E38427
前期
252.3億 円
前期比
113.9%
株価
918 (04/19)
発行済株式数
10,895,850
EPS(実績)
114.54 円
PER(実績)
8.01 倍
平均年齢(勤続年数)
47.7歳(8.7年)
従業員数
64人(連結:344人)
当社グループは、当社及び連結子会社6社から構成されております。
当社グループのお客様は主に50代以上の女性です。この年代の女性たちは、以下のようなニーズを有していると考えておりますが、世の中にはこれらのニーズを満たすサービスが少ないという問題意識が当社グループの事業の背景となっています。
・ より元気にアクティブになりたいのに、周りからは介護や認知症など暗い提案が多く、自分に向けた話とは思えない
・ 新しいことを知りたい、挑戦したいという気持ちはあるが機会がない
・ 自分のことを年寄りだと思っておらず、もっと若々しくいたいのに、世の中のシニア向けのサービスや商品は年寄り向けばかり
・ おしゃれもしたい、素敵になりたいけど勇気が出ない、やり方が分からない
・ 将来、子供に迷惑をかけたくないという思いが強いが、具体策がわからない
・ いつか夫に先立たれ一人になる可能性があることを分かっているが、孤独を回避する手立てがわからない
当社グループは、そんな女性の皆さまが、人生の後半を元気に前向きに楽しく暮らせるようお手伝いすることこそが使命であると考え、雑誌「ハルメク」の出版をはじめ、商品の開発や販売、旅行や講座といったサービスの提供など、さまざまな事業を行うシニア向けプラットフォームビジネスを展開しています。これにより、上記のニーズと世の中で提供されるサービスとのギャップの解消に寄与しています。
現代社会には情報や商品、サービスがあふれています。インターネットの発達でこれがさらに加速した結果、自分の暮らしに本当に役立ち、信頼できるものを見つけることはどんどん難しくなっています。そのような中、当社グループは、お客さまにとって真に必要な情報とは何か、優れた商品・サービスとは何かを常に考え、選りすぐり、あるいは自ら創りだして提供します。健康、美容から、おしゃれ、住まい、学び、レジャーまで、暮らしを取り巻くあらゆる分野において、「本当に価値あるもの」をしっかりとお届けしていくことが私たちの信条です。
グループ組織図
(会社ごとの主な機能・役割・事業内容)
ハルメク事業は、販売部数全雑誌No.1(注1)である雑誌「ハルメク」の出版によりお客様を獲得し、雑誌に共感してくださったお客様に対して、雑誌の特集と連動するなどしたオリジナル商品等(オリジナル商品比率:8割)を、雑誌と同封してお送りするカタログによる通信販売で提案・販売することや、雑誌の特集と連動するなどしたイベント部門が講座や旅行などを提供することにより、お客様の満足度を高めると共に、収益を獲得している事業となります。
雑誌「ハルメク」は書店では購入できない自宅へ配送される定期購読のみで販売している雑誌です。シニア女性の不安や不満、期待に応える幅広い記事を提供し、コンテンツの内容も、特集、ファッション、健康、レシピ、手づくり、インタビュー、連載等シニア女性の生活全体に応える内容となっており、2023年3月時点での購読者数は47万人と高い支持を受けております。
「ハルメク365」は、2018年8月に開始した「ハルメクWEB」を起源としたシニア女性向けのWEBサイトであります。前身の「ハルメクWEB」としては、掲載する広告を収益源としつつ、無料の記事を配信してきました。記事の内容は、暮らし、美と健康、カルチャー、連載、素朴な疑問、特集、人気ランキング、ハルトモ倶楽部(注2)等多岐にわたり、2023年3月期の新規の掲載記事は月平均270本のペースで配信されています。2023年3月における月間のページビュー数(PV(注3))は511万回、Monthly Active Users(MAU(注4))は230万ユーザーという実績であり、それらの推移は以下のとおり堅調に推移しております。さらに、LINE NEWS AWARDS 2022 LINEメディア賞 女性部門 大賞(注5)を獲得するなど、シニア女性向けWEBサイトとしてトップクラスのアクセス数と評価を獲得し、高い支持を集めました。2022年8月に有料の動画や記事などのコンテンツ、講座などの企画を大幅拡充した新サービス「ハルメク365」へ変貌を遂げ、シニア女性を対象としたコンテンツ&ソリューションプラットフォームとして有料・無料会員を獲得し始めております。
(注) 1.出所:一般社団法人日本ABC協会「発行社レポート」(2022年上期・下期実績)
2.雑誌「ハルメク」の読者参加型の投稿ブログコーナー
3.PVは「Page View」の略語であります。WEBサイト内の特定のページが開かれた回数を表し、WEBサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための指標の一つです。
4.MAUは「Monthly Active User」の略語であります。WEBサイトやネットサービス、スマートフォンアプリなどで、ある一ヶ月の間に一回でも利用や活動のあった利用者の数の合計を指します。
5.メディアの記事配信に対するユーザーの反応などをLINE NEWS独自の算出方法でスコア化し、近しいジャンルのメディア同士でランキング化したものです。
シニア・ミドル女性誌購読部数
出所:一般社団法人日本ABC協会「発行社レポート」(2017年~2022年は上期・下期の販売部数の単純平均)
月間PV及びMAUの推移
通信販売においては、お客様の声を聞いたうえでお客様の悩みや期待に応える商品を開発し、中高価格帯で提供しております。商品の例としては以下のようなものがあります。
また、社会課題の解決のために以下のようなサービスも取り扱っています。
このほか、情報コンテンツや商品と関連した体験やつながりを提供するコミュニティも多数設けております。そこで取り扱う内容は、散歩、料理、食巡り、スマホ講座、旅行、メイク、ファッション、学び、コンサート、歌唱、芸術、体操等多岐に渡っており、2023年3月期においては、オフライン及びオンラインを合わせると268本のイベントを開催し、2017年以降の延べ参加人数は約8.8万人にのぼります。
ハルメク事業の強みは、「情報コンテンツ」、「物販」及び「コミュニティ」の3つの事業が連動し相乗効果を生んでいることにあります。特に、「情報コンテンツ」を中核にすることで商品及びサービスの利用率が高まったりお客様の当社グループに対するロイヤリティが高まる好循環が生まれるビジネスモデルとなっており、通信販売のみを行う事業者とは一線を画すことを可能にしています。
情報コンテンツ:雑誌「ハルメク」及び「ハルメク365」にてシニア女性に役立つ情報を提供
物販:シニア女性の生の声をもとにオリジナル商品を開発し、自社ECサイト、カタログ通販及び店舗を通じて販売
コミュニティ:オフライン・オンラインによるイベント・講座・旅行を通じてシニア女性に「繋がり」の場を提供
3つの事業が連動している例としては、情報コンテンツをリアルやオンラインで体験する場を設けたり、情報コンテンツのメッセージに沿った商品を開発し、更に商品を体験する場を設けたりする例もあります。商品の開発にあたっては当社内に限らず、社外の企業と連携することもあります。
これら3つの事業を有することにより、主に雑誌「ハルメク」を起点にした集客から始まり、ユーザーの育成ないし顧客単価の上昇、そしてファン化までのサイクルが形成されております。集客の観点では、「情報コンテンツ」による新規顧客の獲得が27万人(雑誌「ハルメク」の新規読者数:2023年3月期実績)あり、次いで「物販」による新規顧客の獲得が14万人(新聞単品外販(※)の新規顧客獲得数:2023年3月期実績)と貢献しています。育成の観点では、「物販」が再購入という形で最も貢献しており、次いで「情報コンテンツ」が継続率という形で寄与し、一部「コミュニティ」が担っております。ファン化の観点では、高い顧客満足度を誇る「情報コンテンツ」及び「コミュニティ」が貢献しております。
このように、3つの事業の相乗効果により継続的な利用をするユーザーの確保が可能となり、利用金額ないし利用回数が多いファンユーザーが多くの売上収益を生み出すことが可能な構図となっております。
(※) 新聞単品外販とは、新聞広告により、㈱ハルメクの通信販売商品を単品ごとに雑誌「ハルメク」の読者以外の方へ販売する事業です。
「情報コンテンツ」、「物販」及び「コミュニティ」の既存事業の他、以下の事業を先行投資事業と位置づけ、展開しております。
これらを含めた事業の流れを事業系統図にて示すと以下のとおりであります。
[ハルメク事業 事業系統図]
(2) 全国通販事業
全国通販事業は、新聞広告などで集客したお客様へ通販カタログ「ことせ」を送付し、通信販売で商品等を提案・販売し、収益を獲得している事業となります。こちらもハルメク事業同様にシニア女性をターゲットとしておりますが、販売している商品が低価格であることからハルメク事業の顧客属性とは異なっており、棲み分けがなされております。商品の例としては以下のようなものがあります。
全国通販事業においては、ハルメク事業のような雑誌による集客はありませんが、お客様ごとに定めた担当者(お得意様コンシェルジュ)が電話で親身にお客様に寄り添いながら商品を提案し、販売するという、通信販売でありながらも外商営業的な要素も取り入れた独自のスタイルで事業を運営しており、1970年の創業以来、多くのお客様にご支持頂いてきております。
これらの事業の流れを事業系統図で示すと以下のとおりであります。
[全国通販事業 事業系統図]
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大があったものの、ウィズコロナの生活様式が浸透してきたことや、水際対策の大幅な緩和を受けたインバウンド消費の高まりなどを受け、国内消費に持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や、急激な円安の進行により、原材料やエネルギー価格及び物流コストの高騰を背景とした物価上昇が加速しており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、雑誌「ハルメク」で多くの新規読者を獲得できる特集が増えてきたことや、2022年1月および5月の雑誌「ハルメク」編集長TV出演の後押しを受け、前期に引き続き読者数を大きく伸ばしております。その結果、2022年1月~6月における一般社団法人日本ABC協会「発行社レポート」において、コミック誌を除く雑誌全体の販売部数で1位(44万部)を獲得いたしました。更にその後も順調に読者数を伸ばしており、2022年12月号においては定期購読者数が初めて50万人を突破するなど、好調に推移しております。
また物販におきましても、「ものは少なく、暮らしは豊かに♪」という通販コアバリューを新たに定め、「ハルメク通販5つのお約束」に沿った商品をお客様にお届けすることで、売上を伸ばしております。
通販コアバリュー(ハルメク通販5つのお約束):ものは少なく、暮らしは豊かに♪
① たくさんの商品から選んで頂くのではなく、「最もいいものだけ」をご提案します。
② 50代からの女性が「これがほしかった」と思える唯一無二のものを作ります。
③ 「安心して長く使える」ように、ハルメク基準で厳しく品質管理します。
④ 売ったら終わりではなく、皆さまのお声で改良。「ずっとご愛用いただける」ように。
⑤ 「もったいない」の気持ちを大切に、使わなくなったものは社会と環境のために役立てます。
上記通販コアバリューに基づき生み出した商品は、雑誌「ハルメク」読者への販売のほか、新聞広告や自社ECサイトを通じて読者以外のお客様への販売を増やすことにも成功しております。また、新型コロナウイルス感染症影響の軽減により店舗への来店客も大きく増加し、売上を順調に伸ばしております。新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限の解除を受け、リアルイベントを再開し、直接お客様にハルメクの世界観を体験頂ける機会が増加してきたことだけでなく、コロナ禍の行動制限下において培った充実したオンラインイベント、リアルイベントとオンラインイベントを組み合わせたハイブリッド型のイベントなども実施し、ご好評を頂いております。
さらに8月にはWeb新サービス「ハルメク365」をリリースしております。「ハルメク365」は「観る・聴く・学ぶ・つながる」をテーマに、24時間・365日いつでもどこでも楽しめる月額定額制のサービスです。これまで雑誌で提供していた「読んで役立つ」コンテンツに加え、ファッション・美容・料理レシピ・脳トレ・エクササイズなど、毎日が楽しくなる動画を大幅に追加しております。そのほか、雑誌「ハルメク」の人気講師陣によるリアル&オンライン講座も毎月開催するなど、文字通り365日飽きることなく楽しめるコンテンツ作りに取り組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、28,738百万円(前年同期比3,505百万円増、13.9%増)、営業利益は、2,030百万円(前年同期比672百万円増、49.5%増)、税引前利益は、1,864百万円(前年同期比692百万円増、59.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,248百万円(前年同期比452百万円増、56.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメント別の売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。
当連結会計年度においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りに加え、TV放映の後押しも受け、雑誌「ハルメク」の読者数を大きく伸ばしたこと、通販コアバリューに沿った、ライフスタイル提案としての商品提供が進んだこと、個別商品の新聞広告により読者以外の顧客獲得も大きく伸長したことなどから、売上を大きく伸ばすことができました。また販売費及び一般管理費についても、値上げ局面のなかで適切に抑制できたことにより、セグメント利益につきましても大幅に増加しております。
以上の結果、売上収益は22,056百万円(前年同期比3,277百万円増、17.5%増)、セグメント利益は1,448百万円(前年同期比681百万円増、88.8%増)となりました。
当連結会計年度においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたことと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、顧客数は順調に増加し、売上を伸ばすことができました。一方、今後の事業成長に向け、新規顧客獲得に向けた新聞広告投資を進めたことから、セグメント利益は前年同期比で減少しております。
以上の結果、売上収益は7,007百万円(前年同期比250百万円増、3.7%増)、セグメント利益は87百万円(前年同期比10百万円減、10.3%減)となりました。
また、財政状態については次のとおりであります。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,793百万円増加し23,097百万円となりました。
流動資産は4,437百万円増加し、9,280百万円となりました。主な要因は、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う新株発行等による現金及び現金同等物の増加4,071百万円であります。
非流動資産は356百万円増加し、13,816百万円となりました。主な要因は使用権資産の増加333百万円等であります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ134百万円増加し16,614百万円となりました。
流動負債は1,977百万円増加し、10,232百万円となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務の増加363百万円、契約負債の増加103百万円、未払法人所得税の増加272百万円、償還による償還条項付優先株式の減少1,030百万円、非流動負債からの振替による借入金の増加2,103百万円等であります。営業債務及びその他の債務の増加は、売上の増加に伴うものであります。また、契約負債の増加は、雑誌「ハルメク」読者数の増加による定期購読に係る対価の前受金の増加に伴うものであります。
非流動負債は1,844百万円減少し、6,381百万円となりました。主な要因は、流動負債への振替による借入金の減少1,908百万円等であります。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ4,659百万円増加し6,482百万円となりました。
主な要因は、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う新株発行等により資本金が1,758百万円、資本剰余金が1,649百万円増加したこと、及び親会社の所有者に帰属する当期利益1,248百万円の計上によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,071百万円増加し、5,036百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、得られた資金は2,260百万円(前年同期は881百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、税引前利益1,864百万円(前年同期比692百万円増)、営業債務及びその他の債務の増加額363百万円(前年同期は△119百万円)、減価償却費及び償却費673百万円(前年同期は628百万円)、法人所得税の還付額193百万円(前年同期は26百万円)等であり、主な減少要因は営業債権の増加額141百万円(前年同期は147百万円)、法人所得税の支払額572百万円(前年同期は549百万円)等であります。いずれも、前年同期との主な変動要因は売上の増加によるものであります。
投資活動の結果、使用した資金は464百万円(前年同期は773百万円の使用)となりました。主な内訳は、基幹システムの更新に伴う無形資産の取得による支出376百万円(前年同期は600百万円)、有形固定資産の取得による支出32百万円(前年同期は103百万円)等であります。前年同期との主な変動要因は、前年同期において大きなシステム投資やオフィスの増床を行ったことによるものであります。
財務活動の結果、得られた資金は2,275百万円(前年同期は978百万円の使用)となりました。支出の内訳は、償還条項付優先株式の償還による支出1,000百万円(前年同期の支出はありません)、短期借入金の返済による支出830百万円(前年同期の支出はありません)、リース負債の返済による支出408百万円(前年同期は382百万円)、長期借入金の返済による支出402百万円(前年同期は838百万円)等であり、収入の内訳は、株式の発行による収入3,516百万円(前年同期の収入はありません)、長期借入れによる収入1,000百万円(前年同期の収入はありません)、短期借入れによる収入400百万円(前年同期は242百万円)であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.総販売金額に対する割合が10%以上を超える相手先はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(売上収益)
売上収益は28,738百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。これは主に定期購読の雑誌「ハルメク」の読者数が50万人と大きく過去最高を更新し、更に通信販売も新聞広告や自社ECサイトを通じて顧客数を増やしたことによるものです。
(売上原価・売上総利益)
売上収益の増加により、売上原価は12,600百万円(前連結会計年度比15.1%増)となり、売上総利益は16,138百万円(前連結会計年度比12.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)
広告宣伝費が642百万円増加したこと、従業員給付費用が458百万円増加したことなどから、販売費及び一般管理費は14,096百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。その他の収益は18百万円(前連結会計年度比67.4%減)、その他の費用は28百万円(前連結会計年度比22.7%減)となり、営業利益は2,030百万円(前連結会計年度比49.5%増)となりました。
(金融収益・金融費用・税引前利益)
金融収益は0百万円(前連結会計年度比2.3%増)、金融費用は166百万円(前連結会計年度比10.7%減)となりました。
以上の結果、税引前利益は1,864百万円(前連結会計年度比59.0%増)となりました。
(法人所得税費用・親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は615百万円(前連結会計年度比63.4%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,248百万円(前連結会計年度比56.8%増)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
なお、セグメントごとの売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。
[ハルメク事業]
当連結会計年度においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りに加え、TV放映の後押しも受け、雑誌「ハルメク」の読者数を大きく伸ばしたこと、通販コアバリューに沿った、ライフスタイル提案としての商品提供が進んだこと、個別商品の新聞広告により読者以外の顧客獲得も大きく伸長したことなどから、売上を大きく伸ばすことができました。また販売費及び一般管理費についても、値上げ局面のなかで適切に抑制できたことにより、セグメント利益につきましても大幅に増加しております。
以上の結果、売上収益は22,056百万円(前年同期比3,277百万円増、17.5%増)、セグメント利益は1,448百万円(前年同期比681百万円増、88.8%増)となりました。
[全国通販事業]
当連結会計年度においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたことと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、顧客数は順調に増加し、売上も伸ばすことができました。一方、今後の事業成長に向け、新規顧客獲得に向けた新聞広告投資を進めたことから、セグメント利益は前年同期比で減少しております。
以上の結果、売上収益は7,007百万円(前年同期比250百万円増、3.7%増)、セグメント利益は87百万円(前年同期比10百万円減、10.3%減)となりました。
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」及び「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品仕入れ代金、用紙等仕入れ代金、人件費等であります。資金の流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達することを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段の方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、読者数と顧客数を経営指標として重視しております。読者数を重視する理由は、雑誌「ハルメク」の読者は、ハルメクの世界観に共感して頂いている非常にロイヤリティが高いお客様であり、「物販」「コミュニティ」といった他事業とのクロスセル率が高い、もしくは、今後、そういったお客様になって頂ける可能性が高い、非常に重要なお客様であるためであります。顧客数を重視する理由は、当社の経営理念である「50代からの女性がよりよく生きることを応援します」であるのですが、顧客数は「実際に応援できている50代からの女性の人数」を表しているものであるためであります。
各指標の実績等は以下のとおりであります。
読者数は、顧客のインサイトに基づくコンテンツの絶え間ない磨き上げ及びマーケティング手法の開拓、PRの強化により堅調に推移していると認識しております。
顧客数についても、全国通販事業の構造改革により、2020年3月期に減少したものの回復傾向にあり、ハルメク事業は読者数及び新聞単品外販の好調により、堅調に推移していると認識しております。