売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01594 IFRS

売上高

8,152.7億 円

前期

7,109.4億 円

前期比

114.7%

時価総額

7,453.0億 円

株価

2,891.5 (04/24)

発行済株式数

257,755,930

EPS(実績)

151.62 円

PER(実績)

19.07 倍

平均給与

784.3万 円

前期

767.3万 円

前期比

102.2%

平均年齢(勤続年数)

43.5歳(14.5年)

従業員数

3,890人(連結:41,653人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)が営む主な事業は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、マシナリー事業、ドミノ事業、ニッセイ事業、パーソナル・アンド・ホーム事業、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業、その他事業の7事業であり、その製品は多品種にわたっております。
 事業内容並びに各事業における当社及び関係会社の位置付け等は、次の通りであります。
 なお、以下の7事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。

 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載の通りであります。

 

 当連結会計年度において、新規設立により、ブラザーマシナリー(インド)を連結の範囲に含めております。
 さらに、ブラザーインダストリーズテクノロジー(マレーシア)は清算完了により、ブラザーマシナリー(ベトナム)はブラザーインダストリーズ(ベトナム)を存続会社とする吸収合併により、それぞれ連結の範囲から除外しております。

 

事業

主要な事業内容

プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

プリンター、複合機、ラベルプリンター、ラベルライター、

スキャナーの製造・販売

マシナリー事業

工作機械、工業用ミシン、

ガーメントプリンターの製造・販売

ドミノ事業

産業用プリンティング機器の製造・販売

ニッセイ事業

減速機、歯車の製造・販売及び不動産の賃貸

パーソナル・アンド・ホーム事業

家庭用ミシンの製造・販売

ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

業務用カラオケ機器の製造・販売・賃貸、

コンテンツサービスの提供及びカラオケ店舗の運営

その他事業

上記以外の製品の製造・販売及び不動産の販売・賃貸

 主要な関係会社については、事業系統図において記載しております。

 

[事業系統図]

 

※画像省略しています。

 

 

23/06/23

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。

 なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響は緩和されつつあるものの、ウクライナ情勢の長期化や、部材及びエネルギー価格の高騰、世界的なインフレの進行など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループに関連する事業環境は、プリンティング市場では、ウィズコロナでの新しい働き方が定着したことにより、在宅需要は落ち着きを見せています。マシナリー事業の関連分野は、工作機械全般の需要は下降局面にあるものの、自動車・一般機械市場向けの需要は堅調に推移しました。工業用ミシンは、景気後退の懸念を受け、アジア向けのアパレル設備投資需要が減少しました。ドミノ事業の関連分野は、食品・飲料・医薬品などの生活必需品の需要の底堅さに支えられ、堅調に推移しました。ニッセイ事業の関連分野は、工場における自動化ニーズの高まりなど、設備投資需要は堅調に推移しました。家庭用ミシンは、各地域における巣ごもり需要が一巡しました。国内におけるカラオケ市場は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動規制の緩和に伴い、客足は回復基調にあります。

このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、P&S事業では、為替のプラス影響に加え、部材不足による供給制約が緩和されたことに伴い製品本体の販売が好調に推移し、増収となりました。マシナリー事業では、産業機器事業においては、部材不足による供給制約の影響があったものの、自動車・一般機械市場向けの需要は堅調に推移し増収となりました。工業用ミシン事業においては、需要は減少したものの、為替のプラス影響により前期並みの売上収益となりました。ドミノ事業では、為替のプラス影響に加え、主に消耗品が堅調に推移し、増収となりました。ニッセイ事業では、設備投資需要の拡大により、増収となりました。P&H事業では、巣ごもり需要が一巡したものの、為替のプラス影響により前期並みの売上収益となりました。N&C事業では、客足の回復に伴い増収となりました。

これらの結果、売上収益は、前期比14.7%の増収となる815,269百万円となりました。事業セグメント利益は、価格対応の効果があったものの、主にP&S事業における本体・消耗品の売上構成の変化、消耗品の販売減に伴う粗利減に加え、販管費の増加や部材コストの高騰などにより、前期比28.6%の大幅な減益となる60,404百万円となりました。営業利益は、固定資産の売却益があったものの、ドミノ事業におけるのれんの一部の減損損失を計上したことなどにより、前期比35.2%の大幅な減益となる55,378百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比36.0%の大幅な減益となる39,082百万円となりました。

 

*平均為替レート(連結)は次の通りであります。

当期 米ドル :134.95円   ユーロ :141.24円

前期 米ドル :112.86円   ユーロ :131.01円

 

セグメント別の業績は、次の通りであります。

なお、当連結会計年度より、2022年度から2024年度までの中期戦略「CS B2024」に基づき報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記6.セグメント情報」に記載しております。

 

1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

売上収益  496,726百万円(前期比+17.1%)

〇通信・プリンティング機器 435,075百万円(前期比+18.6%)

 製品本体については、レーザー複合機・プリンターは、部材不足による供給制約のあった前期と比較して販売が好調に推移しました。インクジェット複合機は、アジアを中心に販売が好調に推移しました。一方、消耗品については、欧米でのチャネルの在庫抑制等の動きにより販売が減少しました。事業全体では、為替のプラス影響もあり増収となりました。

〇ラベリング 61,650百万円(前期比+7.5%)

 製品本体は部材不足による供給制約の影響を受けたものの、為替のプラス影響により増収となりました。

事業セグメント利益 37,088百万円(前期比△37.9%)

営業利益      36,454百万円(前期比△38.7%)

 価格対応を行ったものの、本体・消耗品の売上構成の変化や消耗品の販売減に伴う粗利減に加え、部材コストの高騰、販管費や販促費の増加などにより、大幅な減益となりました。

 

2)マシナリー事業

売上収益  96,404百万円(前期比+6.5%)

〇産業機器 61,296百万円(前期比+8.4%)

 部材不足による供給制約の影響があったものの、自動車・一般機械市場向けの需要が堅調に推移したことに加え、為替のプラス影響もあり、増収となりました。

〇工業用ミシン 35,108百万円(前期比+3.3%)

 工業用ミシン、ガーメントプリンターともに景気後退の懸念を受け販売が減少したものの、為替のプラス影響により前期並みとなりました。

事業セグメント利益 9,538百万円(前期比△24.2%)

営業利益      9,841百万円(前期比△21.8%)

 販管費の増加や部材コストの高騰などの影響により、減益となりました。

 

3)ドミノ事業

売上収益  100,830百万円(前期比+19.0%)

 コーディング・マーキング機器、デジタル印刷機ともに、消耗品が堅調に推移したことに加え、為替のプラス影響もあり、増収となりました。

事業セグメント利益 5,572百万円(前期比+8.0%)

営業損失      5,787百万円(前期 営業利益 4,307百万円)

 事業セグメント利益は、営業活動の再開に伴い販管費が増加したものの、為替のプラス影響により、増益となりました。営業利益は、金利上昇を受けた割引率の上昇によるのれんの一部の減損損失を計上したことにより、赤字となりました。

 

4)ニッセイ事業

売上収益  23,485百万円(前期比+13.2%)

 設備投資需要の拡大により減速機が好調に推移し、増収となりました。

事業セグメント利益 1,901百万円(前期比+38.2%)

営業利益      1,817百万円(前期比+34.7%)

 増収効果により、大幅な増益となりました。

 

5)パーソナル・アンド・ホーム事業

売上収益  51,004百万円(前期比+2.0%)

 巣ごもり需要が一巡したものの、為替のプラス影響により前期並みとなりました。

事業セグメント利益 5,781百万円(前期比△28.4%)

営業利益      5,852百万円(前期比△28.7%)

 中高級機の販売減少による売上構成の変化に加え、物流・部材コスト高騰の影響もあり、大幅な減益となりました。

 

6)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

売上収益  35,254百万円(前期比+19.3%)

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動規制の緩和に伴い客足が回復し、カラオケ店舗の売上が増加するとともに、カラオケ機器の販売が堅調に推移し、増収となりました。

事業セグメント利益 457百万円(前期 事業セグメント損失 2,700百万円)

営業利益      815百万円(前期 営業損失 568百万円)

 事業セグメント利益は、増収効果などにより、黒字となりました。

 

②財政状態の状況

 資産合計は、現金及び現金同等物が減少した一方、営業債権及びその他の債権、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ39,336百万円増加し、850,486百万円となりました。

 負債合計は、借入金の返済などにより社債及び借入金が減少した一方、営業債務及びその他の債務が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3,868百万円増加し、253,806百万円となりました。

 資本合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益による利益剰余金の増加、在外営業活動体の換算差額の影響などにより前連結会計年度末に比べ35,468百万円増加し、596,680百万円となりました。

 

 当期における期末為替レートは、次の通りであります。

   米ドル :133.53円   ユーロ :145.72円

 

③キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により14,432百万円増加、投資活動により32,198百万円減少、財務活動により36,638百万円減少等の結果、当連結会計年度末は前連結会計年度末と比べ48,872百万円減少し、119,042百万円となりました。

当期における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りです。

 

1)営業活動によるキャッシュ・フロー

税引前利益は56,953百万円で、減価償却費及び償却費42,575百万円など非資金損益の調整などによる資金の増加、営業債務及びその他の債務の増加による資金の増加6,174百万円、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少16,125百万円、棚卸資産の増加による資金の減少44,252百万円などがあり、法人所得税の支払額35,304百万円などを差し引いた結果、14,432百万円の資金の増加となりました。

 

2)投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得による支出31,191百万円、無形資産の取得による支出11,291百万円、投資不動産の売却による収入6,500百万円などにより、32,198百万円の資金の減少となりました。

 

3)財務活動によるキャッシュ・フロー

短期借入による収入15,571百万円、長期借入金の返済による支出19,997百万円、リース負債の返済による支出7,690百万円、配当金の支払額17,510百万円、自己株式の取得による支出7,003百万円などにより、36,638百万円の資金の減少となりました。

 

④生産、受注及び販売の状況

1)生産実績

当社グループの生産実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。

2)受注実績

当社グループの生産活動は、その多くを見込生産で行っておりますので、受注実績は記載しておりません。

3)販売実績

当社グループの販売実績は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記6.セグメント情報」をご参照下さい。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成されております。

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。当社グループの判断、見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)当連結会計年度の経営成績

 経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。

 

2)経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 中期戦略「CS B2024」では、最終年度である2024年度の業績目標を売上収益8,000億円、営業利益率10.0%以上、ROE10.0%以上としています。

 中期戦略「CS B2024」初年度である当連結会計年度の実績は、売上は8,153億円、営業利益はドミノ事業におけるのれんの一部の減損損失を計上したことなどにより営業利益率は6.8%、ROEは6.8%となりました。

 

 

当連結会計年度実績

CS B2024 (2024年度)
業績目標

売上収益

8,153億円

8,000億円

営業利益率

6.8%

10.0%以上

ROE

6.8%

10.0%以上

 

 平均為替レート(連結)は次の通りであります。

 当期       米ドル :134.95円   ユーロ :141.24円

 CS B2024 策定時 米ドル :108.00円   ユーロ :125.00円

 

 中期戦略「CS B2024」における、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略」をご参照下さい。

 

4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 事業セグメントごとの経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。

 

5)当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。

流動性管理

当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性と位置付けております。当連結会計年度末現在、当社グループは、売上収益の約2ヶ月分に相当する現金及び現金同等物119,042百万円を保有しております。

当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。

これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入、事業環境リスク等を考慮の上、通年にわたり十分な手元流動性を確保していると考えております。

資金調達

運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は15,592百万円で、通貨はカナダドル、日本円であります。1年内返済予定の長期借入金の残高は、21,230百万円で、通貨は米ドル、日本円であります。長期借入金の残高は600百万円であり、通貨は日本円であります。

当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しています。当連結会計年度末現在、発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。

当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。

資金の需要動向

中期戦略「CS B2024」では、事業ポートフォリオの変革と、持続可能な未来に向けた経営基盤の変革実現に向けた先行投資枠として総額1,500億円を設定しました。この投資枠を活用して、「事業ポートフォリオの変革」に向けては、産業用領域やインクジェット技術に関わる各種の機能、拠点の強化、M&A等の戦略投資を行っていきます。

未来に向けた先行投資を行う一方で、中期戦略「CS B2024」における基本方針に基づき株主利益還元を実施してまいります。

これらの資金需要に対応するため、営業キャッシュ・フローの獲得、また、必要に応じて、成長投資のための資金調達を機動的に実施する方針であります。