E02335 Japan GAAP
前期
111.3億 円
前期比
90.2%
株価
523 (05/02)
発行済株式数
14,200,000
EPS(実績)
-4.67 円
PER(実績)
--- 倍
前期
594.6万 円
前期比
109.2%
平均年齢(勤続年数)
48.6歳(18.8年)
従業員数
147人(連結:286人)
当社グループ(当社及び関係会社)は、当社、子会社6社及びその他の関係会社1社で構成されており、バランシングマシン、電気サーボモータ式試験機、材料試験機、シャフト歪自動矯正機、その他計測機器(巻線試験機、歯車かみ合い試験機及び地震計等)の製造販売及びサービスを主な事業としております。
(注) セグメントとの関連については、KOKUSAI Europe GmbH.及びThai Kokusai CO.,LTD.はセグメントの「その他」、当社及びその他の連結子会社は所在地と報告セグメントが同一であります。なお、その他の関係会社の松本繁興産株式会社はセグメントには含まれておりません。
バランシングマシンには、スタティック型(重量のバラツキを測定)とダイナミック型(遠心力のバラツキを測定)の2方式があり、当社グループの製造・販売するバランシングマシンのほぼ全てがダイナミック型のバランシングマシンであります。
モーターの回転子やエンジンあるいはタイヤのように高速で回転する物体は、わずかな重量のアンバランスがあっても、振動や騒音の原因となるだけではなく製品の寿命にも影響するため、品質管理上からもバランスの測定及び修正作業は生産工程上必要なものとなっております。しかも、その要求精度はますます厳しくなってきており、省エネ・低騒音とあわせて高性能化の方向へ向かっております。
バランシングマシンには、大別するとバランス測定を目的としたバランサー(汎用型やタイヤバランサー等)と、アンバランスの個所をカッターやドリル等で削ったり、パテや金属片等をプラスしたりして自動で修正を行うバランス自動修正装置(自動バランサー)の2種類があり、当社グループはこの両方を製造・販売しております。
バランシングマシンの用途は、高速で回転する全ての部品が対象となりますが、主な対象部品は次のとおりであります。
●自動車部品
・電装用モーター類(EVモーター、オルタネーター、スターター、ワイパー、ABS、エアコン、ウインドウ、フューエルポンプ等数十種類)
・エンジン系(クランクシャフト、フライホイール、プーリー、ターボチャージャー等)
・変速・駆動系(クラッチ、トルコン部品各種、プロペラシャフト等)
・足回り系(ブレーキディスク、ブレーキドラム、ホイール、タイヤ等)
●家電関係 掃除機、換気扇、ミキサー、エアコン、ハードディスク等の各種モーター
●OA関係 ハードディスク、レーザープリンター(ポリゴンミラー)、冷却用小型ファン等
●その他 各種産業機械、農機・建機、ターボファン、タービン、工作機械主軸類、
その他高速で回転する全ての部品
完成タイヤの主要試験項目には、バランス試験とユニフォーミティ試験(タイヤに所定の面圧をかけながら回転させ、タイヤの反発力のバラツキを計測する)の2項目があります。当社は、この2つの試験を1台の試験機で同時に計測できる複合機を開発し販売しております。さらに、時速120Km以上の実走状態で計測する高速型のインライン複合試験機(当社製品名H-UBマシン)の開発にも成功し、国内のみならず海外においても多くの販売実績を有しております。
自動車産業における素材・部品の材料・耐久試験から完成車の走行/振動試験まで、広範囲にわたる試験を全て高精度の電気サーボモータを採用し、自社開発の制御システム(特許取得済)で製品化した試験装置であります。従来の油圧式制御とは異なる世界初の試験機であり、提出日現在の製品ラインアップは30数種類に及んでおります。自動車業界のみならず、多様な業界からのニーズがあるため、顧客からの要求に基づいた製品開発や受託試験等により販売実績を積み重ねております。
機械などに使用される部品はある一定の負荷がかかる状態で使用されるものがあります。本試験機は、部品(材料)の使用状況下での耐久性を試験する装置です。一般に材料試験と呼ばれる試験は、多岐にわたりますが、当社グループにおいて主に取り扱う試験機は引っ張り試験、圧縮試験、ねじり試験などであります。また、高温状態などの特殊条件下で使用される部品について、一定の温度や圧力を保持した状態で部品(材料)の耐久性を測定するクリープ試験機なども材料試験機に含まれております。
シャフトは、加工或いは熱処理工程において歪み(曲がり)が発生します。従来よりシャフトの歪矯正作業は熟練工の仕事とされておりましたが、この矯正作業を自動化したものがシャフト歪自動矯正機であり、主に自動車部品、OA部品等の矯正に利用されております。
モーターやトランス等の巻線部品(コイル)に、使用電圧の十数倍のサージ電圧をかけてそのコイルの良否を判定する試験機であります。
トランスミッション等に使用される歯車の歯面のキズ、偏芯、大きさ(OBD)等を、生産ライン上で全数検査を対象として検査する自動試験機であります。全ての精密歯車が対象となりますが、主に自動車用トランスミッション工場で使用されております。
地震国であるわが国では、地震による災害防止のために地震防災システムの構築が必要とされていました。当社においては、振動計測技術を活かした地震計の製造販売を行っております。阪神・淡路大震災を契機に1996年に構築された震度情報ネットワークシステムにおいて、当社の地震計が多くの全国各都道府県及び市区町村に採用されました。なお、2010年度にはこの震度情報ネットワークシステムの全国的な更新があり、当社は地震計測装置メーカーとして最多の設置実績を有しており、当連結会計年度においても更新需要を獲得して売上計上しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況と生産、受注及び販売の実績(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、世界的な半導体不足及び原油高の影響が顕在化してきた中で、ウクライナ情勢の緊張が長期化し、先行きの懸念が極めて強まっている状況となっております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は縮小の傾向を見せているものの、今後の再拡大も懸念されるため、先行き不透明な状況が続いております。
また、日本経済は、世界的な半導体不足及び原油高の影響のみならず、部品等の供給不足の影響を受けており、企業の設備投資も弱含んだ状況が続いております。なお、当社グループが主力取引先としている中国及び東南アジアの自動車及びタイヤ業界の設備投資については、当連結会計年度において堅調に推移しており、当社の主力顧客である中国企業の欧州や東南アジア等への海外進出が続いております。
また、国内自動車関連メーカーの設備投資につきましては、電動化の推進やカーボンニュートラルなどの世界的潮流への対応に注力する中、電気自動車等の環境や省エネに配慮した自動車部品に対する製造・研究開発分野への投資が続いております。半導体不足や各種素材の価格高騰や供給不足などの懸念材料もあるものの、需給ギャップを解消するための設備投資を中心に検討されております。
このような経営環境の中で当社グループは、生産ライン用の試験装置であるバランシングマシンとともに、研究開発用でありイニシャルコストとランニングコストの低減が見込める電気サーボモータ式試験機の営業活動を、国内及びアジアを中心に積極的に展開しております。この結果、中国をはじめとするアジアのタイヤメーカー向けの生産ライン用タイヤ関連試験機や、国内自動車部品メーカー向けの電気サーボモータ式試験機等の受注を獲得いたしました。また、高額受注としましては、国内の官公庁向けの震度情報ネットワークシステム更新のための地震計の受注を獲得いたしました。
売上高につきましては、部品等の供給不足に伴う製品製造期間の長期化や、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う客先との納期調整や海上輸送船舶及びコンテナ不足に伴う輸出待ちは継続しており、国内官公庁向けの震度情報ネットワークシステムの売上検収が増加したものの、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上検収が減少したこと及び国内向けの電気サーボモータ式試験機の売上検収が減少したことにより、前連結会計年度と比較して減少しております。
利益面につきましては、減収の影響により、前連結会計年度と比較して減少しております。
その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高100億3千7百万円(前連結会計年度比9.8%減)、営業損失3千8百万円(前連結会計年度は4億4千6百万円の利益)、経常利益1億8千8百万円(前連結会計年度比73.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失6千6百万円(前連結会計年度は4億7千5百万円の利益)となりました。
セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
〔日本(国際計測器株式会社)〕
国内向け震度情報ネットワークシステムの出荷・検収が増加したものの、アジア向けバランシングマシンの出荷・検収が減少したことにより全体として出荷・検収は減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少しました。
〔日本(東伸工業株式会社)〕
電力業界からのクリープ試験装置や腐食環境試験装置などの受注が減少し、材料試験機の出荷・検収が減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少しました。
〔米国〕
米国の自動車部品メーカーへのバランシングマシン及び電気サーボモータ式試験機の出荷・検収が増加いたしました。
その結果、売上高は増加したものの、売上原価の増加により、経常損失となりました。
〔韓国〕
韓国大手自動車関連メーカーへのバランシングマシンの出荷・検収が減少いたしました。また、売上原価が減少いたしました。
その結果、売上高は減少したものの、経常利益は前連結会計年度と比較して増加いたしました。
〔中国〕
中国国内のタイヤメーカーへのバランシングマシン及び自動車関連メーカーへの電気サーボモータ式試験機の出荷・検収が増加いたしました。
その結果、売上高は増加し、経常利益は前連結会計年度と比較して増加いたしました。
(資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ30億4千1百万円増加し、204億1千3百万円となりました。
(負債の部)
当社グループの当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ30億8千9百万円増加し、91億6千3百万円となりました。
(純資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4千7百万円減少し、112億5千万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により4億7千1百万円減少し、投資活動により1億2千9百万円増加し、財務活動により20億3千4百万円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ18億5千6百万円増加し、51億8千7百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4億7千1百万円の支出(前連結会計年度比3億5千1百万円の収入減少)となりました。これは、税金等調整前当期純利益を1億8千8百万円計上したことや仕入債務が5億6千8百万円増加したこと及び受注の増加により前受金が3億3千5百万円増加したものの、売上債権が5億5千2百万円増加したことや、仕掛案件の進行により棚卸資産が6億2千2百万円増加したこと及び法人税等の支払額が3億2千9百万円あったことなどによるものであります。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1億2千9百万円の収入(前連結会計年度比9千5百万円の支出増加)となりました。これは、資金運用のために定期預金の預入による支出が18億3千8百万円あったことや保険積立金の積立による支出が3千7百万円あったものの、定期預金の満期が到来したことにより定期預金の払戻による収入が18億7千6百万円あったことや保険積立金の解約による収入が1億7千万円あったことなどによるものであります。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、20億3千4百万円の収入(前連結会計年度比25億4千3百万円の収入増加)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が5億5千7百万円あったことや配当金を2億7千5百万円支払ったものの、長期借入れによる収入が27億円あったことや短期借入金が1億6千8百万円増加したことなどによるものであります。
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 主要な相手先別の販売実績等及び総販売実績に対する割合
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(注4) 当連結会計年度の玲瓏国際(欧洲)有限公司に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度末の流動資産の残高は、154億3千8百万円(前連結会計年度末比32億9千6百万円増)となりました。これは、海外物件の出荷及び検収が進んだことにより商品及び製品が減少(前連結会計年度末比2億5千万円減)したものの、運転資金拡充のため借入を実行したことにより現金及び預金が増加(前連結会計年度末比19億5千7百万円増)し、第4四半期に売上が集中したことにより受取手形及び売掛金が増加(前連結会計年度末比6億1千1百万円増)したこと及び来期以降に出荷予定の仕掛案件の進捗により仕掛品が増加(前連結会計年度末比8億5千3百万円増)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の固定資産の残高は、49億7千5百万円(前連結会計年度末比2億5千5百万円減)となりました。これは、株価の上昇により投資有価証券が増加(前連結会計年度末比4千4百万円増)したものの、保険積立金の解約により保険積立金が減少(前連結会計年度末比1億2千7百万円減)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の流動負債の残高は、59億8千2百万円(前連結会計年度末比9億8千2百万円増)となりました。これは、課税所得の減少に伴い未払法人税等が減少(前連結会計年度末比1億3千4百万円減)したものの、仕入が増加したことにより支払手形及び買掛金が増加(前連結会計年度末比5億7千9百万円増)したことや、受注の増加により前受金が増加(前連結会計年度末比3億5千7百万円増)したこと及び運転資金拡充のため借入を実行したことにより1年内返済予定の長期借入金が増加(前連結会計年度末比4千6百万円増)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の固定負債の残高は、31億8千万円(前連結会計年度末比21億7百万円増)となりました。これは、運転資金を確保するため借入を実行したことにより長期借入金が増加(前連結会計年度末比20億9千5百万円増)したことが主たる要因であります。
当社グループの当連結会計年度末の純資産の残高は、112億5千万円(前連結会計年度末比4千7百万円減)となりました。これは、その他有価証券評価差額金が増加(前連結会計年度末比3千万円増)したことや為替換算調整勘定が増加(前連結会計年度末比2億7百万円増)したものの、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことなどにより利益剰余金が減少(前連結会計年度末比3億4千1百万円減)したことが主たる要因であります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、部品等の供給不足に伴う製品製造期間の長期化や、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う客先との納期調整や海上輸送船舶及びコンテナ不足に伴う輸出待ちは継続しており、国内官公庁向けの震度情報ネットワークシステムの売上検収が増加したものの、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上検収が減少したこと及び国内向けの電気サーボモータ式試験機の売上検収が減少したため、100億3千7百万円(前連結会計年度比9.8%減)となりました。所在地別の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
営業利益は販売費及び一般管理費が減少したものの、開発要素の高い製品が集中したことにより3千8百万円の損失(前連結会計年度は4億4千6百万円の利益)となりました。
(経常利益)
経常利益は為替差益を計上したものの、営業損失を計上したことにより1億8千8百万円(前連結会計年度比73.7%減)となりました。
また、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ4.6ポイント減少し、1.8%となりました。
(自己資本利益率)
自己資本利益率(ROE)は親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、△0.5%(前連結会計年度は4.2%)となりました。
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、定期預金の運用や設備投資、退職金の原資とするための保険積立金の運用等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金需要については自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は47億8千7百万円となり前連結会計年度末に比べ23億1千万円の増加となりました。
d.流動性の確保
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末における契約総額は16億円(うち借入実行残高は3億円)であり、資金の流動性は十分に確保されております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
特に次の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
a.仕掛品
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
当社及び一部連結子会社は、販売済み製品に対する保証期間中の無償サービス費用に備えるため、過去の発生実績に基づく見積額を計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について毎期回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」にも記載のとおり、国内市場動向のほか、ここ数年来継続している海外への売上高比率の高水準を背景とした主要海外売上先各国の経済情勢、市場動向並びに為替相場の変動が挙げられます。
また、新型コロナウイルス感染症による影響としては、人の移動が制限された結果、顧客による検収作業が遅れることとなり、売上計上時期のずれ込み等の影響を受けておりました。当社としては今後の広がり方や収束時期を正確に予測することは困難な状況にありますが、我が国を含む海外諸国の多くで経済活動再開のために規制緩和を進めていることから、翌連結会計年度中には人の移動制限が大幅に緩和されるものと想定しております。当社は、当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断しておりますが、想定以上に影響が長期化あるいは拡大した場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
米国については個人消費の回復や自動車関連メーカー等の設備投資の緩やかな回復が予測されますが、短期的には設備投資の見直し等の影響を受ける可能性があります。
中国については潜在的な市場は大きく、国策である一帯一路の方針の下、海外への設備投資が見込まれますが、米中貿易摩擦の影響等により、今後の成長に影響する可能性があります。
インドについては、グローバルサウスの中心国として、中長期的には内需が堅調に推移すると見込まれることから市場の拡大が続くと予測しております。
ASEAN地域については、今後において新たな生産拠点としての設備投資が見込まれることから、これらの地域も回復傾向が続くものと予測しております。
国内については、主要ユーザーである自動車関連業界の生産設備予算については縮小傾向が続くことが懸念されるものの、環境対応車に対する需要は高いことから、環境対応車に搭載される低燃費エンジン・EVモーター・燃料電池など環境や品質に関連する研究開発予算や海外拠点に対する設備投資需要は、今後も継続されるものと予測されます。
為替変動に関しましては、外貨建取引における主要通貨である米ドルのレートについては、当連結会計年度は概ね円安ドル高傾向で推移したことにより、為替差益を計上しております。今後も為替予約等の対策により業績への影響を軽減すべく対応する所存であります。
製品別戦略としましては、既存事業の主力製品であるバランシングマシンについて、生産ライン用タイヤユニフォーミティ・バランス複合試験機(UBマシン)をはじめとするタイヤ関連試験機を中心として販売活動を行ってまいります。今後は既存製品の更なる競争力の向上を推進するとともに、製品ラインアップを充実させるべくタイヤ摩耗試験機等の研究開発部門への事業展開も積極的に行ってまいります。
各種の電気サーボモータ式試験機については、自動車部品・鉄道車両用品・包装貨物用品・家電事務機器関連等、試験対象製品及び業界が多岐に渡っており、商社・代理店による営業を中心として積極的に事業展開を行っており、さらなる製品開発を進めており、この数年間で開発したフラットロードタイヤ総合試験機と鉄道車輪粘着力測定装置については、日刊工業新聞社主催 十大新製品賞を受賞しております。
今後も電気サーボモータ式及び動電型3軸同時振動試験機の更なる研究開発とシリーズ化、タイヤ摩耗試験機等の新たに開発した製品の拡販に向けて積極的な事業展開を行ってまいります。
さらに、現在業務提携をしているエミック株式会社との動電型振動試験機事業を推進することにより当社の振動試験機シリーズが充実し、ユーザーのニーズに的確に対応することが可能となりビジネスチャンスが広がるものと期待しております。
今後の地域別戦略は、次のとおりになっております。
中国では、高技国際計測器(上海)有限公司(連結子会社)において、タイヤ関連試験機のみならず、各種電気サーボモータ式試験機等の販売を拡充するため、5か所の販売拠点(天津・長春・青島・武漢・深セン)を設けており、現地スタッフの教育と中国国内市場のニーズを把握し、迅速な対応を行っております。短期的には新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を受けておりますが、生産ライン用のバランシングマシンを中心に、自動車業界向け電気サーボモータ式試験機シリーズの拡販営業を展開してまいります。
米国では、自動車・タイヤメーカーの設備投資予算については、短期的には見直しをされる可能性がありますが、日系及び現地自動車関連メーカー向けに生産ライン用バランシングマシンの拡販のため、よりきめ細かな拡販営業を展開しております。
韓国では、自動車業界・タイヤ業界の海外工場向けの設備予算が縮小傾向にありますが、グループ全体の生産拠点として機能しております。このような傾向の中でも研究開発部門の予算は継続的にあるため、設備計画情報を的確に収集し、電気サーボモータ式試験機シリーズの拡販営業を展開してまいります。
ヨーロッパでは、現地における市場調査や展示会への出展による認知度の向上により、電気サーボモータ式試験機の自動車メーカー等に対する拡販体制を構築してまいります。
国内では、当社を全製品の主力生産拠点であるとともに、研究開発活動の主要拠点と位置付けております。今後の新規主力製品の一つとして、シリーズ化を推進している各種の電気サーボモータ式試験機の生産増強及び研究開発拠点として本社第三工場が稼働しております。
なお、今後の受託試験及び開発拠点として建設した古河テクニカルセンターにおける受託試験も開始しており、より顧客の細かなニーズを把握し、新たな製品開発につなげてまいります。
また、東伸工業株式会社(連結子会社)においては、金属素材等の耐久・疲労・腐食等の試験を主力とする材料試験機全般を製造販売しておりますが、生産体制の効率化・コストダウンを図るとともに、当社との技術面・営業面・人材面における連携を強化しており、収益性を高める努力をしてまいります。
このように当社グループは、中国を中心とするアジア市場での販売シェア拡大に注力するとともに、当社グループ全体の管理体制強化にも注力する所存であります。
当連結会計年度末の受注残高は、82億2千8百万円(前連結会計年度末比7億1千6百万円増)であり、約9.9ヶ月分(100億円前提)の生産量を繰越すこととなりました。
当社グループは、上記にも記載のとおり、新製品の柱となる各種の電気サーボモータ式試験機及び既存製品の生産体制を整えております。米国、韓国、中国の各連結子会社での生産体制も整っており、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるためにも、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門の強化を行い、グループ全体として生産能力及び品質向上に向けて強化を図るとともに生産効率を高め、既存製品はもとより開発新製品の収益性の向上を図る所存であります。