株式会社ココナラ

上場日 (2021-03-19) 
ブランドなど:ココナラ
サービス業インターネットグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E36351 Japan GAAP

売上高

46.8億 円

前期

38.4億 円

前期比

121.9%

時価総額

89.9億 円

株価

376 (05/01)

発行済株式数

23,919,500

EPS(実績)

-3.17 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

634.3万 円

前期

620.7万 円

前期比

102.2%

平均年齢(勤続年数)

34.5歳(2.4年)

従業員数

206人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、「一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中をつくる」を経営ビジョンとしており、個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とする全ての人に結びつけ、個人をエンパワーメントするプラットフォームとして、個人の知識・スキル・経験に基づくサービス・役務を売買するスキルのマーケットプレイス「ココナラ」を中心とした事業を展開しております。また、デジタルトランスフォーメーションによる遠隔での業務継続の必要性が社会的に認知され拡大する中、オンラインでサービス・役務の提供を受けられる「ココナラ」において、当該需要を取り込んで事業を拡大しております。

 

(1)当社の事業内容

 当社は、様々な分野の知識・スキル・経験に基づくサービス・役務をユーザー間で売買するマーケットプレイスを運営しております。

 当社は、スキルのマーケットプレイス「ココナラ」を主として展開しておりますが、その他に、より良いUI(*1)、UX(*2)を提供するため、ユーザーが弁護士へ法律相談ができる「ココナラ法律相談」を展開しております。なお、「ココナラ法律相談」では「ココナラ」とユーザーIDを統一し、サービスを横断的に利用できるようにしており、横断的な利用を可能にしております。

 また、「ココナラ」では扱えない月次稼働型のマッチングに対応するため、エンジニア、デザイナーを中心としたITフリーランスと企業の業務委託案件をつなぐエージェント事業の「ココナラエージェント」及び「フューチャリズム」を運営しております。

(*1) UIとはユーザーインターフェースの略語であり、ユーザーがどのように操作するかという手順や画面に表示されるメニュー、アイコンなどの視覚的要素を指します。

(*2) UXとはユーザーエクスペリエンスの略語であり、ユーザーがサービスを利用したときに得られる体験等を指します。

 

① 「ココナラ」

 「ココナラ」は、ユーザー間(出品者及び購入者)における多種多様な知識・スキル・経験に基づくサービス・役務の売買を行うマーケットプレイスであります。ユーザーが「ココナラ」を使うメリットとして、本業として利用する出品者にとっては本人に代わって集客がなされることで収入が増加する、また、副業として利用する出品者には、副収入が得られる、自分のスキルが人の役に立つことによる喜びが得られるといったことが挙げられます。また、購入者側は、コストパフォーマンスが高い(既存業者に依頼するよりも移動が不要であり、自身の期待や予算に合った価格帯を選ぶことができる)、多様な出品サービスや幅広いカテゴリから選べる、いつでも必要な時に必要な分だけ購入できる、個々のニーズに合致しているものが見つけやすいといったことが挙げられます。

 購入者は、約79万件(2023年8月末現在)に及ぶ各種出品サービスから、自らが必要とするサービス・役務を選択・購入することが可能であります。また、希望する出品サービスが無い場合には、「見積り・カスタマイズ相談」や「仕事・相談の公開依頼」を通じて特定・不特定の出品者からの提案を募集することが可能であります。

 なお、当社は、出品者のサービス提供完了時に、出品者側より20%、購入者側から5%を手数料として受領しております。

 

(a)サービスの流れについて

 「ココナラ」では、自らの知識・スキル・経験を生かしたサービス・役務を出品者が出品します。出品者は、出品前に予めテキスト、電話またはビデオチャットのいずれかの形態でサービス提供するかを選択し、当社が提供する機能を通じてその形態でのみ出品することになります。購入者は、多様な出品サービスの中から希望するサービス・役務を選択し購入します。購入後、出品者と購入者の間で提供サービスにかかるダイレクトメッセージのやりとりが開始されます。メッセージは、非公開の専用トークルームにおいて行われ、相談事項に対する回答・アドバイスの提供、依頼事項に基づく成果物の提供等の役務提供が終了した時点で、サービス提供が完了となります。

 出品者及び購入者間における取引代金の授受については、購入時に当社が購入者より受領し、サービス提供完了後に、サービス売上金(当社手数料控除後)が出品者に付与されます。

 取引の流れを図で表すと以下のとおりとなります。

 

 

 

※画像省略しています。

 

(b)多種多様な出品サービスを有していること

 「ココナラ」は、出品者が、自らの知識・スキル・経験を出品サービスとして提供することにより、ユーザーが購入できるマーケットプレイスであり、個人が有する幅広い分野の知識・スキル・経験に基づいて、約79万件(2023年8月末現在)の出品サービスから検索・購入でき、注文に関するやりとりから納品まで、全てがオンラインで完結できます。

 出品者が、自分ができることを商品化したサービスを、先に出品し、購入者が出品されているサービスを閲覧して購入する流れになっているため、メジャーなものからニッチなもの、高品質なものからカジュアルなものまで、幅広く出品されております。この結果、多様なユーザーのニーズに応える多種類の出品があふれ、購入者にとっても、広範な世代のニーズにマッチしたサービスが出品されており、自らが必要とするサービスを発見することが容易になっております。例えば、法人や個人事業主向けには、例として起業相談、マーケティング、企業ロゴ・名刺作成、会社HP作成、WEB集客サポートという起業から事業拡大までの一連の業務に関する出品物が存在しています。また、個人向けの例として恋愛相談、ダイエットアドバイス、招待状作成、似顔絵作成、ムービー制作、ハネムーンプラン作成という各個人のライフステージやライフスタイルに沿った一連のイベントに関する出品物も存在しております。

 また、購入者によるサービスの検索を容易にするために、出品サービスを15のメインカテゴリ、トータル450を超える小カテゴリであらゆる課題や悩みをカバーしており、各カテゴリを制作・ビジネス系カテゴリと相談・プライベート系カテゴリの大きく2つに分類しております。

 各カテゴリの分類は以下のとおりであります。

分類

カテゴリ

制作・ビジネス系

(9カテゴリ)

デザイン、イラスト・漫画、Webサイト・制作・デザイン、音楽・ナレーション、動画・アニメーション・撮影、ビジネス代行・コンサル・士業、IT・プログラミング・開発、ライティング・翻訳、マーケティング・Web集客

相談・プライベート系

(6カテゴリ)

占い、悩み相談・恋愛相談・話し相手、学習・就職・資格・コーチング、住まい・美容・生活・趣味、オンラインレッスン・アドバイス、マネー・副業・アフィリエイト

 

(c)ユーザーニーズに応じたサービス提供手段

 「ココナラ」は、出品者及び購入者間の取引について、時間や場所の制約を受けずに、誰でも、どこでも、いつでもサービスの売買ができるオンライン上でのサービス提供を基本としております。当社は、オンライン上の様々な分野・内容の出品ニーズに対応するため、テキスト、電話及びビデオチャットといったコミュニケーション手段を提供しております。また、トークルームにおいてはデータファイル等による制作物の納品ができるなど、出品者はサービス内容に合わせて提供手段を選択することが可能となっております。

 

(d)ランク制度

 「ココナラ」では、販売実績、納品完了率及び評価に基づく出品者の認定基準を策定し、5段階のランク認定を出品者に対して行なっております。当該ランク認定制度により出品者の信頼性が明示的となり、購入者への判断基準の提供を図っております。購入者はこのランクの明示により、安心して購入することができるため、購入の促進につながっていると当社は考えております。

 

(e)ココナラビジネス

 2021年8月にリリースした「ココナラビジネス」は、ビジネス利用に特化したサービスをラインナップし、チームで利用しやすい機能を搭載した購入専用の新たなプラットフォームです。従来のココナラが提供するサービスの豊富さ、価格、利便性に加え、新機能として組織・チームで仕事を進める上で便利な「チーム管理・連携機能」「プロジェクト管理機能」や、「ココナラ」との併用をスムーズに実現できる「アカウント切替」、さらに「リアルタイムチャット」でのサポートを提供しております。

 

② 「ココナラ法律相談」

 「ココナラ法律相談」は、当社登録弁護士とユーザーのマッチングサイトです。ユーザーは、身近な悩みやトラブル等に関する相談をするために、自身にあった弁護士を見つけ、必要に応じて弁護士へ依頼を行うことが可能となっております。

 なお、「ココナラ法律相談」は、登録弁護士に関する情報をサイト上に掲載しており、無料プランと有料プランを提供しています。有料プランは2017年3月から開始しており、当社は成果報酬型ではなく、所定の料金体系に基づいた固定の利用料金を受領しております。具体的には、掲載可能な注力分野の個数、当社によるインタビュー取材記事の作成サービスや掲載写真の撮影サービスの有無、料金表などの詳細情報の掲載可否や、PR枠表示の有無といった内容によって、有料会員の月額料金が決定されます。

 各主機能の拡充を行った結果、当社「ココナラ法律相談」へのユーザーからの弁護士への問い合わせ数は順調に伸びており、これを背景として弁護士からの広告料収入である固定の利用料金も成長しております。

 

③ 「ココナラエージェント」及び「フューチャリズム」

 「ココナラエージェント」及び「フューチャリズム」は、エンジニア、デザイナーを中心としたITフリーランスと企業の業務委託案件をつなぐエージェント事業です。ココナラエージェントにより、「ココナラ」では扱えなかった月次稼働型のマッチングが可能となり、ココナラ経済圏の拡張に寄与しております。

 また、2023年7月にはITフリーランスエンジニアのエージェント事業を展開するポートエンジニアリング株式会社の100%株式を取得し、完全子会社としております。ポートエンジニアリング株式会社を完全子会社化することで、当社グループのエージェント事業領域の事業拡大を早期に実現し、当社の企業価値の最大化に資すると考えています。

 

(2)当社の事業の特徴

 当社の事業の特徴は以下のとおりです。

① 総合カテゴリ型の知識・スキル・経験の取引プラットフォーム

 「ココナラ」では、多種多様なカテゴリでサービスが出品され、取引されるため、購入者にとっても、広範な世代のニーズにマッチしたサービスが出品されております。結果として、「ココナラ」は性別を問わず、幅広い年齢の多様な属性のユーザーに利用されております。「ココナラ」で購入実績のあるユーザーは男女それぞれ半数程度であり、年齢層としては幅広いものの、特に20代から40代が中心となっております。

 また、購入者からの依頼に依らず、出品者が先に自らの知識・スキル・経験を出品するため、どのような人でも出品が可能となっており、出品のハードルが低くなっております。この結果、「ココナラ」は、多種多様な人が知識・スキル・経験を出品することができます。当社は、2012年からスキルのマーケットプレイス「ココナラ」を運営しており、総合カテゴリ型のサービス版ECサイトとして有する出品サービス数、評価数では競合するサイトを凌駕する規模を誇っております。

 

② 強力な顧客エンゲージメントをベースにした高成長の収益モデル

 「ココナラ」は、利用者の多種多様なニーズに応える出品サービスが存在していることで、単一のカテゴリからの継続購入だけではなく、一度サービスを利用したユーザーが複数カテゴリから購入する傾向にあります。これは、一度「ココナラ」を利用した際に、自らが抱える課題が解決されたり、サービスによりニーズが満たされたりした場合には、その後に何かに困った際には「ココナラ」を連想し、「ココナラ」で課題等を解決しようとするため、このような傾向が生み出されているからだと当社は考えております。「ココナラ」の特徴として、毎月利用されるものではないものの、一度利用したユーザーは、その後、複数カテゴリから購入するというユーザーの行動特性により、中長期的で安定した継続購入を実現し、一度定着するとそれ以降も継続して利用する傾向があります。そのため、既存の顧客層からの継続的な収益が見込めることになり、結果としてリカーリング型の収益モデルと同等の安定した収益構造を有しております。

 また、購入者は、どの出品者から購入するかという判断において、評価数や評価内容を見て、信頼性及び安全性を確認した上で購入を決定します。したがって、どのマーケットプレイスで購入するかという判断においても、評価数が多く表示されていることが重要であります。出品者としては、購入が多いと評判のあるマーケットプレイスに集まってくるため、「ココナラ」でも出品することになり、自分の評価も蓄積しながら「ココナラ」で販売することで出品数が増加し、購入者は、出品数、レビュー数が多い場所で買うため購入者が増加するという循環によってネットワーク効果が働き、出品者及び購入者双方のエンゲージメントが向上する自律的な成長のサイクルが実現されるモデルになっております。結果として、評価数、購入履歴等のデータが蓄積され続けることで、他社からの参入に対する強固な障壁が構築されております。

 なお、継続的に利用するユーザーによる利用状況として、前年度以前に購入実績があるUU(Unique User)である既存購入UUによる流通高の比率については増加傾向にあり、2017年度以降は半数を超える割合で推移しております。

 

③ ビジネスモデルの拡張

 創業当初の「ココナラ」では、取引単価をワンコイン(500円)のみ、対面でのサービス提供を禁止しオンライン限定とすることでマッチングを成立させてきました。その後は、徐々に制約を開放することで、サービスの拡張を行っております。例えば、従来、テキスト、電話を用いたサービス提供のみが可能でしたが、2018年2月よりビデオチャットによるサービス提供を可能とするほか、出品サービスの質の向上に伴って2014年10月から徐々に価格の緩和を開始しております。

 今後も、適宜、各種制約の見直しを行い、機能の追加とともにサービスの拡張を行っていく方針であります。

 

④ 取引の安心・安全性の確保のための取り組み

 当社は、「ココナラ」を利用する全てのユーザーに対して、安心・安全なサービスを提供するため、以下の対応を行い、取引の安心・安全性の確保に努めております。

 

(a)本人確認の実施

 「ココナラ」では、出品者に対する本人確認を実施しております。サービス売上金の送金時において銀行口座の確認を実施するほか、電話相談サービスの初出品時並びに高ランク認定時及びPRO認定に際して本人確認書類の提出を義務付けております。

 また、購入者からの信頼性向上を目的として、個々の出品者の任意による本人確認も実施しており、本人確認を実施したユーザーについては、本人確認済である旨を表示し、サイト上において購入者に明示しております。

 

(b)サービスの健全性の確保

 当社では、ユーザーの満足度向上を目的として、専任のカスタマーサクセススタッフを配置し、365日体制で問い合わせ対応やサービスの監視を行っております。

 「ココナラ」では、15のカテゴリを有し、それぞれのカテゴリに多種多様なサービスが出品されるため、出品ガイドラインを定め、出品禁止サービスや禁止行為を明示しております。また、不適切なサービスが出品されていないかについて、システムを用いた監視、目視による監視を常時行っております。監視を通して出品ガイドラインに準拠していないサービスを排除しているほか、違反報告機能によりユーザーによる問題サービス等の通報体制を構築する等、全てのユーザーが安心・安全に「ココナラ」を利用できるようサービスの健全化に努めております。

 

(c)エスクロー決済の導入

 「ココナラ」ではエスクロー決済を導入しております。エスクロー決済とは、事前に購入代金を決済し、サービス提供が完了するまで、当社にて代金を預かる決済の流れを指します。

 サービスを提供したにも関わらず、出品者がサービス売上金を受け取れないことや、サービスがキャンセルになった場合に購入者に代金が返金されないといった問題が生じず、ユーザーが安心・安全に利用できるようになっております。なお、「ココナラ」のエスクロー決済においては、当社の信用事由にかかる法的な倒産隔離措置をとった仕組みにはなっておりません。

 

(d)相互評価の仕組み

 当社はすべてのユーザーに対して透明性のあるプラットフォームを目指しており、「ココナラ」を利用する際の参考となるよう、出品者(出品サービス)と購入者がお互いを評価し、その評価内容を表示しています。これによりすべてのユーザーは事前に出品者の評価結果を、出品者は自身のサービスを購入する以前の購入者の評価結果を確認することができます。

 

 

事業系統図

※画像省略しています。

 

 

23/11/30

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末より905,516千円増加し、5,232,914千円となりました。

 これは主に投資有価証券が474,083千円、のれんが144,721千円、売掛金が142,336千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末より217,219千円増加し、2,106,951千円となりました。

 これは主に預り金が78,438千円、買掛金が62,974千円、前受金が54,142千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末より688,296千円増加し、3,125,963千円となりました。

 これは主に非支配株主持分が630,974千円増加したこと等によるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の5類への分類引き下げが実施され、経済活動の正常化が一段進むものと期待される一方で、金融市場の見通しは未だ先行き不透明な状況が続いております。当社がターゲットとする個人・企業間サービスにおいては、潜在市場規模は約18兆円と非常に大きい一方、オンラインで取引される比率は1%程度と推定されています(情報通信総合研究所による推定値)。オンラインでのサービス取引は、人生100年時代の到来や働き方改革でライフスタイルが従来とは大きく変化する中、社会的にも重要性の高い市場と考えています。

 このような環境の下、当社におきましては、「一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中をつくる」をビジョンに掲げ、EC型のサービスマーケットプレイスである「ココナラ」を展開し、堅調に事業を拡大してきました。当社はオフラインで日常的に行われているあらゆる取引をオンラインでより便利に置き換えていくことで、唯一無二のサービスECプラットフォームを目指しております。

 当連結会計年度は、プロダクト機能開発に注力する一方、マスメディア等を通したユーザー層の取り込みを強く推進するべく、2023年5月より日本全国を対象としたTVCMを実施しております。また、2023年7月にはエンジニアを中心とした IT フリーランスと企業の業務委託案件をつなぐ「ココナラエージェント」の事業拡大及び当社の企業価値の最大化に資すると判断し、ポートエンジニアリング株式会社の株式を取得し、完全子会社化しております。

 この結果、当連結会計年度の流通高は14,664,312千円(前年同期比15.3%増)、売上高は4,679,023千円(前年同期比21.9%増)、営業損失は126,388千円(前年同期は営業損失515,279千円)、経常損失は168,277千円(前年同期は経常損失511,269千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は75,899千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失494,355千円)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、セグメントの名称と区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 注記事項(セグメント情報等 3.報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報 (追加情報) 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。

 

(a)スキルマーケット

 「スキルマーケット」においては、2023年5月よりTVCMを実施することで、積極的なマーケティング投資による購入者の登録数の拡大を図っております。また、2023年8月にはさくらインターネット株式会社の「さくらのレンタルサーバ」の顧客に、ココナラを紹介する取り組みを開始するなど、購入者の登録数の拡大を目的とした業務提携も実施しています。

 この結果、売上高は4,001,347千円(前年同期比15.8%増)、セグメント損失は66,086千円(前年同期はセグメント損失508,726千円)となりました。

(b)法律相談

 「法律相談」においては、ユーザーと弁護士のマッチング精度・量ともに順調であることから有料登録弁護士数が拡大しており、これを背景として弁護士からの広告収入である固定の利用料も成長しております。

 この結果、売上高は533,021千円(前年同期比39.5%増)、セグメント利益は69,889千円(前年同期比1,376.1%増)となりました。

(c)テックエージェント

 「テックエージェント」においては、2023年7月にポートエンジニアリング株式会社の株式を取得し、同社を完全子会社化することで、当社グループの当該領域の事業拡大を早期に実現し、企業価値を最大化していきます。

 この結果、売上高は144,655千円、セグメント損失は97,962千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,993,732千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、114,229千円の収入(前年同期は419,817千円の支出)となりました。これは主に株式報酬費用117,191千円、預り金の増加74,717千円、前受金の増加54,142千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、932,664千円の支出(前年同期は487,044千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出520,571千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出245,079千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、761,221千円の収入(前年同期は638,906千円の収入)となりました。これは主に非支配株主からの払込みによる収入725,000千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

 受注生産を行っていないため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

スキルマーケット

4,001,347

115.8

法律相談

533,021

139.5

テックエージェント

144,655

-

合計

4,679,023

121.9

 

(注)主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が10%未満のため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績の分析

 当社グループは、安定的な売上高成長を継続的に実現すること及び収益性を意識した経営を行ってまいります。

 当連結会計年度の流通高及び売上高はそれぞれ14,664,312千円(前年同期比15.3%増)、4,679,023千円(前年同期比21.9%増)と順調に推移しております。これは主に購入ユーザー数及び取引単価が上昇したことによるものであります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金需要)

 当社グループにおける資金需要のうち主なものは、人件費、広告宣伝費、システム関連費にかかる運転資金になります。

 

(財務政策)

 当社グループは現在、運転資金等については自己資金により充当しており、必要に応じて金融機関からの借入金により資金調達することとしております。