売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03310 Japan GAAP

売上高

363.4億 円

前期

337.4億 円

前期比

107.7%

時価総額

374.9億 円

株価

2,564 (07/12)

発行済株式数

14,620,000

EPS(実績)

93.14 円

PER(実績)

27.53 倍

平均給与

599.4万 円

前期

568.1万 円

前期比

105.5%

平均年齢(勤続年数)

42.0歳(13.0年)

従業員数

539人(連結:547人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社4社及び関連会社3社により構成されており、鮮魚、寿司の小売及び飲食並びに卸売を主たる事業としております。

 なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であり、「その他」は報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。

小売事業   当社の事業の中核である小売事業は、首都圏の駅ビル、百貨店、スーパーを中心にテナントとして出店し、一般消費者に対して鮮魚・寿司の販売をしております。

鮮魚につきましては、豊洲市場はもとより産地からも直送した新鮮な生魚を中心に、平均的な店舗で常時平均200~300アイテムの品揃えで、鮮度と値ごろ感をアピールした販売を行っております。

また、寿司につきましては、セット寿司を中心としたテイクアウト販売を行っております。

関連会社の株式会社最上鮮魚においては、九州地区のスーパーマーケットを中心にテナントとして出店しており、鮮魚、寿司の販売を行っております。

また、CP-Uoriki Co.,Ltd.においては、タイ国内の大型ショッピングモールなどにテナントとして出店し、鮮魚、寿司を販売しております。

飲食事業   当社の飲食事業はテイクアウト寿司で蓄積した商品ノウハウをもとに、飲食店を展開しております。タイプとしては寿司飲食店、海鮮居酒屋及び魚介類メインの飲食店を運営しております。

卸売事業   魚力商事株式会社の卸売事業は食品スーパー、地方荷受業者、飲食店、その他国内外の商社等へ商品を販売しております。なお、Uoriki America Inc.は事業活動を停止しており、Uoriki Seafoods,LLC及び日本フィッシャリーサポート株式会社については、解散決議が行われており清算手続中であります。

その他    当社においてテナント事業を行っております。

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/06/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

イ.経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、コロナ禍明け後の対面型サービスの需要回復は一巡したものの、インバウンド需要の増加や雇用・賃金の増加を受け個人消費、また、好調な企業収益などを背景とした設備投資を起点に緩やかに回復いたしました。しかしながら、一方で、物価上昇による消費マインドの低下や円安、一部の業種におけるコスト増加による企業業績の悪化、中国経済の減速など、景気下振れ要因が多く見られます。収束を見通せないウクライナ情勢や中東情勢は景気の先行きに関する不透明感を濃くしております。

水産業界におきましては、地球的規模で地上からの供給に代わるタンパク質の供給源として、また、国内外において拡がる健康志向などから、養殖業を含む水産業、また、水産物に対する注目度は高まっております。しかしながら、海外で高まる水産物需要・わが国では地球温暖化が原因とも言われる不漁による魚価高騰、物流をはじめとする諸コスト増大など、当社を取り巻く経営環境はたいへん厳しい状況にあります。

このような経営環境の中、当社グループにおきましては、中期経営計画(2021-2023年度)の下、チャレンジ(SDGsへの取組み、日本の食文化の世界への普及など)、仕入・販売、人材、財務といった各事業分野における基本戦略に取り組んでまいりました。

このような中、通期の既存店売上高が前年を上回りましたが、これは本格的な物価上昇への順応、雇用情勢改善・賃金上昇による消費者の消費マインド、購買力の高まりによるところが大きいと考えております。

なお、2023年8月末より定期的に行われている東京電力福島第一原子力発電所処理水放出について、現状では業績への影響は限定的であり、引き続き推移を注視してまいります。

この間、小売事業で6店舗を出店する一方、6店舗を退店し、当連結会計年度末の営業店舗数は92店舗となりました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は363億44百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は15億82百万円(前年同期比45.6%増)、経常利益は20億39百万円(前年同期比43.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億61百万円(前年同期比69.6%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

<小売事業>

小売事業では、新たなバイイングパワーの構築に力を注ぎ、魚種の豊富さや旬を意識した仕入れを行い、鮮魚専門店ならではのにぎわいのある売り場作りを実施いたしました。また、商品に付加価値をつけ差別化を図るとともに、特に生ネタ寿司の販売を強化いたしました。一方で、仕入・物流コストの増加に加え賃上げによる人件費の増加に対応するため、店舗ごとの新たな繁閑状況に応じた人員配置の下、作業オペレーションの統一化など運営の一層の効率化、資材の絞り込みなど徹底したコスト削減に取り組みました。また、いわゆる2024年問題に備え、配送ルートの組み換えや積載効率の向上による減車など配送コストの削減に取り組みました。

 

新店は、2023年4月に各線蒲田駅に隣接する「グランデュオ蒲田西館」内に「グランデュオ蒲田西館店」(東京都大田区)、7月に首都高5号池袋線浦和南料金所南方、新大宮バイパス沿いの「ロヂャース戸田店」内に「魚力市場戸田店」(埼玉県戸田市)、東武スカイツリーライン草加駅の西方、県道103号線沿いの「ロヂャース川口店」内に「魚力市場川口店」(埼玉県川口市)、東武アーバンパークライン大和田駅付近の「ロヂャースマート大和田店」に「魚力市場大和田店」(埼玉県さいたま市)、9月にJR稲毛海岸駅前の「イオンマリンピアショッピングセンター本館」内に「マリンピア稲毛海岸店」(千葉県千葉市)、12月に各線新横浜駅に隣接する「キュービックプラザ新横浜」内に「魚力海鮮寿司新横浜店」(横浜市港北区)を開店しております。一方、限られた経営資源の効率的な活用を図るため、2023年6月に「魚力海鮮寿司津田沼店」(千葉県習志野市)、8月に「鎌取店」(千葉県千葉市)、2024年1月に「海鮮魚力国分寺店」(東京都国分寺市)、「かげん町田店」(東京都町田市)、「一宮店」(愛知県一宮市)、2月に「鴻巣店」(埼玉県鴻巣市)を退店しております。

この結果、売上高は307億21百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益は17億31百万円(前年同期比50.0%増)となりました。

<飲食事業>

飲食事業では、2022年3月期より、各店について店舗運営を担当する店舗管理者とメニュー・調理を担当するシェフとの役割分担を明確化するなど店舗オペレーションの見直しや物流の合理化を含む構造改革に取り組んでおります。このような中、コロナ禍の収束等による来店客数の増加が後押しとなり、売上高は前年に比べ増加いたしました。一方で人件費の増加や水道光熱費をはじめ店舗運営コストの増加が営業利益を圧迫していますが、前年に比べマイナス幅を大きく減らしております。

この結果、売上高は14億11百万円(前年同期比15.1%増)、営業損失は12百万円(前年同期は営業損失56百万円)となりました。

<卸売事業>

卸売事業では、子会社の魚力商事株式会社が、米国において既存取引先への販売、また、アジアにおいて新規取引先の開拓に取り組んでおりますところ、2023年5月に設立した合弁会社のCP-Uoriki Co.,Ltd.が、10月から2024年3月までにバンコク市内を中心にタイ国内の大型ショッピングモールなどに鮮魚と寿司の小売店舗を7店舗オープンしたことから、これら店舗向けの輸出を行っております。一方で新型コロナウイルス感染症への対応の影響が残り、米国既存取引先での一時的な需要の落ち込みがあり、売上高が前年を下回りました。国内ではスーパーマーケット、地方荷受向けなど売上を伸ばしております。

この結果、グループ全体の卸売事業の売上高は41億46百万円(前年同期比9.2%減)、営業利益は1億20百万円(前年同期比27.7%減)となりました。

 

ロ.財政状態

当連結会計年度末の当社グループの財政状態は次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は129億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億38百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が9億73百万円、売掛金が6億31百万円増加したことによるものであります。固定資産は84億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億71百万円増加いたしました。これは主に投資その他の資産のその他に含まれる関係会社株式が66百万円、投資有価証券が44百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は、213億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億9百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は38億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億17百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が2億32百万円、賞与引当金が1億60百万円、支払手形及び買掛金が1億60百万円増加したことによるものであります。固定負債は3億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ25百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債が43百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は、41億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億92百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は172億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億17百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が6億91百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は80.6%(前連結会計年度末は82.9%)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ9億77百万円増加(前年同期比12.0%増)し、当連結会計年度末には90億89百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、19億25百万円の収入(前年同期は11億2百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益18億95百万円であり、主なマイナス要因は、売上債権の増加額6億31百万円であります。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、2億88百万円の支出(前年同期は7億20百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、投資有価証券の売却による収入39億22百万円であり、主なマイナス要因は、投資有価証券の取得による支出39億77百万円であります。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、6億69百万円の支出(前年同期は7億53百万円の支出)となりました。主なマイナス要因は、配当金の支払額6億69百万円であります。

 

③仕入及び販売の実績

イ.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

小売事業(千円)

17,380,072

108.2

飲食事業(千円)

467,144

109.0

卸売事業(千円)

3,803,387

91.5

報告セグメント計(千円)

21,650,605

104.8

その他(千円)

合計(千円)

21,650,605

104.8

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

ロ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

小売事業(千円)

30,721,993

110.2

飲食事業(千円)

1,411,872

115.1

卸売事業(千円)

4,146,124

90.8

報告セグメント計(千円)

36,279,990

107.7

その他(千円)

64,868

101.0

合計(千円)

36,344,859

107.7

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

イ.経営成績

当連結会計年度の当社の売上高は、既存店売上高が計画を上回るとともに新規出店をおこなったことから、卸売事業を手掛ける魚力商事㈱において減収であったものの、2023年10月に公表した通期業績予想を上回りました。売上総利益率は当社、魚力商事㈱ともに前年を上回り、その結果売上総利益額は前年比で2桁の伸びとなりました。一方で販売管理費が前年度実績を上回りましたが、徹底したコスト削減努力により上昇幅を抑えました。これらの結果、営業利益は前年度実績を大きく上回るとともに、2023年10月に公表した通期業績予想を上回る結果となりました。

当社では鮮魚等の小売事業が売上高、営業利益において重要な部分を占めておりますが、各店舗への集客が経営成績に重要な影響を与えます。供給量の減少、代替品(肉類)へのシフト、嗜好の変化などによる魚食の減少、魚資源の枯渇化の進行、海外における魚食普及に伴う魚価の高騰、物流をはじめとする諸コストの増大など、経営環境は厳しさを増しております。このような中、食品スーパー、コンビニエンスストア、ネット販売など異業態を含む競争に打ち勝つため、これまで以上に、鮮魚専門店ならではのノウハウや知見を活かし、「旬の生」商品の強化など顧客のニーズに対応した商品開発や品揃えに注力し活気ある売り場を提供するとともに、サービスレベルの向上を図ることが重要であります。また、売上原価の削減も重要な課題でありますが、当社は豊洲市場を拠点にチルド物流及び冷凍物流を一本化した物流網を2019年度において完成させました。バイイングパワーに裏打ちされた仕入力、効率的な物流力がこの課題に対応するための力となっております。

他方、パート・アルバイト社員はじめ人手不足の深刻化から際限なく出店を行える環境ではないため、出店先との交渉、既存店舗からの退店を含め、限られた経営資源を効率的に活用できる最適な店舗ポートフォリオ(筋肉体質の店舗網)の構築が重要であります。当連結会計年度において退店した6店舗のうち5店舗は、このような観点から退店したものです。不振店を退店することが利益の底上げにつながっておりますところ、次期においても引き続き筋肉体質の店舗網の構築に取り組んでまいります。

また、長年に亘り培ってきた各メーカーや生産者、豊洲市場の卸売業者、配送業者との強いリレーションを活かしサプライチェーンの維持、商品の調達に万全を期してまいります。そのうえで、バイイングパワー・情報力を活かした有利な仕入条件の獲得、物流体制の見直しをはじめ原価低減のための努力を行ってまいります。

 

セグメントごとの分析・検討内容は次のとおりであります。

<小売事業>

小売事業に関する分析・検討内容は上述のとおりでありますが、これらの事業を円滑かつ効率的に推進するため、2018年10月に開場した豊洲市場を新たな物流拠点と定め、グループとして物流の効率化に取り組んでおります。従来は豊洲市場を拠点とするチルド物流及び神奈川県内の冷凍倉庫を拠点とする冷凍物流の2本の物流ルートを利用しておりましたが、2019年度において豊洲市場を拠点にこれらを一本化いたしました。更に、ルートや頻度を含む最適化のための工夫を行っております。これらにより物流オペレーションの効率化、物流コストの削減が実現しております。

また、併せてグループ情報システムのレベルアップを図ってまいります。

<飲食事業>

飲食事業では、インバウンド需要の高まりによる客数の増加が追い風となり売上高は前期実績を上回りました。また、売上高販管費率が下がったことにより、前年に比べ営業損失を大きく減らしております。今後も水道光熱費をはじめ店舗運営コストの増加やタイトな人材需給の状況に対応するため、作業効率の向上、幹部・スタッフ含め人員配置の見直しなどにより労働生産性を追求し販売管理費を削減すること、また、隣接する当社鮮魚店との連携も取りながら仕入・配送を合理化し粗利益率を改善することなどにより営業利益の確保を図ってまいります。

また、「魚力鮨」「魚力寿司」といった寿司ブランドの浸透、確立をめざし、品質での差別化にも取り組んでまいります。

<卸売事業>

卸売事業では、魚力商事㈱に集約し国内外における販路の拡大に取り組んでおりますところ、新型コロナウイルス感染症への対応の影響が残り、米国既存取引先において一時的な需要の落ち込みが生じたため、売上高は前年実績を下回りました。販売管理費はタイ国向け輸出を開始しその費用が加わったことなどから前年実績と比較し増加いたしました。これらの結果、営業利益は前年度実績の概ね72%にとどまりました。

次期につきましては、国内において、オペレーションの合理化を含め食品スーパーや地方市場などとの取引の拡大、また、新規取引先の開拓に取り組んでまいります。海外卸売事業では、海外で高まる水産物需要に応え、米国既存取引先とのパートナーシップ強化・販売数量拡大、米国、タイをはじめとするアジアを中心に新たな販売先の開拓に注力してまいります。特に、CP-Uoriki Co.,Ltd.においてタイ国内に日本式の魚屋の店舗網構築を進めておりますところ、これらの店舗への商品供給が売上の伸長に貢献するものと期待しております。

 

 

ロ.財政状態

当連結会計年度末における当社グループの財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。

当社グループにおける資産及び負債のうち主なものは以下のとおりであります。

(資産)

主として小売事業におきまして、商業施設にテナントとして出店する際に必要となる預け金等を敷金及び保証金に、店舗に関わる内装・空調・衛生厨房設備等を有形固定資産に、店舗において販売された当社の商品代金(売上返還金)を売掛金に計上しております。

この他、報告セグメントに属さない資産として、余資運用資金(預金及び投資有価証券)を保有しております。

 

(負債)

主として小売事業におきまして、商品の購入費用を支払手形及び買掛金に、店舗の運営経費・設備投資に係る費用を未払金に計上しております。

当連結会計年度末における当社グループの流動比率(流動負債に対する流動資産の割合)は337.0%となっております。売上返還金を含む現金による収入がその多くを占める当社グループの業種特性と照らした場合、流動比率100%を超える一定の健全な水準を維持しているものと判断しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループにおける資金需要は、運転資金需要および設備投資資金需要であります。

・運転資金需要のうち主なものは、販売商品の購入費用、人件費、店舗賃借料及び店舗運営に関わる費用(テナント経費・水道光熱費・販売促進費等)であります。

・設備投資資金需要のうち主なものは、小売事業、飲食事業の新規店舗、改装店舗に関わる店舗内装・空調・衛生厨房設備等の販売拠点の拡充・整備のための資本的支出と、全社的なIT活用推進を図るための、本社・店舗間のネットワーク構築やセキュリティ対策等のシステム投資であります。

当社グループは、現在運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金でまかなう事を基本方針としております。

当社グループの出店は主にターミナル駅近隣の商業施設や郊外型ショッピングセンターなどへのテナント出店であるため、設備投資資金需要においても、通常、営業キャッシュ・フローにより対応することが可能であります。また、更なる成長力獲得のためのM&Aや資本提携を行う場合などにおいても、同様に内部資金を活用する考えであります。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は90億89百万円である一方、有利子負債残高は有しておらず、無借金経営政策を継続しております。

資金の手元流動性は十分に確保している状況であり、財務状況は健全であると認識しておりますが、不測の事態に備えるため、借入枠につきましては、金融機関2行との間に合計6億円の当座貸越契約を締結しております。

当社グループは健全な財政状態を維持しつつ、営業活動により得られるキャッシュ・フローから、成長を維持するための将来必要な資金を調達することが可能と考えております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りです。

(固定資産の減損)

当社は、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位とし、本社経費配賦後の店舗別営業損益等に基づき、営業損益等が継続してマイナスとなる場合等に減損の兆候があると判断しており、該当する各店舗の将来営業キャッシュ・フローを見積り、その合計額が固定資産の帳簿価額を下回る場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。

当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に与える影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に、また、当期において計上した減損損失につきましては、「注記事項(連結損益計算書関係)」にそれぞれ記載しております。