E30053 Japan GAAP
前期
34.6億 円
前期比
86.4%
株価
296 (04/21)
発行済株式数
15,899,482
EPS(実績)
-46.75 円
PER(実績)
--- 倍
前期
614.9万 円
前期比
104.6%
平均年齢(勤続年数)
36.7歳(5.3年)
従業員数
136人(連結:159人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、生活者の声(VOC:Voice of Consumer)とAI技術、クリエイティブを組み合わせ、顧客企業のマーケティングAX(AI Transformation)を支援する事業を展開しております。設立以来累積で6,000社超の顧客企業との取引実績を有するBtoB企業であります。
(1)マーケティングAX事業
当社グループは、生活者の声(VOC)のデータとAI技術、クリエイティブを組み合わせた「三層支援モデル」により、顧客企業のマーケティング変革を一貫して支援しております。三層支援モデルは、デジタル広告の運用代行・コンテンツ制作・SNS活用支援等を担う「マーケティング実行レイヤー」、VOCデータ分析に基づくマーケティング戦略の立案・実行支援を担う「マーケティング戦略レイヤー」、経営課題の解決を起点とした事業戦略・ブランド戦略の立案・実行支援を担う「経営・事業戦略レイヤー」の三層から構成されております。
自社開発プロダクトとして、SNS上のUGC(User Generated Content)の収集・活用を支援する「Letro」、X上でのキャンペーン実行を支援する「echoes」及びVOCを大規模に収集・分析するデータプラットフォーム「Kaname.ax」(2025年5月正式リリース、同月特許出願)を提供するほか、デジタル広告の企画・制作・運用代行、インフルエンサーマーケティング、クリエイティブ制作、インバウンド支援等の包括的なソリューションを提供しております。
また、当連結会計年度において、TikTokが公式に認定する「TikTok Shop Partner(TSP)」及びTikTok for Businessが認定する「TikTokマーケティングパートナー エージェンシーバッジ」を取得しており、TikTok Shopの店舗運営支援やTikTok広告運用等、顧客企業のニーズに応じた支援を行う体制を有しております。
(2)海外事業その他
当連結会計年度において、シンガポールの連結子会社であるSuperFaction Pte. Ltd.については清算手続きを開始し、海外SaaS事業から撤退いたしました。なお、Creadits USA Inc.については、清算が完了したことから連結範囲から除外いたしました。株式会社オセロについては、2025年11月14日開催の取締役会において解散及び清算を決議しており、同社が展開していた事業は当社に移管されております。
[事業系統図]
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
2025年の日本経済は、長期化する円安基調、継続的な物価上昇、人件費の高騰、地政学的リスクの高まりなど、
企業経営を取り巻く環境が依然として不透明な状況が続く一年となりました。一方で、生成AIの急速な普及とそれ
に伴う知的労働の再定義、産業構造の変革、さらには企業の競争優位性を左右する要因の変化など、デジタル社会
における大きな転換期を迎えており、企業には迅速な変革と同時に、自社の存在意義を改めて問い直すことが求め
られています。
このような環境下、DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資への取り組みは、労働集約型産業を中心に
省力化対策として加速しており、企業の競争力向上に向けた重要な経営戦略として一層の注目を集めています。当
社グループが事業を展開するマーケティング領域においても、生成AIをはじめとする先進技術の活用によりDXの流
れが加速しており、デジタル・ソーシャル時代の本格的な到来は、当社グループの事業展開に追い風となっており
ます。
こうした背景のもと、当社グループでは、企業のマーケティング領域における変革を支援するため、自社開発の
マーケティングSaaSツールやSNS活用を中心としたソリューションの提供といった『顧客企業と人をつなぐ』BtoBビジネスを展開してまいりました。AI技術を中核としたサービス拡充をより明確に位置づけ、当社グループの事業特
性を適切に表現するため、当連結会計年度よりセグメント名称を「マーケティングDX支援事業」から「マーケティ
ングAX(AI Transformation)支援事業」へ変更いたしました。
当連結会計年度は、前期に着手した抜本的な構造改革を完遂し、持続的な成長基盤を確立するための事業再構築
を推し進めた一年となりました。
まず、前期に解散を決定したシンガポール特定子会社SuperFaction Pte. Ltd.の清算手続きを進め、海外SaaS事
業から撤退いたしました。また、クロスバウンド事業においては、2024年12月に公表した不適切会計事案を受け、
当該領域の事業運営体制を見直しました。需要が引き続き旺盛なインバウンド支援領域については国内事業の枠組
みに取り込みつつ、ガバナンス強化の観点およびビジネスモデルの見直しも踏まえ、当第3四半期連結会計期間よ
りグローバル領域を統括する新組織を設置することで、リスク管理体制の強化と事業運営の効率化を図りました。
これらの事業ポートフォリオ再構築により、当社グループは国内マーケティングAX支援事業への経営資源集中を加
速させました。
イ.経営成績
第1四半期連結会計期間においては、主要顧客の年度末需要等の一時的要因もありつつ、デジタル広告運用代行
およびクリエイティブ制作の営業強化により既存顧客の深耕が進展いたしました。また、インバウンド支援領域に
おいてもソリューション売上が伸長いたしました。これらの売上の伸長が下支えとなり、営業利益段階で黒字転換
いたしました。
第2四半期連結会計期間においては、AI技術を活用した高付加価値ソリューションの提供基盤を強化いたしまし
た。5月には新たなデータプラットフォーム「Kaname.ax」をリリースし、その分析システムについて特許を出願す
ることで、差別化要素となる技術基盤を確立いたしました。また、TikTok Shop運営支援サービス等の新商材の提供を開始し、既存サービスとの組み合わせによる支援領域拡大のための基盤づくりを行いました。さらに、「マーケ
ティング実行レイヤー」から「マーケティング戦略レイヤー」への支援拡張を本格的に開始し、経営・事業戦略レ
イヤーを含む三層支援モデルへの進化を推進いたしました。なお、不適切会計事案に係る特別調査費用等は、当中
間期において特別損失として計上いたしました。
第3四半期連結会計期間以降は、三層支援モデルの体制整備を加速させ、上流ソリューション領域の拡大と高利
益率体質への転換を進めました。主要顧客における広告・制作等の実行支援案件が堅調に推移したことに加え、上
流ソリューションおよびマーケティングシステム領域への案件拡張が進展いたしました。この結果、複数のソリュ
ーションを併用する顧客(二層・三層支援顧客)の比率が上昇し、顧客単価の改善傾向が確認されました。一方
で、不適切会計事案に係る再発防止策の実行に伴う一過性費用は、当第3四半期連結会計期間以降、販売費及び一般管理費として発生し、営業損益を押し下げました(上期に特別損失として計上した特別調査費用とは費用の性格および計上区分が異なります)。また、事業成長に向けた体制強化・開発への先行投資(約100百万円)も重なり、短期的には収益性を圧迫いたしましたが、下期以降の収益貢献を見込みつつ、中長期では増益基調への回復を想定しております。なお、これらの一過性費用を除いた恒常的な販管費は概ね計画線上で推移しております。
第4四半期連結会計期間においては、三層支援モデルの本格稼働により営業段階での収益性改善が一層進展いた
しました。データ分析を起点として顧客企業の上流工程に関与し、戦略立案からクリエイティブ制作、広告運用ま
でを一貫して支援する三層支援戦略の実効性が確認され、注力顧客層の拡大による顧客単価向上が進みました。ま
た、コストコントロールの徹底および費用の平準化により、第4四半期連結会計期間の営業損失は縮小し、通期での営業損益の改善に寄与いたしました。なお、ガバナンス強化費用については、当初約250百万円を見込んでおりました。投資範囲の再検討や効率的な体制の構築及び社内リソースの活用により12月時点で約150百万円に見直しておりましたが、最終的には当初見込みを大幅に下回る水準に抑制することができました。
一方、損益面においては、SuperFaction Pte. Ltd.の撤退に伴う売上高の減少に加え、不適切会計事案に係る特
別調査費用729百万円を特別損失として計上したこと等が影響いたしました。また、当第3四半期連結会計期間以降、再発防止策の実行に伴うガバナンス強化費用等が販売費及び一般管理費として発生したほか、事業成長に向けた先行投資も重なり、営業損益を押し下げる要因となりました。こうした一過性費用の影響があるものの、構造改
革の効果およびコストコントロールの徹底により、営業損益は前連結会計年度比で約271百万円改善いたしました。
しかしながら、特別調査費用に加え、海外事業からの撤退に伴う関係会社株式評価損等の特別損失の計上により、
親会社株主に帰属する当期純損失は前連結会計年度を上回る結果となりました。なお、子会社税金費用について
は、最終的な税務処理の確定により、当初想定を下回る水準となりました。
当社グループは、国内事業への経営資源集中と三層支援モデルの深化により、マーケティング領域での実行支援
のみにとどまらず、マーケティング戦略さらには経営レベルでの事業戦略立案まで一貫した高付加価値サービスを
提供する体制の整備を進めてまいりました。今後は、データ分析とAI活用による差別化を一層強化し、顧客企業の
上流工程に深く関与することで、継続性の高い収益基盤の確立と持続的な企業価値向上を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,990,959千円(前連結会計年度比13.6%減)、営業損失は188,437千円(前連結会計年度は459,826千円の営業損失)、経常損失は160,173千円(前連結会計年度は386,845千円の経常損失)、
親会社株主に帰属する当期純損失は743,342千円(前連結会計年度は516,291千円の親会社株主に帰属する当期純損
失)となりました。
ロ.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度と比べて834,733千円減少し、3,251,100千円となりまし
た。これは主に、現金及び預金が411,963千円、投資有価証券が278,272千円それぞれ減少したこと等によるもので
あります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて242,288千円減少し1,310,425千円となりまし
た。これは主に、長期借入金が162,864千円、繰延税金負債が81,177千円それぞれ減少したこと等によるものであ
ります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて592,445千円減少し1,940,674千円となりまし
た。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと等により利益剰余金が741,863千円減少したこ
と等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて
411,963千円減少し、1,528,242千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により減少した資金は、860,790千円となりました(前年同期は106,785千円
の減少)。これは主に、売上債権の減少が99,954千円発生した一方で、税金等調整前当期純損失を534,182千円計
上したこと及び投資有価証券売却益を376,139千円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により増加した資金は、315,076千円となりました(前年同期は139,881千円
の減少)。これは主に、無形固定資産の取得による支出が72,465千円発生した一方で、投資有価証券の売却による
収入が391,770千円発生したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により増加した資金は、138,649千円となりました(前年同期は311,494千円
の増加)。これは主に、長期借入金の返済による支出が171,604千円発生した一方で、株式の発行による収入が
315,379千円発生したこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業はマーケティングAX支援事業を主な事業とする単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
イ.生産実績
当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
|
サービス |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
マーケティングサービス |
3,483,929 |
124.6 |
1,202,077 |
170.0 |
|
CREADITSサービス |
1,974 |
0.5 |
- |
- |
|
合計 |
3,485,904 |
108.5 |
1,202,077 |
170.0 |
(注)金額は、販売価格によっております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
サービス |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
マーケティングサービス |
2,988,984 |
98.4 |
|
CREADITSサービス |
1,974 |
0.5 |
|
合計 |
2,990,959 |
86.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は2,990,959千円となり、前連結会計年度比86.4%となりました。
SuperFaction Pte. Ltd.が営業を停止し、その影響がそのまま表れたかたちとなっております。
ロ.財政状態の分析
自己資本比率が54.9%と前連結会計年度と比べ3.5pt低下する結果となっております。親会社株主に帰属する当期純損失を743,342千円計上する一方で、2025年12月1日に第三者割当増資を実施しており、自己資本を315,379千円充実させております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
当社グループの事業活動における主な資金需要は、各事業の事業規模拡大や新規事業推進に伴う国内外の子会社における運転資本等であります。
当社グループは、主として内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達をおこなっており、事業活動に必要となる資金の安定的な確保に努めております。
内部資金については、国内事業で安定的に利益剰余金を積み重ねることで維持している現預金を活用しております。
資金調達については、市場環境を勘案しながら慎重な判断のもと借入を行っております。また、当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、機動的な資金調達ができる環境を整えております。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金残高は1,528,242千円、借入金残高は430,007千円となっております。今後も引き続き十分な手元資金を維持できるように努めてまいります。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2026年2月13日に公表した2026年12月期の業績予想である、売上高3,000百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益20百万円を目標としております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。