり、前連結会計年度末に比べ58百万円増加しました。主な要因は、建物及び構築物の増加141百万円、有形固定資産のその他に含まれている建設仮勘定の増加46百万円、機械装置及び運搬具の減少149百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は4,943百万円となり、前連結会計年度末に比べ295百万円減少しました。
流動負債は4,525百万円となり、前連結会計年度末に比べ598百万円増加しました。主な要因は、在庫の積み増し等に伴う運転資金需要増による短期借入金の増加1,236百万円、支払手形及び買掛金の減少180百万円、未払法人税等の減少152百万円等によるものであります。
固定負債は417百万円となり、前連結会計年度末に比べ893百万円減少しました。主な要因は、長期未払金の減少516百万円、長期借入金の減少379百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は9,693百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,262百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,597百万円の計上及び配当金387百万円の支払により利益剰余金が1,209百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は66.2%となりました。
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し3,133百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用された資金は、前連結会計年度に比べ1,566百万円増加し292百万円となりました。これは主に、棚卸資産の増加1,527百万円、法人税等の支払い628百万円、長期未払金の減少516百万円、仕入債務の減少180百万円等による資金の減少が、税金等調整前当期純利益の計上2,016百万円、減価償却費の計上453百万円、売上債権の減少234百万円等による資金の増加を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用された資金は、前連結会計年度に比べ276百万円減少し172百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出692百万円等による資金の減少が、定期預金の払戻による収入537百万円等による資金の増加を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ823百万円増加し468百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,218百万円による資金の増加が、長期借入金の返済による支出360百万円、配当金の支払い387百万円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格で表示しております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、実際仕入額で表示しております。
当社グループの製品については、概ね受注生産でありますが、生産と販売の関連において製品の回転が早く、月末(または期末)における受注残高が極めて少ないため、受注実績の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(売上高)
液卵関連事業につきましては、液卵売上高は、前連結会計年度に比べ19.7%増の21,971百万円となりました。これは主に、様々な製造コストの増加や、上期における鳥インフルエンザ多発に伴う鶏卵の供給不足による原料仕入価格の高騰、さらに得意先からの要請を受けて安定供給に努めるべく輸入卵を含む原料を買い付けたことに伴い、販売価格の改定を進めたことによるものであります。なお、売上の指標である販売数量は、2024年1月から3月の直近3ヵ月では前年同期を上回る販売数量で推移したものの、上期において極度の鶏卵不足の中、得意先である食品メーカーにおいて液卵調達への懸念から液卵の使用量を減らしたこと等により、前連結会計年度に比べ5.4%減となりました。加工品売上高は、茶碗蒸しベースの販売が増加したこと等により同22.5%増の978百万円、その他売上高は鶏卵販売の減少等により同48.3%減の324百万円となりました。この結果、当セグメント合計の売上高は同17.6%増の23,274百万円となりました。
調味料関連事業につきましては、原料仕入価格の値上がりに対応するため販売価格の改定を進めたことや、当社グループ内での輸入粉卵及び卵白プロテインの委託加工等の販売増加及び健康食品等の付加価値商品向けの販売が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ17.9%増の1,479百万円となりました。
その他につきましては太陽光発電事業であり、売上高は前連結会計年度に比べ1.5%減の23百万円となりました。
この結果、セグメント間の内部売上高を除いた連結売上高は前連結会計年度に比べ17.3%増の24,503百万円となり、過去最高となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価につきましては、主に液卵関連事業において、鶏卵の供給不足に対応した割高な輸入卵仕入の増加等により材料費が増加したことに加え、様々な製造経費が値上げ等により増加しました。さらには、鶏卵相場の変動幅が上期と下期で極めて大きいものとなり、製品及び原料の取得原価と正味売却価額及び再調達原価との間に著しい差異が生じたことから、棚卸資産の評価の見直しを行い、原料について151百万円、製商品について349百万円の棚卸資産評価損を計上しました。この結果、売上原価は、前連結会計年度に比べ19.5%増の20,314百万円となりましたが、売上高が過去最高となったことにより、売上総利益は同7.6%増の4,188百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、液卵関連事業における凍結製品製造、保管数量増による保管料の増加等により、前連結会計年度に比べ4.6%増の2,422百万円となりました。
この結果、営業利益は同12.1%増の1,766百万円となり、10期連続で過去最高益を更新しました。
(経常利益)
営業外収益は、受取賃貸料21百万円や受取保険金17百万円の計上等により54百万円となりました。営業外費用は、支払利息10百万円の計上となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ12.0%増の1,809百万円となり、10期連続の増益で過去最高益を更新しました。また、経常利益率は7.4%となりました。
(特別損益)
特別利益には、主に、奈良市に所有している土地の一部収用に伴う収用補償金207百万円を計上しました。
特別損失には、固定資産除売却損0百万円を計上しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、上述の特別利益の計上や、役員退職慰労金の支給により課税所得が減少し法人税等が低く抑えられたこと等により、前連結会計年度に比べ43.0%増の1,597百万円となり、5期連続で過去最高益を更新しました。
当社グループの資金需要としましては、運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払、税金及び配当金の支払等であります。資金の調達手段としましては、主に、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより調達しております。また、運転資金の効率的な調達のため、主要取引銀行4行と当座貸越契約を締結することで手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額5,400百万円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は1,650百万円であります。この他、納税資金や配当資金を短期借入金で調達しております。
当連結会計年度における資金調達の状況につきましては、棚卸資産の増加1,527百万円、法人税等の支払い628百万円、長期未払金の減少516百万円、仕入債務の減少180百万円等による資金の減少が、税金等調整前当期純利益の計上2,016百万円、減価償却費の計上453百万円、売上債権の減少234百万円等による資金の増加を上回ったことにより、営業活動によるキャッシュ・フローは、292百万円のキャッシュ・アウトとなり、在庫の積み増しや法人税等の支払等に伴う運転資金需要増により、短期借入金が前連結会計年度に比べ1,218百万円増加しました。
翌期につきましては、運転資金や経常的に発生する設備更新等については、営業活動によるキャッシュ・フローや当座貸越契約による調達、また長期借入金でまかなう予定であります。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点での合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果とは異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。
当社グループは、棚卸資産の評価について、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。 収益性の低下を見積るにあたり、商品及び製品は正味売却価額と、原材料は再調達原価とそれぞれの取得原価を比較して、下落部分について当連結会計年度の費用として計上しております。見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、将来の不確実な市場環境等の影響を受け、収益性の低下の見積りの見直しが必要となった場合には、棚卸資産評価損の計上が必要となる可能性があります。