売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E05159 IFRS

売上高

9,569.8億 円

前期

7,636.2億 円

前期比

125.3%

時価総額

1.03兆 円

株価

3,714 (04/18)

発行済株式数

277,295,535

EPS(実績)

127.82 円

PER(実績)

29.06 倍

平均給与

884.4万 円

前期

868.5万 円

前期比

101.8%

平均年齢(勤続年数)

40.2歳(6.0年)

従業員数

254人(連結:18,756人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社、当社の子会社(2023年3月31日現在580社)及び持分法適用会社(同63社)から構成される当企業グループは、金融サービス事業や資産運用事業、投資事業に加え、今後も成長領域として期待される暗号資産事業、バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業やWeb3関連の先進的な分野に取り組む事業等が含まれる非金融事業を中心に事業を行っております。

事業系統図は次のとおりであります。

[事業系統図]

※画像省略しています。

23/06/30

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当期における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当期における我が国経済は、金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクもあり、原材料価格の高止まりやエネルギーコストの上昇等を背景とした物価の上昇や、金融資本市場の変動の影響など今後の動向を注視すべき状況にあります。

このように不確実性の高まる事業環境下ながら、当社の当期における連結業績は、収益が前期比30.8%増の9,986億円と過去最高を更新しました。当社連結業績における収益は持続的な成長を遂げており、当事業年度においては1兆円規模に到達しています。

利益面については、投資事業においてベトナム上場銘柄であるTIEN PHONG COMMERCIAL JOINT STOCK BANK等の一部海外上場銘柄の公正価値評価により約427億円の評価損を計上したことに加え、暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等により、暗号資産事業の税引前損失が約184億円となったことから、税引前利益は同75.6%減の1,008億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同90.5%減の350億円となりました(前期のSBI新生銀行連結子会社化に際して計上した一時要因である負ののれん発生益等1,956億円の影響を除くと、税引前利益は同53.6%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は同74.2%減)。

しかしながら、当社の主要事業である金融サービス事業の税引前利益は、上記の負ののれん発生益等の影響を除くと同42.0%増の1,507億円と着実に成長しています。比較的安定した利益を生み出す金融サービス事業の貢献により、当社連結業績における税引前利益の水準は1,000億円規模となっています。

当企業グループは当連結会計年度から管理会計上の事業セグメント区分の変更を行いましたが、こうした安定的なキャッシュ・フローを生み出す事業セグメントに加え、マーケット環境への依存度が高くボラティリティが高い事業セグメント、今後の成長が期待される先進的な事業セグメントを設け、当社グループにおける事業の多様性を確保することで、不確実性の高まる事業環境下においてより機動的な経営判断を行うことができる体制を整えています。

なお、TIEN PHONG COMMERCIAL JOINT STOCK BANKは2023年2月1日付で株式を追加取得し当社の持分法適用関連会社となっており、これ以降は株価変動による評価損益の計上ではなく、同社業績の当社持分を金融サービス事業セグメントに取り込んでいます。

 

当企業グループは、「金融サービス事業」、「アセットマネジメント事業」、および「バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業」の3つの事業セグメントを報告しておりましたが、株式市場などのマーケット環境が各事業セグメント内の特定事業に大きな影響をもたらしていたことや、今後Web3関連等の非金融分野の事業が拡大すると想定される中でその所属が不明瞭になる等の問題が顕在化したことから、当期の第1四半期より事業セグメントを再編しており、「金融サービス事業」や「資産運用事業」、「投資事業」に加え、今後も成長領域として期待される「暗号資産事業」、バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業やWeb3関連の先進的な分野に取り組む事業等が含まれる「非金融事業」の5つの事業セグメントを新たな報告セグメントとしております。

報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。

なお、前期についても変更後のセグメント構成に合わせて組み替えております。

 

収益

 

税引前利益

 

前期

 

当期

 

前期

 

当期

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

金融サービス事業

497,751

 

886,748

78.2

 

301,725

 

150,653

(50.1)

資産運用事業

16,883

 

27,966

65.6

 

3,810

 

10,123

165.7

投資事業

177,911

 

36,684

(79.4)

 

136,457

 

(16,661)

暗号資産事業

55,106

 

30,320

(45.0)

 

3,518

 

(18,429)

非金融事業

23,596

 

26,238

11.2

 

(20,308)

 

(3,253)

771,247

 

1,007,956

30.7

 

425,202

 

122,433

(71.2)

消去又は全社

(7,629)

 

(9,397)

 

(12,478)

 

(21,680)

連結

763,618

 

998,559

30.8

 

412,724

 

100,753

(75.6)

(%表示は対前期増減率)

 

(金融サービス事業)

国内外における証券関連事業、銀行事業、保険事業を中核とした多様な金融関連事業を行っております。

当期における収益は886,748百万円(同78.2%増加)、税引前利益は150,653百万円(同50.1%減少)となりました。これは主に、前期の第3四半期において、株式会社SBI新生銀行の子会社化に伴う負ののれん発生益を263,847百万円計上したこと等の要因によるものであります。

 

(資産運用事業)

投資信託の設定、募集、運用などの投資運用や投資助言、金融商品の情報提供等を行っております。

当期における収益は27,966百万円(同65.6%増加)、税引前利益は10,123百万円(同165.7%増加)となりました。これは主に、SBIグローバルアセットマネジメント株式会社(モーニングスター株式会社より商号変更)において、Morningstar, Inc.(米国イリノイ州)とのライセンス契約を終了し、Morningstar, Inc.に「モーニングスター」ブランドを返還することによる収益を8,000百万円計上したこと等の要因によるものであります。

 

(投資事業)

国内外のIT、フィンテック、ブロックチェーン、金融及びバイオ関連のベンチャー企業等への投資に関する事業等を行っております。

当期における収益は36,684百万円(同79.4%減少)、税引前利益は16,661百万円の損失(前期は136,457百万円の利益)となりました。これは主に、企業への投資において認識される「FVTPLで測定する金融資産から生じる収益」の減少等の要因によるものであります。

 

(暗号資産事業)

暗号資産の交換・取引サービスを提供する暗号資産交換業等を行っております。

当期における収益は30,320百万円(同45.0%減少)、税引前利益は18,429百万円の損失(前期は3,518百万円の利益)となりました。これは主に、暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等の要因によるものであります。

 

(非金融事業)

生体内に存在するアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(5-ALA)を活用した医薬品・健康食品・化粧品の開発・販売や、がん及び免疫分野等における抗体医薬・核酸医薬の研究開発に関する事業、医療・健康情報のデジタル化や医療ビッグデータの活用を推進するソリューション・サービスの提供及び医療金融に関する事業等を行うバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほか、Web3関連の先進的な分野に取り組む事業や再生可能エネルギー事業、アフリカをはじめとした海外新市場で展開する事業等の非金融分野における各種事業等を行っております。

当期における収益は26,238百万円(同11.2%増加)、税引前利益は3,253百万円の損失(前期は20,308百万円の損失)となりました。

 

なお、当期末の総資産は22,310,728百万円となり、前期末の17,838,200百万円から4,472,528百万円の増加となりました。また、資本は前期末に比べ165,396百万円増加し、1,748,654百万円となりました。

 

② キャッシュ・フロー

当期末の現金及び現金同等物残高は3,200,916百万円となり、前期末の2,499,370百万円から701,546百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、960,743百万円の収入(前期は314,046百万円の支出)となりました。これは主に、「営業債権及びその他の債権の増減」が1,813,474百万円の支出、「社債及び借入金(銀行業)の増減」が611,135百万円の支出及び「証券業関連資産及び負債の増減」が397,031百万円の支出となった一方で、「顧客預金の増減」が3,776,127百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,075,054百万円の支出(前期は1,838,517百万円の収入)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」が2,104,558百万円となった一方で、「投資有価証券の取得による支出」が3,026,500百万円となったこと等の要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、810,425百万円の収入(前期は163,302百万円の収入)となりました。これは主に、「社債の償還による支出」が1,062,876百万円となった一方で、「社債の発行による収入」が1,342,878百万円、「短期借入金の純増減額」が375,205百万円の収入及び「長期借入による収入」が186,037百万円となったこと等の要因によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

生産及び受注の実績については、該当する情報がないため記載しておりません。また、販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」に各セグメントの収益として記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積もり

当企業グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、他の情報源から直ちに明らかにならない資産及び負債の帳簿価額について、見積もり、判断及び仮定の設定を行う必要があります。見積もり及びそれに関する仮定は、関係が深いと思われる過去の経験及びその他の要素に基づいております。実績はこれらの見積もりと異なる場合があります。

当企業グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載のとおりであります。また、当該会計方針のうち、将来に関する仮定及び報告期間末における見積もりの不確実性の要因となる事項で、特に重要性があるものについては、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 (4) 見積もり及び判断の利用」に記載しております。これらは、当期及び来期以降に資産や負債の帳簿価額に対して重大な調整をもたらすリスクを含んでおります。

 

② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期における当企業グループを取り巻く事業環境は、金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクもあり、原材料価格の高止まりやエネルギーコストの上昇等を背景とした物価の上昇や、金融資本市場の変動の影響など今後の動向を注視すべき状況にあります。

他方、インターネット金融サービス事業を取り巻く事業環境については、金融取引において少しでも有利な条件を求める消費者が増える傾向にあり、モバイル端末を含むインターネット金融サービスを活用するメリットに対する認知も引き続き拡大しているとともに、感染症対策という観点からも対面での金融取引からの移行も進んでいます。同事業への異業種からの参入も増えており、競争の激化は予想されるものの、今後も引き続き成長が見込まれる市場と認識しております。

 

(金融サービス事業)

金融サービス事業の収益は、前期比78.2%増加の886,748百万円、税引前利益は前期比50.1%減少(SBI新生銀行連結子会社化に際して前期に計上した負ののれん発生益等1,956億円を除くと前期比42.0%増加)の150,653百万円となりました。

株式会社SBI証券は、オンラインでの国内株式委託売買手数料の無料化を図るネオ証券化を段階的に進める中、収益源の多様化が奏功し営業利益は過去最高となりました。

株式会社SBI新生銀行は、法人業務における貸出残高の増加による収益の拡大や貸倒引当金戻入益の計上等もあり、前期比で大幅な増収増益となりました。持分法適用関連会社の住信SBIネット銀行株式会社は、事業は堅調なものの、2023年3月の同社株式の上場時に持分の一部を売却し所有比率が減少したこと等が影響し、当社におけるIFRS取り込みベースの持分法による投資利益は減益となりましたが、所有する同社株式の一部売却に伴い約107億円の売却益を計上しております。韓国の株式会社SBI貯蓄銀行は、基礎的収支は拡大しましたが、金利上昇に伴う利息費用の増加等が影響し増収減益となりました。

SBIインシュアランスグループ株式会社は、保有契約件数の堅調な増加により増収増益となりました。

 

(資産運用事業)

資産運用事業の収益は、前期比65.6%増加の27,966百万円、税引前利益は前期比165.7%増加の10,123百万円となりました。

株式・債券市場の市況悪化の影響を受けたものの、「モーニングスター」ブランドの返還に伴い約80億円の利益を計上しております。なお、モーニングスター株式会社は2023年3月にSBIグローバルアセットマネジメント株式会社へ商号変更しております。

 

(投資事業)

投資事業の収益は、前期比79.4%減少の36,684百万円、税引前利益は16,661百万円の損失(前期は136,457百万円の利益)となりました。一部海外上場銘柄において、IFRSに基づく保有銘柄の各期末における公正価値の変動による損益及び売却損益として約427億円の損失を計上したこと等が大きく影響しています。なお、当事業に係る投資先企業のIPO、M&Aの実績は、国内13社・海外9社(IPO 16社・M&A 6社)の計22社となりました。

 

(暗号資産事業)

暗号資産事業の収益は、前期比45.0%減少の30,320百万円、税引前利益は18,429百万円の損失(前期は3,518百万円の利益)となりました。

当事業の一部連結子会社における保有暗号資産価値の下落や一部取引先の破綻による損失の発生に加え、暗号資産市場全体の取引量減少が大きく影響しました。なお、連結子会社の株式会社ビットポイントジャパンの株式を2023年3月に追加取得し、同社を完全子会社にしております。

 

(非金融事業)

非金融事業の収益は、前期比11.2%増加の26,238百万円、税引前利益は3,253百万円の損失(前期は20,308百万円の損失)となりました。

バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業は、研究・開発が順調に進展する一方で、事業統括やマーケティングの強化に伴い、販管費が増加しました。また、同セグメントではWeb3を中心とした多様な事業を展開しており、地域通貨事業等を展開する株式会社まちのわは、導入自治体の増加に伴い業績が拡大しました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。

 

④ 戦略的事業展開について

戦略的事業展開については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(a) 資金需要及び資金の調達源

当企業グループの事業活動における主な資金需要としては、証券関連事業における信用取引に係る顧客への貸付資金、銀行関連事業及び海外金融サービス事業における貸付資金、投資事業における投資資金等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、銀行借入による間接金融、社債やエクイティファイナンス等の直接金融、証券会社や証券金融会社との取引、コールマネー、顧客預金の受入及び貸出金その他の資産の流動化等により資金を調達しております。

 

(b) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」に記載しております。