E39009 Japan GAAP
前期
50.3億 円
前期比
112.3%
株価
778 (04/24)
発行済株式数
12,163,800
EPS(実績)
62.23 円
PER(実績)
12.50 倍
前期
634.9万 円
前期比
105.9%
平均年齢(勤続年数)
36.8歳(8.9年)
従業員数
235人(連結:272人)
当社グループは、当社(株式会社ドリーム・アーツ)および連結子会社1社(夢創信息(大連)有限公司)により構成されており、「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」というミッションを掲げ、企業の生産性を向上し、創造的な働き方を実現する大企業向けSaaS(注1)プロダクト(ノーコード開発(注2)ツール「SmartDB®」、社内ポータル構築ツール「InsuiteX®」、チェーンストア向け情報共有ツール「Shopらん®」)および特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービス「DCR(DX Custom Resolution)」の提供を行っております。
なお、連結子会社である夢創信息(大連)有限公司は、当社製品の開発・テスト・サポート業務のみを行っており、開発拠点の一つとして位置付けております。
<当社グループの展開する事業セグメントとその概要>
当社グループは、展開する事業を「クラウド事業」「オンプレミス事業」「プロフェッショナルサービス事業」の3セグメントに区分しております。クラウド事業およびオンプレミス事業のソフトウェアメンテナンスがストック収益であり、オンプレミス事業のパッケージソフトウェアとプロフェッショナルサービス事業がスポット収益となります。
事業セグメントごとの事業内容は以下の通りとなります。
(1)クラウド事業
自社開発したアプリケーションソフトウェアをSaaSの形態で提供する事業。
提供するサービスは、幅広い業界で利用される「ホリゾンタルSaaS(注3)」と、特定の業界で利用される「バーティカルSaaS(注4)」、および特定顧客向け開発運用一体型サービス「DCR(DX Custom Resolution)」に区分しております。
ホリゾンタルSaaSおよびバーティカルSaaSは月額利用料形式で提供しており、基本利用料で利用開始できますが、利用人数や用途に応じて、ユーザーライセンス、バインダー(データベース)ライセンス、各種オプションなどを組み合わせることが可能です。また、DCRは開発するシステムの要件の個別性が高いため、内容に応じてサービス料を定めております。
①ホリゾンタルSaaS
ホリゾンタルSaaSとして「SmartDB®」及び「InsuiteX®」を提供しております。
(a)SmartDB®(スマート・デービー)
当社グループが提供する「SmartDB®」は、プログラミング不要の「ノーコード開発ツール」です。直感的な操作と簡易な設定により、非IT人材による業務アプリケーションの開発を可能とすることを目指しております。
大企業の業務デジタル化が遅れている背景にはIT人材の不足があり、当社グループはノーコード開発ツールによってIT人材不足を解消し、大企業のデジタル化を支援していきたいと考えております。また、ノーコード開発ツールは、業務に精通した現場担当者がシステム開発を推進することによって、要件定義や仕様設計などの開発プロセスを短縮し、開発生産性の向上を図ることができるものと考えております。さらには、現場部門が自ら「業務デジタル化」を推進することで、これまで放置されていたアナログ業務のデジタル化が進み、DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた企業文化や組織風土の変革に取り組みやすい環境をつくることにつながるものと考えております。
「SmartDB®」は、ノーコード開発ツールでありながら、受託開発にも引けを取らない高度な機能を備えているものと認識しております。そのため、単純なデータベースやワークフローといった標準的なものから、ERP(注5)のフロントシステム(注6)や、生産管理・在庫管理などの基幹業務を支えるサブシステムに至るまで、幅広い領域で活用することができるものと考えております。
従来は、こうしたミッションクリティカルシステム(注7)の周辺領域もシステムインテグレーターが担うこととされておりましたが、ノーコード開発ツールの活用により、現場主導で開発・運用することが可能となるため、投資効率の向上とビジネス環境への機動的な対応を同時に実現することができるようになります。なお、システムインテグレーターが開発基盤としてノーコード開発ツールを活用し、開発プロセスやシステム運用の効率化を図ることもあります。
「SmartDB®」の競合優位性は、優良な顧客基盤、豊富な導入実績、大企業における業務デジタル化ノウハウおよび運用ノウハウの蓄積により築かれております。これらの顧客基盤と導入実績を通じて、多様な業務へ適用する過程で蓄積されたノウハウは、製品機能の継続的な強化に活用されております。こうした機能強化の積み重ねにより、大規模組織に求められる高度な権限管理や複雑な業務プロセスを伴うクリティカルな業務への適用を可能とする機能の網羅的な実装が実現されております。
導入フェーズにおいては、業務デジタル化を短期間で成功に導くことを目的に、課題ヒアリングから初期設定、操作トレーニング、アプリケーション開発支援、運用・展開方法の検討支援、事務局支援に至るまで、一貫した導入支援体制を構築しております。あわせて、社外パートナーによる支援体制の拡充も進めております。また、導入後の活用促進に向けては、「SmartDB®」の認定資格であるSCS(SmartDB Certified Specialist)の取得制度やユーザー同士が活用事例やノウハウを共有する交流会などのコミュニティを企画・運営しており、継続的な利活用を支える仕組みを強みとしております。
(主な機能)
企業内の活動は、起案・起票、承認決裁、決裁情報の保管・活用というプロセスをたどります。そのため企業内で利用する業務アプリケーションは、「入力フォーム」(データを入力するインターフェイス)、「ワークフロー」(入力データの承認・意思決定プロセス)、「データベース」(データの蓄積および活用)という3つの機能で構成されることとなります。SmartDB®は、これらの機能をプログラミングすることなく簡単に開発することを目指しております。
・入力フォームおよびデータベース作成機能
予め用意された25種類のパーツをドラッグ&ドロップ操作で配置し、入力フォームとデータベースを自動的に作成する機能を備えております。
・ワークフロー設定機能
大企業が必要とする複雑な業務プロセス(条件分岐、合議、並行承認、差し戻し、他部署回覧など)を設定する機能を備えております。例えば、金額や組織などの条件に基づいて承認ルートを判別・分岐したり、複数の部門や担当者が並列で承認したり、特定のワークフローの承認をトリガーとして他のワークフローを開始したりと、多様なプロセスの構築を可能とすることを目指しております。
・データベース活用機能
SmartDB®に投入されたデータを、様々な形式の表やグラフとして表示することで、分析ツールとしての活用が可能になると考えております。また、データとともに格納されたワード、エクセルなどのファイルも全文検索の対象としているため、必要な情報へ効率的にアクセスすることができるものと考えております。そのほか、あらかじめ用意されたフォーマットに合わせて出力する帳票作成ツールとして活用することも目指しております。
・ダイナミックブランチ機能
SmartDB®上で開発した複数の業務アプリケーションやデータベースに親子関係を持たせ、動的(ダイナミック)に連携する機能を備えております。複数のプロセスにまたがる業務やデータを結合し、一元的に管理することで、複雑な要件のERPフロントシステムや、基幹業務を支えるサブシステムなど、幅広い領域での活用を可能とすることを目指しております。
・セキュリティ関連機能
同じ入力フォームやデータベース内であっても、項目ごとに閲覧権限を設定する閲覧制限機能を備えております。そのため、機密性の高い情報を含む業務プロセスを、セキュリティを確保しながらデジタル化することが可能となると考えております。また、IPアドレス制限や二段階認証によって第三者からの不正なアクセスを防止するほか、業務プロセスの承認履歴などのログ出力機能を備えており、内部統制や各種監査の要求を満たすシステムの開発を可能とすることを目指しております。
・他システムとの連携機能
他社が提供するSaaSと連携するための機能や、外部システムとの連携に必要なAPI(注8)を用意しており、高度な業務自動化の実現を目指しております。なお、他システムとの連携に関しては、専門的な技術を要することが多いため、当社もしくはシステムインテグレーター等での対応が一般的となっております。
・日本企業の海外展開をサポートする機能
製造業をはじめとする大企業は、国内拠点だけでなく海外拠点のDX化も推進する必要があります。そのため、海外拠点のDXを加速させるための機能拡張を進めています。具体的には、以下のような機能を強化しています。
・AI翻訳による20か国以上の言語への対応
・「EU一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)」などの各国・各地域の法規制に
基づく規約同意の収集
・各拠点からのアクセス経路を識別し、適切なデータの閲覧・編集権限を付与
・24時間365日の無停止運用
・BYOK(Bring Your Own Key)セキュリティソリューション
ユーザーが自ら管理する暗号鍵を用いて、SmartDB®上で取り扱うデータを暗号化・保存する機能です。暗号鍵をユーザー側で保持するため、当社および当社が利用するインフラ基盤を提供する電気通信事業者は保存データを復号することができず、ユーザーのみが内容を閲覧できる高いセキュリティレベルを実現します。これにより、行政機関、金融機関、医療機関など、厳格な情報保護が求められる分野において有効なデータ保護手段を提供します。
・AI活用構想「DAPA(DreamArts Practical AI)」に基づく機能群
SmartDB®が備えるデータベース機能と、役割や属性ごとの権限に基づき設計された業務フローを基盤として、業務プロセスにAIを統合する機能拡張を進めております。これにより、現場部門は自らの権限に応じてAI活用を設計し、適切なガバナンスのもとで業務プロセスへAIを安全に導入することが可能となります。当社グループは、これらの拡張機能を通じて、企業の意思決定の質向上および業務効率化を支援することを目指しています。
・AIプロンプト・データベース機能:市民開発者が作成・改善したAIプロンプトを一元管理・統制する仕組みの提供。
・AIプロンプト呼出ロボット機能:業務プロセスに組み込まれたAIが自動的にチェック・アシスト・サジェストを実行。
・セキュリティフィルタリング機能:プロンプトを監視し、情報漏洩や不適切な指示などのリスクを自動で検知・遮断。
・トークン課金管理・利用モニタリング機能:AIの利用状況を可視化し、管理者による利用制御とコスト最適化を実現。
・コラボレーター機能
取引先や協力会社などの社外パートナーを「コラボレーターアカウント」としてSmartDB®に安全に招待し、社内外をまたぐ業務を一元管理できる機能です。サプライチェーンのグローバル化やDXの進展、セキュリティリスクの高まりを背景に、企業間での安全な情報共有と業務プロセスの構築が求められています。現在50万名超の社外パートナーとの連携を可能とする基盤と、柔軟なアクセス権限設定を可能とする環境を提供しており、今後も社外連携を支える関連機能の拡張を進めてまいります。
これらの機能拡張やサービスの向上を通じて、日本企業のグローバル市場での競争力を強化し、持続的な成長を支援してまいります。
(標準的業務の例)
経費精算などの領域は多くのSaaS企業が提供しておりますが、導入企業において機能が不足していると判断した場合は、その要件を諦めるか、カスタマイズを行う必要があります。SmartDB®は豊富な機能を持つノーコード開発ツールのため、多くの場合でカスタマイズなしに機能要件を満たすことができるものと考えております。
また、経費精算とワークフローを同時に導入する場合は、複数のSaaSを組み合わせる必要がありますが、SmartDB®は同一システム内で複数の業務アプリケーションを開発し、運用することができるものとなっております。
(ミッションクリティカルシステムの周辺業務の例)
従来、ERPフロントシステムは、ERPのカスタマイズによって開発されてきました。このERPフロントシステムをSmartDB®へ移行し、APIを介して連携する仕組みへと変更することで、システムのアップデートをスムーズに行い、システムの陳腐化(レガシー化)を防ぐことができるようになるものと考えております。
また、各社のビジネスの根幹を担う重要な業務プロセスにおいて、汎用的なソフトウェアやSaaSが存在せず、デジタル化を諦めている領域が数多く存在します。SmartDB®の活用により、多額のシステム投資を必要としない、業務デジタル化の推進を目指してまいります。
(b)InsuiteX®(インスイート・エックス)
当社グループが提供する「InsuiteX®」は、企業内の従業員が社内情報にアクセスするために訪れる「社内ポータル(注9)」を構築するためのツールです。
新型コロナウイルス感染症を契機として、オフィスワークとリモートワークを組み合わせた新しい働き方が増え、経営ビジョンや事業戦略の浸透、社内ルールやガバナンスの徹底といった組織運営上の課題が浮き彫りになりました。「InsuiteX®」は、経営情報から現場情報に至るまで、企業内のあらゆる情報を集約・発信・共有するプラットフォームとして、大企業の組織運営をサポートすることを目指しております。全社向けだけではなく、組織・個人ごとにポータルを作成し、業務遂行に必要な情報を集約することにより、組織の生産性向上にも貢献していきたいと考えております。
「InsuiteX®」は、企業文化・企業体質の強化に向け、単なる情報共有を「意識共有」と呼べるレベルまで発展させることをコンセプトとして開発を進めております。
(主な機能)
・ポータルデザイン機能
あらかじめ用意されたテンプレートに、必要な部品をドラッグ&ドロップ操作で配置し、ポータルを作成する機能を備えております。
ポータルに表示する部品は、アイコン形式、バナー形式、外部サイト埋め込み形式など複数の形式から選択する方式を採用しており、柔軟なカスタマイズを可能とすることを目指しております。
・通知通達機能
社内に周知徹底させる必要のある通知や通達を作成し、指定したポータル上に表示する機能を備えております。部署、役職、グループなどの切り口で宛先指定したり、通知通達に回答フォームを設けることで、現場の実施状況を把握し、業務の抜け漏れを防止することなどを目指しております。
・集計機能
簡易なアンケートや投票、クイズ形式の通知を作成する機能を備えております。収集したデータは、組織やグループ単位で集計し、組織エンゲージメントを高める施策などに活用することができるものと考えております。
・業務ダッシュボード機能
ポータル内のデータだけでなく、他システムに蓄積されたデータも、グラフとして表示する機能を備えております。あらかじめ用意されたテンプレートを選択し、様々な切り口からデータを可視化することで、分析に活用することができるものと考えております。
②バーティカルSaaS
当社グループが提供する「Shopらん®」は、チェーンストアの店舗運営を支援するための情報共有ツールです。
チェーンストア業界では、本部店舗間の情報伝達に問題を抱えていることが多いものと認識しております。「Shopらん®」は本部からの指示を的確に店舗に届け、業務実施率を向上させることで機会損失の発生を防止することを目指しております。また、現場情報をリアルタイムに収集し、店舗運営方針の転換に活かすなど、業界特有の課題に対応した機能を提供することで、現場の生産性向上や業務品質の改善、人材育成などをサポートすることができるものと考えております。
(主な機能)
・本部と店舗で異なるユーザーインターフェイス
「Shopらん®」は、本部と店舗で異なるインターフェイスを採用しております。本部のインターフェイスはスケジュール形式になっており、店舗への業務指示・業務負荷を一覧して把握することを目指しております。一方、店舗側のインターフェイスは、当日に処理すべき業務のみがタスクリストとして表示されるため、業務指示の選別や優先順位付けを行うことなく、対処すべき業務に集中することができるようになることを目指しております。
・指示通達および情報収集機能
あらかじめ用意されたテンプレートを使用して、経営戦略、販売戦略に基づく指示通達を作成し、店舗を選択のうえ発信する機能を備えております。テンプレートはドラッグ&ドロップで操作する仕組みとなっております。また、業務実施状況の回答欄や、店舗スタッフの意見やアイデアを入力する欄を設ける機能も備えており、現場情報の素早い収集が可能になるものと考えております。
・売場ノート
「Shopらん®」で配信された「お知らせ」の閲覧や、店舗からの報告を気軽に行えるiOSアプリです。アプリを使って売場スタッフとエリアマネージャー、本部スタッフがダイレクトにつながります。SNSに投稿するような感覚で、売場で写真を撮って簡単に報告できるため、店舗での報告作業のスピードが向上すると考えております。また、タイムライン形式で好事例の共有やテーマに合わせた写真・テキストを投稿することができます。
・AI翻訳機能/AIルビ(ふりがな)生成機能
言語の壁が本部指示や店舗スタッフ間のコミュニケーションにおける課題となる中、外国人スタッフの育成は長期的な成長に不可欠です。本機能は14カ国語に対応し、本部からのお知らせをAIで翻訳することで、母国語での情報伝達を可能にし、現場の質向上を支援します。また、外国人スタッフには業界や企業の専門用語のニュアンスを正確に伝えることも重要になると考えています。平仮名のルビ表示により日本語マニュアルや通達の理解を促進し、店舗全体の強化になることを目指しております。
・その他の機能
人材教育を目的とする動画コンテンツ共有機能や、電子マニュアル機能を備えております。また、各店舗のアイデアやクレーム情報、店頭ディスプレイ画像などの共有や、備品発注・在庫移動などのワークフロー、QSC(注10)チェックなど、店舗運営に必要となる機能を備えております。
③特定顧客向け開発運用一体型サービス
当社グループが提供するDCR(DX Custom Resolution)は、企業固有の戦略要件に基づいてシステムを開発し、クラウド基盤上で運用しつつ、継続的な機能拡張開発を行う、特定顧客向け開発・運用一体型のサービスです。初期のシステム開発は、プロフェッショナルサービス事業において開発を請負いますが、運用開始後は月額利用料形式でクラウドサービスとして提供します。
DCRは特定の顧客に限定し提供しております。収益を確保しながら、最先端テクノロジーの活用による技術力の向上や、新たなプロダクト開発に繋がる顧客ニーズの発掘が期待できるものと考えております。顧客の要件によっては、SmartDB®をDCRシステムのパーツとして組み込むことも想定され、SmartDB®を基盤とする新たなソリューションの開発の可能性を模索してまいります。
(ソリューション例)
・ケーブルテレビ運営会社向け営業支援ソリューション
・流通小売業向け画像共有ソリューション
・特殊法人向けファシリティ活用管理ソリューション
(2)オンプレミス事業
当社グループは、自社開発したアプリケーションソフトウェアを、オンプレミス(注11)環境で利用するパッケージソフトウェア(注12)としてライセンス提供しております。オンプレミス事業の顧客は、クラウド事業の潜在顧客となるため、継続的に当社SaaSへの移行提案を行っております。
①パッケージソフトウェア
当社グループは、「SmartDB®」および「INSUITE®」の2製品をパッケージソフトウェアとして提供しております。ただし、新規顧客はSaaSをご利用いただくこととしており、パッケージソフトウェアの提供は、従来からオンプレミス環境で利用している既存顧客の追加発注に限定しております。
②ソフトウェアメンテナンス
パッケージソフトウェアを継続的に利用いただくため、ソフトウェアメンテナンスを提供しております。ソフトウェアメンテナンスには、技術的な問い合わせ対応に加え、バージョンアップ版の提供が含まれます。また、パッケージソフトウェアの拡張機能として開発したプラグインソフトウェア(注13)の保守サービスも提供しております。
(3)プロフェッショナルサービス事業
当社グループは、クラウド事業およびオンプレミス事業の各種サービスを提供するため、以下のプロフェッショナルサービスを行っております。本事業では、請負契約もしくは準委任契約に基づくシステム開発および役務提供を行っており、提供価値に応じて収益を獲得しております。
・各種SaaSのオンボーディング(導入支援)サービス
・各種SaaSの利活用コンサルティングサービス
・DCR(特定顧客向け開発運用一体型サービス)の初期開発および拡張開発
・パッケージライセンス用プラグインソフトウェアの改修および追加開発
・オンプレミス環境からのSaaS移行サービス
・その他の役務提供サービス
プロフェッショナルサービスの提供により、各種SaaSの活用、適用業務の拡大、高度な業務自動化要件への対応を促進します。特にオンボーディング(導入支援)および利活用コンサルティングは、ノウハウの蓄積を通じて、プログラムの標準化を進めることができるため、迅速で付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。
(注1)SaaS
「Software as a Service」の略称。クラウド上に構築されたソフトウェア・アプリケーションをインターネット経由で利用するサービス。従来のようなパッケージソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールするなどの必要はなく、インターネットでアクセスするだけで利用できる仕組み。
(注2)ノーコード開発
アプリケーション開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードを、パーツとしてビジュアル化し、欲しいパーツを直感的に配置していくことで開発することができるツールを利用した開発のこと。
(注3)ホリゾンタルSaaS(Horizontal SaaS)
業界を問わず特定の部門や機能に特化したSaaSのこと。企業組織に共通する業務課題を解決するために利用される。
(注4)バーティカルSaaS(Vertical SaaS)
特定の業界に特化したSaaSのこと。業界特有の業務課題を解決するために利用される。
(注5)ERP
ERPとはEnterprise Resources Planning (企業資源計画)の略で、生産管理、販売管理、在庫管理、財務会計、人事給与などの基幹系情報システムを統合し、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理することで、リアルタイムな経営判断に活用するという考え方、またはそれを実現するためのシステムを指す。
(注6)(ERPの)フロントシステム
ERPなどの基幹系システムのフロントに位置し、基幹系システムと密接なデータ連携を必要とする経理・財務・人事・給与・法務などの周辺システムのこと。主に現場社員が利用し、ERPパッケージの標準機能だけではカバーしきれない周辺業務、例えば見積作成、経費精算、各種申請業務などを担う。
(注7)ミッションクリティカルシステム(Mission Critical System)
「Mission(任務・使命)」と「Critical(危機的な・重大な)」を掛け合わせた語で、企業や組織の存続に欠かせない、業務を遂行するうえで重大なシステムを指す。金融機関の勘定系システム、製造業の生産管理システム、鉄道会社の運行管理システムなどが挙げられるが、財務会計システム、人事労務システムなどは業種を問わず該当する。
(注8)API(Application Programming Interface)
ソフトウェア同士が互いに情報をやり取りする際に使用するインターフェイスの仕様。この仕様を介することで、他のソフトウェアとの機能連携が可能となり、利便性を高めることができる。
(注9)社内ポータル
自社内に散在する情報を集約し、アクセスを容易にするための入口として構築されたWebサイトのこと。情報共有によるコミュニケーションの活性化を図るほか、社内で使われている各種アプリケーションを統合する機能を持ち、業務効率化を促進するためにも使われる。
(注10)QSC(Quality、Service、Cleanliness)
クオリティ(品質)、サービス(接客)、クリーンリネス(清潔)の頭文字で構成された略語。チェーンストア経営において最も重視される指標のこと。
(注11)オンプレミス(on-premises)
プレミス(premise)は「構内」「店内」などの意味。サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設内に設置して運用すること。
(注12)パッケージソフトウェア
既製品として販売されているソフトウェア製品。または、物理的な記憶媒体に記録され、箱などに梱包されて販売されるソフトウェア製品。
(注13)プラグインソフトウェア(plug-in software)
あるアプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェアを指す。 個別に追加してバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。
[事業系統図]
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況の概要
当社グループは「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」という企業理念のもと、先進的なテクノロジーに基づくSaaS(注1)などの提供を通じ、大企業の生産性向上を支援しております。
当連結会計年度における我が国経済は、依然として物価高騰が続き、家計の実質負担が増加するなど厳しい環境にありますが、企業収益の底堅さや一部業種の堅調な投資活動などに支えられ、全体としては緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、国際的な金利・為替動向の不安定化や地政学リスクに伴う資源価格の変動、さらには中国を中心とした団体旅行客の減少によるインバウンド需要の伸び悩みなど、先行きには不透明感が残る状況が続いております。
当社グループが属する国内のIT業界は、受託開発を中心としたビジネスモデルやIT人材の不足・偏在といった課題を抱えており、大企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する際の大きな障害となっております。独立行政法人情報処理推進機構が2025年6月26日に公開した「DX動向2025」によれば、日本企業の85.1%がDX推進人材の不足を抱えており、欧米と比較しても人材難が際立つ状況にあります。DX加速に向けては、基幹システム(ERP を含む)の刷新、データ活用基盤の整備、業務プロセス全般のデジタル化が不可欠です。しかしながら、多くの企業では依然として外部ITベンダーへの依存度が高く、内製化の遅れにより技術継承やシステム刷新が十分に進まないという課題も浮き彫りになっております。
このような環境のもと、当社グループは「デジタルの民主化」というコンセプトを掲げ、ノーコード開発(注2)ツール「SmartDB®」を成長ドライバーとして事業を推進しております。「SmartDB®」はITの専門知識を持たない現場部門の人材が業務アプリケーションを開発する「市民開発」(注3)のための環境を提供します。そのため、受託開発に比べコストを抑え、迅速な業務デジタル化を実現できます。さらに、他社SaaSとの連携や高度なセキュリティ機能を備えた多彩なオプションを用意しており、ERPフロントシステム(注4)などの高度な領域での導入が進んでおります。これらの対応により、顧客の多様なニーズに応え、アップセル(注5)の強化を図っております。
さらに、当社グループは社内ポータル(注6)構築ツール「InsuiteX®」及びチェーンストア特化型情報共有ツール「Shopらん®」を提供しており、「SmartDB®」との連携強化を通じて、ワークフロー・情報共有・ナレッジ管理を統合したデジタルワークプレイス環境の構築を推進しております。これにより、クロスセル(注7)を促進するとともに、顧客の組織全体におけるデジタル活用価値の向上を目指しております。
当連結会計年度におきましては、大企業を中心とした業務デジタル化ニーズの高まりを背景に、「SmartDB®」を擁するクラウド事業が成長を牽引いたしました。新規商談の創出に向けた広告宣伝活動を強化するとともに、既存顧客への利活用支援を通じたアップセル獲得にも注力してまいりました。また、大規模なユーザー会を開催し、顧客企業同士が実践的なDX推進の知見を共有できる場を提供したことで、ノーコード開発による全社的なDX推進や、業務改革の広がりを後押しする結果につながっております。さらに、認定資格制度の本格普及を進め、市民開発者の裾野を拡大し、現場主導の業務デジタル化が推進される環境づくりに努めました。プロダクト開発の面では、「SmartDB®」へのAI技術の組込みを本格化し、企業・組織の意思決定をサポートする機能の開発を進めてまいりました。あわせて、パフォーマンス向上やオプション機能の拡充を継続し、基盤としての信頼性と利便性の向上を図っております。さらに、オンプレミス(注8)環境で利用中の顧客に対しては、クラウド環境への移行提案を積極的に行い、クラウド事業のさらなる成長につながる案件創出に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,654,084千円(前年同期比12.3%増)、営業利益974,657千円(前年同期比26.0%増)、経常利益1,073,386千円(前年同期比40.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、大企業向け賃上げ促進税制に基づく税額控除32,744千円を受け、757,535千円(前年同期比37.4%増)となりました。
<クラウド事業>
1.ホリゾンタルSaaS(注9)
当社グループは、業界業種を問わないホリゾンタルSaaSとして「SmartDB®」及び「InsuiteX®」を提供しております。
多様化する働き方や労働生産性向上の取り組みを背景に、大企業の業務デジタル化ニーズが高まる一方で、IT人材不足が深刻化しております。こうした状況を踏まえ、当社グループでは、ノーコード開発ツール「SmartDB®」を軸とした積極的なマーケティング活動を展開し、「デジタルの民主化」及び「市民開発」というコンセプトの浸透に努めております。
当連結会計年度におきましては、各種イベントの主催や展示会への出展を通じて「SmartDB®」の販促を強化してまいりました。開発面では、ERPフロントシステムとしての活用や、複雑な業務プロセスのデジタル化を促進するための機能拡張に加え、AI技術を組み込んだ意思決定サポート機能の開発を進めております。また、海外拠点での利用拡大を見据え、多言語対応や国・拠点別に利用範囲を制御できるアクセス制限機能の強化にも取り組み、セキュリティと利便性の両立を意識した開発投資を行ってまいりました。また、社内ポータル構築ツール「InsuiteX®」については、ビジョンやパーパスの浸透、組織エンゲージメント(注10)の強化、企業カルチャーの刷新といった経営課題を重視する顧客にフォーカスし、提案活動を展開してまいりました。
この結果、当連結会計年度のホリゾンタルSaaSの売上高は、3,503,609千円(前年同期比19.7%増)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は319,688千円(前年同期比50,958千円増)、契約企業数は195社(前年同期比34社増)となりました。
2.バーティカルSaaS(注11)
当社グループは、チェーンストア業界に特化したバーティカルSaaSとして「Shopらん®」を提供しております。(販売パートナー企業である(株)ネクスウェイは、「Shopらん®」と同一のサービスを「店舗matic®」(テンポ・マティック)という別ブランドで販売しております。)
チェーンストアを展開する物販・飲食業界は、人手不足による供給制約の問題を抱えており、業務オペレーションの品質向上がこれまで以上に求められています。当社グループが提供する「Shopらん®」は、チェーンストアに特有の課題を解決するために設計されており、本部からの情報伝達、店舗における業務指示の徹底、タイムリーな現場情報の収集、店舗間における成功事例の共有をサポートします。
当連結会計年度におきましては、上半期の大型展示会で獲得したリードへの提案活動に注力してまいりました。開発面では、ユーザーインターフェイスの改善、パフォーマンス向上に向けた基盤強化などを進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度のバーティカルSaaSの売上高は、783,730千円(前年同期比0.1%減)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は65,003千円(前年同期比1,308千円減)、契約企業数は170社(前年同期比7社増)となりました。
3.DCR(DX Custom Resolution)
当社グループは、特定顧客の個別要件に基づくシステムを開発し、クラウド基盤上での運用を行いながら継続的な機能拡張を行う開発運用型のサービス「DCR」を提供しております。
当連結会計年度におきましては、提供システムのセキュリティ向上と安定運用に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度のDCRの売上高は、181,448千円(前年同期比0.8%増)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は14,814千円(前年同期比136千円減)、契約企業数は3社(前年同期比変動なし)となっております。
以上の結果、当連結会計年度におけるクラウド事業のセグメント売上高は4,468,787千円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は1,806,533千円(前年同期比20.4%増)となりました。
<オンプレミス事業>
当社グループは、ノーコード開発ツール「SmartDB®」及び社内ポータル構築ツール「Insuite®」のパッケージソフトウェア(注12)ライセンス及びソフトウェアメンテナンスを提供しております。
パッケージソフトウェアはオンプレミス環境での利用を前提としておりますが、現在新規の利用はSaaSに限定しております。そのため、当該事業の売上は、SaaS提供開始以前の既存顧客にのみ基づいております。
当連結会計年度におきましては、一部の顧客からライセンス受注があったものの、クラウド環境への移行などに伴いソフトウェアメンテナンスの解約が進みました。
以上の結果、当連結会計年度におけるオンプレミス事業のセグメント売上高は525,032千円(前年同期比6.0%減)、セグメント利益は235,860千円(前年同期比3.0%増)となりました。
<プロフェッショナルサービス事業>
当社グループは、SaaSプロダクト及びDCR(DX Custom Resolution)サービス、並びにパッケージライセンスの活用促進を図るため、導入・利活用コンサルティングや、プラグインソフトウェア(注13)開発などのプロフェッショナルサービスを提供しております。
当連結会計年度においては、「SmartDB®」の導入支援プロジェクトに加え、DCRの機能拡張や、既存顧客向けプラグインソフトウェアの改修など、多様な開発・支援サービスプロジェクトを受注いたしました。また、オンプレミス環境で利用中の顧客に対しては、クラウド基盤への移行プロジェクトを推進し、利用環境の刷新と、将来的なクラウド活用の拡大につながる取り組みを強化しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるプロフェッショナルサービス事業のセグメント売上高は660,263千円(前年同期比13.0%増)、セグメント利益は115,168千円(前年同期比114.5%増)となりました。
(注1)SaaS(Software as a Service)
「Software as a Service」の略称。クラウド上に構築されたソフトウェア・アプリケーションをインターネット経由で利用するサービス。従来のようにパッケージソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールするなどの必要はなく、インターネットでアクセスするだけで利用できる仕組み。
(注2)ノーコード開発
アプリケーション開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードをパーツとしてビジュアル化し、欲しいパーツを直感的に配置していくことで開発することができるツールを利用した開発のこと。
(注3)市民開発
プログラミングなしにアプリケーションを開発することができるツールの導入を前提とし、ITの専門知識がない現場部門の従業員が主導して業務デジタル化を推進する開発スタイルのこと。当該スタイルで開発する従業員を市民開発者(シチズンディベロッパー)という。
(注4)ERPフロントシステム
ERPなどの基幹系システムのフロントに位置し、基幹系システムと密接なデータ連携を必要とする経理・財務・人事・給与・法務などの周辺システムのこと。主に現場社員が利用し、ERPパッケージの標準機能だけではカバーしきれない周辺業務、例えば見積作成、経費精算、各種申請業務などを担う。
(注5)アップセル
現在利用中のプロダクト(またはサービス)において、より多くの人数・業務で利用してもらう、もしくはより高いグレードのプロダクト(またはサービスへ)への移行を促す営業手法のこと。
(注6)社内ポータル
自社内に散在する情報を集約し、アクセスを容易にするための入口として構築されたWebサイトのこと。情報共有によるコミュニケーションの活性化を図るほか、社内で使われている各種アプリケーションを統合する機能を持ち、業務効率化を促進するためにも使われる。
(注7)クロスセル
現在利用中のプロダクト(またはサービス)に関連させて他のプロダクトの導入を促す営業手法のこと。
(注8)オンプレミス(on-premises)
プレミス(premise)は「構内」「店内」などの意味。サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設内に設置して運用すること。
(注9)ホリゾンタルSaaS(Horizontal SaaS)
業界を問わず特定の部門や機能に特化したSaaSのこと。企業組織に共通する業務課題を解決するために利用される。
(注10)組織エンゲージメント
会社組織と従業員の間で互いに信頼関係があり、きずなを感じている状態またはその指標。企業理念が従業員に浸透しており、事業計画などの目標や方向性に共感していることが重要となる。
(注11)バーティカルSaaS(Vertical SaaS)
特定の業界に特化したSaaSのこと。業界特有の業務課題を解決するために利用される。
(注12)パッケージソフトウェア
既製品として販売されているソフトウェア製品。または、物理的な記憶媒体に記録され、箱などに梱包されて販売されるソフトウェア製品。
(注13)プラグインソフトウェア(plug-in software)
あるアプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェアを指す。 個別に追加してバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は5,311,986千円となり、前連結会計年度末に比べ、582,383千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加571,532千円によるものであり、クラウド事業にかかる契約負債の増加が主な要因となっております。クラウド事業では、契約開始時に一定期間の利用料を前払いで受領し、契約期間に応じて均等に収益を認識しており、未履行の部分については契約負債として計上しております。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,395,738千円となり、前連結会計年度末に比べ、25,381千円減少しました。これは主に、社債の償還による減少300,000千円、契約負債の増加128,062千円、課税所得の増加に伴う未払法人税等の増加89,067千円、資産除去債務の増加28,340千円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,916,247千円となり、前連結会計年度末に比べ、607,765千円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加602,679千円によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,122,722千円となり、前連結会計年度末に比べ571,532千円増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,091,613千円(前年同期は1,001,480千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,073,386千円の計上、減価償却費200,752千円の計上、法人税等の支払額249,232千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は71,470千円(前年同期は201,756千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出31,898千円、自社利用ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出244,721千円、保険積立金の解約による収入250,893千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は454,989千円(前年同期は77,581千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払154,822千円、社債の償還による支出300,000千円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・結果内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、5,654,084千円(前連結会計年度比12.3%増)となりました。セグメント別の売上高については以下のとおりです。
クラウド事業:当事業セグメントは、ホリゾンタルSaaS、バーティカルSaaSおよびDCR(DX Custom Resolution)の利用料で構成されております。当連結会計年度においては、Web上のプロモーションやイベント出展などのマーケティング活動を通じて新規顧客開拓を積極化したこと、既存顧客に対する利用促進活動を通じてアップセルに努めたことなどから、当セグメントの売上高は4,468,787千円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。
オンプレミス事業:当事業セグメントでは、自社開発アプリケーションソフトウェアのパッケージライセンスおよびソフトウェアメンテナンスの提供を行っております。当連結会計年度においては、SaaSへの移行促進に伴い、ソフトウェアメンテナンスの解約等が進んだ結果、当セグメントの売上高は525,032千円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。
プロフェッショナルサービス事業:当事業セグメントでは、自社開発アプリケーションソフトウェアおよびSaaSにかかる導入支援などの役務提供を行っております。当連結会計年度においては、「SmartDB®」の導入支援プロジェクトに加え、DCRの機能拡張や、既存顧客向けプラグインソフトウェアの改修など、多様な開発・支援サービスプロジェクトを推進した結果、当セグメントの売上高は660,263千円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。
(営業費用および営業利益)
当連結会計年度の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は4,679,426千円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。これは主にクラウド事業売上高の増加に伴う通信費(インフラコスト)の増加や昇給及び人員増に伴う人件費等の増加によるものであります。この結果、営業利益は974,657千円(前連結会計年度比26.0%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度において、保険解約返戻金96,809千円や受取利息7,919千円等により営業外収益が107,255千円、また為替差損7,328千円を計上し、営業外費用が8,527千円となりました。この結果、経常利益は1,073,386千円(前連結会計年度比40.0%増)となりました。
(特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における、特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。法人税、住民税及び事業税は、大企業賃上げ促進税制に基づく税額控除32,744千円を受け、333,193千円となりました。また、法人税等調整額は△17,342千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は757,535千円(前連結会計年度比37.4%増)となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業運営にあたり必要な運転資金の多くは、人件費、通信費(インフラコスト)、広告宣伝費等の営業費用であります。当該運転資金は、自己資金を中心に、必要に応じて借入調達することを基本方針としておりますが、今後の積極的な広告宣伝活動や、人的資本への投資によりエクイティファイナンスの活用を検討する予定です。
なお、第30期連結会計年度末において、現金及び現金同等物は4,122,722千円であり、十分な資金の流動性を確保しております。
③重要な会計方針及び見積
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社グループでは、主な経営指標として売上高成長率、売上高総利益率および営業キャッシュフローに影響を与える前受収益残高を重視しております。特に成長指標の核となる売上高については、総売上高に占めるストック売上高の比率に加え、クラウド事業の売上高成長率、導入企業数、平均月額利用料、売上継続率を重視しております。なお、連結財務諸表上において前受収益は契約負債に含めて表示しております。
第30期連結会計年度における各指標の前年同期比の増減率および四半期実績推移は以下のとおりであり、引続き対処すべき経営課題の改善を進め、経営成績の向上を図って参ります。
(主な経営指標)
第30期連結会計年度における売上高は前年比12.3%増となりました。オンプレミス事業の解約やクラウドサービスへの移行などによる減少を、クラウド事業の伸長が補う形となっております。売上総利益は前年比23.0%増となりました。クラウド事業の売上が大幅に伸びたことが要因となっております。前受収益残高は前年比10.1%の増加となりました。クラウド事業の伸長に伴い、月額利用料の前受収益が増加したことが要因となっております。
(ストック売上高比率)
(注)ストック売上高は、クラウド事業売上高と、オンプレミス事業に含まれるパッケージライセンスにかかるメンテナンス売上高等を合算したものであります。ストック売上高比率は、総売上高に占めるストック売上高の割合です。
第30期連結会計年度におけるストック売上高比率は87.5%となり、前連結会計年度に引き続き安定した売上構成を維持しております。今後は、新規顧客の増加にともない、導入支援サービス等プロフェッショナルサービス事業への需要が増すことで、ストック売上高比率の低下を招く可能性があります。引き続きバランスの良い売上構成を目指してまいります。
(クラウド事業:ホリゾンタルSaaS)
(注)1 ホリゾンタルSaaSは、「SmartDB®」と「InsuiteX®」のクラウドサービスで構成されています。売上継続率(Net Retention Rate)は、1年前の課金ユーザーにかかる月額利用料の変化率として算出しております。(例:2020年12月時点の課金ユーザーの月額利用料合計と、当該ユーザーの2021年12月の月額利用料合計の変化率)
2 売上継続率は、特定のオンプレミスユーザーにおけるクラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を、2021年12月に一括計上した影響が含まれており、修正売上継続率はその影響額を控除しております。
第30期連結会計年度におけるホリゾンタルSaaSの売上高成長率は19.7%となり、売上高は順調に伸びております。導入企業数は前年比21.1%増の195社となりました。オンラインイベント等のマーケティング施策を実施し新規顧客開拓に注力した結果、導入企業数は順調に推移しております。一方、平均月額利用料は前年比1.8%減少し1,639千円となりました。また、修正売上継続率は109.8%と堅調に推移いたしました。これは剪定戦略(注)による一部解約によるものです。今後も継続して積極的な利活用促進を図り、解約を抑制しつつ、アップセルを強化してまいります。なお、ホリゾンタルSaaSの売上高および売上成長率の大部分はSmartDB®が占めており、本セグメントの成長を牽引しております。
(注)「剪定(せんてい)戦略」とは、果樹や庭木の「剪定」(より多くの果実を実らせる、または美しい樹形を保つため、風通しを良くしたり根への負担を軽減する目的で余分な枝を切り落とすこと)になぞらえ、将来の負荷を軽減するために、一部顧客に対して最新プラットフォームへの移行を促進したり、技術的負債になり得る機能の削減に取り組むこと。
(ホリゾンタルSaaS四半期実績推移)
(注)1 SmartDB®とInsuiteX®のクラウドサービス利用料の四半期合計額です。
2 各四半期の最終月において課金が発生している社数をカウントしています。
3 各四半期の最終月における月額利用料を導入社数で除して算出しています。
2021年Q4の利用料増加は、オンプレミスユーザークラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を一括計上したことによるものです。
4 前年同四半期最終月の課金ユーザーにかかる月額利用料の当四半期における変化率。NRR(Net Revenue Retention)
2022年Q4の売上継続率が大きく減少している要因は、算出の起点となる2021年12月に、特定のオンプレミスユーザーにおけるクラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を一括計上した影響が含まれており、影響額を控除した修正売上継続率は114.2%となります。
(クラウド事業:バーティカルSaaS)
(注)バーティカルSaaSは、「Shopらん®」と「店舗matic®」(株式会社ネクスウェイ経由で提供する「Shopらん®」の別ブランド)で構成されています。売上継続率(Net Retention Rate)は、1年前の課金ユーザーにかかる月額利用料の変化率として算出しております。(例:2020年12月時点の課金ユーザーの月額利用料合計と、当該ユーザーの2021年12月の月額利用料合計の変化率)
第30期連結会計年度におけるバーティカルSaaSの売上高成長率は△0.1%となりました。「Shopらん®」はチェーンストア業界向けのサービスであり、コロナ禍の影響は少なくありませんでしたが、2022年12月期以降復調の兆しを見せております。流通小売業界向けのイベントに出展するなどのマーケティング活動を通じて、新規開拓活動を展開した結果、導入企業数は順調に推移しました。一方、新規顧客の小型化、既存顧客の一部解約により平均月額利用料は前年同期比5.9%減の382千円となりました。また、導入企業数は前年同期比4.3%増の170社、売上継続率は96.0%となりました。コロナ禍を脱し、積極的なIT投資を行う顧客が増加する傾向にあると認識しており、今後は店舗運営の生産性向上に資する機能拡張、オプションの提供などを通じ、各指標の向上を図ってまいります。
(バーティカルSaaS四半期実績推移)
(注)1 Shopらん®利用料の四半期合計額です。
2 各四半期の最終月において課金が発生している社数をカウントしています。
3 各四半期の最終月における月額利用料を導入社数で除して算出しています。
4 前年同四半期最終月の課金ユーザーにかかる月額利用料の当四半期における変化率。NRR(Net Revenue Retention)