E03587 Japan GAAP
前期
679.4億 円
前期比
129.6%
株価
2,678 (04/26)
発行済株式数
41,040,000
EPS(実績)
248.71 円
PER(実績)
10.77 倍
前期
636.9万 円
前期比
105.1%
平均年齢(勤続年数)
42.3歳(18.9年)
従業員数
1,262人(連結:1,338人)
当行グループ(当行及び当行の関係会社)は、当行、連結子会社6社、非連結子会社1社及び関連会社3社で構成され、銀行業務を中心に、リース業務等の金融サービスに係る事業を行っております。
当行グループの事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
〔銀行業〕
当行は、本店をはじめ支店等103か店において、預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務のほか、公共債・投資信託・保険の販売業務及び金融商品仲介業務並びに信託業務等を通じ、地域の皆さまに幅広い金融商品・サービスを提供しております。
また、銀行業務の補完として、連結子会社の阿波銀保証株式会社において信用保証業務等を、阿波銀カード株式会社においてクレジットカード業務等を、阿波銀コンサルティング株式会社において経営コンサルティング業務等を、阿波銀コネクト株式会社においてECモール運営業務等を、あわぎん成長企業投資事業有限責任組合において成長企業への投資業務等を行っております。
〔リース業〕
連結子会社の阿波銀リース株式会社において、リース業務等を行っております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(連結子会社)
(注)上記のほか、「あわぎん6次産業化投資事業有限責任組合」(非連結子会社)、「四国アライアンスキャピタル株式会社」(持分法非適用の関連会社)、「Shikokuブランド株式会社」(持分法非適用の関連会社)及び「あわぎん地方創生投資事業有限責任組合」(持分法非適用の関連会社)を有しております。なお、「あわぎん地方創生投資事業有限責任組合」は、2022年9月30日に存続期間が満了し、2023年5月31日に清算結了いたしました。
当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
2022年度のわが国経済につきましては、資源高等によるインフレの影響を受けつつも、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が次第に緩和されるもとで、設備投資や個人消費を中心に経済活動の正常化が進んだことから、景気は緩やかに持ち直しました。しかしながら、ウクライナ情勢等による地政学的リスクの高まりや各国中央銀行の金融政策の動向、高成長が続いてきた中国経済の減速等、不確実性が一層高まっており、先行きについては下振れリスクが大きいと考えられます。
この間、金融市場では、欧米に加え日本の金融政策の動向や年度末にかけては欧米金融機関の経営不安から変動の大きい動きが続きました。特に、為替市場では秋口にかけて米国長期金利の上昇から大きく円安が進行し、また、長期金利は日本銀行によるイールドカーブ・コントロールの変動幅拡大により年末以降、一時的に急上昇しました。
県内経済につきましても、企業の生産活動がやや弱めとなっているものの、国内景気と同様、個人消費が緩やかに改善するなど基調としては持ち直しの動きとなりました。
このような環境下、当期は、長期経営計画「As One」の最終年度にあたり、経営目標として掲げたコア業務純益180億円以上を計上できる収益体質の構築を図る総仕上げの1年と位置づけ、基本戦略「構造改革と永代取引の進化」のもと、さまざまな施策に取組みました。
こうした中、当連結会計年度の経営成績等につきましては、次のとおりとなりました。
預金及び預かり資産につきましては、お客さまの多様化するニーズへの対応に努め、お取引の拡大を図りました。この結果、譲渡性預金を含めた預金は、法人預金・個人預金・公金預金がいずれも順調に増加したことから、前連結会計年度末比800億円増加し、当連結会計年度末残高は3兆3,806億円となりました。個人年金保険等の預かり資産残高は、前連結会計年度末比94億円増加し、当連結会計年度末残高は2,439億円となりました。また、金融商品仲介業務における預かり資産残高は、前連結会計年度末比458億円減少し、当連結会計年度末残高は7,897億円となりました。
貸出金につきましては、地域密着型金融を推進する中、さまざまな資金ニーズに積極的にお応えした結果、前連結会計年度末比552億円増加し、当連結会計年度末残高は2兆1,723億円となりました。
有価証券につきましては、外国証券の減少を主因として、当連結会計年度末の有価証券残高は前連結会計年度末比964億円減少し、9,353億円となりました。また、当連結会計年度末の有価証券の評価損益は、前連結会計年度末比229億円減少し、624億円の評価益となりました。
当連結会計年度の損益につきましては、経常収益は、株式等売却益や金融派生商品収益が増収となったことなどから、前連結会計年度比201億43百万円増収の880億81百万円となりました。
一方、経常費用は、貸倒引当金繰入額が減少となったものの、外国債券を中心に国債等債券売却損が増加したことなどから、前連結会計年度比208億50百万円増加の726億53百万円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度比7億6百万円減益の154億28百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比9億4百万円減益の102億7百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
銀行業の経常収益は、株式等売却益や金融派生商品収益の増収などから、前連結会計年度比196億65百万円増収の735億17百万円となった一方、経常利益は、国債等債券売却損など経常費用の増加から、前連結会計年度比7億28百万円減益の151億44百万円となりました。
リース業の経常収益は、リース売上高の増収から、前連結会計年度比4億81百万円増収の154億29百万円となり、経常利益は、前連結会計年度比24百万円増益の8億6百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、コールローンの増加及び借用金の減少などにより、3,217億55百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では4,184億28百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が取得による支出を上回ったことなどにより、932億50百万円のプラスとなりました。前連結会計年度比では1,302億80百万円の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得などにより、36億1百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では13億34百万円の減少となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比2,321億10百万円減少し、4,564億94百万円となりました。
当連結会計年度の資金運用収支は、資金調達費用の増加などから、前連結会計年度比6億円減益の364億円となりました。
また、役務取引等収支は、前連結会計年度比1億円減益の81億円となりました。
その他業務収支は、金融派生商品収益などその他業務収益が増収となったものの、国債等債券売却損などその他業務費用が増加したことなどから、前連結会計年度比152億円減益の△140億円となりました。
(注) 1 国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合額の利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を除して表示しております。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、貸出金等は増加したものの預け金が減少したことから前連結会計年度比213億円減少の3兆5,387億円となりました。
また、資金調達勘定の平均残高は、預金等は増加したものの借用金が減少したことから前連結会計年度比371億円減少の3兆4,295億円となりました。
利回りでは、資金運用勘定の利回りは、有価証券利回り等の上昇から前連結会計年度比0.03ポイント上昇の0.96%となり、資金調達勘定の利回りは、前連結会計年度比0.01ポイント低下し0.01%となりました。
この結果、資金運用利息は、前連結会計年度比8億円増収の342億円、資金調達利息は、前連結会計年度比1億円減少の6億円となりました。
(注) 1 国内業務部門は国内店の円建取引であります。
2 平均残高は日々の残高の平均に基づいて算出しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度18,508百万円、当連結会計年度19,458 百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度82百万円、当連結会計年度85百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、貸出金及びコールローンが増加したことから、前連結会計年度比370億円増加の3,391億円となりました。
また、利回りについては、海外金利の上昇などから、前連結会計年度比1.12ポイント上昇し2.91%となりました。
この結果、資金運用利息は、前連結会計年度比44億円増収の98億円となりました。
一方、資金調達勘定は、海外金利の上昇などから利回りが前連結会計年度比1.84ポイント上昇し2.12%となり、資金調達利息は前連結会計年度比60億円増加の69億円となりました。
(注) 1 国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。
2 平均残高は日々の残高の平均に基づいて算出しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度147百万円、当連結会計年度131百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度―百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度―百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
4 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
(注) 1 平均残高は日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度18,656百万円、当連結会計年度19,590百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度82百万円、当連結会計年度85百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
3 相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
当連結会計年度の役務取引等収益は、前連結会計年度比1億円減収の94億円となりました。
種類別では、為替業務は1億円減収の13億円、証券関連業務は5億円減収の18億円、代理業務は5億円増収の16億円となりました。
(注) 国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。
(注) 「各種サービス業」の内訳は、「学術研究,専門・技術サービス業」「宿泊業」「飲食業」「生活関連サービス業,娯楽業」「教育,学習支援業」「医療・福祉」「その他のサービス」となっております。
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社であります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては、粗利益配分手法を採用しております。
(単位:百万円、%)
(単位:百万円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、当行グループにおいては、銀行業が大部分を占めるため、当該銀行業を中心に記載しております。
また、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
当連結会計年度の損益につきましては、資金調達費用の増加などにより資金利益が減益となったものの、金融派生商品収益の増収などから債券関係損益を除くその他業務利益が増益となり、連結コア業務純益は、前連結会計年度比15億72百万円増益の200億2百万円となりました。また、投資信託解約損益を除いた連結コア業務純益は、前連結会計年度比12億88百万円増益の195億29百万円となりました。
経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、実質与信費用が減少したものの、外国証券の含み損を積極的に処分し有価証券関係損益が減益となったことから、それぞれ前連結会計年度比7億6百万円減益の154億28百万円、同9億4百万円減益の102億7百万円となりました。
コア業務粗利益は、資金利益、役務取引等利益及びその他業務利益(債券関係損益を除く)で構成され、当行グループの基本的な利益を測る重要な指標であると認識しております。当連結会計年度におきましては、資金利益及び役務取引等利益が減益となったものの、金融派生商品収益の増収などからその他業務利益(債券関係損益を除く)が増益となり、前連結会計年度比11億98百万円の増益となりました。
資金運用勘定の平均残高においては貸出金及び有価証券が大部分を占めており、これを源泉とする貸出金利息及び有価証券利息配当金は、資金利益を構成する項目の中で最も重要な項目であると認識しております。当連結会計年度の資金利益は、資金調達費用の増加などにより、前連結会計年度比6億94百万円の減益となりました。内容は以下のとおりであります。
貸出金利息につきましては、前連結会計年度に続き増収となりました。これは、引き続き地域密着型金融を推進し、さまざまな資金ニーズに積極的にお応えした結果、貸出金残高が増加したためであり、一定の評価をしております。今後も、事業性評価を軸として企業支援に取組み、より付加価値の高いサービスの提供に努めてまいります。
有価証券利息配当金につきましては、金利上昇の影響など市場動向を注視し、ポートフォリオのリスクを抑制しつつ、安定的な収益確保のための投資対象の選定が重要となる中、当連結会計年度におきましては、株式の配当金が増収となったことに加え、投資信託解約益も増益となり、前連結会計年度比10億73百万円の増収となりました。
資金調達費用につきましては、海外金利の上昇などにより外貨調達費用を中心に増加し、前連結会計年度比59億71百万円の増加となりました。
当行グループが掲げる「永代取引」を実践するためには、取扱商品の多様化や人材の育成等、総合金融サービス機能の高度化が不可欠であります。お客さまの課題解決のために提供するさまざまなサービス提供の成果である役務取引等利益は、収益構造の観点からも重要な分野であると認識しております。
当連結会計年度は、預かり資産関連業務において引き続きファミリーサポート営業を実践し、個人年金保険等保険代理業務に係る手数料が増加しましたが、証券関連業務等に係る手数料が減収となったことなどから、前連結会計年度比1億32百万円の減益となりました。
当行グループが継続的に発展していくためには、サービスの品質向上及び業務効率化等への取組みが必要であると認識しております。当連結会計年度におきましては、物件費を中心に経費の削減に努め、前連結会計年度比3億73百万円減少いたしました。
修正ОHRは、経費削減とコア業務粗利益の増益などから2.26ポイント改善し、59.37%となりました。効率的な業務運営により、引続き修正OHRの改善に努めてまいります。
(注) 修正OHR(経費率)=経費÷コア業務粗利益
有価証券関係損益は、金利上昇の影響を受けた外国証券の含み損処理などを積極的に行い、前連結会計年度比42億24百万円の減益となりました。
実質与信費用は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し引続き予防的な追加引当を実施しましたが、予想損失率の低下や企業倒産が低水準で推移したことなどから、前連結会計年度比21億45百万円減少しました。
貸出金は、新型コロナウイルス感染症への対応として資金繰り支援に全力で取組んだほか、事業性評価に基づき、さまざまな資金ニーズにお応えした結果、幅広い業種で残高が増加しました。当連結会計年度末残高は2兆1,723億円となり、前連結会計年度末比552億円増加しました。今後も引続きさまざまな資金ニーズにお応えし、主力の中小企業向け貸出金等の増強に注力してまいります。
有価証券は、外国証券の減少を主因として、前連結会計年度末比964億円減少し、当連結会計年度末残高は9,353億円となりました。
また、有価証券評価損益は、株式の売却益を計上したこと及び投資信託を中心に下落したことなどから、前連結会計年度末比229億円減少し、評価益は624億円となりました。
有価証券残高(末残)
有価証券評価損益
(注) 連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「買入金銭債権」中の信託受益権を含めて記載しております。
譲渡性預金を含めた預金は、個人預金・法人預金・公金預金がいずれも順調に増加したことから、前連結会計年度末比800億円増加し、当連結会計年度末残高は3兆3,806億円となりました。
当連結会計年度末の個人年金保険等及び金融商品仲介口座残高を合計したお客さまからの預かり資産残高は、前連結会計年度末比363億円減少し、1兆336億円となりました。
当連結会計年度末の譲渡性預金を含めた預金、個人年金保険等及び金融商品仲介口座残高の合計は、4兆4,142億円となりました。野村證券との提携により、野村證券株式会社の取扱商品・サービスをはじめ預金や保険も含めた付加価値の高い総合金融サービスをワンストップでご提供しており、引続き多様な資金運用ニーズに対応できるよう注力してまいります。
預金等残高
預かり資産残高
(注)1 当行の証券口座(国債等・投資信託)は、野村證券との提携により、2021年6月21日に野村證券株式会社を委託元とする金融商品仲介口座へ移管いたしました。野村證券仲介口座残高は、当行と野村證券株式会社旧徳島支店からの移管口座の残高等を合算して記載しております。
2 四国アライアンス証券㈱・大和証券㈱・㈱SBI証券を委託元とする金融商品仲介口座であります。
経営改善支援など中小企業金融の円滑化に継続して取組んだ結果、リスク管理債権残高は、前連結会計年度末比6億円減少し、当連結会計年度末残高は507億円となりました。
また、リスク管理債権比率は2.28%と、前連結会計年度末比0.09ポイント改善しました。
リスク管理債権残高
(注) リース債権及びリース投資資産を含んでおります。
リスク管理債権比率
連結自己資本比率は、資金運用の強化を主因にリスクアセットが増加したことから、前連結会計年度末比0.10ポイント低下し、11.21%となりましたが、内部留保の充実や保有資産の健全性を受け、引続き高い水準を維持しております。
(単位:百万円、%)
営業活動によるキャッシュ・フローは、コールローンの増加及び借用金の減少などにより、3,217億55百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では4,184億28百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が取得による支出を上回ったことなどにより、932億50百万円のプラスとなりました。前連結会計年度比では1,302億80百万円の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得などにより、36億1百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では13億34百万円の減少となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比2,321億10百万円減少し、4,564億94百万円となりました。
銀行業における資金調達の中心は、お客さまからの預金であります。当連結会計年度においては、法人預金を中心に引続き預金残高が増加し、貸出金及び有価証券の運用に対して、安定した資金調達を維持しております。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたお客さまの資金繰り支援や新たな資金需要に対して今後も安定的に対応していく必要があるため、引続き流動性及び自己資本の確保に努めてまいります。外貨建貸出金及び外貨建有価証券の運用につきましても、外貨建預金の増強等により安定した資金調達に努めております。
店舗等設備につきましては、翌連結会計年度以後、店舗新築及び事務機器等(ソフトウエアを含む)の新設などから55億円の資本的支出を予定しておりますが、その資金につきましては自己資金にて対応する予定であります。
当行は株主への利益還元を重要な経営課題として認識しております。配当金の支払いにつきましては、年間25円(中間・期末各12円50銭)を安定配当として堅持しつつ、これに各期の業績に応じた加算をしてお支払することとしておりましたが、2023年5月株主還元方針を変更し、2023年度より配当と自己株式取得額を合わせた株主還元率を、親会社株主に帰属する当期純利益の40%以上とすることを目標としました。引続き内部留保と配当のバランスを取りながら、株主各位に対し安定的かつ積極的な利益還元を継続してまいります。
以上のとおり、安定した資金調達と計画的な資金運用により資金の流動性は安定して推移しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「貸倒引当金」であります。また、当該見積に用いた仮定のうち重要なものは、「債務者の将来の業績見通し」であります。これらの事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、当行グループは、現時点では貸倒引当金について十分な計上を行っており、その計上基準は適正であると認識しております。
新型コロナウイルス感染症の影響により、営業活動には一定の制約が生じたものの、役務取引等利益につきましては、前連結会計年度比1億32百万円の減益と微減にとどまりました。また、預金、貸出金はいずれも順調に増加しました。実質与信費用は、各種政策による支援などにより企業倒産が低水準で推移したことなどから、前連結会計年度比21億45百万円減少しました。
新型コロナウイルス感染症の経済への影響については、2023年度は、全体としては回復傾向にあるものの、「宿泊業」、「飲食業」など特定の業種においては依然として影響が大きいと予想しております。「宿泊業」、「飲食業」など特定の業種の債務者については、他の業種と比べて信用リスクが高まると仮定し、貸倒引当金を算定し、追加引当額605百万円を計上しました。個々のお客さまへの影響は業種や事業規模に応じてさまざまであるため、引続きそれぞれのお客さまに寄り添い課題解決に取組むとともに、お客さまの経営実態を把握し適切な引当てを行うことが重要と考えております。
当行は、2018年4月から「構造改革と永代取引の進化」をテーマとした前長期経営計画「As One」を展開してまいりました。計画最終年度となる2022年度は、当行グループ役職員が一丸となって、経営目標の達成に取組みました。
経営目標の達成状況は、以下のとおりであります。
(注) 2023年3月期の貸出金徳島県内シェアにつきましては、2022年9月現在のものであります。
「As One」ではコア業務純益180億円以上を計上できる収益体質の構築を目指しており、最終事業年度である当事業年度は、コア業務純益が前事業年度比15億円増益の193億円となり、経営目標を達成しました。新経営計画の下におきましても、引続き事業性評価を軸とした企業支援や野村證券との提携によるサービスの高度化を通じ、収益体質の強化を図ってまいります。
コア業務純益ROAについても、コア業務純益が増益となったことから上昇し、経営目標0.48%以上に対し0.49%となりました。
修正OHRは、業務粗利益が増益となったことから、前事業年度比改善し、経営目標62%未満に対し58.95%となりました。
一方、当期純利益は、金利上昇の影響を受けた外国証券の含み損処理などを積極的に行い、国債等債券関係損益が△185億円となったことなどから、前事業年度比8億円減益の101億円となりました。このため、当期純利益ROEは、経営目標4%以上に対し3.69%となりました。新経営計画では当期純利益120億円以上を経営目標に掲げており、本業の収益を確保するとともに有価証券のポートフォリオリスク抑制にも留意しつつ、安定した収益体質の構築を図ってまいります。
貸出金徳島県内シェアは経営目標50%以上に対し、2022年9月現在で47.39%となり、2018年3月期の45.39%から2ポイント上昇しております。徳島県内は地元として最も重要な営業エリアであり、お客さまに付加価値の高いサービスを提供することはもとより、営業体制及び地区管理も強化し、引続きシェアを高めてまいります。
CIS指標は「お客さまからの評価」項目が上昇したことなどから87.09ポイントとなり、前事業年度比0.33ポイントの上昇となりました。今後も「お客さまの声」を活かし改善を図ることで、「お客さま感動満足」のさらなる向上に取組んでまいります。
なお、「As One」の主要戦略及び経営目標等の詳細につきましては、前事業年度の有価証券報告書「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。