売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

  • ニュースリリースデータがありません。


最終更新:

E01120 Japan GAAP

売上高

448.1億 円

前期

393.5億 円

前期比

113.9%

時価総額

155.7億 円

株価

5,390 (04/26)

発行済株式数

2,889,000

EPS(実績)

404.64 円

PER(実績)

13.32 倍

平均給与

589.0万 円

前期

579.1万 円

前期比

101.7%

平均年齢(勤続年数)

39.0歳(15.8年)

従業員数

428人(連結:611人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

 

当社グループは、提出会社、子会社11社及び関連会社1社で構成され、可食性コラーゲン・ケーシング、ゼラチン及びコラーゲンペプチド、コラーゲン化粧品及び健康食品、皮革関連製品等の製造販売及び仕入販売を主な内容とし、更に輸入食品及び穀物の販売、iPS細胞培養基材、医療用コラーゲンの製造販売、不動産賃貸その他の事業活動を展開しております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。

 

(1) コラーゲン・ケーシング事業

 提出会社が、連結子会社大鳳商事㈱経由で在外連結子会社日皮胶原蛋白(唐山)有限公司より加工済原材料を購入して製造しております。

 製造したコラーゲン・ケーシング製品は、提出会社が国内外ユーザーへ販売しておりますが、輸出の一部は在外連結子会社 NIPPICOLLAGEN NA INC. 経由で販売しております。

(2) ゼラチン関連事業

 提出会社が、海外から原材料、半製品を調達して加工及び製造し、製品の一部は外部へ加工委託したものを購入しております。また、原材料の一部については、連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司及び在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. 経由で購入しております。

 ゼラチン及びコラーゲンペプチド製品は、主に提出会社が国内外ユーザーに販売しておりますが、一部は連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社NIPPI COLLAGEN NA INC. 及び在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司経由で販売しております。

(3) 化粧品関連事業

 提出会社が、化粧品用コラーゲン原料、健康食品用コラーゲンを製造し、さらにスキンケアジェルは提出会社で製造し、また、ニッピコラーゲン100及びコラーゲン配合化粧品はOEMに委託しております。

 完成した製品は、通信販売会社である連結子会社㈱ニッピコラーゲン化粧品を経由してユーザーに販売しております。

(4) 皮革関連事業

 連結子会社㈱ニッピ・フジタが、国内外より靴用革、自動車用革を購入し、また、一部は連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司、在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. を経由して購入し、販売しております。また、持分法適用非連結子会社㈱ボーグに靴用革の一部を支給して完成靴をユーザーに販売しております。

 在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司は、海外サプライヤーより自動車用革の原材料を購入し、中国で加工委託して国内外ユーザーに販売しております。

 連結子会社大鳳商事㈱は、海外サプライヤーより原皮、靴製品を購入して国内ユーザーに販売し、在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. は、東南アジア諸国における自動車ハンドル用革の販売を行っております。

(5) 賃貸・不動産事業

 提出会社が、東京都足立区、大阪市浪速区を中心に不動産賃貸事業を行っており、非連結子会社ニッピ都市開発㈱が、管理業務及びコンサルタント業務を行っております。

(6) 食品その他事業

 連結子会社大鳳商事㈱、連結子会社大倉フーズ㈱が輸入食材、有機穀物、肥料などを輸入し、国内ユーザーに販売しております。

 提出会社が、iPS細胞培養の培地キットiMatrixシリーズを製造し、持分法適用関連会社㈱マトリクソームを経由して販売し、BSE検査キットなどを外部に加工委託して販売しております。また、リンカー製品(マスキングシート、コンパウンド)を製造販売し、化成品(ビニールフォーム)を外部より購入して販売しております。

 

 

当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/02/14

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、コロナ禍からの緩やかな持ち直しが続く一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引き締め等による世界経済減速の影響を受けて、先行きは不透明な状況で推移しました。

当社グループにおきましても、緩やかな回復基調のもと、各セグメントの売上高は伸長したものの、原材料費、動力費などの価格高騰の影響を受けて営業利益、経常利益は減益となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、44,811百万円(前期比13.9%増)、営業利益は、1,471百万円(同16.3%減)、経常利益は、1,553百万円(同12.6%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券の売却等による特別利益230百万円を計上し、1,169百万円(同2.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。

 

(コラーゲン・ケーシング事業)

コラーゲン・ケーシング事業は、国内販売は順調に推移し、輸出販売についても、北米を中心に好調に推移しました。一方で、海外向けを中心に価格改定を実施したものの、原材料及びエネルギー価格の大幅な値上がりにより、生産コストが上昇した影響を受けて減益となりました。

この結果、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は、9,334百万円(前期比5.1%増)、営業利益及びセグメント利益は、379百万円(同70.4%減)となりました。

(ゼラチン関連事業)

ゼラチン部門は、ソフトカプセル、グミキャンディ用途を中心に好調に推移しました。また、経済活動の正常化に伴い、レストランやホテルなどの業務用食品用途の需要も回復傾向にあり、増収増益となりました。

ペプタイド部門は、訪日外国人客の増加、健康食品市場の世界的な伸長を背景に国内外ともに順調に推移しました。利益面では、原料価格の上昇や輸入為替の影響があったものの、販売価格の改定を段階的に実施した効果もあり増益となりました。

この結果、ゼラチン関連事業の売上高は、12,263百万円(同18.1%増)、営業利益は、693百万円(同22.3%増)、セグメント利益は、712百万円(同23.0%増)となりました。

(化粧品関連事業)

化粧品部門は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要が、長引くコロナ禍で鈍化しました。また、スキンケア通信販売市場での競争激化の影響もあり、厳しい状況で推移しました。

健康食品部門は、国内の健康食品市場全体の鈍化がみられたものの、主力の「ニッピコラーゲン100」は健康志向の高まりを背景に好調に推移しました。

この結果、化粧品関連事業の売上高は、6,544百万円(同8.8%増)、営業利益及びセグメント利益は、872百万円(同20.4%増)となりました。

(皮革関連事業)

靴・袋物部門は、活動制限の緩和に伴い需要が回復傾向となり売上は伸長しました。利益面においては、原材料費、加工費、輸入為替などのコスト上昇に苦戦したものの、収益性の改善に努め増益となりました。

車輌部門は、ハンドル用革の販売が上海のロックダウンの影響などで出荷が滞り減収となりました。

この結果、皮革関連事業の売上高は、7,315百万円(同15.7%増)、営業利益及びセグメント利益は、113百万円(前連結会計年度は営業損失及びセグメント損失133百万円)となりました。

 

(賃貸・不動産事業)

東京都足立区の土地賃貸事業は、大規模商業施設、保育所、フットサルコート、駐車場用地として有効活用を図っております。大阪府大阪市の土地賃貸事業は、中央区心斎橋において商業施設用地として有効活用を図るほか、浪速区なんばにおいては、「難波中二丁目開発計画」を本格始動しております。ホテル及びオフィス棟建設は2023年1月に竣工を迎え、同年3月には本開発エリアの正式名称を「なんばパークス サウス」に決定するなど、新規事業を着実に推進しております。

この結果、賃貸・不動産事業の売上高は、860百万円(前期比0.5%増)、営業利益は、655百万円(同0.7%増)、セグメント利益は、656百万円(同0.7%増)となりました。

(食品その他事業)

有機穀物は、コンテナ不足による物流の滞りが解消傾向となり、イタリア輸入食材は、活動制限の緩和に伴い需要の回復が進み、それぞれ増収となりました。バイオ関連製品は、iMatrixシリーズやバイオマッシャーなどの販売が国内外製薬会社や民間研究機関を中心に好調に推移しました。また、ペットサプリメントの売上も順調に推移しました。

この結果、食品その他事業の売上高は、8,492百万円(同23.2%増)、営業利益は、324百万円(同78.7%増)、セグメント利益は、304百万円(同80.8%増)となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は69,564百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,146百万円増加しました。これは主に、未収還付法人税等が488百万円、有形固定資産が612百万円減少した一方で、現金及び預金が217百万円、受取手形及び売掛金が740百万円、棚卸資産が1,165百万円、未収消費税等が160百万円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末における負債は、34,486百万円となり、前連結会計年度末と比べ65百万円増加しました。これは主に、その他流動負債が315百万円、長期借入金が1,346百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が1,429百万円、未払法人税等が271百万円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末における純資産は、35,077百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,081百万円増加し、自己資本比率は、49.5%となりました。これは主に、利益剰余金が997百万円、為替換算調整勘定が91百万円増加したことなどによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ217百万円増加し、6,839百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ売上高が増加し、売上債権、棚卸資産などが増加し収入は減少したものの、法人税等の支出が減少した結果、収入は597百万円増加し、2,667百万円の収入(前期比28.8%増)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ投資有価証券の売却による収入が増加したことなどにより、支出が96百万円減少し、821百万円の支出(同10.5%減)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ有利子負債の返済が減少したことなどにより、支出が467百万円減少し、1,665百万円の支出(同21.9%減)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

コラーゲン・ケーシング事業

7,666

16.4

ゼラチン関連事業

8,947

23.3

化粧品関連事業

158

△4.3

皮革関連事業

256

21.0

食品その他事業

296

△8.2

合計

17,326

19.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

ゼラチン関連事業

4,442

10.8

化粧品関連事業

1,732

19.7

皮革関連事業

6,628

12.2

食品その他事業

6,572

25.6

合計

19,375

16.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入価格によっております。

 

c. 受注実績

製品の性質上受注生産は行っておりません。

 

d. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

コラーゲン・ケーシング事業

9,334

5.1

ゼラチン関連事業

12,263

18.1

化粧品関連事業

6,544

8.8

皮革関連事業

7,315

15.7

賃貸・不動産事業

860

0.5

食品その他事業

8,492

23.2

合計

44,811

13.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の相手先の該当がないので記載を省略しております。

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び会計上の見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり重要な資産の評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産においては将来の回収可能性を十分に検討した上で計上しております。

ウクライナ情勢や世界経済、物価動向、消費動向も不透明さが増すなか、国内景気は少しずつ軌道修正しながら維持、回復していくものと想定し、当社における会計上の見積り(繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金の計上、固定資産の減損、棚卸資産の評価等)を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度は、コラーゲン・ケーシング事業をはじめ、ゼラチン・ペプタイド、化粧品、皮革など全報告セグメントにおいて、国内外の新規顧客の獲得、拡販に注力し、増収となったものの、原材料、エネルギー価格、物流費などの高騰により利益率は縮小し、営業利益は減少となりました。

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ5,461百万円増加し、44,811百万円(前期比13.9%増)となりました。

主な内容は、コラーゲン・ケーシング事業は、北米を中心に販売が伸び、価格改定や輸出為替も追い風となり好調に推移しました。ゼラチン関連事業は、制限の緩和に伴い、個人消費、インバウンド需要も回復基調となり、菓子用、惣菜用、ソフトカプセル用などのゼラチン、健康食品用のコラーゲンペプチドの国内販売が大きく伸張しました。化粧品関連事業は、主力商品「ニッピコラーゲン100」の販売は、健康志向を背景として、また、通信販売という販路の強みも活かし、引き続き好調に推移しました。皮革関連事業は、生活様式の変容により革靴に関連した素材、商品、加工などは影響が残るものの回復してきており、特に婦人用革が好調に推移し、また、車輛用革においても半導体や部品不足などにより自動車関連メーカーの断続的な減産などあったものの、需要は回復基調となりました。食品その他事業は、人出が戻り外食の機会も増え、業務用イタリア食材、有機穀物など好調に推移し、全報告セグメントにおいて増収となりました。

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ287百万円減少し、1,471百万円(同16.3%減)となり、当連結会計年度における経常利益は前連結会計年度に比べ223百万円減少し、1,553百万円(同12.6%減)となりました。

主な内容は、売上高は増加したものの、全ての報告セグメントに共通して、原材料などの仕入価格、エネルギーコスト、輸送費などの高騰に加え、欧米諸国との金利差拡大に起因する円安トレンドの長期化により製造原価が上昇し、また、仕入価格が上昇し収益を圧迫しました。コラーゲン・ケーシング事業以外の報告セグメントは、仕入価格、製造コスト、物流費は上昇したものの、一定の価格調整が達成できたことにより利益率は減少したものの増益となりました。コラーゲン・ケーシング事業においては、輸入原材料価格の高騰に加え、原油価格やLNG価格の影響により電力費、動力費は大幅に上昇し製造コストが跳ね上がり、また、輸出に関してもコンテナ代の大幅な値上がりにより利益を圧迫し、大きく減益となりました。販売価格の調整に努めたものの、目標達成には至らず、引き続き取組んでおります。

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ25百万円増加し、1,169百万円(同2.2%増)となりました。

主な内容は、投資有価証券の売却等による特別利益230百万円を計上したことにより増益となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの各事業は、国内外市場で製品の販売を行う一方、製品原料や関連資材の買い付けも国内外の市場より調達しております。このため、それぞれの市場動向や規制、さらに海外の場合は、特に為替相場等の大きく急激な変動も各事業の業績に大きな影響を与える場合があります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、個人の消費活動や企業の経済活動が停滞し、国内外の経済に大きな影響を及ぼしました。今後も同様な事態が発生した場合、同様な影響を及ぼすことになることが考えられます。

 

また、足許では、ウクライナ情勢の悪化などに伴い、様々な影響が出てきております。エネルギー、原材料、薬品、物流など多岐にわたっての価格高騰に見舞われており、当社グループにおきましては、コラーゲン・ケーシング事業、ゼラチン関連事業における製造コスト及び全報告セグメントにおいて仕入価格が急上昇しております。ある一定程度の価格転嫁ができなければ、経営成績に重要な影響を与える要因になります。

そのほか当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 戦略的現状と見通し

コラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連、化粧品関連、皮革関連などの各報告セグメントにおきましては、顧客や市場ニーズを取り入れた新商品の開発により一層の高付加価値化を目指すとともに、宣伝広告等により商品や企業の認知度の向上を図っております。生産面では、工程の見直しなど、さまざまなコスト低減方法を常に模索し、販売面では、拡販及び価格の適正化を図りながら、収益体制の改善、強化に努めております。原材料、エネルギー、物流などの価格の高騰は、吸収できる限度を超えており、販売価格への転嫁の実施を継続的に行わなければいけない状況となっております。製造工程の短縮や見直し、不良率の低下、経費の削減など様々な施策を講じてコスト低減を図り、収益性の確保に努めてまいります。化粧品関連事業においては、広告宣伝で仙道敦子さんに加え、高橋尚子さんを活用し、好調な健康食品分野での拡販、基礎化粧品分野での巻き返しを目指し、また、それぞれの新規商品開発に取組んでおります。

なお、賃貸・不動産事業におきましては、所有土地の事業化計画の実現と効率的運用を推進してまいります。大阪市浪速区のなんば地区では、2023年7月に計画した事業化が完了の予定であり、残った東京都足立区の所有地においても早期の本格的な事業化を目指し、収益性を十分考慮した運用を行い、当社グループの安定的な収益基盤の礎としてまいります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・商品などの仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動資金であります。それ以外の投資などを目的とした資金需要は、生産設備を始め事業拡大及び賃貸事業に伴う投資等に限っております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、資金の流動性に関する対応としては、現在未使用の状況にあるコミットメントライン枠の活用があります。短期的には手許現預金は、アフターコロナの与信リスクなどにも備えて高水準の状態にあります。今後は、国内外の経済情勢が不確実性の高いことを認識したうえで、設備投資も進めながら有利子負債の圧縮にも努めてまいります。

なお、資金調達に影響を及ぼす財務制限条項等への抵触リスクは、現状においてはグループ会社ともに低いと判断しております。また、今後の有利子負債の約定弁済につきましても手許現預金及び営業キャッシュ・フローなどで履行できると判断しております。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、100年間に亘り、皮革事業において我が国のリーディングカンパニーとして製造・販売を行ってまいりました。その間、皮革事業で培った技術・知識・経験を礎に研究開発を重ね、新たにゼラチン、コラーゲンペプチドの事業を国内トップクラスに、また、コラーゲン・ケーシング事業を国内で唯一、世界の四大メーカーの一角を担うまでに、さらには、コラーゲン基礎化粧品「スキンケアジェル」と健康食品「ニッピコラーゲン100」の事業を当社主力事業のひとつに育成してまいりました。また、バイオマトリックス研究所で長年培った生体工学技術を生かし、再生医療分野への進出を果たしました。今後は、同分野を主力事業の一角にするべく注力してまいります。これらの事業を更に充実拡大させ、以って当社の理念である高品質なものづくりを通して人々に貢献し、より豊かな社会の実現を目指してまいります。そのためには、事業環境の変化を捉え、既存の知財に加え事業で得た新たな技術・経験を活かし、顧客や社会の要望に応えられる高付加価値商品を世に送り出して行かねばなりません。また、コロナ禍の影響は、日を追って和らぎ日常を取り戻してきております。一方で、ウクライナ情勢長期化などによる資源価格の高止まり、それに伴う世界的なインフレ、為替の急激かつ大きな変動などで国内景気は、今後も不透明な環境が続くものと思われます。

このような状況のもと、当社は、引き続き生産コスト低減の施策を講じて競争力のある商品づくりに取組んでいくとともに、社会全体の変容に対応しながら市場ニーズを的確に捉えた高付加価値商品を投入し、収益基盤の拡充を図ってまいります。

 

次期の見通しにつきましては、産油国の減産やウクライナ情勢の長期化に伴い、諸物価の上昇は今後も続くものと想定しておりますが、国内の景気はサービス業を中心にゆるやかに回復していくと見込んでおります。

コラーゲン・ケーシング事業に関しまして、国内外ともに市場は、堅調に推移すると見込まれるものの、引き続き原材料、燃料、電力費の高止まりにより、製造コストの低減は厳しい状況であり、販売価格に転嫁せざるを得ない環境に変化はないと見込んでおります。国内外での価格調整、特に海外を念頭においた上での拡販を模索してまいります。一方で、一層の製造工程の見直し、工夫を実施し製造コストの低減を推し進め、収益力の確保に注力してまいります。製造に関しては、国際的な価格競争に対応していくためにも製造工程の簡素化、生産能力向上のための技術改良、ユーザーニーズに呼応した製品開発、また、引き続き加工費の低減を推し進め、収益力の確保と向上に注力してまいります。

ゼラチン関連事業に関しては、国内外ともにゼラチン、コラーゲンペプチド市場は成長しているなか、国内では海外観光客の受入れが再開され、インバウンド需要はコロナ禍前までには届かないまでも回復してまいりました。インバウンドのみならず、国内消費も回復し、国内健康食品や菓子市場などのユーザー企業からの受注が増加しました。販売は好調に推移いたしましたが、原材料などの仕入価格、物流費やエネルギーコストなどは上昇を続けており、引き続き価格調整をせざるを得ない状況は続いております。このような状況のなか、機能性食品用途やハラール用途など特定の素材提案で差別化を図っていき、特にコラーゲンへの認知度が広がりを見せる海外市場への拡販を重視し、世界市場でのシェアアップを目指してまいります。引き続き一層の高付加価値商品開発、顧客への新規提案などにより収益基盤をさらに改善してまいります。

化粧品関連事業に関しましては、大手の相次ぐ参入により競争は激化しておりますが、強みや特徴を活かし、変貌する顧客ニーズと購買形態に対応しながら永続的に収益を創出し続けるモデルの構築を目指してまいります。まだブランド力が弱く、認知度が低いことに対する対策として、著名人の活用と地上波×インフルエンサーのメディアMIXを図り、化粧品におけるブランドの育成と健康食品における既存の主力商品以外の開発育成に努めてまいります。アフターコロナでの消費動向を見据えながら、マルチメディア等を駆使し、ニーズに呼応した新商品の発売、継続率の向上、新規顧客の獲得を目指し、さらなる成長路線を模索してまいります。

皮革関連事業に関しては、緩やかに回復してきているものの、コロナ禍で進行した革靴に対する消費者意識の変化により、コロナ禍以前の需要までには回復しないと懸念しております。厳しい市場環境のなか、甲革、製甲、靴、底材加工、衣料などの革靴関連のサプライチェーン囲い込み強化のため、業界の情報収集、協力企業体制の一層の強化、市場環境に順応した事業体制の工夫、在庫管理体制の見直し、経費削減などに取組み、収益性の改善に努めてまいります。また、車両用革は、低コストを実現するため新しい処方技術の確立、歩留まりを改善するための製造技術に注力し、競争力の向上に努め、受注の奪還を図ってまいります。

食品その他の事業に関しては、イタリア食材など輸入業務用食品は値上がりや輸入為替など一定の影響を受けると想定されますが、国内市場は回復に転じております。また、オンラインショップの強化など個人消費の掘り起こしに努め、拡販も図ってまいります。一方で、有機穀物は、コンテナ不足など物流の混乱や相場価格の不安定な状況は一服し、安定的な需要を背景に堅調に推移するものと見込んでおります。引き続き、調達先の開拓などにも注力しがら、安定供給の基盤を確保してまいります。また、再生医療関連については、今後も市場が拡大していくものと見込んでおり、当社の販売も拡大を続けております。細胞外マトリックス関連商品の新規開発のほか、医療用ゼラチン、医療用コラーゲンなど試薬の開発、さらなる拡販を目指してまいります。

賃貸・不動産関連事業に関しましては、引き続き当社所有土地を中心に事業化及び効率的運用を進め、当社収益基盤の強化に繋げるよう努めてまいります。また、大阪市浪速区の土地賃貸事業も順調に進捗しており、2023年3月25日に一部開業した「なんばパークスサウス」は、7月1日にグランドオープンを迎える予定であります。

また、昨今の企業を取り巻く環境は一層不透明さを増しており、そのなかで持続可能な社会の実現に向けての取組みは、企業の社会的責任であるのみならず、自然由来の原料に依存しております当社グループにおきましても事業を継続する上での重要な課題であると認識しております。高品質なものづくりで社会に貢献するという創業の思想を実現すべく、事業活動の一層の奮励はもとより、各事業の日々の業務の中でより良い環境や社会の実現に取組んでまいりました。今般、各事業の取組みをより実効的なものにすべく代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を創設いたしました。今後はこのサステナビリティ委員会を中心に社会・環境に資する取組みを推し進めるとともに、コンプライアンスの徹底、コーポレートガバナンス・コードに基づく経営体制の強化、地球温暖化防止への取組み、人権への配慮や多様性の確保といった活動を推進してまいります。

そのほか当社グループとしての問題認識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。