E01884 Japan GAAP
前期
5,107.7億 円
前期比
107.3%
株価
3,450 (06/24)
発行済株式数
57,629,140
EPS(実績)
-116.38 円
PER(実績)
--- 倍
前期
795.6万 円
前期比
94.3%
平均年齢(勤続年数)
45.9歳(21.0年)
従業員数
3,367人(連結:18,906人)
当社グループは、当社、親会社、連結子会社67社等から構成され、事務用機械器具及び電気機械器具の開発、製造、販売及び保守サービスを主な事業の内容としております。
当社グループの各報告セグメントにおける事業の内容及び連結子会社の位置付け等の概要は、次のとおりであります。
国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品等の開発・製造・販売・保守サービス等を行っております。国内はTECブランドにて当社及び代理店が販売する体制となっております。海外はTOSHIBAブランドを中心として、海外の子会社及び代理店を経由して販売するとともに、取引先ブランドにより販売する体制となっております。
東芝グローバルコマースソリューション社、東芝テックソリューションサービス㈱、
東芝テックシンガポール社、テックインドネシア社、東芝グローバルコマースソリューション・メキシコ社、
テックインフォメーションシステムズ㈱、東芝グローバルコマースソリューション・イタリア社、
東芝グローバルコマースソリューション・カナダ社、東芝グローバルコマースソリューション・オランダ社、
東芝グローバルコマースソリューション・ホールディングス㈱
国内及び海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、国内及び海外市場向けインクジェットヘッド、並びにそれらの関連商品等の開発・製造・販売・保守サービス等を行っております。国内は当社及び代理店を経由して、海外は海外の子会社及び代理店を経由して主にTOSHIBAブランドにて販売する体制となっております。
東芝アメリカビジネスソリューション社、東芝テック深圳社、東芝テック香港調達・物流サービス社、
東芝テックドイツ画像情報システム社、東芝テックフランス画像情報システム社、
東芝テックマレーシア製造社、東芝テック英国画像情報システム社、
東芝テックカナダビジネスソリューション社、東芝オーストラリア社
事業の系統図は、以下のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、各国における新型コロナウイルス感染防止対策と経済活動の両立が進み、景気回復に向けた環境が整いつつありましたが、急激な物価上昇、原材料価格の高騰及び供給制約に加え、海外における金融引締めの加速や、ロシア・ウクライナ問題等の影響もあって、景気は依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような状況下で、当社グループは、中期経営計画(2022~2024年度)の基本方針「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の下で、社業の発展に向けた各種施策の実行に鋭意注力するとともに、店舗・オフィス・物流・製造各領域の課題解決に貢献するソリューションパートナーとして、お客様とともに、SDGs(Sustainable Development Goals)達成に向けた取り組みを推進し、持続可能な社会への貢献に努めてまいりました。
売上高については、海外市場向けPOSシステム及び海外市場向け複合機の売上が為替の影響や米州での伸長等により増加したことなどから、5,107億67百万円(前連結会計年度比15%増)となりました。なお、売上高の前連結会計年度からの増加額654億50百万円の内、為替の影響による増加額は約492億円であります。損益については、部品及び国際貨物輸送の需給逼迫・価格高騰の影響等はあったものの、複合機の損益が改善したことなどから、営業利益は160億78百万円(前連結会計年度比39%増)、経常利益は131億49百万円(前連結会計年度比29%増)となりましたが、特許係争事案に関する「訴訟損失費用」を特別損失に計上したこと及び繰延税金資産の一部取り崩しを行ったことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失は、137億45百万円(前連結会計年度は53億81百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
② 各報告セグメントの状況
(リテールソリューション事業)
国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品等を取り扱っているリテールソリューション事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境の中で、「流通業界でグローバルトップのソリューションパートナーに」を目指して、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」及び戦略的パートナーシップによるソリューションビジネスの拡大、成長領域(データサービス・次世代店舗・決済・SCM)への集中投資、海外市場におけるサービス事業の拡大等に取り組んでまいりました。
国内市場向けPOSシステムは、小売業・飲食業等の投資意欲が回復傾向にあるものの、部品の供給制約、物価上昇等の影響により依然として厳しい状況が続いたことから、売上は減少しましたが、新型コロナウイルス対策を意識して、決済端末、セルフオーダーシステム、スマートレシート等の拡販に注力するとともに、販売価格の改定にも取り組んだことから、売上に回復の兆しが見えました。
海外市場向けPOSシステムは、為替の影響や、米州で販売が増加したことなどにより、売上は増加いたしました。
国内市場向けオートIDシステムは、特定顧客向けを中心にバーコードプリンタの販売が増加したことなどから、売上は増加いたしました。
この結果、リテールソリューション事業の売上高は、2,969億51百万円(前連結会計年度比11%増)となりました。また、同事業の営業利益は、円安に伴うコスト上昇及び部品の需給逼迫・価格高騰といったマイナス影響により国内市場向けPOSシステムの損益が悪化したことから、91億96百万円(前連結会計年度比13%減)となりました。
国内及び海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、国内及び海外市場向けインクジェットヘッド、並びにそれらの関連商品等を取り扱っているワークプレイスソリューション事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、部品及び国際貨物輸送の需給逼迫・価格高騰、ポストコロナの働き方改革・オフィスのDX推進による印刷量の減少、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境の中で、「市況変動への対応力強化」に同時に「事業全体での体質強化」を進め、強靭でスリムなグローバル・オペレーション体制を構築し、目標達成により目標達成に向け注力するとともに、成長領域での事業拡大に向けて、DMS(Document Management System)をはじめとしたソリューション、オートID事業、クラウドサービスの強化等に取り組んでまいりました。
複合機は、部品不足の影響は改善されましたが、国際貨物輸送の需給逼迫の影響による製品供給不足が続く中で、輸送手段・経路の変更や販売価格の改定施策等に注力したことにより、米州、欧州、アジア等の海外地域で販売が堅調であったことに加え、為替の影響もあって、売上は増加いたしました。
海外市場向けオートIDシステムは、米州、欧州、アジア等の各地域で販売が増加したことや、為替の影響により、売上は増加いたしました。
インクジェットヘッドは、海外顧客向けの販売が増加したものの、国内顧客向けの販売が減少したことから、売上は減少いたしました。
この結果、ワークプレイスソリューション事業の売上高は、2,176億72百万円(前連結会計年度比20%増)となりました。また、同事業の営業利益は、部品及び国際貨物輸送の需給逼迫・価格高騰の影響が改善しつつあることに加え、製品供給量の回復や販売価格の改定等に伴う売上高の増加や徹底した固定費削減等により、68億82百万円(前連結会計年度比59億24百万円増)と大幅増益を達成いたしました。
(注)オートIDシステムとは、ハード・ソフトを含む機器により、自動的にバーコード、ICタグ等のデータを取り込み、内容を識別・管理するシステムをいいます。
(2) 生産、受注及び販売の実績
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(注)金額は、販売価格によっております。
③ 販売実績
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3) 財政状態
当連結会計年度における資産は、前連結会計年度に比べ4億36百万円増加し、3,106億92百万円となりました。これは、流動資産の「グループ預け金」が69億36百万円、投資その他の資産の「繰延税金資産」が68億72百万円減少しましたが、流動資産の「現金及び預金」が40億42百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」が34億47百万円、「商品及び製品」が28億10百万円、「その他」が48億10百万円増加したことなどによります。
負債は、前連結会計年度に比べ158億92百万円増加し、2,084億86百万円となりました。これは、流動負債の「未払金」が55億81百万円、「未払法人税等」が23億31百万円、「前受収益」が21億29百万円、「その他」が15億57百万円、固定負債の「その他」が29億84百万円増加したことなどによります。
純資産は、前連結会計年度に比べ154億56百万円減少し、1,022億6百万円となりました。これは主に、「為替換算調整勘定」が23億12百万円増加しましたが、「利益剰余金」が親会社株主に帰属する当期純損失により137億45百万円、配当金の支払いにより22億13百万円、「退職給付に係る調整累計額」が25億19百万円減少したことなどによります。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比べ28億94百万円減少の438億15百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは29億89百万円の収入となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動については、税金等調整前当期純利益が47億10百万円であり、法人税等の支払額が62億51百万円となりましたが、減価償却費が167億55百万円となったことなどから、151億6百万円の収入(前連結会計年度は100億37百万円の収入)となりました。
投資活動については、有形固定資産並びに無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出などにより、121億17百万円の支出(前連結会計年度は141億84百万円の支出)となりました。
財務活動については、ファイナンス・リース債務の返済や配当金の支払いなどにより、81億3百万円の支出(前連結会計年度は54億96百万円の支出)となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金は、主に製品製造に係る原材料や部材の調達のほか、製造費、販売費及び一般管理費等に計上される財・サービスに費消しております。設備投資資金は、有形固定資産や無形固定資産の取得、投資等に費消しております。
これらの必要資金は、当社グループ内の内部留保による確保、及び資産の圧縮や資産効率の向上により創出される自己資金を基本として流動性を確保しつつ、必要に応じて金融機関等からの資金調達を実施してまいります。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因や当該事項への対応並びに新型コロナウイルス感染拡大の影響については、上記「(1) 経営成績」から「(4) キャッシュ・フロー」まで、並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおりであります。
当社グループは、2023年5月26日に策定した「中期経営計画(2023~2025年度)」において、最終年度である2025年度に、売上高は5,200億円、営業利益は390億円、営業利益率(ROS)は7.5%、親会社株主に帰属する当期純利益は210億円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス530億円、投下資本利益率(ROIC)は17.5%を達成することを目標として定めております。
当連結会計年度においては、売上高は5,107億67百万円、営業利益は160億78百万円、営業利益率(ROS)は3.1%、親会社株主に帰属する当期純損失は137億45百万円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス151億6百万円、投下資本利益率(ROIC)は8.2%となりました。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、より重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
① 債権の回収可能性
当社グループは、売掛金、販売金融債権及び貸付金その他これらに準ずる債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、債権の相手先の財務状況がさらに悪化して支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
② 棚卸資産の評価減
当社グループは、商品、製品及び半製品は先入先出法による原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、仕掛品及び原材料は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、貯蔵品は最終仕入原価法を採用しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、商品、製品及び半製品について正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
③ 固定資産の減損判定
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候があるかどうかの判定を実施し、減損の兆候があった場合、資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローでの見積り及び仮定について将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
当社グループは、販売又は仕入に係る取引先や金融機関等の株式を保有しています。これらの株式には市場価格のない株式等以外のものである上場会社の株式と市場価格のない株式等である非上場会社の株式が含まれます。当社グループは、市場価格のない株式以外のものの株式の減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、市場価格のない株式等である非上場株式の減損処理にあたっては、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。なお、将来の市況悪化又は投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収が不能となる状況が発生した場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
⑥ 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、長期期待運用収益率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。