E32146 Japan GAAP
前期
211.5億 円
前期比
116.0%
株価
1,340 (05/02)
発行済株式数
3,579,105
EPS(実績)
135.39 円
PER(実績)
9.90 倍
前期
832.6万 円
前期比
102.0%
平均年齢(勤続年数)
45.3歳(16.8年)
従業員数
58人(連結:76人)
当社グループは、当社及び子会社2社により構成されており、天然油脂由来の油脂化学品(総称して以下、「オレオケミカル」といいます。)を主な取扱商品とする化学品事業を主たる事業としております。
当社グループの主な取扱商品である「オレオケミカル」とは、パーム油、ヤシ油及びパーム核油等の天然油脂を原材料として生み出される油脂化学品の総称であり、多種多様な化学品の中で資源に限りがある石油化学品とは異なり、再生産が可能であること及び環境負荷が低いこと等の特徴があります。
また、化学品事業におけるオレオケミカル及びオレオケミカルを原材料とする界面活性剤に関する専門的知識を活用し、事業間のシナジー効果を重視した関連多角化により、家庭用洗剤等を取扱う日用品事業、及び地盤改良やコンクリートの補修補強材料等を取扱う土木建設資材事業を営んでおります。
当社グループの事業における報告セグメントの概要及び位置付けは、次のとおりです。
なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
報告セグメント別の事業の詳細は、次のとおりです。
〔化学品事業〕
化学品事業は、当社、昭栄祥(上海)貿易有限公司及びSHOEI TRADING(THAILAND)CO.,LTD.が行っております。
当事業は、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール及びグリセリン等のオレオケミカルを界面活性剤等の原材料として油脂メーカーから仕入れ、界面活性剤等の中間製品(1次製品、2次製品等)メーカー等に販売し、これらの中間製品メーカーが生産した界面活性剤等の化学品を、家庭用として石鹸、洗剤、シャンプー、リンス及び化粧品等の最終製品メーカーに、工業用として繊維、紙・パルプ、医薬、食品、洗浄剤、プラスティック及び塗料等の最終製品メーカーに販売しており、「化学品の原材料流通を川上から川下まで広くカバーするビジネスモデル」を構築している点に特徴があります。
当事業の取扱商品は、前述のオレオケミカル及びこれらを原材料とする界面活性剤のほか、界面活性剤等の原材料としてPEG、EO誘導体、PO誘導体等の石油化学品、その他の化学品として合成樹脂、溶剤・鉱油、無機化学品、顔料及び香料等を、自動車部品、家電、電子部品、日用品、FRP製品関連メーカー等に販売しております。
創業当初からの事業である当事業においては、花王株式会社を主要な仕入先として事業活動を行っており、現在は同社の国内主要代理店として、同社のオレオケミカルを界面活性剤等の化学品メーカーに、同社の界面活性剤等を洗浄剤及び香粧品メーカー等の幅広い業界に販売し、これを当事業の基礎としております。
得意先及び仕入先は、常に新商品開発、商品リニューアルにおいて、価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、自社と外部のアイデア等を組み合わせて革新的な価値を創出するオープン・イノベーションを志向する企業が増える中、当社グループが各社の開発テーマや製造上の課題をヒアリングできる機会は徐々に増加しております。当社グループは、これらをビジネスチャンスと捉え、単なる商社機能の枠を超え、オレオケミカル及び界面活性剤に資源を集中した事業活動によって蓄積された知識やノウハウを活用し、これらの企業に対する新商品開発支援を強化することで、既存商品よりも付加価値の高い新商品の実現に貢献し、信頼関係を構築することで競合他社との差別化を図っております。
化学品事業の系統図は、次のとおりであります。
〔日用品事業〕
日用品事業は、当社が行っております。
当事業は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、「安心・安全」をテーマとして「簡単・便利」を商品コンセプトに、家庭用洗剤及び業務用洗浄剤等の商品を得意先とともに企画し、外部に生産を委託する等して、相手先ブランド(OEM)で商品を販売しております。
大手企業が主に高い洗浄機能に重点を置いた商品開発を行っているのに対し、当社グループは「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品企画を得意としており、また化学品事業において日用品の原材料となる多種多様な化学品メーカーとの取引があることから、最適な原材料の調達及び生産委託先の選定を効率的かつ機動的に行うことが可能となっております。
「安心・安全」を差別化の特徴とする類似商品は多数存在しておりますが、当社グループは、得意先についても、当社グループの差別化商品と親和性の高い商品を取扱い、著名なナショナルブランド商品の取扱いに偏らない販売チャネルを有する企業を中心に展開し、得意先のブランド価値の維持・向上に努め、関係強化を図ってまいりました。また、当社グループは、界面活性剤を中心とした化学知識、適切な原材料の調達を可能にする仕入網、生産委託が可能な日用品メーカー等、日用品を「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に供給できるサプライチェーン」を構築しております。当事業においては、これらのサプライチェーンを最大限活用し、課題を解決する新たな商品の提供を図り、顧客ニーズに対応したエンドユーザー視点での商品差別化だけでなく、「得意先のブランド価値の維持・向上を支える商品提供」を行うことによって、差別化を図っております。
日用品事業の系統図は、次のとおりであります。
〔土木建設資材事業〕
土木建設資材事業は、当社が行っております。
当事業の取扱商品は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良、及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良の環境改善薬剤等であり、個別の工事の目的に応じた工法に関する情報提供を含め、工事の現場環境に応じた適切な商品を提案する販売活動を行うほか、土木建設資材メーカーに対して原材料となる化学品の販売を行っております。
多くの同業他社が成型品資材を取扱商品の中心としているのに対して、当社は土木建設関連の化学品(薬剤)を主たる取扱商品としている点に特徴があり、環境負荷に対する社会的関心の高まりを背景に環境影響に配慮した薬剤提案を強みとして、ゼネコン等が進める新工法開発の原材料に関する技術サポート等を通して共同で特許権を取得し、また特許実施契約を締結する等して、これら特定の工法に対する原材料の販売に優位性があります。
当社が商品販売に優位性を有する代表的な工法は、次のとおりです。
土木建設資材事業の系統図は、次のとおりであります。
〔参考〕用語の解説
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が長期化した中、政府による景気支援策や行動制限の緩和により経済社会活動が徐々に正常化し、景気も緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、世界経済はウクライナ情勢等の影響で資源価格が高騰しインフレ懸念、急激な為替変動など、先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社グループの事業とかかわりの深い界面活性剤業界は、海外経済に鈍化の兆しが見られ、生産・販売活動とも前年を下回りました。
こうした中、当社グループにおいても在宅勤務やオンライン商談等を活用し、化学品事業におけるオレオケミカルを中心とした既存得意先への拡販・拡充、環境ソリューションビジネスの提案、新興国化学品の販売拡大に取組んでまいりました。また、仕入・販売価格に影響を及ぼすオレオケミカルを中心とした天然油脂相場価格は過去最高値水準から大きく下落し、下期に入り下げ止まったものの、仕入・販売価格は不安定な1年となりました。
ただ、年間を通して得意先からの受注数量が堅調であったことと販売価格が上期比較的高値水準であったことから、上期の好業績が大きく寄与し、これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高が24,529,038千円(前連結会計年度比16.0%増)、営業利益が488,215千円(前連結会計年度比61.5%増)、経常利益が673,545千円(前連結会計年度比41.8%増)となり、それぞれ過去最高額を記録しました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年度に計上した投資有価証券売却益がなくなったことにより484,559千円(前連結会計年度比16.3%減)となりました。
また、当社グループの目標とする経営指標における売上総利益の絶対額の持続的な増加については、当初計画数値を大きく上回り、前年実績から235,221千円増加した1,885,675千円(前連結会計年度比14.3%増)となり達成することができました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業損益(営業利益又は営業損失)をベースとしております。また、各セグメントの営業損益のほかに、各セグメントに帰属しない全社費用170,847千円(前連結会計年度比3.7%減)があります。
① 化学品事業
化学品事業におきましては、上期は円安や海外需要に支えられ、自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注は堅調に推移しましたが、下期は海外経済の減速懸念の影響から在庫調整等で受注が減少傾向となりました。また、販売価格については、上期は資源高同様に高値水準で推移したものの、下期からは市況の変化に伴い、値下げ基調となりました。
この結果、化学品事業に係る当連結会計年度の売上高は22,583,500千円(前連結会計年度比18.9%増)、セグメント利益は600,204千円(前連結会計年度比57.6%増)となりました。
日用品事業におきましては、当事業が取扱う掃除用関連商品や生活日用品(洗浄剤や用途別脱臭剤等)の定番商品や量販店向けルートで取扱う一部商品(コロナ関連グッズ)の売行きは堅調となりましたが、全体での売行きは、物価上昇に伴う買い控え等で低迷しました。また、利益面でも原材料高や包材、物流費等のコストアップの影響を受け、厳しい事業環境となりました。
この結果、日用品事業に係る当連結会計年度の売上高は830,221千円(前連結会計年度比4.6%減)、セグメント利益は87,119千円(前連結会計年度比24.3%減)となりました。
土木建設資材事業におきましては、当事業の取扱商品とかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事は依然低調で、工事に使用される材料・添加剤等の販売は低迷しました。一方、災害復興関連工事等の環境関連工事で使用される環境関連薬剤やバイオレメディエーション(微生物等の分解能力を用いて土壌、環境汚染を修復する技術)用浄化促進剤の販売については堅調に推移するものの、新規大型物件等の受注も少なく、伸び悩みました。
この結果、土木建設資材事業に係る当連結会計年度の売上高は1,115,316千円(前連結会計年度比12.7%減)、セグメント損失は28,260千円(前連結会計年度は16,053千円のセグメント損失)となりました。
(注)1.セグメント別売上高は、各セグメントの外部顧客への売上高を表示しております。
2.セグメント損益は、各セグメントの営業利益又は営業損失(△)を表示しております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当連結会計年度末の総資産は14,798,019千円(前連結会計年度末比317,156千円増加)、負債は7,427,798千円(前連結会計年度末比102,687千円減少)、純資産は7,370,220千円(前連結会計年度末比419,843千円増加)となりました。
主な増減要因は、次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は9,558,530千円となり、前連結会計年度末に比べ163,839千円増加しました。主な要因は、売上債権が83,361千円、商品が38,460千円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が373,478千円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は5,239,489千円となり、前連結会計年度末に比べ153,316千円増加しました。主な要因は、保有投資有価証券の時価変動等により投資有価証券が152,387千円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は6,119,838千円となり、前連結会計年度末に比べ145,008千円減少しました。主な要因は、未払法人税等が147,801千円、短期借入金が56,347千円それぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,307,960千円となり、前連結会計年度末に比べ42,320千円増加しました。主な要因は、繰延税金負債が43,511千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は7,370,220千円となり、前連結会計年度末に比べ419,843千円増加しました。主な要因は、利益剰余金が339,446千円、保有投資有価証券の時価変動によりその他有価証券評価差額金が94,175千円それぞれ増加したことによるものです。
なお、当社グループでは、経営の意思決定上、資産及び負債を各セグメントに配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載を省略しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動の結果獲得した資金が644,570千円、投資活動の結果使用した資金が30,110千円、財務活動の結果使用した資金が269,324千円であったこと等により、前連結会計年度に比べ347,578千円増加し1,260,944千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は644,570千円(前連結会計年度は398,371千円の資金の使用)となりました。主な要因は、法人税等の支払額328,070千円があった一方で、税金等調整前当期純利益673,545千円、売上債権の減少額105,946千円、未払消費税等の増加額47,069千円、棚卸資産の減少額46,742千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は30,110千円(前連結会計年度は382,729千円の資金の獲得)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出17,597千円、有形固定資産の取得による支出10,055千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は269,324千円(前連結会計年度は62,477千円の資金の使用)となりました。要因は、配当金の支払額145,113千円、自己株式の取得による支出63,371千円、短期借入金の減少額60,840千円があったことによるものです。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報は、次のとおりであります。
当社グループの主要な資金需要は、原材料、販売費及び一般管理費、並びにシステム投資等の投資であります。
また今後、当社グループの収益の源泉として、事業間及び国内外間のシナジーを追及し売上高の増加を目指してまいります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.「キャッシュ・フロー/利払い」は、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。
6.2022年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。