売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01765 IFRS

売上高

3.48兆 円

前期

3.31兆 円

前期比

105.0%

時価総額

2.99兆 円

株価

10,945 (04/26)

発行済株式数

272,849,863

EPS(実績)

603.82 円

PER(実績)

18.13 倍

平均給与

842.9万 円

前期

814.5万 円

前期比

103.5%

平均年齢(勤続年数)

43.5歳(18.1年)

従業員数

22,036人(連結:118,527人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社および連結子会社を中心とする関係会社で構成されるNECグループの主たる事業は、社会公共事業、社会基盤事業、エンタープライズ事業、ネットワークサービス事業およびグローバル事業の5つの事業です。各関係会社は、設計、開発、製造および販売、サービスの提供などそれぞれの役割に応じ、各事業の一部を分担しています。

 なお、当社は当連結会計年度よりセグメントを変更しています。

 それぞれの事業の主な内容は次のとおりです。

(社会公共事業)

 主に公共、医療、メディアおよび地域産業向けに、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービスおよびシステム機器などの提供を行っています。

(社会基盤事業)

 主に官公向けに、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービスおよびシステム機器などの提供を行っています。

(エンタープライズ事業)

 主に製造業、流通・サービス業および金融業向けに、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービスおよびシステム機器などの提供を行っています。

(ネットワークサービス事業)

 主に国内の通信市場において、ネットワークインフラ(コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システム、ルータ・スイッチ)、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)およびサービス&マネジメント(OSS・BSS、サービスソリューション)などの提供を行っています。

(グローバル事業)

 デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンス、サービスプロバイダ向けソフトウェア・サービス(OSS・BSS)ならびにネットワークインフラ(海洋システム、ワイヤレスバックホール)などの提供を行っています。

 

(注)OSS:Operation Support System、BSS:Business Support System

 

 なお、上記のほかに、ビジネスコンサルティングおよびシステム機器の開発・製造・販売などの事業を「その他」として表示しています。

NECグループの連結子会社(284社)をセグメントごとに記載すると概ね次のとおりです。

 

 

2023年3月31日現在

 

セグメント

子会社

社会公共事業

NECネクサソリューションズ㈱ 等

社会基盤事業

 

日本航空電子工業㈱ 等

 

エンタープライズ事業

NECファシリティーズ㈱ 等

ネットワークサービス事業

NECネッツエスアイ㈱ 等

グローバル事業

NECコーポレーション・オブ・アメリカ社[米国]

NECヨーロッパ社[英国]

NECアジア・パシフィック社[シンガポール]

日電(中国)有限公司[中国]

NECラテン・アメリカ社[ブラジル]

ネットクラッカー・テクノロジー社[米国]

コメット・ホールディング社[オランダ]

ガーデン・プライベート・ホールディングス社[英国]

ソレイユ社[デンマーク] 等

その他

 

NECプラットフォームズ㈱

NECフィールディング㈱

NECソリューションイノベータ㈱

アビームコンサルティング㈱

日本電気通信システム㈱ 等

 

 

(注)1 金融商品取引所に株式を公開している子会社

東京証券取引所プライム市場…日本航空電子工業㈱、NECネッツエスアイ㈱

2 純粋持株会社

コメット・ホールディング社

主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とする子会社を傘下に保有するアバロク・グループ社

ガーデン・プライベート・ホールディングス社

主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするNECソフトウェア・ソリューションズ・ユーケー社

ソレイユ社

主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするケーエムディ社

 

 

 

 なお、NECグループの事業運営における当社および関係会社の事業系統図を示すと概ね次のとおりです。

2023年3月31日現在

 

※画像省略しています。

 

 

(注)矢印は、製品の設計、開発、製造および販売ならびにサービスの提供関係を示しています。

 

23/06/22

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

※当連結会計年度から、セグメントを変更しています。

 また、前連結会計年度との比較数値については、前連結会計年度の数値を新たなセグメントに組み替えて表示しています。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるNECグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度の経済環境は、欧米を中心としたインフレと金融引き締め政策、中国の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響により、世界経済は後半にかけて減速しました。日本経済は、資源価格上昇や急速な円安等で物価上昇が続いたものの、新型コロナウイルス感染症抑制に伴う行動制限緩和で国内需要中心に底堅く推移しました。

このような事業環境のもと、NECグループは、2021年5月に発表した「2025中期経営計画」に基づき、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針に掲げて、事業活動を行いました。

「戦略」においては、「日本を含むグローバルでの事業フォーカス」、「国内IT事業のトランスフォーメーション」および「次の柱となる成長事業の創造」によって成長を目指しています。

「日本を含むグローバルでの事業フォーカス」では、デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンス領域において、ウクライナ情勢の影響などによる世界的な景気後退懸念から顧客がIT投資を控えている状況下で、欧州やアジアの顧客を中心に着実に受注・売上を拡大しました。また、グローバル5G領域においては、国内通信事業者の設備投資が抑制傾向にあるものの、基地局を中心として前期に続き当期も着実に売上を伸ばしました。海外においても商用プロジェクト向けの基地局の出荷を開始し、売上を拡大させました。一方で、市場開拓に伴う費用が増加するなど、収益性については課題を残しました。

「国内IT事業のトランスフォーメーション」では、DXにかかる領域での堅調な需要を背景としてコンサルティング事業を中心に着実に売上が拡大しました。NECグループが強みを活かせるコアDX領域においては、生体認証・映像分析、AI、セキュリティ技術などを統合した「NECデジタルプラットフォーム」のさらなる強化に取り組みました。また、当社子会社であるアビームコンサルティング㈱と連携して、経営課題解決や社会価値共創を先進的な顧客とともに実現する戦略パートナーシッププログラムを加速しました。さらに米国マイクロソフト社、米国アマゾン・ウェブ・

サービシズ社(AWS)および日本オラクル㈱との従来からのパートナーシップに加え、2022年9月には米国レッドハット社との協業を拡大し、グローバルパートナーとの共創による顧客の課題解決に取り組みました。また、AWSの認定資格者を3,000名まで倍増するなど、デリバリー体制も強化しました。

「次の柱となる成長事業の創造」では、ヘルスケア・ライフサイエンス事業において、最先端のAIの活用による個別化治療の開発に取り組みました。また、国際基金「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」から日本の企業として初めてファンドプロジェクトに採択され、広範なベータコロナウイルス属に対応する次世代ワクチンの開発を開始しました。さらに、2022年4月に塩野義製薬㈱とB型肝炎に対する治療ワクチン創製を目指した共同研究契約を締結しました。農業領域では、環境にやさしく収益性の高い農業の実現を目的として、2022年9月にカゴメ㈱と合弁会社「ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー社」を設立しました。また、2023年2月には、脱炭素に向けたESG投資の促進と防災・減災対策を目的とした投資活性化への貢献に向けて慶應義塾と潜在カーボンクレジットの共創を開始するなど、社会価値提供の加速に取り組みました。

「文化」においては、「2025中期経営計画」に基づく文化と経営基盤の変革を目的として、社内変革プロジェクト「Project RISE」を加速させました。問題解決と組織変革の手法である「Work-Out」を幅広い現場で展開・実践することで社内のビジネス課題を解決するとともに、組織風土の改革を推進しました。また、NECグループで実践した変革手法やノウハウをモデルとして顧客に提供することを前提としたデジタル基盤の構築を進めました。さらに、「Smart Work 2.0」の実践、個人のキャリア形成支援の拡充、キャリア採用や女性従業員比率拡大によるさらなる多様性の推進、ビジネスインフラの整備などにより、働きがいの実感を高める施策を展開しました。

また、「NEC 2030VISION」で示した未来の社会像の実現に向けて自らその構想を発信し、ステークホルダーとともに新たな価値の創造と社会への実装を目指すソートリーダーシップ活動として、スイスで行われたダボス会議に経営トップであるCEOが登壇したほか、NECグループのシンクタンクである㈱国際社会経済研究所の体制強化、NECグループの注力領域に関するホワイトペー

パーの発行などを行い、未来の共感創りの加速と成長事業の社会実装への貢献を推進しました。

これらの取り組みに加え、経営幹部と社員との継続的なコミュニケーションを実施したことなどにより、「2025中期経営計画」で指標に掲げたエンゲージメントスコアが、2020年度の25%から36%へと改善しました。

 

このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上収益は3兆3,130億円(前連結会計年度比9.9%増)、営業損益は1,704億円の利益(同379億円増加)、調整後営業損益は2,055億円の利益(同345億円増加)、税引前損益は1,677億円の利益(同232億円増加)、親会社の所有者に帰属する当期損益は1,145億円の利益(同268億円減少)、親会社の所有者に帰属する調整後当期損益は1,386億円の利益(同287億円減少)となりました。また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計額)は、1,025億円の収入となりました。当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金およびリース負債を合計したもの)残高は、前連結会計年度末に比べ111億円増加し、6,085億円となり、デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、自己資本(「資本合計」から「非支配持分」を控除したもの)に対する有利子負債の割合)は、0.37倍(前連結会計年度末比0.02ポイント改善)となりました。なお、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ224億円増加の1,890億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は0.12倍(前連結会計年度末比0.01ポイント悪化)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,521億円の収入で、前連結会計年度に比べ46億円増加しました。これは運転資金が減少したものの税引前利益が増加したことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、496億円の支出で、前連結会計年度に比べ138億円支出額が減少しました。これは株式の取得の減少などによるものです。

この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは1,025億円の収入となり、前連結会計年度に比べ184億円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入などがあったものの、リース負債の返済や社債の償還による支出などにより、1,228億円の支出となりました。

 

上記の結果、現金及び現金同等物は、4,195億円となり、前連結会計年度末に比べ113億円減少しました。

 

③ 生産、受注および販売の実績

NECグループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

このため、生産、受注および販売の状況については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。

なお、外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、主要な販売先に関する記載を省略しています。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点によるNECグループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。連結財務諸表の作成には、期末日における資産、負債、偶発資産および偶発債務ならびに会計期間における収益および費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

 

① 当社の概要(主な事業内容)および経営成績に重要な影響を与える要因

NECグループの売上は、5つの主要なセグメントである社会公共事業、社会基盤事業、エン

タープライズ事業、ネットワークサービス事業およびグローバル事業から生じます。

各セグメントの製品およびサービス等の概要は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりです。

NECグループの各セグメントの業績は、景気動向およびIT投資の動向や通信事業者の投資動向等に左右されます。

 

経営成績に重要な影響を与えるその他の要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

② 重要な会計方針および見積り

経営陣は、次の重要な会計方針の適用における見積りや仮定が連結財務諸表に重要な影響を与えると考えています。

 

重要な会計方針および見積りにつきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」と「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。

 

③ 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の売上収益は、3兆3,130億円と前連結会計年度に比べ2,989億円(9.9%)増加しました。これは、すべてのセグメントで増収となったことによるものです。

収益面につきましては、営業損益は、前連結会計年度に比べ379億円増加し、1,704億円の利益となりました。これは、ネットワークサービス事業が減少したものの、グローバル事業やエンタープライズ事業などが増加したことによるものです。また、調整後営業損益は、前期に比べ345億円増加し、2,055億円の利益となりました。

税引前損益は、営業損益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ232億円増加し、1,677億円の利益となりました。

親会社の所有者に帰属する当期損益は、法人所得税費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ268億円減少し、1,145億円の利益となりました。また、親会社の所有者に帰属する調整後当期損益は、前連結会計年度に比べ287億円減少し、1,386億円の利益となりました。

 

セグメント別実績については次のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益については、外部顧客に対する売上収益を記載しています。

 

a.社会公共事業

売上収益

4,567億円

(前連結会計年度比     3.2%増)

調整後営業損益

427億円

(    同     67億円増加)

 

社会公共事業の売上収益は、地域産業向けや公共向けが増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ141億円(3.2%)増加し、4,567億円となりました。

調整後営業損益は、売上の増加に加え、費用の最適化などにより、前連結会計年度に比べ67億円増加し、427億円の利益となりました。

 

b.社会基盤事業

売上収益

6,497億円

(前連結会計年度比     6.8%増)

調整後営業損益

673億円

(    同     81億円増加)

 

社会基盤事業の売上収益は、航空宇宙・防衛向けが増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ412億円(6.8%)増加し、6,497億円となりました。

調整後営業損益は、売上の増加に加え、不採算案件の抑制などにより、前連結会計年度に比べ81億円増加し、673億円の利益となりました。

 

c.エンタープライズ事業

売上収益

6,144億円

(前連結会計年度比    6.9%増)

調整後営業損益

734億円

(    同    159億円増加)

 

エンタープライズ事業の売上収益は、金融業向け、製造業向け、流通・サービス業向けがいずれも増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ397億円(6.9%)増加し、6,144億円となりました。

調整後営業損益は、売上の増加に加え、システム構築領域の収益性向上などにより、前連結会計年度に比べ159億円増加し、734億円の利益となりました。

 

d.ネットワークサービス事業

売上収益

5,434億円

(前連結会計年度比     6.2%増)

調整後営業損益

241億円

(    同     113億円減少)

 

ネットワークサービス事業の売上収益は、通信事業者の設備投資が低調に推移したものの、固定ネットワーク領域で増加したことに加え、特許のライセンス収入があったことなどにより、前連結会計年度に比べ319億円(6.2%)増加し、5,434億円となりました。

調整後営業損益は、海外5Gの一過性の費用計上や投資費用の増加などにより、前連結会計年度に比べ113億円減少し、241億円の利益となりました。

 

e.グローバル事業

売上収益

5,863億円

(前連結会計年度比     20.8%増)

調整後営業損益

429億円

(    同     166億円増加)

 

グローバル事業の売上収益は、サービスプロバイダ向けソフトウェア・サービス、デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンス、海洋システムが増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,008億円(20.8%)増加し、5,863億円となりました。

調整後営業損益は、サービスプロバイダ向けソフトウェア・サービス領域などの収益性向上に加え、事業ポートフォリオ見直しなどにより、前連結会計年度に比べ166億円増加し、429億円の利益となりました。

 

f.その他

売上収益

4,626億円

(前連結会計年度比    18.2%増)

調整後営業損益

147億円

(    同     14億円増加)

 

その他の売上収益は、前連結会計年度に比べ713億円(18.2%)増加し、4,626億円となりました。

調整後営業損益は、前連結会計年度に比べ14億円増加し、147億円の利益となりました。

 

 

財政状態につきましては、当連結会計期間末の総資産は3兆9,841億円と、前連結会計年度末に比べ2,223億円増加しました。流動資産は、営業債権及びその他の債権や契約資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,592億円増加し、1兆9,959億円となりました。非流動資産は、有形固定資産の増加や為替変動などによるのれんおよび無形資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ631億円増加し、1兆9,881億円となりました。

 

負債は、2兆713億円と前連結会計年度末に比べ962億円増加しました。これは、営業債務及びその他の債務や契約負債などが増加したことなどによるものです。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ111億円増加の6,085億円となり、デット・エクイティ・レシオは0.37倍(前連結会計年度末比0.02ポイント改善)となりました。また、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ224億円増加の1,890億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は、0.12倍(前連結会計年度末比0.01ポイント悪化)となりました。

 

資本は、自己株式の取得や配当金の支払があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に加え、為替変動に伴う在外営業活動体の換算差額の増加や、確定給付制度の再測定の増加など、その他の資本の構成要素が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,261億円増加し、1兆9,127億円となりました。

 

この結果、親会社の所有者に帰属する持分は1兆6,238億円となり、親会社所有者帰属持分比率は40.8%(前連結会計年度末比0.5ポイント改善)となりました。

 

④ 流動性と資金の源泉

NECグループは、手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物と複数の金融機関との間で締結したコミットメントライン契約の未使用額との合計額を今後の事業活動のための適切な水準に維持することを財務活動の重要な方針としています。当連結会計年度末は、現金及び現金同等物4,195億円、コミットメントライン未使用枠2,460億円、合計6,655億円の手許流動性を確保し、必要な流動性水準を維持しました。なお、現金及び現金同等物は主に円貨であり、その他は米ドルやユーロなどの外国通貨です。

また、NECグループは、短期・長期の資金需要を満たすのに十分な調達の枠を維持しています。まず短期資金調達では、その多くを国内コマーシャル・ペーパーの機動的な発行で賄っており、5,000億円の発行枠を維持しています。さらに、不測の短期資金需要の発生やコマーシャル・ペーパーによる調達が不安定になった場合の備えとして、コミットメントライン枠計2,480億円を維持し、常時金融機関からの借入れが可能な体制を敷いています。一方、長期資金調達では、国内普通社債の発行枠3,000億円を維持しています。

負債構成の考え方に関しては、必要資金の安定的な確保の観点から、十分な長期資金の確保、およびバランスのとれた直接・間接調達比率の維持を当面の基本方針としており、その状況を示すと次のとおりです。

 

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

長期資金調達比率 *1

60.5%

70.8%

直接調達比率 *2

35.1%

38.5%

*1 長期資金調達比率は、社債、長期借入金およびその他(1年超のリース債務)の合計を有利子負債で除して計算したものです。

*2 直接調達比率は、社債(1年以内償還予定を含む)およびコマーシャル・ペーパーの合計を有利子負債で除して計算したものです。

当連結会計年度末の長期資金調達比率は70.8%、直接調達比率は38.5%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況について

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

(4)経営戦略と今後の方針について

経営戦略と今後の方針につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

(5)新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染症について、大きな売上の減少等はなく当連結会計年度の連結財務諸表に与える影響は軽微と判断しています。

なお、事業等のリスクにつきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。