E03294 Japan GAAP
前期
356.1億 円
前期比
131.3%
株価
792 (07/12)
発行済株式数
19,050,064
EPS(実績)
84.04 円
PER(実績)
9.42 倍
前期
673.0万 円
前期比
112.9%
平均年齢(勤続年数)
50.9歳(7.1年)
従業員数
16人(連結:646人)
当社グループ(当社及びその関係会社)は、当社、連結子会社13社、持分法適用関連会社3社及びその他の関係会社1社で構成されております。
2024年3月31日時点において当社グループの主な事業内容は次のとおりです。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
また、2025年3月期より、持ち帰り弁当事業を中食事業と名称変更しております。
セグメントの名称 |
主な事業内容 |
持ち帰り弁当事業 ※2025年3月期より 中食事業に名称変更 |
・「ほっかほっか亭」店舗のフランチャイズチェーンシステム展開
・弁当・惣菜製造販売
・食材等の提供
・ケータリングサービス |
店舗アセット& ソリューション事業 |
・店舗リース等、店舗運営事業者向けソリューション
・店舗不動産の価値向上および販売
・人材採用ソリューション
・IT経営ソリューション
・パーティー・イベント用品レンタル |
物流・食品加工事業 |
・物流センターの運営、企業向け物流等
・食品加工
・製菓製造
・卸販売 |
以上の事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
<事業系統図>
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの分類変更に伴う社会経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要が持ち直し景気は緩やかな回復基調にありました。一方で、長期化するウクライナ情勢を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰に伴う物価上昇に加え、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが国内経済にも影響を及ぼすリスクになるなど、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。このような環境下において当社グループでは、それぞれの事業の自立化を推進し、多様性、環境適応性及び成長性を兼ね備えた「自己変革型企業群」の方針を引き続き重視し、売上・利益の確保に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。
売上高467億61百万円(前年同期比31.3%増)、営業利益24億36百万円(前年同期比66.8%増)、経常利益25億88百万円(前年同期比63.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億1百万円(前年同期比52.8%増)となりました。
イ. 持ち帰り弁当事業
持ち帰り弁当事業においては、「つくりたてを、‛さらに’速く。」を謳う「ほっかほっか亭」を展開するほか、各種パーティー・イベント・セレモニー等の需要にお応えする仕出料理の展開まで、幅広い食シーンにお応えする事業を行っております。当連結会計年度においては、エネルギー価格や原材料価格が高騰しつづける一方で、価格転嫁も順調に推移し、スポーツや音楽イベントなどの外販営業も売上を牽引したほか、ケータリング需要も大幅な回復を見せました。
「ほっかほっか亭」では「牛すき焼弁当」や「中華あんかけシリーズ」など毎年ご好評いただく季節メニューを発売したほか、「ヤンニョムビビンバ弁当」や「塩唐揚」、「南蛮高菜弁当」など、若年層や新規顧客をターゲットに据えた商品を新たに発売し、大変ご好評をいただきました。
デジタル販促面では、公式SNS(Ⅹ・Instagram・LINE)においてフォロワー獲得施策を積極的に実施し年間25万人のフォロワーを獲得する着地となりました。また、2023年7月にリニューアルした自社アプリ「ほっかアプリ」ではお得なクーポンの配信、事前注文及びオンライン決済が可能な「モバイルオーダー」機能を搭載し順調に会員数も伸長しております。デリバリーサービスの「Uber Eats」、「出前館」においてもエリア拡大と共に導入を進め、売上も引き続き伸長しております。デジタル販促と併行して店頭では初の試みとなるレシートクーポンや、スクラッチくじキャンペーンも実施し来店誘引へと繋げてまいりました。
仕出料理事業では、ケータリング部門の売上が大幅に増加し、コロナ禍以前と同等水準にまで回復してきており、今後も引き続き新規案件獲得の営業を強化することでますます売上が伸長する予定です。
ケータリング部門においては、大型パーティー案件の需要回復が目立ちました。昨年から伸びてきているECサイトは継続して購入いただいているリピーター層に加えて新規顧客も獲得できており売上は順調な推移を維持しております。今後もEコマース強化を図り、当該市場における残存者利益の獲得に努めてまいります。
セレモニー部門についても微増ではあるものの回復の兆しが見受けられます。
その結果、持ち帰り弁当事業の売上高168億87百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益2億59百万円(前年同期比0.5%増)となりました
ロ. 店舗アセット&ソリューション事業
店舗アセット&ソリューション事業にて展開するビジネスを下記ア.~エ.の4つに分け記載いたします。
ア.店舗リースや店舗工事・人材紹介など、飲食店等の店舗運営事業者向けソリューション(店舗ビジネス)
イ.店舗リーシング等による商業用不動産バリューアップ、投資機会の提供(店舗不動産ビジネス)
ウ.洋菓子店やベーカリーの運営・経営を改善するIT経営ソリューション
エ.パーティー・イベント用品レンタル
当連結会計年度においては、経済活動の正常化が進み、円安を背景にインバウンドの回復もあり、飲食店などサービス業にとっては需要回復の年となりました。一方で原材料費・光熱費・人件費が高騰し、サービス業の経営は採算面では厳しく、競争力・価格転嫁力の乏しい既存店が退店する一方で当該店舗物件に魅力・成長力ある新店舗が出店する入れ替わりが数多く見受けられました。
<ア.店舗ビジネスの活動>
高い資本収益性を誇る店舗リースに関して、積極的投資方針のもと、飲食店を中心顧客層に、出店需要の高い優良物件を仕入れるために既存取引先の退店動向把握及びSNS媒体活用により積極的に退店情報を入手しました。退店した後の店舗内装設備を撤去せずに居抜き利活用することにより、社会的には設備廃棄ロス削減、経済的には原状回復費用と改装工事期間の圧縮効果が得られます。そして店舗物件のプロとして遵法性チェックを行い、店舗運営のコンサルタントとして「人(人材紹介)・モノ(店舗物件)・カネ(内装設備・差入保証金に関する財務支援)・情報」の多面的ソリューションを店舗運営事業者に提案してまいりました。結果、店舗リース取引店舗数は、前連結会計年度末より19店純増し、829店となりました。この基盤は店舗リース取引のストック収益源泉であると共に、店舗工事や人材紹介など複合取引機会の源泉にもなります。
サービス業における人材不足問題へのソリューションとなる人材紹介ビジネスに関しては、「他では会えない、外国人材と出会う」特定技能外国人材就労支援サービス「ヴイタウン」(VUI TOWN=楽しい街)を運営し、また特定技能外国人材を受け入れる企業の成長を見据えた採用計画と定着・育成に関するコンサルティング活動に注力しました。さらに今後一層の就労支援及び人材紹介パイプライン強化を図るため、現地(東南アジア)での日本語教育体制整備に向けた取り組みも始めました。
<イ.店舗不動産ビジネスの活動>
店舗ビジネスの強みと金融・不動産・建築の知識・スキルを融合し、所有、又は管理受託するビルのリーシングにより稼働店舗数を増やす活動に注力し、仕入れた不動産を稼働率向上・遵法性工事等によりバリューアップする活動に注力しました。結果、不動産管理テナント数は前連結会計年度末より25店純増し、141店となりました。
店舗不動産ビジネスにおいて、所有不動産の稼働建物棟数は15棟、不動産アセットマネジメント対象の稼働建物棟数は7棟となりました。この基盤は賃貸事業収益・アセットマネジメント報酬・プロパティマネジメント報酬をもたらすストック収益源泉であると共に、所有不動産はバリューアップして販売する際にフロー収益を生む源泉にもなります。当連結会計年度における不動産引渡し実績は3物件(東京都港区2物件及び東京都武蔵野市1物件)であり、大型物件が含まれることから不動産売上高及び売却粗利益は前連結会計年度を上回り、増収増益に貢献しました。また来年度収益に向けて、所有不動産のバリューアップに努めるほか、2023年12月には名古屋市の中心商業エリア「栄三丁目」の地上10階建て商業ビルを取得し、開発ファンドにおいて建物竣工に至った神奈川県厚木市「本厚木駅前」の地上12階建て商業ビルを賃貸事業用に2024年2月に取得しました。
<ウ.IT経営ソリューションビジネスの活動>
洋菓子業界を中心顧客層に、予約管理による店舗運営業務改善及び、売上・顧客データ分析による販売促進・経営改善のニーズに応えるニッチトップのPOSレジシステム「ninapos」と、その専用カート「ニナカート」のソフト開発・提供を行っております。有名店での導入が多く、そこで修業した次世代のパティシエが独立時に利用する好循環もあり「ninapos」導入店は1千店を超え、一定規模を上回る洋菓子店の約3分の1のシェアを誇ります。
アフターフォローを通じた信頼関係構築に定評があり、導入企業の取引継続率は直近で年99.7%と高い水準です。さらに成長戦略として、店舗運営・経営改善に寄与するこのシステムを洋菓子業界のみならずベーカリー業界にも導入展開する市場開拓の取り組みや、POSデータをビッグデータとして集積・有効活用するコンサルティングサービス拡充の取り組みを推進しました。
<エ.パーティー・イベント用品レンタルの活動>
当連結会計年度においては各種パーティーやイベントの復活に伴い、食器レンタル市場も回復傾向にあり、売上も順調に推移しました。また業務効率の改善にも注力し、収益増加も実現しております。今後も引き続きホテル、ケータリング関連の大型イベントの需要が高まることが想定されるため、商品構成や市場の分析、適切な商品への投資、業務の効率化への注力を一層強化し、更なる需要に対応できるよう準備を進めております。
その結果、店舗アセット&ソリューション事業の売上高157億64百万円(前年同期比33.1%増)、営業利益19億56百万円(前年同期比15.6%増)となりました。
|
2021年3月末 |
2022年3月末 |
2023年3月末① |
2024年3月末② |
②-① |
(ア)店舗リース 取引店舗数(店) |
754 |
757 |
810 |
829 |
19 |
(イ)不動産管理 テナント数(店) |
56 |
80 |
116 |
141 |
25 |
(ア)+(イ) 稼働店舗数(店) |
810 |
837 |
926 |
970 |
44 |
ハ. 物流・食品加工事業
物流・食品加工事業においては、ほっかほっか亭店舗へ導入する食品の加工やスーパー、コンビニエンスストアからのOEM製造受託をはじめとしたカミッサリー事業と商材や食材などの配送を担う物流事業のほか、ピーナッツやドライフルーツなどの菓子製造事業や卸販売事業を行っております。
当連結会計年度においては、物流業務の拡大、カミッサリーのフル稼働、新規事業への挑戦を目標に掲げて取り組んで参りました。物流部門としては、受発注管理・在庫管理等のセンター運用、基地間輸送や店舗配送、物品の積み下ろし・入庫・出庫・仕分・保管等の荷役と、あらゆる業務を請け負って効率化・最適化を実現し、着実に信頼と実績を積み重ねております。また、運送業における「2024年問題」にもいち早く対策を導入しており、課題解決の体制も既に整っております。カミッサリー部門では、スーパーやコンビニエンスストア等約20社に向けたOEM製品、他にスポットとして40社以上の取引先向けの鶏肉製品を営業部門との強力な連携により計画的に製造し、高い稼働率を維持しております。
また、新規事業として、唐揚等自社製品の新たなフレーバーとして、全国各地のご当地食材や特産品、季節感のある食材、又は話題性のある食材等を使用して開発を進め、多種多様なアイデアや切り口でプロモーションを実施し、売上拡大に寄与しました。
菓子製造部門については、依然として販売好調な定番商品が売上を牽引し、他商品の導入も併せて同時に決定するなど、順調に導入店舗数、受注数が伸長しており、スーパーやドラッグストアを中心に売上は好調な推移を維持しております。また、外国人観光客の増加がインバウンド商品の需要に繋がり、コロナ禍以前の売上規模に戻りつつあり、PB商品の開発依頼も増加し、今後の更なる売上向上への好材料となっております。
人気商品である「干し芋(茨城県産)」は主要得意先である高級スーパーを中心に、年間を通して売上が伸長しました。また、為替の円安、輸送運賃、エネルギー等による輸入原材料の高騰が続くなか、こちらも主力商品の「千葉県産落花生」は原料価格が若干下がったことで、原価率の通年計画はその水準を維持しております。
その結果、物流・食品加工事業は、売上高164億99百万円(前年同期比77.8%増)、営業利益6億73百万円(前年同期比216.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ28億36百万円増加し、142億10百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は70億8百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益23億91百万円、減価償却費11億57百万円及び販売用不動産である棚卸資産の減少額26億55百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は61億53百万円となりました。これは主に、固定資産の取得による支出68億円及び投資有価証券の売却による収入9億13百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は19億81百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入71億10百万円、借入金の返済による支出46億7百万円、配当金の支払額3億31百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
持ち帰り弁当事業 |
8,842 |
99.6 |
店舗アセット&ソリューション事業 |
4,371 |
254.5 |
物流・食品加工事業 |
10,073 |
196.1 |
合計 |
23,288 |
148.0 |
(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績(外部顧客への売上高)をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
持ち帰り弁当事業 |
16,794 |
100.6 |
店舗アセット&ソリューション事業 |
15,428 |
133.9 |
物流・食品加工事業 |
14,538 |
196.4 |
小計 |
46,761 |
131.3 |
調整額(消去及び全社) |
- |
- |
合計 |
46,761 |
131.3 |
(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は前連結会計年度に比べ111億47百万円(31.3%)増加し467億61百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ9億75百万円(66.8%)増加し24億36百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ10億9百万円(63.9%)増加し25億88百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ5億53百万円(52.8%)増加し16億1百万円の結果となり、増収増益となりました。
上記のほか、当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
グループ全体経営と事業経営を分離し、事業会社の運営責任及び事業責任を明確化することで、不透明さが増す未来において、新しい価値創造を続けていくために、当社グループは環境適応能力と成長性を兼ね備えた事業連合体「自己変革型企業群」を目指してまいります。