E03051 Japan GAAP
前期
2,078.9億 円
前期比
93.5%
株価
2,393 (07/16)
発行済株式数
115,317,098
EPS(実績)
93.87 円
PER(実績)
25.49 倍
前期
585.5万 円
前期比
110.4%
平均年齢(勤続年数)
39.2歳(12.7年)
従業員数
1,158人(連結:1,716人)
当社グループは、当社及び子会社4社並びに関連会社2社で構成され、主な事業内容は、ガス(LPガス、都市ガス)、電気の販売、ガス機器等の販売、プラットフォームの提供並びに各事業に関連する工事、輸送等であります。
各事業における当社グループの位置づけは次のとおりであります。
24年3月期の業績は以下の通りです。 (単位:百万円)
24年3月期は、記録的な高気温の年となり、ガスや電気の販売量は低調となりましたが、原料価格の高騰が一服し、同価格が低水準で推移したことにより利幅が拡大、売上総利益を前期比+38億円の736億円と大きく伸長させました。人件費やIT費用等を積み増す一方、DXによる配送効率化等により経費の伸びを抑制、営業利益は前期比+23億円の174億円、経常利益は前期比+22億円の176億円と大幅な増益となりました。1月に実施したグループ内組織再編に関連し、特別損失を24億円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は+2億円の108億円と伸び幅は営業利益と比較して小幅なものとなりましたが、前期に引き続き過去最高益を更新する決算となりました。
24年3月期の計画に対しては、営業利益が計画188億に対し実績174億、純利益が計画110億に対し実績108億と届きませんでした。これは想定していた気温以上に気温が高い水準で推移し、販売量が伸びなかったこと、再編準備に関する経費等が膨らんだことによるものです。
ROIC向上に努めながら、「不要な株主資本はお預かりしない」資本政策を徹底することで、ROICは11%と前年より2%伸長させ、ROEは15%と24年3月期の計画を達成しております。
<セグメント別の状況>
◇ LPガス事業 (附帯事業としてLP機器・工事の他、プラットフォーム事業等を含む)
LPガス事業による売上総利益が456億45百万円(前年同期比29億77百万円増)、附帯事業による同利益が38億8百万円(同18百万円増)となりました。
LPガス事業は、ガス販売量が高気温の影響により家庭用・業務用とも前期を下回ったものの、LPG原料価格が23年3月以降大きく低下、24年4月以降は通期で原料価格が想定内の価格で推移したことにより利幅が拡大し、売上総利益を伸長させることができました。また、お客さまと地域社会にエネルギーの最適利用サービス(エネルギー・ソリューション)を提供すべく、ガス・電気のセット販売を推進するとともに、ハイブリッド給湯器およびDER機器(太陽光発電、蓄電池、V2H)の提案に注力いたしました。結果、ハイブリッド給湯器は前年の1.75倍、その他DER機器は5倍以上の台数を販売しております。
営業面では、行政処分による3か月間の訪問営業停止期間中は、既存のお客さまとの信頼回復と関係強化に注力し、解約減に努めました。グループ再編後は、グループ全体の営業を統合することにより、日本瓦斯及び旧・グループ都市ガスの営業の強みを融合させ、お客さま数を伸長させております。長期契約が見込まれるファミリー層を中心にお客さま数を前期末から2万4千件積み重ね、99万7千件となりました。
※ 収益認識基準適用により、検針基準の販売量に期末日までの販売量を調整して算出しております。
◇ 電気事業
電気事業セグメントの売上総利益は、36億87百万円(前年同期比7億28百万円増)となりました。
この利益の増加は、電気契約数の増加に加え、7月以降の料金改定による利幅拡大によるものです。
営業面では、訪問営業停止や、グループ再編に伴い営業活動を控えた影響もありましたが、競合である新電力会社の料金やサービス内容に係る社内研修を実施するなど、営業強化の取組みを進め、お客さま数は前期末より2万5千件増加の34万5千件、電気のセット率は前期末20%から当期末に22%に上昇しました。
今後、再エネ賦課金の値上げや激変緩和措置の終了に伴う全国的な電気料金の上昇が予定されており、お客さまの電気料金への意識が強まると見込まれます。当社はこの流れを追い風に、高使用量世帯に加え、二人暮らし世帯などの中使用量世帯に向けて、お客さまにメリットのあるメニューの提案や電力単体での販売等を実施し、新規獲得数を増やしてゆく計画です。
※ 収益認識基準適用により、検針基準の販売量に期末日までの販売量を調整して算出しております。
◇ 都市ガス事業 (附帯事業として都市ガス機器・工事等を含む)
都市ガス事業セグメントの売上総利益は、都市ガス事業による売上総利益が194億64百万円(前年同期比2億13百万円増)、附帯事業による同利益が10億11百万円(同51百万円減)となりました。
都市ガス事業は、LPガス事業同様、高気温を背景に家庭用のガス販売量が減少いたしましたが、都市ガス原料の下降基調を要因としたスライドタイムラグ*のプラス影響が上回り、売上総利益を伸長させることができました。グループ内組織再編により、お客さまの契約は旧・グループ都市ガスから日本瓦斯へ承継されました。既存のお客さまへ、電気セットや機器販売等の提案を通じ、より一層の関係強化に努めてまいります。
*スライドタイムラグとは、都市ガスの原料費調整制度によるもので、原料価格の変動が先に売上原価、後に遅れて売価(料金)に反映されることから発生するタイムラグのことで、当期間は原料価格 が下降基調であったことから、プラスの影響を受けております。
※1 収益認識基準適用により、検針基準の販売量に期末日までの販売量を調整して算出しております。
※2 お客さま件数は、小売件数(供給している件数)を記載しております。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、株主資本の収益率「ROE」を財務上の最重要KPIと設定し、株主価値の増大に向け、ROEを2026年3月期には22%に向上させていく方針です。ROEを向上させる方策として、資産の収益性を高めるべく、投下資本利益率(ROIC)をKPIとして設定し、その向上に努めております。収益性の高い資産(LPガスとIT)に集中して資本を投下しながら、一方で低収益資産の売却等をしてバランスシートの中身を入れ替えることにより、必要以上に総資産規模を膨らますことなく資産の収益力を高めています。また、資本の調達サイドでは、有利子負債の調達能力を検証し、最適な自己資本比率を45~50%から見直しを実施し、2026年3月期には40%まで引き下げることを計画しております。最適な自己資本比率に向けて不要な株主資本は持たず、適切に借入を活用することで、ROICの向上をダイレクトにROEにつなげてまいります。
・当連結会計年度末の資産の部は、1,592億19百万円と前期末より43億35百万円増(2.8%増)となりました。
資産が増加いたしましたのは、新組織体制の準備として手許現金に余裕をもたせ、現預金を59億41百万円増加させたことによるものです。
・同期末の負債の部は、864億95百万円と前期末から59億10百万円増加(7.3%増)、純資産の部は、727億23百万円と前期末から15億75百万円(2.1%減)減少しております。負債の部が増加いたしましたのは、借入を66億10百万円増やしたことによるものです。また、純資産の部が減少いたしましたのは、当期純利益108億25百万円に対し、配当80億36百万円、自己株式の取得51億6百万円の株主還元を実行したことによるものです。
デットエクイティレシオは0.65倍、株主資本比率は45.7%と最適な資本構成に向け、借入比率を高め、調達コスト(WACC)を意識した資本調達を行なっております。
(単位:百万円)
当期末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ58億50百万円増加し、187億13百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュフロー)
営業活動によるキャッシュフローは、234億40百万円の収入(前年同期比38億45百万円増加)となりました。
増加した主な要因は、低い原料価格が売上債権に反映され、営業債権が減少したことにより、所要運転資本が減少したためです。
(投資活動によるキャッシュフロー)
投資活動によるキャッシュフローは、91億90百万円の支出(前年同期比16億09百万円増加)となりました。
増加の要因は、LPガスの物流を改善させるために甲府工場の跡地に甲府デポステーションを建設したことや、導管の入替や延長投資が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュフロー)
財務活動によるキャッシュフローは、87億11百万円の支出(前年同期比73億58百万円減少)となりました。
営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたフリーキャッシュフローは142億49百万円の収入(同22億36百万円増加)、配当と自己株式の取得により株主還元131億29百万円の支出をする一方、必要手許資金のために借入を増加させております。
(単位:百万円)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。