売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E40429 Japan GAAP

売上高

6.49億 円

前期

4.41億 円

前期比

147.2%

時価総額

73.6億 円

株価

5,410 (01/09)

発行済株式数

1,359,600

EPS(実績)

57.75 円

PER(実績)

93.68 倍

平均給与

676.5万 円

前期

664.9万 円

前期比

101.7%

平均年齢(勤続年数)

48.9歳(4.0年)

従業員数

35人(連結:0.0人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社は、「データの保護、データの利活用を追及する」をミッションとして、安心・安全なデータセキュリティを社会に提供するため、自社開発した秘密分散技術「ZENMU-AONT」(※1)を活用した「秘密分散ソリューション『ZENMU』シリーズ」の展開、及び国立研究開発法人産業技術総合研究所により開発された理論と「ZENMU-AONT」開発のノウハウを生かした「秘密計算(※2)ソリューション」(「QueryAhead」)の開発を進めております。なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントであります。

 

(1) 秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズ

従来、セキュリティで用いられる一般的な暗号化技術(※3)では、暗号化された元データを暗号鍵やパスワードで管理するため、暗号鍵やパスワードを詐取されてしまうと、情報漏洩のおそれがありました。しかも、パスワードは増え続けることで管理が難しくなり、同一のパスワードを使い回す懸念もあります。これに対して当社の「ZENMU-AONT」は、「データ自体を無意味なものとして扱う」という新しい発想のセキュリティであり、データを暗号化したうえで複数の意味のないデータに変換・分散し、分散片単独では元のデータの復元や解析をできないようにする処理(データの無意味化)を行います。データの復元には暗号鍵やパスワードによる管理ではなく、全てのデータの分散片をそろえることで復元するアルゴリズムを実現しています。暗号鍵やパスワードによる管理を必要とすることなく、データを守ることを実現しました。また、分散片の数やデータサイズを任意に設定可能であり、データサイズは最小で32バイトであるため、ネットワークやストレージに大きな負荷をかけることがなく、分散処理や復元処理の高速化が可能となっています。

当社の秘密分散ソリューションのうち主力である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」は、シンクタンク、コンサルティングファーム、金融機関、ITベンダーなどで活用されておりますが、特定の業界や企業規模に限定されず利用することが可能です。当社ソリューションにおいては、契約先で使用されるPC端末毎にライセンスを付与することとしておりますが、ライセンスの販売形態として、①ライセンスのみを一括して販売するフロー型、②ライセンス契約と保守契約及びアプリケーションのアップデート対応が一体となったサブスクリプション契約、③ライセンス利用に係る保守単独契約の三形態があり、②③をストック型形態と位置づけております。販売経路は主に代理店を介しており、近年はライセンス数1,000件以上の大規模案件を代理店との協業により獲得していくことが多くなっております。こうしたフロー型及びストック型のビジネスモデルの概況は以下のようになっております。

 

※画像省略しています。

 

当社の秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズの主なサービス・製品の詳細は次のとおりです。

 

①情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」

「ZENMU Virtual Drive」は秘密分散技術を使用したPC向けの情報漏洩対策ソリューションであり、上の図の「ZENMU for PC」」や「ZENMU Virtual Drive Enterprise Editon」の総称です。サーバー、クラウド、USB、スマートフォン、ウエアラブル端末などあらゆるデバイスに、PCに内蔵されているデータの一部を自由に分散保管し、分散片を外部で管理する仕組みとなっています。保管先も、無意味化されたデータであれば、高価なストレージである必要はないため、新規にサーバー等の追加投資をする負担が少なく、パブリッククラウド(※4)の利用も可能です。

 

※画像省略しています。

 

また、PCの操作に不慣れな方にも複雑な操作を必要とすることなく快適に利用できる、ユーザビリティの高さをコンセプトに開発を進め、シンプルな画面設計で通常のPC上の操作とほぼ同様に扱えるようになっております。データを分散保管したPCと外部のデバイスとの接続時に自動で分散片をPC上でマウント(結合)し、復元されたデータにアクセス可能な状態にしています。

仮に、データの分散片が保管されているデバイスの紛失や盗難に遭ったとしても、管理者が分散片へのアクセスを停止すればデータを復元することができなくなるため、セキュリティリスクは軽減されます。データの無意味化により、分散片の一部のデータだけでは元のデータを推測することは、現実的な処理時間では不可能な状態となることから、個人情報保護委員会が規定する「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」上の「漏洩等事案に係る個人データ又は加工方法等情報について高度な暗号化等の秘匿化がされている場合」に該当する状態であり、当社では分散片の一部の漏洩は情報漏洩には該当しないものと判断しております。

従って、社外へのPCの持ち出しやリモートワーク等の際、紛失・盗難時の有効な対策になり得ると考えております。エンドポイントセキュリティ(※5)として、従業員のリモートワークなどの多様な働き方を重視し、セキュリティインシデント発生の抑制及び発生時の被害のリスクを減少したい顧客への導入が増加し、他社ブランドとしてOEM提供しているものを含め本書提出日現在約10万人(注)の方にご利用頂いております。

(注)当社製品の利用者数を客観的に表すサブスクリプション契約と保守契約の合計値

さらに、オフラインでも利用でき、ネットワーク環境に影響されず、安定的なパフォーマンスを維持することができます。ネットワーク環境には依存せず、アクセスの集中時やWeb会議で通信負荷が増大した際のレスポンスの悪化や処理速度の低下といった事態は生じず、大量の処理を実行するサーバー等のリソースが不要であるため、情報セキュリティソリューションの選択肢の一つであるVDI(※6)と比較して、導入・運用に係るコストを抑えられる特徴があります。

また、顧客が必要としている時に即時に試用・提供が可能であり、顧客側においても、サーバー等の新たな固定資産の設備投資への負担が少ないため、ソフトウエア開発等の受託開発型に比して、導入までの意思決定期間を短くすることができます。

当社では、常にカスタマーサポート部門と技術開発部門が連携してサービスの改善・強化に努め、顧客から選ばれるサービスの継続を目指しております。

 

②秘密分散ソフトウエア開発キット「ZENMU Engine」

「ZENMU Engine」は「ZENMU-AONT」の秘密分散技術を顧客のソリューションに組み込むことができるようにするための製品(ライブラリ)であり、ソフトウエア開発キットとして提供しています。また、顧客の要望に応じて「ZENMU Engine」を組み込んだOEM商品の開発に対するコンサルティングなどの技術支援を行っております。

「ZENMU Engine」に係る課金形態として、顧客の利用目的に応じたソフトウエア開発キットのライセンス収入を得るほか、ライセンス利用に伴う保守契約を締結し、保守料を収受しております。また、OEM商品の開発に際して、コンサルティング料を収受するほか、OEM商品の収益に応じたロイヤルティを得る収益形態となっております。

 

<ZENMU EngineのOEM商品の事例>

a.デジタルウォレット

NFT(※7)及び暗号資産の取扱もできるデジタルウォレットの保護の要として、秘密鍵の秘匿化処理に「ZENMU Engine」の技術が採用されました。デジタルウォレットは、今後、メタバースと言われるインターネット上の3次元の仮想空間におけるサービスやNFTマーケット、暗号資産決済等、Web3(※8)サービスでは必要不可欠となるため、今後の利用拡大も期待されます。

 

※画像省略しています。

 

b.防犯・監視カメラ

個人の顔が識別できる映像データは個人情報にあたりますが、秘密分散技術によって映像データを分散保管することによりセキュリティが強化され、漏洩や盗聴、窃取から守ることができ、株式会社日立システムズエンジニアリングサービスから「秘密分散フォービデオ」として提供されております。

 

※画像省略しています。

 

(2) 秘密計算ソリューション

当社では、秘密分散技術を応用し、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究を基に秘密計算ソリューション「QueryAhead」を開発しました。秘密計算技術を用いることで、データを秘匿化したまま計算や通信、保存などの処理を行い、クラウドや社内サーバーなど環境を問わずに安全にデータの受け渡しや加工・分析が可能となり、データの利活用の活性化によるビジネス機会の創出、産業の活性化が期待されます。

当社では、複数の企業と連携して、秘密計算技術の開発・改良などの研究開発を進めるほか、秘密計算ソリューション「QueryAhead」を利用したサービスの事業化を目指すパートナーの開拓や委託研究の受託役務等を進めております。

 

(3) その他

秘密分散ソリューションおよび秘密計算ソリューションの開発・提供とは別に設立当初から行っております、シンクライアント用「Windows Embedded OSのカスタマイズ」及び「シンクライアント基盤最適化コンサルティング」を「Embedded」ソリューションとして提供しており、既存代理店の案件や導入済顧客からの追加導入やPC更新時などのリピート案件について顧客の運用に応じたコンサルティングやカスタマイズ作業などの受託役務から収益を得ております。

■用語解説

本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義は次のとおりであります。

番号

用語

意味・内容

※1

秘密分散技術

「ZENMU-AONT」

秘密分散技術「ZENMU-AONT」とは、情報を暗号化技術によって複数の分散片に分け、すべての分散片がそろわないと復元が不可能とするAONT(All or Nothing Transform)方式を用いた独自の秘密分散アルゴリズム(手順・計算方法)です。分散片はそれぞれ意味を持たず、32バイトまで小さくすることができ、分散後のデータサイズが大きくならないため、ネットワークに負荷をかけることなく、分割や復元処理が高速で可能となり、情報を無意味化することができる技術です。

 

※秘密分散技術のイメージ

※画像省略しています。

※2

秘密計算技術

秘密計算技術とは、データを暗号化したまま計算することができる技術の総称であり、データ分析でのプライバシー保護を強化する技術のひとつです。秘密計算技術により、機密データの直接的な送受信を避け、暗号化したままデータ分析が実施できることから、組織間のデータ共有などアナリティクスの高度化につながると期待されています。

ソフトウエア上で秘密計算を行う方式として、暗号化したまま計算する方式(準同型暗号方式)と秘密分散技術を利用したMPCと呼ばれる方式があり、当社は秘密分散技術のノウハウを活かしMPC方式の秘密計算技術の事業化に取り組んでおります。

 

※画像省略しています。

 

※3

暗号化技術

元のデータや通信内容を不規則な文字列に変換する処理のことであり、仮に個人情報が流出したとしても、データはランダムな文字列で表示されるため、第三者による解読や悪用を防止することができる技術です。

データを暗号化するため、また、暗号化したデータをもとのデータに戻す(復号化)ために使用される文字列を暗号鍵(または単に「鍵」)と呼び、主要な暗号化方式のひとつである公開鍵暗号方式ではペアとなる別の鍵を生成し暗号化と復号化で別々の鍵を使い分け、暗号化に用いる鍵を「公開鍵」、復号化に用いる鍵を「秘密鍵」と呼びます。

 

番号

用語

意味・内容

※4

パブリック

クラウド

情報システムのインフラをサービスとして遠隔から利用できるようにしたクラウド環境のうち、誰でもインターネットからアクセスして利用することができます。

※5

エンドポイントセキュリティ

ネットワークの末端に接続されているPCやモバイル端末などの「エンドポイント」を保護するセキュリティ対策です。

※6

VDI

Virtual Desktop Infrastructure(仮想デスクトップ基盤)の略称で、デスクトップ仮想化や仮想デスクトップなどと呼ばれます。OSやアプリケーションなどのデスクトップ環境を仮想化してサーバー上に集約したものであり、利用者はシンクライアントPCからネットワークを通じてサーバー上の仮想マシンに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作することができます。

※7

NFT

正式名称はNon-Fungible Token(非代替性トークン)で、改ざんが難しいブロックチェーン技術を使って、所有者情報などを保証するデジタル資産です。

※8

Web3

次世代の分散型インターネットのことであり、ブロックチェーンなどの技術を活用して、データを分散管理します。

 

以上で述べました事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

25/03/31

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

第10期事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(資産)

当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ448,363千円増加し、577,361千円になりました。うち流動資産は、前事業年度末に比べ 415,332千円増加し、536,057千円となりました。これは主に、大口顧客よる情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の買い切りライセンスの売上計上に伴い売掛金185,176千円増加及び、第三者割当増資により現金及び預金が224,361千円増加となったことによるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べ 33,030千円増加し、41,303千円となりました。これは主に、第10期黒字化に伴い税効果会計が適用され、翌事業年度の当期純利益が見込まれることから、繰延税金資産23,128千円計上と、自社開発のソフトウエアの計上及び減価償却により、無形固定資産が8,460千円増加したことによるものであります。

(負債)

当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ135,896千円増加し、420,552千円になりました。うち流動負債は、402,193千円となり、前事業年度末に比べ143,060千円増加となりました。これは主に、自社製品の市場調査や知名度向上を目的とした広報戦略に伴う業務委託費等により未払金が13,663千円、未払費用が14,157千円、情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」のサブスクリプション契約増加に伴い契約負債が84,140千円、黒字化に伴い未払消費税等が18,665千円、未払法人税等が11,390千円増加したことによるものであります。

固定負債は18,359千円となり、前事業年度末に比べ7,164千円減少となりました。これは、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替により減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ312,466千円増加し、156,809千円となりました。これは主に、第三者割当増資および売上の大幅な増加にともなう黒字化により当期純利益72,889千円計上により利益剰余金が増加したことと、第三者割当増資により資本金、資本剰余金ともに117,150千円増加したことによるものです。

 

第11期中間会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)

(資産)

当中間会計期間末における流動資産は578,632千円となり、前事業年度末に比べ42,574千円増加いたしました。これは主に、大口顧客よる情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の買い切り契約の売上計上に伴い売掛金が14,533千円、現金及び預金が13,665千円、下期に開催する展示会費用及び社内システム管理ツールの前払支払いによりその他が14,376千円増加したことによるものであります。固定資産は38,578千円となり、前事業年度末に比べ2,725千円減少いたしました。これは主に、減価償却費の計上により無形固定資産が3,126千円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は617,211千円となり、前事業年度末に比べ39,849千円増加いたしました。

(負債)

当中間会計期間末における流動負債は342,974千円となり、前事業年度末に比べ59,219千円減少いたしました。これは主に、サブスクリプション契約の売上計上により契約負債が56,724千円減少したことによるものであります。固定負債は14,777千円となり、前事業年度末に比べ3,582千円減少いたしました。これは長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替により減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は357,751千円となり、前事業年度末に比べ62,801千円減少いたしました。

(純資産)

当中間会計期間末における純資産合計259,460千円となり、前事業年度末に比べ102,650千円増加いたしました。これは当期純利益の計上により利益剰余金の増加によるものであります。

この結果、自己資本比率は41.2%(前事業年度末は26.2%)となりました。

 

第11期第3四半期累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)

(資産)

当第3四半期会計期間末における流動資産は580,251千円となり、前事業年度末に比べ44,193千円増加いたしました。これは主に、大口売掛入金による現金及び預金212,903千円の増加と売掛金185,114千円の減少、及び、グローバル展開に向けた業務委託費の前払いによりその他が16,404千円増加したことによるものであります。固定資産は43,325千円となり、前事業年度末に比べ2,021千円増加いたしました。これは主に、社内システム管理ツール構築につきソフトウエア仮勘定が1,570千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は623,576千円となり、前事業年度末に比べ46,214千円増加いたしました。

(負債)

当第3四半期会計期間末における流動負債は380,844千円となり、前事業年度末に比べ21,348千円減少いたしました。これは主に、前期末における業務委託等に関する未払金が減少したためその他が28,875千円減少、法人税等の納付により未払法人税等が9,445千円増加したことによるものであります。固定負債は12,389千円となり、前事業年度末に比べ5,970千円減少いたしました。これは長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替により減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は393,233千円となり、前事業年度末に比べ27,318千円減少いたしました。

(純資産)

当第3四半期会計期間末における純資産合計230,342千円となり、前事業年度末に比べ73,533千円増加いたしました。これは当期純利益72,783千円計上により利益剰余金が増加、新株予約権の行使に伴って資本金が750千円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は36.1%(前事業年度末は26.2%)となりました。

 

②経営成績の状況

第10期事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

当事業年度における我が国経済は、個人消費の緩やかな回復やインバウンドの増加による経済活動の正常化への動きは見えたものの、世界的なインフレの加速による物価上昇及びウクライナ危機の長期化等の情勢により、欧米を中心とした海外経済の減速が輸出を下押しするなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社が属する情報セキュリティ産業におきましては、リモートワークが定着するなどニューノーマルな生活様式への移行に呼応するようにDX推進の流れが加速し、IT投資への需要は高まり続けております。

このような環境のもと、当社の主要な技術である、情報を暗号化して複数に分割管理することで、それぞれのデータを無意味化し、情報の安全を守る秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズは、エンドポイントセキュリティとして従業員のリモートワークなどの多様な働き方を重視し、情報漏洩等のセキュリティインシデント発生の抑制及び発生時の被害のリスクを減少したい顧客への導入が増加しております。特に、「ZENMU」シリーズの主力となる「ZENMU Virtual Drive」は、契約更新数及び新規受注数も好調に推移し、事業成長をけん引いたしました。さらに、継続的なマーケティング活動により当社製品の認知度向上を図り、販売パートナーと協業することで、新規導入企業数が伸長いたしました。

また、当社の秘密分散技術のコア技術を「ZENMU Engine」として提供しており、顧客に対して「ZENMU Engine」を組み込むソリューションの提案を進めることで、秘密分散技術の適用領域を広げ、さらなる業容の拡大を目指しております。

さらに、情報を秘匿しつつ利活用することのできる「秘密計算技術」の秘密計算ソリューション「QueryAhead」の研究開発を、産業技術総合研究所との連携により引き続き取り組んでまいりました。さらに、材料開発や製造業の顧客への具体的な適用検討に向けて大手シンクタンクと連携して早期実用化に向けた検証を進めてまいります。また、その研究開発と並行して、グローバル展開を視野に入れアメリカに拠点を設け展示会に出展するなどの積極的な投資を行いました。

以上の結果、当事業年度の売上高は440,791千円(前事業年度比89.8%増)、営業利益は46,983千円(前事業年度は営業損失124,142千円)、経常利益は56,937千円(前事業年度は経常損失113,429千円)、当期純利益は72,889千円(前事業年度は当期純損失115,236千円)となりました。

 

第11期中間会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)

当中間会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、政府による景気支援策の効果もあり緩やかに回復が進みました。一方で、国際情勢の動向、原材料価格や資源価格の高騰、長期化する円安とそれに伴う物価の上昇等が国内外の経済活動に与える影響が懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような情勢下、当社が属する情報サービス業界においては、コロナ禍でのデジタル化の進展等により、国民生活や経済活動における情報通信の果たす役割やその利用に伴うセキュリティの確保が一層重要なものとなってまいりました。その一方で、2023年に上場企業などが公表した個人情報の漏洩や紛失事故の件数は175件、4,090万人分に上り、いずれも過去最多を更新しました。(出典:東京商工リサーチ)その被害の復旧に膨大な時間と費用がかかることから、データ保護を含めたリスクアセスメントを行い、セキュリティ対策を重視したソリューションの導入に着手する企業が増加する傾向にあります。

当社の主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」は、サーバー等の設備投資にかかるコストや導入にかかる労力を低減できる利点があり、差別化を図る営業戦略を促進しております。当中間会計期間において、買い切りライセンスによる大口顧客の追加導入により売上が大きく増加したほか、秘密計算ビジネスにおきましても秘密計算技術の社会実装に関する公募案件を受注し、堅調に売上が伸長いたしました。

この結果、当中間会計期間の経営成績は、売上高402,128千円、営業利益139,777千円、経常利益139,354千円、中間純利益102,650千円となりました。

なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

第11期第3四半期累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)

当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、個人消費の増加や雇用環境の回復とともに、インバウンド需要の高まりによって景気は回復基調を持続する傾向にあります。一方で、地政学的リスクの高まりによるエネルギー資源や原材料価格の高騰等に伴う物価上昇、日米金利差による日本経済や株価の多面的な影響など、依然として先行きは不透明な状況にあります。

このような情勢下、当社が属する情報サービス業界においては、サイバー攻撃の高度化とデータ漏洩事件の増加により企業に対してセキュリティ対策の強化が一層重要なものとなってまいりました。被害の復旧には膨大な時間と費用がかかることから、データ保護を含めたリスクアセスメントを行い、セキュリティ対策を重視したソリューションの導入に着手する企業が増加する傾向にあります。また、中小企業においてはこれらに対処するための設備投資予算や人材の制約が大きな課題となっています。

当社の主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」は、サーバー等の設備投資にかかるコストや導入にかかる労力を低減できる利点があり、差別化を図る営業戦略を促進しております。当四半期累計期間において、買い切りライセンスによる大口顧客の追加導入により売上が大きく増加したほか、秘密計算ビジネスにおきましても秘密計算技術の社会実装に関する公募案件を受注し、堅調に売上が伸長いたしました。

この結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高495,560千円、営業利益93,385千円、経常利益99,590千円、四半期純利益72,783千円となりました。

なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

第10期事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より224,361千円増加し、308,217千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は9,648千円(前事業年度において獲得した資金は51,329千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益56,937千円の計上(前年同期比171,993千円増加)、契約負債の増加額84,140千円(前年同期は契約負債の増加額47,268千円)、未払消費税等の増加額18,760千円のほか未払金、未払費用債務の増加があったものの、大口案件である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の買い切りライセンスの売上が12月計上につき、売上債権の増加額185,176千円(前年同期は売上債権の減少額130,344千円)は入金が翌期となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は17,700千円(前事業年度において使用した資金は2,444千円)となりました。これは主に、情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」のバージョンアップに伴う無形固定資産(ソフトウエア)の取得による支出15,214千円(前年同期は無形固定資産の取得による支出765千円)があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は232,413千円(前事業年度において使用した資金は7,164千円)となりました。これは主に、第三者割当増資に伴う株式の発行による収入234,300千円(前年同期の株式発行は無し)が発生したことによるものであります。

 

第11期中間会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)

当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ13,665千円増加し、321,882千円となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は25,265千円となりました。これは主に、税引前中間純利益の計上が139,354千円等により資金が増加した一方で、契約負債の減少額が56,724千円、未払金の減少額が18,225千円、売上債権の増加額が14,533千円、その他の資産の増加額が14,376千円、法人税等の支払額が11,570千円等により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4,018千円となりました。これは主に、情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」のバージョンアップに伴う無形固定資産の取得による支出2,887千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は7,582千円となりました。これは長期借入金の返済による支出7,582千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載はしておりません。

 

b.受注実績

第10期事業年度及び第11期中間会計期間並びに第11期第3四半期累計期間の受注実績を示すと、次のとおりです。

事業部門

第10期事業年度

(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

第11期中間会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日)

第11期第3四半期

累計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年9月30日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比(%)

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

秘密分散ビジネス

459,558

187.8

169,931

187.1

260,054

50,092

443,679

171,163

秘密計算ビジネス

27,600

84.8

70,800

81,000

その他

15,539

219.6

516

39.3

6,710

60

13,039

1,481

合計

502,697

176.8

170,447

148.4

337,564

50,152

537,718

172,644

 

c.販売実績

第10期事業年度及び第11期中間会計期間並びに第11期第3四半期累計期間の販売実績は、次のとおりです。なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントですが、販売実績を売上の計上区分別に示すと、次のとおりであります。

事業の名称

第10期事業年度

(自  2023年1月1日

 至  2023年12月31日)

第11期中間会計期間

(自  2024年1月1日

至  2024年6月30日)

第11期第3四半期累計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年9月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売高(千円)

販売高(千円)

秘密分散ビジネス

376,727

208.7

315,048

402,308

秘密計算ビジネス

50,280

317.1

79,800

81,000

その他

13,783

38.4

7,279

12,252

合計

440,791

189.8

402,128

495,560

(注)最近2事業年度及び第11期中間会計期間並びに第11期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第9期事業年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

第10期事業年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

第11期中間会計期間

(自  2024年1月1日

至  2024年6月30日)

第11期第3四半期

累計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年9月30日)

金額

(千円)

割合(%)

金額

(千円)

割合(%)

金額

(千円)

割合(%)

金額

(千円)

割合

(%)

株式会社日立製作所

53,965

23.2

171,236

42.6

174,576

35.2

株式会社日立システムズエンジニアリングサービス

35,132

15.1

45,864

10.4

国立研究開発法人

産業技術総合研究所

29,275

12.6

45,280

10.3

74,500

18.5

74,500

15.0

デロイトトーマツコーポレートソリューション合同会社

80,960

18.4

56,600

14.1

86,100

17.4

株式会社野村総合研究所

168,554

38.2

※総販売実績に対する当該販売実績の割合が10%未満であるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

第10期事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(売上高)

当事業年度における売上高は440,791千円(前期比89.8%増)となりました。これは主に大手協同組合から大型受注が成約になったことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は30,589千円(前期比27.7%増)となりました。主な内容は固定費となる人件費と外注費及び経費であります。この結果、売上総利益は 410,202千円(前期比96.9%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は363,218千円(前期比 9.3%増)となりました。これは主に、人件費と研究開発費の増加によるものであります。この結果、営業利益は46,983千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当事業年度における営業外損益は、営業外収益が前事業年度に比べ534千円減少し、10,694千円となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ223千円増加し、740千円となりました。この結果、経常利益は56,937千円となりました。

 

(法人税、住民税及び事業税、当期純利益)

当事業年度における法人税、住民税及び事業税は前事業年度に比べ6,995千円増加し、7,175千円となりました。また、繰延税金資産を計上したことにより、法人税等調整額は△23,128千円となりました。この結果、当期純利益は72,889千円となりました。

 

第11期中間会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)

(売上高、売上原価及び売上総利益)

当中間会計期間における売上高は402,128千円となりました。これは主に、秘密分散ビジネスの売上が伸長したことによるものであります。売上原価は33,033千円となりました。これは主に、商品開発に伴う人件費及び業務委託費、サービス提供のためのクラウドサービス利用料であります。この結果、売上総利益は369,095千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当中間会計期間において、販売費及び一般管理費は229,317千円となりました。これは主に、人件費と研究開発費の増加によるものであります。この結果、営業利益は139,777千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益、法人税等、中間純利益)

当中間会計期間において、営業外収益が10千円となり、営業外費用は433千円となりました。この結果、経常利益は 139,354千円となりました。法人税等を36,703千円計上した結果、中間純利益は102,650千円となりました。

 

第11期第3四半期累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)

(売上高、売上原価及び売上総利益)

当第3四半期累計期間における売上高は495,560千円となりました。これは主に、秘密分散ビジネスにおけるサブスクリプション契約が継続して売上を伸長したことによるものであります。売上原価は42,756千円となりました。これは主に、商品開発に伴う人件費及び業務委託費、サービス提供のためのクラウドサービス利用料であります。この結果、売上総利益は452,804千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当第3四半期累計期間において、販売費及び一般管理費は359,418千円となりました。これは主に、人件費と新規プロジェクトに伴う研究開発費の増加によるものであります。この結果、営業利益は93,385千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益、法人税等、四半期純利益)

当第3四半期累計期間において、営業外収益が6,862千円となり、営業外費用は658千円となりました。この結果、経常利益は99,590千円となりました。法人税等を26,806千円計上した結果、四半期純利益は72,783千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の事業活動における運転資金需要のうち主なものは、サービス提供のための人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要はソフトウエアの開発費であります。

当社は、これらの資金需要に対して、事業上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針とし、資金使途や金額に応じて自己資金又は金融機関からの借入といった資金調達を柔軟に検討し、確保しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成にあたりましては、当事業年度における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。会計上の見積りのうち重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。

 

④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は達成状況を判断するための経営上の指標につきまして、「ZENMU Virtual Drive」の売上成長を最重要課題としており、ライセンス数(サブスクリプション契約と保守契約の合計値)を重要な経営指標と認識しております。

「ZENMU Virtual Drive」ライセンス数については、2023年12月期末57,767ライセンスに対し、2024年12月期末では99,317ライセンスに増加しております。この要因として、大手損害保険会社での追加導入や2023年12月期末に納入した共同組合などに対する保守契約の増加によるものです。将来の収益基盤の拡大のためサブスクリプションライセンスの増加についても一層の取り組みを強化する方針です。