E03465 Japan GAAP
前期
55.1億 円
前期比
116.3%
株価
1,502 (04/26)
発行済株式数
5,386,900
EPS(実績)
62.43 円
PER(実績)
24.06 倍
前期
543.6万 円
前期比
94.3%
平均年齢(勤続年数)
38.3歳(7.0年)
従業員数
213人(連結:222人)
当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という)、連結子会社2社により構成されており、パソコン、サーバー、タブレットといったIT機器のレンタルやIT環境の運用管理・通信・クラウド等のITサービスをサブスクリプションで提供するITサブスクリプション事業、使用済みIT機器の回収・データ消去、リユース・適正処理を行うITAD事業、観光業界を中心にイヤホンガイドⓇの製造販売・保守サービスを行うコミュニケーション・デバイス事業を展開しております。
当社グループの事業における位置付け及び事業の種類別セグメントとの関係は、次のとおりであります。以下に示す区分は、事業の種類別セグメントと同一区分であります。
法人・官公庁が業務で使用するIT機器のサブスクリプション(レンタル)、IT環境の運用保守・クラウド等のITサービスです。サブスクリプション型サービスが大部分を占めます。
使用済みIT機器のセキュアな回収、データ消去、適正処理サービスです。適正処理サービスについては、高価値品はテクニカルセンターで製品化し、リユース品として販売。再利用困難な機器については分解して素材化し、当社の監査基準を満たすリサイクル業者へ販売し、廃棄物削減と適正処理を推進しております。
(※1)ITAD
IT Asset Dispositionの略、IT機器資産の適正処分の意味。
情報セキュリティ上安全、かつ適法(環境法、国際条約、資源有効利用等)な処分は、コンプライアンス・ガバナンスにおいて経営上の重要事項と位置付けられ、欧米で一般化しています。
観光業界を中心にイヤホンガイドⓇ(※2)の製造販売・保守サービスを展開しております。株式会社ケンネットの事業が該当いたします。
(※2)イヤホンガイドⓇ
送信機と複数の受信機からなる、手のひらサイズの音声ガイド用機器。観光地ガイドを中心に、国際会議での通訳、騒音の多い工場見学、大きな声を出せない美術館や博物館等、各種ガイド用途で利用されており、株式会社ケンネットが90%以上のガイドレシーバー国内シェアを有しております。
事業の系統図は、概ね次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
ストック収益(※3)であるITサブスクリプション事業は引き続き順調に拡大いたしました。2022年4月~2023年3月の国内のビジネス向け新規PC出荷台数が伸び悩む中でも当社のサブスクリプション受注金額は好調に推移するとともに、生産性が向上したことにより、売上高・利益ともに同セグメントとして過去最高を更新しました。
フロー収益(※4)では、ITAD事業は本格回復には至りませんでしたが、コミュニケーション・デバイス事業は回復が鮮明になりました。
(※3)ストック収益:ITサブスクリプション事業(一部フロー含む)
(※4)フロー収益 :ITAD事業、コミュニケーション・デバイス事業
このような事業環境下でも、2023年度後半から始まるPC更新需要の拡大を見据え、戦略投資を前期よりも拡大いたしました。人材・DX・設備等への投資とともに、インフレ手当の支給、上期に続き新規商談獲得のための大規模展示会への出展を積極的に行いました。また、投資拡大によるコスト増加を、資産効率・業務効率の向上やデジタル化推進等の収益性向上でカバーいたしました。
この結果、通期の連結売上高は3期連続で過去最高を更新するとともに、第4四半期の売上高・営業利益・純利益は四半期業績での過去最高を更新しました。2024年5月期は、予想されるPC更新需要拡大に備えたサービス供給体制の強化とともに、引き続き収益性向上にも取り組んでいく予定です。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,404,482千円(前年同期比16.3%増)、営業利益529,881千円(前年同期比54.9%増)、経常利益518,022千円(前年同期比55.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益336,295千円(前年同期比60.3%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
<ITサブスクリプション事業>
法人IT部門の業務負担軽減につながる当社サービスのニーズは高く、売上高は順調に拡大いたしました。さらに、サブスクリプション資産(※5)の世代交代と適正化を一層進めた結果、高い稼働率での運用が実現し、収益性は向上いたしました。
コスト面では、2023年度以降の重要な成長機会に向けた戦略投資を引き続き実行いたしました。具体的にはサブスクリプション資産、テクニカルセンターへの設備投資、IT人材の積極採用、デジタル化投資等です。また、サブスクリプション資産の耐用年数の変更を行いました。これは新基幹システム稼働により分析能力が向上し、その結果、見込みレンタル契約期間に基づく経済的使用可能予測期間の長期化傾向が見込まれることが明らかになったことによるものです。
この結果、セグメント業績は、売上高4,478,325千円(前年同期比28.2%増)、セグメント利益639,263千円(前年同期比57.2%増)となりました。
(※5)サブスクリプション資産:貸借対照表の勘定科目はレンタル資産。減価償却前の残高は当連結会計年度で16億円増加し、前連結会計年度末78億円に対し、当連結会計年度末は94億円。
来期以降も法人IT部門の人材不足に加え、2025年10月のWindows 10サポート終了に伴うPCの更新需要など、当社のサービスへのニーズは高く、受注は好調に推移すると想定しております。また、先行投資は引き続き実行してまいりますが、サブスクリプション資産のさらなる稼働率アップ、DX等による業務効率化により、事業成長と収益性向上を進めてまいります。
<ITAD事業>
国内の新規PC出荷台数の低迷により、法人・官公庁からの使用済みPCの排出は本格回復には至らず、入荷台数は減少いたしました。リユース販売については、高スペック品である当社サブスクリプション終了品は、優良リユース品として当社オークションを中心に販売は好調で市場価格も維持しておりますが、大部分を占める低スペック品について、国内の市場価格が下落いたしました。
データ消去・引取回収サービスなど役務収益は、サービス領域の拡大等の効果もあり好調に推移しましたが、リユース販売の減少を補うまでには至りませんでした。
この結果、売上高1,867,005千円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益485,150千円(前年同期比15.5%減)となりました。
<コミュニケーション・デバイス事業>
当社グループが提供するイヤホンガイドは、旅行業界で利用されるガイドレシーバーにおいて圧倒的なシェアを有しておりますが、コロナ禍から続いていた国内の行動制限が撤廃され、訪日旅行でも各国の入国制限の緩和が進んだこと等により、旅行業界を取り巻く環境は急速に改善しました。
2019年まで主力であった海外旅行も穏やかに回復しており、注力してきた国内市場での新規開拓も着実に進みました。
この結果、売上高223,848千円(前年同期比185.7%増)、セグメント利益18,729千円(前年同期はセグメント損失66,032千円)となりました。
来期は、コロナ5類移行に伴う国内・海外旅行需要の更なる増加を見込んでおり、インバウンドや教育旅行などアフターコロナにおける新たな需要も取り込み、安定的な収益構造を確立してまいります。
流動資産は前連結会計年度末に比べ9.1%増加の1,893,559千円となりました。これは主に現金及び預金が256,466千円、売掛金が123,491千円それぞれ増加し、商品が53,360千円、その他が169,552千円それぞれ減少したことによります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ19.9%増加の6,114,585千円となりました。これは主にレンタル資産(純額)が980,746千円増加し、のれんが32,042千円減少したことによります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ17.2%増加の8,008,145千円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ15.1%増加の2,722,967千円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が304,541千円、未払法人税等が126,113千円それぞれ増加し、未払金が174,570千円減少したことによります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ31.6%増加の2,545,466千円となりました。これは主に長期借入金が624,751千円増加したことによります。
この結果、負債は前連結会計年度末に比べ22.5%増加の5,268,433千円となりました。
純資産は前連結会計年度末に比べ8.0%増加の2,739,712千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益336,295千円の計上による増加と剰余金の配当183,360千円による減少であります。
なお、当連結会計年度末における自己資本比率は34.2%、1株当たり純資産額は531円99銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ256,466千円増加し、1,172,364千円となりました。
また、当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は2,737,929千円(前連結会計年度比101.1%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益518,009千円、減価償却費1,854,859千円、有形固定資産から棚卸資産への振替222,682千円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増減額120,894千円、法人税等の支払額95,415千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は3,264,992千円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。支出の主な内訳は、レンタル資産を始めとする有形固定資産の取得による支出3,213,078千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は783,478千円(前連結会計年度比11.3%減)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入2,500,000千円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,570,707千円、配当金の支払額183,107千円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産活動をしておりませんので記載しておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 仕入高には他勘定受入高が含まれております。
3 ITサブスクリプション事業の仕入高の増加は、新品PCやモバイルルーター等の販売を強化したことにより増加しております。
4 ITAD事業の仕入高の減少は、法人・官公庁からの使用済みPCの排出が本格回復には至らず入荷台数が減少したことによります。
5 コミュニケーション・デバイス事業の仕入実績は、生産委託品等の仕入実績を示しております。
当社グループは、受注生産活動をしておりませんので記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたりましては、当社グループ経営陣による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態や経営成績に影響を与える見積りを必要といたします。当社グループ経営陣は、これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なることがあります。
連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。