売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E04980 Japan GAAP

売上高

54.8億 円

前期

44.6億 円

前期比

122.7%

時価総額

77.7億 円

株価

1,400 (07/12)

発行済株式数

5,548,979

EPS(実績)

61.34 円

PER(実績)

22.83 倍

平均給与

623.4万 円

前期

595.9万 円

前期比

104.6%

平均年齢(勤続年数)

40.3歳(12.6年)

従業員数

141人(連結:168人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(アイサンテクノロジー㈱)及び子会社4社により構成されており、当社グループで開発する測量用ソフトウェアの開発・販売、サポートサービスの提供、計測機器販売及び高精度三次元モービルマッピングシステム(以下、MMS)に係る販売・保守サービス、MMSを用いた三次元計測・解析業務の請負事業、自動走行関連に係るシステム受託販売、実証実験業務の請負、土地・河川ならびに海洋に関する各種測量等を行っております。

 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。各セグメントの主要な市場と製品等は以下のとおりです。また、次の3区分は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントと同一の区分であります。

 

報告セグメント

主要な市場と製品等

 公共セグメント

(主要な市場)

測量・不動産市場を主たるターゲットとしています。

(製品等)

測量土木関連ソフトウェア及び保守サービス、三次元点群処理ソフトウェア、測量計測機器、MMS計測機器及び関連製品、MMSを用いた三次元計測・解析業務の請負、土地・河川ならびに海洋に関する各種測量、その他関連ハードウェア 等

 モビリティセグメント

(主要な市場)

自動車関連、MaaS関連の市場を主たるターゲットとしています。

(製品等)

MMS計測機器及び関連製品、三次元計測・解析業務の請負、高精度三次元地図データベース構築業務の請負、自動運転システム構築、自動運転の実証請負、衛星測位に係るサービス、三次元点群処理ソフトウェア、その他関連ハードウェア 等

 その他

不動産賃貸業

 

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

(注)1.㈱スリード、㈱三和、A-Drive㈱、㈲秋測は連結子会社

  2.エーティーラボ㈱は2023年4月1日にアイサンテクノロジーに吸収合併され、消滅。

 

24/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以

下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①当期の経営成績の概況

 当連結会計年度におきまして、我が国における経済は、雇用情勢や、企業収益・設備投資の改善、インバウンド需要の増加などもあり、緩やかな景気回復の動きがみられました。一方で、地政学リスク及び円安ドル高といった為替変動による原材料価格及びエネルギーコストの上昇、人手不足の深刻化、消費者行動・価値観の変化等、極めて先行き不透明な事業環境が続いております。

 こうした状況の中で当社グループは、「Investment & Innovation」をスローガンに掲げた3年間の中期経営計画の最終年度において、経営計画の達成に向け事業活動を行いました。中期経営計画の初年度及び2年目には人財の採用とその育成といった人的資本への取り組みの強化、新たな製品・サービスをリリースするための研究開発、自動運転実用化に向けた研究と体制づくりなど、経営計画を達成するための重要な成長フェーズと捉え、積極的な投資を行ってまいりました。また、「未来の社会インフラを創造する」をキーワードに、国土強靭化、不動産登記行政といった分野への取り組みとともに、自動運転の分野において地域公共交通の維持、スマートシティ、自動運転の社会実装といった多方面の社会的課題の解決のため積極的な取り組みを行っております。

 当連結会計年度においては、各種補助金の活用をお客様に促し、自社製品や三次元計測機器等への購買動機を高める活動を継続するとともに、展示会への出展を強化し、商談機会の獲得に努めてまいりました。MMS機器販売、高精度三次元地図の作成請負業務及び2025年度以降となる自動運転の社会実装に向けた自動運転実証実験請負、様々な用途の自動運転車両の構築請負、公共及び民間からの計測業務委託については、前連結会計年度と比較し、受注件数が増加しました。大半の案件は当連結会計年度内に成果物を納品することができましたが、一部の案件においてはお客様の補助金を活用した導入の関係で、次年度へ納品が繰り越される結果となりました。

 

(前連結会計年度との比較)

 前連結会計年度との比較につきましては、以下の通りとなります。

A)自社ソフトウェアに関連する事業は、当社主力商品である「WingneoINFINITY」および「WingEarth」等のライセンス販売ならびにそれらのサポートサービスによるものです。当連結会計年度においては、前連結会計年度の自社ソフトウェア販売が堅調に推移したことから、サポートサービスの新規契約、契約更新による売上が増加しました。「WingneoINFINITY」及び「WingEarth」に関しては、新バージョンの販売に加え、追加サービスや補助金申請を活用した販促活動、リモートによる業務サポートや体験会を実施しましたが、計画していた自社ソリューションのリリース遅延などもあり、計画ならびに前年同期の売上を下回りました。一方で、2022年11月に発売開始した、外業向けソフトウェア「LasPort」の売上は好調に推移しております。以上により、自社ソフトウェアに関連する事業の売上高・利益ともに前連結会計年度と比較し、減少しました。

B)MMS計測機器及び関連商材の販売については、受注が順調に推移し、前連結会計年度を上回る想定で進捗しておりましたが、一部の案件におきまして、お客様の補助金を活用した導入の関係で次年度へ納品が繰り越される結果となりました。その結果、前連結会計年度と比較し、売上高・利益ともに前年をわずかに下回りましたが、同水準の実績となりました。

C)三次元計測請負業務及び高精度三次元地図データベース整備は、「安全・安心」な自動運転社会の実現を目指し、自動車向け高精度三次元地図の継続的な提供を進めるとともに、全国各地の自治体における自動運転移動サービスの実現を目指した実証実験のための地図データの作成など、高精度三次元地図を中心とした事業と技術研究開発を積極的に進めることで、前連結会計年度と比較し、売上高・利益ともに増加しました。

D)測量請負事業は、ここ数年、官公庁における公共測量に係る入札競争が激しさを増しております。このような事業環境へ対策すべく、民間の建設コンサルタント企業を中心とした新規顧客の開拓に努めてまいりました。その結果、前連結会計年度と比べて売上高は増加しました。

E)様々な車両を自動化するAutomotive事業や、自動走行関連システムの販売および実用化に向けた実証実験は、実用化を見据えた自治体や交通事業者との連携を積極的に行っております。パートナー連携やプロジェクトへの参加などを推進したことで、新たな案件や商材を獲得できており、当連結会計年度の受注件数は前年度を上回りました。また、各自治体、交通事業者とともに、国土交通省による地域公共交通確保維持改善事業の公募へのアプローチを積極的に行った結果、2023年10月20日に公表の通り、全国15の地域に参画し自動運転実証調査事業を行い、全ての案件の納品を完了しました。その結果、前年同期と比較し売上高・利益ともに増加しました。

 

F)当連結会計年度では、前連結会計年度より引き続き、中期経営計画に基づき様々な投資を実施しております。人財投資においては、新卒採用、即戦力となるキャリア採用を積極的に実施し経営基盤の強化を図るとともに、従業員の労務環境整備のための賃金アップや人財戦略に向けた投資を行いました。また、新たなソフトウェアの開発や、ウェブサイトの継続的なリニューアル、自動運転に関する技術の開発推進に加え、2024年1月5日に「GEOMARKET」における測量機器リペア業務のシナジーを図るべく、有限会社秋測の子会社化が完了しました。その結果、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比較し、増加しました。

(単位:千円)

 

2023年3月期

2024年3月期

対前期増減額

対前期増減率

売上高

4,463,382

5,478,528

1,015,146

22.7%

営業利益

331,280

449,601

118,321

35.7%

経常利益

330,877

455,651

124,774

37.7%

親会社株主に帰属する当期純利益

240,737

340,353

99,616

41.4%

 

 セグメント別においては、次の通りであります。

 

a.事業セグメント別の業績

(単位:千円)

 

 

2023年3月期

2024年3月期

対前期増減額

対前期増減率

公共

セグメント

売上高

3,267,674

3,376,343

108,668

3.3%

セグメント利益

495,188

425,640

△69,547

△14.0%

営業利益率

15.2%

12.6%

 

 

モビリティ

セグメント

売上高

1,184,543

2,091,020

906,477

76.5%

セグメント利益

55,723

268,077

212,354

381.1%

営業利益率

4.7%

12.8%

 

 

その他

売上高

11,164

11,164

-

-

セグメント利益

5,286

5,125

△161

△3.0%

営業利益率

47.4%

45.9%

 

 

 

b.報告セグメント別の概要

 

公共セグメント

 公共セグメントにおいては、中期経営計画で目標としていた新たな自社ソリューションのリリースが遅延したことにより、既存の主力製品「WingneoINFINITY」、「WingEarth」を中心とした営業活動を行ってまいりましたが、総じて苦戦した結果となりました。

 当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」に係る営業活動として、従前の訪問型営業だけではなく、測量・不動産登記・衛星測位・点群といった当社製品及びサービス、ならびに当社が保有する技術に関するオンラインセミナーを積極的に開催し、潜在顧客の掘り起こしを行いましたが、売上増につながる効果的なオプションのリリースができず、前連結会計年度と比較し、売上高は減少しました。

 点群処理ツール「WingEarth」は、前連結会計年度における受注残案件の売上計上、補助金制度を活用した販売活動により、一定の効果がありました。2023年9月には新機能を搭載した「WingEarthVersion2.4.0」とともに新オプションをリリースし、オンライン体験会等の販促活動を行いましたが、すでに顧客への導入は一定程度進んでおり、前年同期と比較し売上高は減少しました。

 一方、このような中でも、自社ソフトウェア販売に関して、各種補助金を活用した販売施策の投入、昨年度

リリースした次世代TSコントローラー「LasPort」の販売促進に加え、2024年1月にリリースした新たな3次元ツール「GrandBase」など、様々な業務に特化した新たなサービス・製品のリリース及び開発の継続により、次期以降において収益獲得に一定の貢献をするものと見込んでおります。

 測量機器のリユース・リペア・レンタルの3Rサービスをウェブ展開する測量機器総合マーケット「GEOMARKET」は、お客様との取引がオンラインで完結します。半導体不足の状況は以前に比べ解消傾向にある一方で、原材料価格高騰は新型測量機器の価格にも影響が出ていることから、リユース販売やレンタル需要が高まっております。その中で、ウェブ広告を積極的に展開し知名度も向上したことで、お客様からのアクセス数も増加し、前連結会計年度と比較し、売上高が増加しました。また、2024年1月5日に公表の通り、有限会社秋測のグループ会社化を行い、測量機器のリペア業務におけるシナジーを図っております。

 

 MMS計測機器及び関連商材の販売においては、公共分野・インフラ分野のお客様への新規導入提案活動、既存顧客へのリプレースの提案を行うとともに、測量・土木・地図市場において、公共分野でのMMS計測受託業務や、これまでに販売してきたMMSの保守契約を行いました。受注が順調に推移し、前連結会計年度を上回る想定で進捗しておりましたが、一部の案件におきまして、お客様の補助金を活用した導入の関係で次年度へ納品が繰り越される結果となりました。

 測量請負事業は、ここ数年、官公庁における公共測量に係る入札競争が激しさを増しております。このような事業環境へ対策すべく、民間の建設コンサルタント企業を中心とした新規顧客の開拓に努めてまいりました。その結果、前年同期と比べて売上高・ 利益ともに増加しました。

 一方、前連結会計年度に引き続き、中期経営計画に沿った人財投資計画を進めた結果、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比較して増加しました。

 

モビリティセグメント

 モビリティセグメントにおきましては、世界規模の半導体不足の影響も引き続き発生しており、ハードウェア製品の納期への影響も危惧されましたが、当連結会計年度においては、翌期へ遅延することなく売上を計上しました。政府の掲げる「RoAD to the L4」に伴う2025年度以降の自動運転の社会実装に向けて、国を挙げての取り組みが加速しており、自治体や交通事業者等の課題意識も高まる一方、自動車業界においては投資対象の中心がEVへシフトしている中、継続的に新たな商談発掘に努めてまいりました。

 三次元計測請負業務及び高精度三次元地図データベース整備は、自動走行の実用化を目的とした整備業務を受注し、随時納品を行いました。一方で、品質やコストへの要求が高まっており、生産性向上に向けた体制の見直し、ツールの開発、グループ間でのシナジーを生み出す検証は、前連結会計年度から継続して取り組んでおります。その結果、前連結会計年度と比較し、売上高・利益ともに増加しました。

 自動走行システムの販売および実用化に向けた実証実験は、前連結会計年度に引き続き、国内の多くの企業や地方自治体などで需要がある状況です。そのような中、2023年10月20日に公表の通り、グループ会社であるA-Drive株式会社とともに、地域公共交通確保維持改善事業(自動運転社会実装推進事業)において、全国15の地域に参画し、自動運転実証調査事業を行いました。これらを含め、自動走行の実用化に向けた実証実験の実施は第4四半期に集中し、売上を計上しました。その結果、前連結会計年度と比較し、売上高・利益ともに増加しました。

 自動運転の実用化は、政府目標として2025年に50か所程度、2027年に100カ所以上での社会実装を目指すとされています。当社グループは、株式会社ティアフォー、損害保険ジャパン株式会社、KDDI株式会社等のパートナー企業と連携し、全国自治体との対話を進め、実用化に向け積極的に推進してまいります。それまでの間は、当事業分野は投資フェーズと捉えており、将来の事業モデル確立に向けた先行投資として、前連結会計年度より引き続き、事業推進に必要な人財確保、システム構築や機材などの調達を積極的に行ってまいりました。また、愛知県の補助金を活用した大型自動運転バスの実用化に向けた研究に加え、自動運転小型EVバスである「ティアフォーMinibus」を導入するなど、これまで積み重ねてきた実証実験の知見を活かし、今後はニーズが高いバスタイプでの実証や販売に積極的に取り組んでまいります。

 その他の分野では、前連結会計年度から取り扱いを始めた自動運転支援用のカメラ販売は、他用途での利用を目的とした販売など、本商材の販売は引き続き好調に推移しました。また、三菱商事株式会社との共同出資会社「A-Drive株式会社」とともに、パートナー企業の知見やノウハウを有効活用しながら、自動運転の様々なニーズに対応するサービスの展開を行い、2025年度以降の自動運転の社会実装に向けた更なる事業の深化を目指してまいります。なお、「A-Drive株式会社」の収益に関しては、上記に記載の通り、当事業年度においては投資フェーズとして事業展開を進めてまいりました。

 

その他

 自社保有の不動産に係る賃貸収入については、前年同期と同水準の結果となりました。

 

②当期の財政状態の概況

 (資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて594百万円増加し、8,597百万円となりました。

このうち、流動資産は6,532百万円となり、その内訳は現金及び預金が3,843百万円等であります。また、固定資産は2,064百万円となり、その内訳は有形固定資産が924百万円、ソフトウェア製品をはじめとする無形固定資産が262百万円、投資その他の資産が877百万円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて329百万円増加し、2,286百万円となりました。このうち流動負債は1,810百万円となり、固定負債は475百万円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて265百万円増加し、6,310百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上340百万円によるものであります。この結果、1株当たり純資産額は1,138円83銭となりました。

 

③当期のキャッシュ・フローの概況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は3,843百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、支出した資金は240百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益468百万円の一方、売上債権及び契約資産の増加額633百万円、棚卸資産の増加額244百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は125百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出170百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は47百万円となりました。これは、ファイナンス・リース債務の返済による支出52百万円、配当金の支払額81百万円等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

公共セグメント(千円)

1,612,075

101.3

モビリティセグメント(千円)

1,972,802

175.3

その他(千円)

合計(千円)

3,584,878

132.0

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

公共セグメント(千円)

1,414,812

101.3

モビリティセグメント(千円)

100,813

226.9

その他(千円)

合計(千円)

1,515,626

105.2

(注)金額は仕入価格によっております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

公共セグメント(千円)

3,376,343

103.3

モビリティセグメント(千円)

2,091,020

176.5

その他(千円)

11,164

100.0

合計(千円)

5,478,528

122.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針や見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。

a.収益及び費用の計上基準

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

b.投資有価証券の減損

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

c.無形固定資産の減価償却の方法

 当社グループは、クラウドサービスのような顧客へのサービス提供、及び社内の経営情報の充実化・業務効率化等のため、自社利用のソフトウェアの開発・導入を行う場合やパッケージ製品等の市場販売目的のソフトウェアの開発を行う場合に、その開発コストをソフトウェアとして無形固定資産に計上する場合があります。

 その場合、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法により減価償却を実施し、市場販売目的のソフトウェアについては見込販売可能有効期間(3年)に基づく定額法により減価償却を実施しています。しかし、将来、事業環境等の大幅な変化がある場合には、回収可能額を見直すことにより、損失を計上する可能性があります。

d.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針としております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、特に自動運転関連の事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

e.繰延税金資産

 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、税制の変更や事業環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

 なお、繰延税金資産の詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご参照下さい。

 

②当連結会計年度の経営成績の分析

 「[ 経営成績等の状況の概要 ]」をご参照ください。

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 「[ 事業等のリスク ]」をご参照ください。

④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は3,843百万円となりました。

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③当期のキャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。

 なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。

 

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

自己資本比率(%)

76.5

81.1

74.5

74.1

72.1

時価ベースの自己資本比率(%)

96.8

142.9

135.2

173.9

107.0

キャッシュ・フロー

 対有利子負債比率(年)

0.3

0.4

0.4

0.3

-

インタレスト・カバレッジ・

 レシオ(倍)

123.5

72.8

129.7

99.0

-

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)

連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)

株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注3)

キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)

有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(注5)

2024年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシ

ュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、投資有価証券の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入を基本としております。

 当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。

 なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は190百万円となっております。また、当連

結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,843百万円となっております。