E03077 Japan GAAP
前期
921.2億 円
前期比
101.3%
株価
850 (04/19)
発行済株式数
38,609,996
EPS(実績)
47.94 円
PER(実績)
17.73 倍
前期
461.5万 円
前期比
105.0%
平均年齢(勤続年数)
47.5歳(23.1年)
従業員数
1,230人(連結:1,519人)
当社グループは、当社及び子会社2社により構成されており、主な事業内容は、靴、衣料品等の小売及び卸売を営んでおります。
(注) 連結子会社であります。
(注) 事業の系統図には明示しておりませんが、各社一般仕入先からの仕入がそれぞれあります。
業績等の概要
(当連結会計年度の経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による行動制限の緩和に伴い、緩やかな景気回復の兆しが見られました。しかしながら、原材料やエネルギー価格の高騰、円安の進行、ウクライナ情勢、新型コロナウイルス感染再拡大への警戒感に加え、物価上昇による消費マインドの低下懸念もあり、先行き不透明な状況は継続しております。
当社グループが属する靴・衣料品小売業界も、外出自粛緩和による客足の戻りはあるものの、新型コロナウイルス感染拡大前の水準には戻っておらず、引き続き大変厳しい経営環境となっております。
このような状況のもと、当社グループでは、お客様と従業員の安心・安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症対策に取り組みながら、新たな機能性商品の提供や、販売促進活動の強化により売上の回復を図ってまいりました。また、不採算店舗の閉店に加え、人事効率の改善など、経費の削減にも取り組んでまいりましたが、それ以上に、仕入価格や光熱費等の上昇が経営に影響を及ぼしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,461百万円減少し、87,214百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ641百万円増加し、35,861百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,102百万円減少し、51,352百万円となりました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高92,119百万円(前期同期比3.9%増)、営業損失2,234百万円(前年同期は営業損失4,387百万円)、経常損失1,942百万円(前年同期は経常損失3,822百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,602百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失は3,980百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<靴事業>
靴事業におきましては、靴専門店としてのサービス向上と商品提案力の強化をテーマとして、重点商品の販売強化や在庫鮮度の改善に取り組み、また、環境変化に対応すべく、デジタルマーケティングやEC事業の拡大を推進してまいりました。
商品面では、行動制限の緩和に伴う経済活動の再開により、仕事や旅行、イベントなどで使用されるビジネスシューズ、カジュアルシューズの売上が伸びました。特に、主力プライベートブランド「セダークレスト」の立ったまま手を使わずに履ける「スパットシューズ」や、透湿防水機能を搭載した「ユーティリティスニーカー」、靴の甲革部分にストレッチ素材を使用した幅広な「ストレッチビジネスシューズ」など、消費者の利便性を考慮した機能性商品を多く揃えました。また、プライベートブランド「ハイドロテック」からは、ペットボトルのリサイクル素材を部分的に使用した「アクティブライト ウォーキングシューズ」を販売するなど、環境に配慮した商品の品揃えも拡充しました。
販売促進では、昨年3月の自社ECサイト大幅リニューアルに伴う大規模なWEB広告、9月からは自社ECサイトで購入した商品の店舗受け取りサービスを開始、12月からは自社アプリによるデジタル会員証・自社ポイントサービスを開始するなど、デジタル事業改革の推進を行ってまいりました。
また、キャッシュレス決済の利用によるポイント還元キャンペーンや、利用可能なキャッシュレス決済の種類を拡大するなど、新たな需要の喚起や利便性の向上に努めました。一方で、従来型の紙媒体によるチラシ広告は引き続き抑制し、広告宣伝の費用対効果の改善に取り組みました。
出退店につきましては、11店舗を出店し、不採算店を中心に44店舗を閉店して、当連結会計年度末の店舗数は921店舗(前連結会計年度末比33店舗減)となりました。
経費につきましては、光熱費の上昇や、キャッシュレス決済の増加に伴い販売手数料は増大しましたが、人事効率の改善や管理費の抑制を行い、販売費及び一般管理費は前年同期比0.4%の微減となりました。
以上の結果、靴事業の売上高は73,676百万円(前年同期比4.5%増)、営業損失は1,516百万円(前年同期は営業損失3,317百万円)となりました。
<衣料品事業>
衣料品事業におきましては、「暮らしに役立つ商品と企業活動を通じて地域社会に貢献します。」という企業理念のもと、お客様の生活やニーズの変化に対応するライフスタイルの提案を行ってまいりました。
商品面では、プライベートブランド「NAVY」を中心に着心地や機能性など、お客様からのご要望の声を集めて商品に反映させた高機能アウターや、抗菌防臭、静電気抑制、ストレッチなどの機能性を兼ね備えたニット、また、あったか素材を使用した「温℃」シリーズなど、消費者の利便性を考慮したお役立ちアイテムを主力商品として販売いたしました。
営業面では、社内向けデジタルツールを活用した動画配信を店舗向けに行うことで、商品知識、コンセプトなどを店舗スタッフと共有し、接客応対力向上や、プライベートブランドを中心とした重点販売商品の提案力向上に努めました。またデジタルツールのアンケート機能を利用して、商品開発部門と店舗との双方向コミュニケーションを行うことにより、「暮らしに役立つ」情報の共有に努めました。
出退店につきましては、20店舗を出店し、25店舗を閉店したことで、当連結会計期間末の店舗数は320店舗(前年同期比5店舗減)となりました。
経費につきましては、一般管理費の抑制により、販売費及び一般管理費は前年同期比2.1%減となりました。
以上の結果、衣料品事業の衣料品事業売上高は18,443百万円(前年同期比1.6%増)、営業損失は726百万円(前年同期は営業損失1,078百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2,980百万円(前期比624百万円減)となりました。
これは、主に棚卸資産の増減額1,844百万円(同1,371百万円増)及び仕入債務の増減額637百万円(同234百万円増)となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,380百万円(前期比4,959百万円増)となりました。
これは、主に投資有価証券の売却及び償還による収入がなくなったこと及び無形固定資産の取得による支出が612百万円(同362百万円増)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,379百万円(前期比2,092百万円減)となりました。
これは、主に長期借入金の返済による支出がなくなったこと及びリース債務の返済による支出が380百万円(同222百万円減)があったことによるものであります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
なお、地区別の売上実績は次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(資産の状況)
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、87,214百万円(前期比3.8%減)となりました。
流動資産は59,075百万円(前期比5.6%減)となっております。これは、主として現金及び預金が25,898百万円(前期比19.1%減)となったこと、商品が28,166百万円(同7.0%増)となったことによるものであります。
固定資産は、28,139百万円(前期比0.1%増)となっております。これは、主として投資有価証券が1,431百万円(前期比153.8%増)となったこと、建物及び構築物が13,734百万円(同3.7%減)となったことによるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債合計は、35,861百万円(前期比1.8%増)となりました。
流動負債は、23,569百万円(前期比5.9%増)となっております。これは、主として支払手形及び買掛金が3,713百万円(前期比11.8%減)となったこと、電子記録債務が15,385百万円(同9.3%増)、未払費用が1,922百万円(同6.8%増)となったことによるものであります。
固定負債は、12,292百万円(前期比5.2%減)となっております。これは、主としてリース債務が885百万円(同19.6%減)、退職給付に係る負債が8,514百万円(同2.3%増)となったことによるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、51,352百万円(前期比7.4%減)となりました。これは、主として利益剰余金が42,375百万円(前期比7.9%減)となったこと、自己株式が△7,015百万円(同0.4%減)となったことによるものであります。自己資本比率は57.0%(前期比1.9ポイント減)となっております。
なお、当社単体の純資産は、48,145百万円(前期比5.7%減)となり、自己資本比率は62.6%(同1.5ポイント減)となっております。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、92,119百万円(前期比3.9%増)となりましたが、新型コロナウイルス感染拡大への警戒感による外出自粛等により当初の業績予想売上高は下回りました。
(営業利益、経常利益)
原材料やエネルギー価格の高騰及び円安の進行等により仕入価格が上昇した為、売上総利益率が伸びず、売上総利益は42,165百万円(前期比4.5%増)にとどまりました。また、広告宣伝費や管理費のコントロールは行ったものの、光熱費の大幅な上昇により、販売費及び一般管理費は前期並みの44,399百万円(前期比0.8%減)となりました。その結果、営業損失は2,234百万円(前年同期は営業損失4,387百万円)、経常損失1,942百万円(前年同期は経常損失3,822百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益が65百万円(前期比96.5%減)となり、主に減損損失により特別損失が806百万円(同21.8%減)となった結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,602百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3,980百万円)となりました。
(主な経営分析指標)
当社グループの主な経営分析指標は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2,980百万円(前期比624百万円減)となりました。
これは、主に棚卸資産の増減額1,844百万円(同1,371百万円増)及び仕入債務の増減額637百万円(同234百万円増)となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,380百万円(前期比4,959百万円増)となりました。
これは、主に投資有価証券の売却及び償還による収入がなくなったこと及び無形固定資産の取得による支出が612百万円(同362百万円増)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,379百万円(前期比2,092百万円減)となりました。
これは、主に長期借入金の返済による支出がなくなったこと及びリース債務の返済による支出が380百万円(同222百万円減)があったことによるものであります。
(キャッシュ・フロー指標の推移)
(注) 1.各指標の算出方法は次のとおりであります。
・自己資本比率:自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
5.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
6.2021年2月期、2022年2月期及び2023年2月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入資金であります。設備資金需要としては、主に出店・改装投資、システム関連投資であり、また、M&A投資なども検討しております。当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、主に自己資金を充てております。
なお、当社グループの有利子負債の残高は1,159百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は25,231百万円あり、事業の維持拡大に必要な運転資金、設備資金を確保しているものと考えております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社グループは、連結株主資本利益率(ROE)を重要な指標として位置付け、中期的な目標を8%達成としておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が停滞し、テレワークが普及するなど生活スタイルの変化により、外出用の靴の需要は低下しております。また、インターネット通販や他業界との競争も厳しさを増していることから、コロナ以前の水準に戻るには相応の時間を要するものと推測され、早期の目標達成は困難な状況となっております。
靴専門店としての商品開発、品揃えを推進し、ECなど店舗以外での販売チャネル拡大を進め、早期黒字化及び収益力の改善を図ってまいります。