ジャパンクラフトホールディングス株式会社

上場日 (2022-01-04)  小売業生活雑貨スタンダードTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E36969 

売上高

169.9億 円

前期

157.1億 円

前期比

108.2%

時価総額

48.8億 円

株価

160 (04/23)

発行済株式数

30,501,680

EPS(実績)

-107.65 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

538.6万 円

前期

482.7万 円

前期比

111.6%

平均年齢(勤続年数)

39.7歳(15.1年)

従業員数

194人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当連結会計年度において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が営む事業の内容について、「出版・教育事業」が新たに加わりました。これは、2022年7月1日を効力発生日とする株式交換による日本ヴォーグ社の完全子会社化にともない、日本ヴォーグ社及び日本ヴォーグ社の子会社であるヴォーグ学園を連結の範囲に含めたことによるものであります。この結果、当社グループは、当社及び子会社3社によって構成されることとなりました。これに伴う報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

23/09/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①  財政状態及び経営成績の状況

イ.経営成績

当連結会計年度(2022年7月1日から2023年6月30日まで)におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが季節性インフルエンザと同様に5類指定に移行したことにより、経済活動への制限はほぼ解消され、インバウンド需要も回復に向かうなど、経済活動は徐々に正常化に進んでおります。一方でロシア・ウクライナ情勢、エネルギーコストや原材料の高騰など経済活動へ影響を与える事象は長期化しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが属する手芸業界及び出版業界においても、原材料価格の高騰によるコスト上昇に加え、趣味の多様化、愛好者の高齢化による手芸人口の減少、一部では手芸コーナーの充実を図る百円ショップとの競合激化など、経営環境は一層厳しさを増しております。

このような状況のなか当社グループは、中期経営計画において成長の3本柱に掲げた、①事業力強化、②M&A・アライアンス推進、③経営体質の強化に努めてまいりました。

事業力強化では、エリア戦略に基づいた藤久の店舗網再編により、北海道・東北地区1店舗、関東地区1店舗、中部地区3店舗、近畿地区1店舗、中国・四国地区1店舗、九州・沖縄地区2店舗の合計9店舗を新規に出店し、不採算店舗である北海道・東北地区9店舗、関東地区17店舗、中部地区16店舗、近畿地区7店舗、中国・四国地区7店舗、九州・沖縄地区4店舗の合計60店舗を閉鎖しました。これらにより、当連結会計年度末の藤久の店舗数は318店舗となりました。M&A・アライアンス推進では、2022年7月に手芸業界屈指の出版・教育事業を有する日本ヴォーグ社を完全子会社化し、ソーイング定期刊行誌の発売など新規顧客獲得、新たな商品・サービスの充実に取組んでまいりました。経営体質の強化では、成長性と効率性を両立し、持続的に成長できる企業体質の確立に向けた販売管理費の見直しによるコスト適正化と、将来に向けたDX投資を進めてまいりました。

これらの結果、当連結会計年度における経営成績は売上高169億93百万円(前年同期比8.2%増)、営業損失20億85百万円(前連結会計年度は21億74百万円の営業損失)、経常損失21億49百万円(前連結会計年度は21億54百万円の経常損失)となりました。収益性の低下に伴う減損損失9億10百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は32億83百万円(前連結会計年度は26億92百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

なお、当連結会計年度より、新たに出版・教育事業を行う日本ヴォーグ社及びヴォーグ学園がグループに加わったことから、報告セグメントに出版・教育事業を追加しております。セグメント別の業績は、次のとおりです。

 

(小売事業)

小売事業では、「クラフトハートトーカイ」ブランドを中心とした店舗とECにおいて様々な施策に取組んでまいりました。商品戦略として店舗、ECともにトレンド生地の取扱いを強化し、一部店舗では売場改装を実施し、店内レイアウトを生地中心にソーイング関連を一層充実させた売場構成に見直しました。日本ヴォーグ社と共同企画した定期刊行誌『CRA-SEW』(クラソウ)では、ソーイング初心者の方でも分かり易く、材料の購入から作り方まで総合的にサポートする提案を強化しました。加えて、新ビジネス領域への挑戦として、当社主要顧客層の関心が高い「美・健康」に関する商品・サービスの開発に取組み、第1弾となる「手芸と眠り」に関する新たな商品として枕などの取扱いを開始しました。一部店舗では、枕の中身をカスタマイズし、お気に入りの生地でカバーを作る手づくり枕の講習会をスタートしました。商品・サービス拡充として、ヴォーグ学園の著名講師の講習が店舗の大型モニターを見ながらライブ配信で受講できる「ヴォーグ学園オンラインレッスン」を約100店舗で開講し、3カ月単位の定期講習に加え、初めての方も気軽に参加いただけるよう1回完結型の1dayレッスンなど講習プログラムの拡充を図りました。ワークショップでは、エポック社のシルバニアファミリーの手づくり衣装を季節に合わせて作る作品が人気で、年間で約16万名のお客様にご参加いただきました。EC強化では、店舗とECが一体化したシームレスな購入環境の実現に向け、ECサイトをリニューアルオープンしました。サイトリニューアルにより店舗とECの相互送客を図るため店舗受取やSNSとの連携を強化するとともに、「手芸と眠り」の商品取扱いを開始するなどコンテンツを充実させることでさらなる顧客流入を図りました。

これらの結果、小売事業の売上高は137億13百万円、営業損失は17億60百万円となりました。

(出版・教育事業)

出版・教育事業では、日本ヴォーグ社とヴォーグ学園を中心に様々な施策に取組んでまいりました。藤久と共同企画した定期刊行誌『CRA-SEW』(クラソウ)では、vol.5まで発売し、定期購読者数は14,000件を超えました。著名講師の講座が自宅で動画により受講できるオンラインのハンドメイドレッスン『CRAFTING』では、レッスン動画のみでの販売やLINEでの質問対応を開始するなどリニューアルしました。ソーイングや編み物、トールペイントなど1,200種類以上の講座の受講が可能で、多くの方に会員登録いただきました。ヴォーグ学園では、新型コロナウイルス感染症の5類への移行もあり、月間の延べ受講生数が1万名を超えるなど順調に回復しております。これまで教室での受講に加え、オンラインでも受講できるハイブリッド方式の講習を開催し、人気作家による出版記念セミナー等のテーマで多くの方に受講いただきました。

これらの結果、出版・教育事業の売上高は33億85百万円、営業利益は4百万円となりました。

 

ロ.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ25億19百万円増加し、127億12百万円となりました。流動資産は6億29百万円増加し、81億57百万円となりました。流動資産の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、現金及び預金7億52百万円が増加したことによるものであります。固定資産は18億89百万円増加し、45億55百万円となりました。固定資産の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、建物及び構築物(純額)が6億7百万円、土地が17億83百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ37億22百万円増加し、76億85百万円となりました。流動負債は18億59百万円増加し、50億12百万円となりました。流動負債の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、短期借入金が4億30百万円、1年内返済予定の長期借入金が3億35百万円、契約負債が3億48百万円増加したことによるものであります。固定負債は18億62百万円増加し、26億72百万円となりました。固定負債の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、長期借入金が9億41百万円、退職給付に係る負債が3億77百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12億3百万円減少し、50億26百万円となりました。純資産の減少は、主に利益剰余金が32億83百万円減少したものの、日本ヴォーグ社との株式交換により資本剰余金が20億79百万円増加したことによるものであります。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、株式交換に伴う現金及び現金同等物の増加額14億93百万円額を含め、当連結会計年度末には20億57百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、8億82百万円(前年同期は使用した資金23億33百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失31億54百万円、減損損失9億10百万円及び棚卸資産の減少8億89百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、7億30百万円(前年同期は使用した資金3億5百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億61百万円及び無形固定資産の取得による支出1億46百万円がありましたが、有形固定資産の売却による収入9億18百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、6億14百万円(前年同期は使用した資金2億93百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出5億99百万円によるものであります。

③  仕入及び販売の実績

当連結会計年度における仕入及び販売の状況は、次のとおりであります。

イ.生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年7月1日

至  2023年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

小売事業

出版・教育事業

657,821

合計

657,821

ロ.仕入実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年7月1日

至  2023年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

小売事業

5,093,112

75.5

出版・教育事業

796,114

合計

5,889,227

87.3

ハ.販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年7月1日

至  2023年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

小売事業

13,707,773

87.2

出版・教育事業

3,286,147

合計

16,993,920

108.2

(注)1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

2 当社は、2022年1月4日に単独株式移転により藤久の完全親会社として設立されましたので、前年同期との対比については、藤久の経営成績等を引き継いで作成しております。また、当連結会計年度より、新たに出版・教育事業を行う日本ヴォーグ社及びヴォーグ学園がグループに加わったことから、報告セグメントに出版・教育事業を追加しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①  財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績

コロナ禍から経済活動正常化が進むなか、消費者物価上昇による必要品以外における消費選別の強まりを受け、想定以上の客数減少により、当連結会計年度の売上高は169億93百万円(前年同期比8.2%増)となりました。売上高の増加の要因は、日本ヴォーグ社及びヴォーグ学園の子会社化によるものであります。営業損失は20億85百万円(前連結会計年度は21億74百92万円の営業損失)、経常損失は21億49百万円(前連結会計年度は21億54百80万円の経常損失)となりました。収益性の低下に伴う減損損失9億10百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は32億83百万円(前連結会計年度26億92百53万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

ロ.財政状態

当連結会計年度の財政状態の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。

②  キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、商品仕入、人件費等の販売費及び一般管理費であり、設備投資需要のうち主なものは、新規店舗出店に伴う建物及び什器、備品の取得等であります。このような資金需要に対しましては、自己資金で充当しております。なお、資金の流動性に関しては、当社を借入人として運転資金を安定的かつ機動的に調達することを目的としたタームアウト型コミットメントライン契約(貸付極度額29億円)を2023年2月24日に締結(当連結会計年度末における借入実行残高なし。)しております。

③  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

④  経営上の目標を達成するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値を高め継続的に利益が出せる企業体質にしていくことが重要な課題であると認識し、中期経営計画を策定しており、2024年6月期の目標数値は売上高180億円、営業損失15.5億円、営業利益率は△8.6%、2025年6月期は売上高180億円、営業利益3億円、営業利益率は1.7%であります。

今後は、中期経営計画において掲げた3つの経営戦略(①事業力強化、②M&A・アライアンス推進、③経営体質強化)を着実に実行することでこの指標を達成できるよう、取組んでまいります。