売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E03819 Japan GAAP

売上高

101.0億 円

前期

91.9億 円

前期比

109.9%

時価総額

226.9億 円

株価

768 (07/26)

発行済株式数

29,538,647

EPS(実績)

112.87 円

PER(実績)

6.80 倍

平均給与

782.5万 円

前期

900.0万 円

前期比

86.9%

平均年齢(勤続年数)

41.8歳(4.2年)

従業員数

25人(連結:275人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(トレイダーズホールディングス株式会社)、連結子会社5社で構成されております。

連結子会社は、外国為替(以下、「FX」といいます。)証拠金取引サービス『みんなのFX』、『みんなのシストレ』及び『LIGHT FX』、FXオプション取引サービス『みんなのオプション』並びに暗号資産証拠金取引サービス『みんなのコイン』を主力事業とする「トレイダーズ証券株式会社」(以下、「トレイダーズ証券」といいます。)、金融システム開発・システムの保守・運用を行う「株式会社FleGrowth」(以下、「FleGrowth」といいます。)並びに同社の子会社である「耐科斯托普軟件(大連)有限公司」及び「Nextop Co.,Ltd」、投資事業を行う「トレイダーズFinTech1号投資事業有限責任組合」の5社となります。

 

当社は、純粋持株会社として、これらの事業会社の経営支配及び経営管理を行っております。

 

当社グループは、長年にわたりトレイダーズ証券が「金融商品取引事業」から創出するトレーディング損益等を主要な収益源として事業活動を行ってまいりましたが、安定的に利益を上げられる体制を構築し、中長期的に成長拡大を目指す取り組みの一環として2015年12月にFleGrowthを完全子会社化し当社グループ内で一貫してシステムの開発と保守が行える体制を構築しました。グループ内にシステム会社を有することによりFX取引システムの機能の改善及び安定的な稼働への迅速な対応が可能となるとともに、それまで外部ベンダーに支払ってきた多額のFXシステム利用料を削減することに成功し、収支構造の劇的な改革を成し遂げました。

 

なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

①金融商品取引事業

金融商品取引事業の主要な事業者であるトレイダーズ証券は、第一種及び第二種金融商品取引業者、並びに投資助言・代理業者として、外国通貨を対象とした金融デリバティブ商品を提供しております。また、日本暗号資産取引業協会の第二種会員登録及び第一種金融商品取引業者として、暗号資産に関する店頭デリバティブ取引業の追加の変更登録が完了し、2022年1月より暗号資産証拠金取引サービスの提供を開始しました。現在、主として取扱うサービスはFX証拠金取引(商品名:『みんなのFX』、『みんなのシストレ』及び『LIGHT FX』)、FXオプション取引(商品名:『みんなのオプション』)並びに暗号資産証拠金取引(商品名:『みんなのコイン』)であります。

当該事業の顧客は一般投資家であり、上記FX取引についてはインターネットによるリアルタイムの為替レート配信及び受注を行い、24時間(週末ニューヨークFX市場の終了時から翌週東京FX市場の開始時までを除く)取引可能な環境を提供しております。

トレイダーズ証券において最大の収益源であるFX証拠金取引は、主に当事者間の相対取引でありますが、顧客との取引により生じたポジション(新規に建てた後、未決済の状態にあるFX取引の持高をいいます。以下同じ。)相当については適時、提携金融機関(以下、「カウンターパーティー」といいます。)との間でカバー取引(トレイダーズ証券が顧客取引の相手方となることによって生じた市場リスクを減殺するため、カウンターパーティーを相手方として行う反対売買を指します。以下同じ。)を行い、顧客との取引により生じる自己ポジションの為替変動リスクを回避しております。

また、トレイダーズ証券はFX証拠金取引、FXオプション取引及び暗号資産証拠金取引における顧客との取引勘定と自己資金による運用勘定を区分して管理し、分別保管対象となる顧客資産は、提携先信託銀行等と信託契約を締結し信託口座において全額保全しております。

トレイダーズ証券は、証券取引に関する事業に関しては、債券募集等の業務のみを行っております。

 

 

②システム開発・システムコンサルティング事業

システム開発・システムコンサルティング事業の主要な事業者であるFleGrowthは、同社の完全子会社である中国(大連市)に拠点を置く「耐科斯托普軟件(大連)有限公司」及びベトナム(ハノイ市)に拠点を置く「Nextop Co.,Ltd」を含め総勢187名(2024年3月31日現在)の人員体制でシステム開発及びシステムの運用・保守を行っております。当連結会計年度においては、大口顧客の事業縮小により外部向けのFX取引システムの販売及び納品したシステムの運用保守等の売上は減少となりましたが、トレイダーズ証券のFX取引システムの機能強化並びに利便性・安全性を高める開発や金融商品取引システムの開発・運用に注力することで安定して収益を計上することができました。今後も、トレイダーズ証券のFX取引システム並びに暗号資産CFDアプリケーションのさらなる機能強化及び安定したシステム運用に努めるとともに、新たな金融商品取引システムの開発及び既存の金融取引システム等の外部販売を強化していくことでグループ利益の増加への貢献を図っていく予定です。さらに、生成AIを用いた業務効率化ツールをはじめとしたDX化支援システムの提供やWeb制作及びマーケティング支援、営業アウトソースといった非金融分野においても様々なお客様のGrowth(成長)に貢献できるようなサービスを充実させ、収益基盤の拡大を目指します。

 

なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

 

[事業系統図]

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりとなります。

※画像省略しています。

 

24/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の期首より、「売上原価」に含めていた海外子会社の人件費等の費用について、経済的実態をより適切に連結財務諸表に表示するため、「販売費及び一般管理費」の「人件費」に含めて表示する方法に変更しております。そのため、前連結会計年度との比較・分析は、この表示方法の変更を反映させた組替え後の数値で行っております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の「5類」への移行に伴い経済社会活動の制約が大幅に緩和されたことで、インバウンド需要の高まりや旅行や外食等の外出型消費が回復し景気は緩やかに持ち直してきました。しかし、物価上昇による実質賃金の長期的な低下は解消されておらず、成長型経済への転換という政府目標の達成には程遠い状況でした。一方、海外においては、世界的な金融引き締めによる景気減速、中国経済のさらなる減速、ウクライナ侵攻及び中東紛争等の地政学的リスクに起因する海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、依然として先行き不透明な状況が続きました。

当連結会計年度の外国為替(以下、「FX」といいます。)市場は、年間を通じて円安傾向が続きました。2023年4月に1米ドル=133円20銭で始まった米ドル/円相場は、キャリー取引の増加に加え、日銀が大規模な金融緩和を維持する姿勢を示したことや米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げへの言及等を受けて円売りドル買いが加速し、6月下旬には1米ドル=145円台まで円安が進みました。7月に入り米国のインフレ率が鈍化し更なる追加利上げの懸念が後退したことから7月中旬には1米ドル=137円台前半まで円高が進みましたが、その後は再び円安トレンドに戻りました。11月の米雇用統計が市場予想を下回ったことや米消費者物価指数(CPI)がインフレ鈍化を示したことから、米国の早期利下げ観測が高まり円は買われ、さらに、12月に入ると植田日銀総裁の発言を受け日銀が金融政策を早期に修正するとの観測が高まり1米ドル=140円台前半まで急速な円高が進みました。しかし、2024年1月に能登半島地震の影響で日銀の政策修正観測が後退したことやFRBによる早期の利下げ観測が後退したことにより相場は反転し、円は対ドルで急速に下落しました。3月に入り日銀のマイナス金利解除観測が強まったこと等から一時1米ドル=146円台半ばまで円高が進みましたが、その後は日本政府による為替介入を警戒しつつも1米ドル=151円台半ばを中心に推移し、当連結会計年度末は1米ドル=151円37銭で取引を終了しました。

このような市場環境のもと、当社グループの主力事業であるFX取引事業を中核とする金融商品取引事業は、子会社であるトレイダーズ証券株式会社において、『みんなのFX』(FX証拠金取引)、『LIGHT FX』(FX証拠金取引)、『みんなのシストレ』(自動売買ツールを利用したFX証拠金取引)、『みんなのオプション』(FXオプション取引)及び『みんなのコイン』(暗号資産証拠金取引)のサービスを提供し収益確保を図ってまいりました。収益を確保する上で重要な指標となる顧客からの預り資産は、前期に引き続き好調な伸びを示し、当連結会計年度末において1,010億17百万円(前連結会計年度末比206億50百万円増、25.7%増)まで増加しました。当連結会計年度のトレーディング損益は、上記の預り資産の増加により97億87百万円(前年同期比10億29百万円増、11.8%増)と前期に記録した過去最高収益を更新しました。

また、子会社である株式会社FleGrowthが営むシステム開発・システムコンサルティング事業は、トレイダーズ証券向けにFX取引システムの開発及び保守・運用を行うとともに、外部顧客向けにFX取引及び暗号資産証拠金取引に関連したシステムの開発及び保守・運用を行い収益の確保を図ってまいりました。当連結会計年度のシステム開発・システムコンサルティング事業における外部顧客に対する営業収益は、2億34百万円(前年同期比1億8百万円減、31.7%減)と前年同期を下回りました。

以上の結果、営業収益合計は、101億3百万円(前年同期比9億9百万円増、9.9%増)となり、売上原価、金融費用を差し引いた純営業収益合計は、99億12百万円(前年同期比10億7百万円増、11.3%増)となりました。

一方、販売費及び一般管理費は54億99百万円(前年同期比3億37百万円増、6.5%増)と前年より増加しました。増加の主な要因は、FX取引事業において広告代理店を変更したことで広告宣伝費が減少し取引関係費が18億11百万円(前年同期比3億97百万円減、18.0%減)に減少した一方で、人件費が22億75百万円(前年同期比3億95百万円増、21.0%増)、不動産関係費が6億92百万円(前年同期比1億4百万円増、17.8%増)、減価償却費が3億28百万円(前年同期比77百万円増、31.0%増)、その他販管費が2億5百万円(前年同期比1億77百万円増、629.7%増)に増加したこと等によります。

その結果、営業利益は、44億12百万円(前年同期比6億69百万円増、17.9%増)となりました。

営業外収益は、助成金収入3百万円等により9百万円(前年同期比2百万円減、19.9%減)となり、営業外費用は、支払利息14百万円及び為替差損14百万円等により31百万円(前年同期比8百万円増、35.4%増)となりました。

その結果、経常利益は、43億89百万円(前年同期比6億58百万円増、17.7%増)となりました。

特別利益は、賞与引当金戻入額3百万円を計上した結果、3百万円(前年同期比23百万円減、88.7%減)となりました。特別損失は、本社移転費用18百万円(前年同期比33百万円減、63.9%減)等を計上した結果、32百万円(前年同期比94百万円減、74.4%減)となりました。

法人税等合計は、税金等調整前当期純利益の増加による繰越欠損金の充当を反映して繰延税金資産を取崩した結果、法人税等調整額が増加したため10億26百万円(前年同期比6億13百万円増、148.7%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は33億34百万円(前年同期比1億16百万円増、3.6%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。

(金融商品取引事業)

トレイダーズ証券が営む当セグメントの営業収益は98億69百万円(前年同期比10億24百万円増、11.6%増)、セグメント利益は38億93百万円(前年同期比9億17百万円増、30.8%増)となりました。

なお、FX取引事業・暗号資産証拠金取引事業の当連結会計年度末における顧客口座数、預り資産は以下のとおりとなりました。

顧客口座数     550,823口座(前連結会計年度末比   50,060口座増)

預り資産    1,010億17百万円(前連結会計年度末比  206億50百万円増)

 

(システム開発・システムコンサルティング事業)

FleGrowthが営む当セグメントの営業収益は26億9百万円(前年同期比1億円増、4.0%増)となりました。同収益の内訳は、グループ会社であるトレイダーズ証券に対するFX取引システムの開発・保守運用等の内部売上が23億74百万円(前年同期比2億9百万円増、9.7%増)、外部顧客に対する売上が2億34百万円(前年同期比1億8百万円減、31.7%減)であります。セグメント利益は5億52百万円(前年同期比2億9百万円減、27.5%減)となりました。

 

②当期の財政状態の概況

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して298億75百万円増加し、1,181億93百万円となりました。これは主に、現金及び預金が36億14百万円及び顧客分別金信託が269億22百万円増加したことによるものです。

負債合計は、前連結会計年度末と比較して277億29百万円増加し、1,040億71百万円となりました。これは主に、外国為替受入証拠金が270億27百万円増加したこと等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して21億46百万円増加し、141億21百万円となりました。これは主に、剰余金の配当7億15百万円及び自己株式の取得7億5百万円により減少した一方で、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が33億34百万円及び譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分1億55百万円等により増加したことによります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、営業活動により51億68百万円増加、投資活動により3億29百万円減少、財務活動により12億79百万円減少しました。この結果、資金は、前連結会計年度末と比較して35億84百万円増加し、88億20百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び当該増減の要因は、以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は、51億68百万円の収入超過(前年同期は13億22百万円の収入超過)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益43億60百万円及びFX取引にかかる短期差入保証金の減少11億48百万円等により資金が増加したものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金は、3億29百万円の支出超過(前年同期は7億29百万円の支出超過)となりました。これは主に、長期預け金の回収による収入1億85百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出56百万円及び無形固定資産の取得による支出3億39百万円並びに投資有価証券の取得による支出1億円等により資金が減少したものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は、12億79百万円の支出超過(前年同期は5億90百万円の支出超過)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額による収入2億67百万円があった一方、社債償還による支出1億円及び配当金の支払による7億13百万円の支出並びに自己株式の取得による7億5百万円の支出等により資金が減少したものです。

④生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

システム開発・システムコンサルティング事業(百万円)

234

△31.7

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.「金融商品取引事業」及び「その他」につきましては、生産活動を行っていないため記載を省略しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

システム開発・

システムコンサルティング事業

340

△37.5

105

△47.5

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.「金融商品取引事業」及び「その他」につきましては、受注生産形態をとっていないため、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

システム開発・システムコンサルティング事業(百万円)

234

△31.7

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

⑤金融商品取引事業の業務の状況

a. FX取引の売買等の状況

区   分

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比

(%)

米ドル

(百万ドル)

2,459,491

2,282,314

△7.2

メキシコペソ

(百万ペソ)

709,399

831,674

17.2

ユーロ

(百万ユーロ)

280,891

240,187

△14.5

豪ドル

(百万ドル)

343,647

208,500

△39.3

英ポンド

(百万ポンド)

293,875

191,951

△34.7

ハンガリーフォリント

(百万フォリント)

8,193

107,793

1,215.6

南アフリカランド

(百万ランド)

94,020

64,234

△31.7

ニュージーランドドル

(百万ドル)

28,030

41,675

48.7

トルコリラ

(百万リラ)

12,984

33,867

160.8

チェココルナ

(百万コルナ)

4,157

8,246

98.3

その他

(百万通貨単位)

17,459

18,249

4.5

合計

(百万通貨単位)

4,252,152

4,028,693

△5.3

(注)「その他」には、FXオプション取引並びに暗号資産証拠金取引を含めております。

 

b. 自己資本規制比率

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2023年3月31日

当連結会計年度

2024年3月31日

 基本的項目

(A)

8,717

10,824

 補完的項目

 その他有価証券評価差額金等

 

 金融商品取引責任準備金等

 

 一般貸倒引当金

 

10

23

 長期劣後債務

 

 短期劣後債務

 

100

(B)

110

23

 控除資産計

(C)

734

433

 固定化されていない自己資本の額

 (A)+(B)-(C)

(D)

8,093

10,415

 リスク相当額

 市場リスク相当額

 

6

6

 取引先リスク相当額

 

223

229

 基礎的リスク相当額

 

1,452

1,472

 控除前リスク相当額

(F)

1,682

1,708

 暗号資産等による控除額

(第17条関係)

(G)

計 (F)-(G)

(E)

1,682

1,708

 自己資本規制比率  (D) / (E) × 100

 

481.1%

609.5%

(注)1.金融商品取引業を営む子会社であるトレイダーズ証券の自己資本規制比率を記載しております。

2.上記は金融商品取引法第46条の6第1項の規定に基づき、「金融商品取引業等に関する内閣府令」で定められた計算方法により算出しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績や状況等を勘案して合理的と考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

a. 繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積り及び繰延税金資産の回収可能性の判断等に当たっては、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、課税所得の見積りは将来の経営環境の変化や当社グループの事業活動の推移、その他の要因により変化します。なお、将来、課税所得の予測に影響を与える諸要因に変化があり、当社が繰延税金資産の回収可能性がないと判断した場合には繰延税金資産を取り崩す処理を行うため、連結損益計算書の法人税等調整額が増加し、親会社株主に帰属する当期純利益が減少する可能性があります。

b. 貸倒引当金の計上基準

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討して回収不能見込額を計上しております。なお、将来、相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

c. 固定資産の減損処理

当社グループは、主にインターネットを通じた金融商品取引事業を営んでおり、これらの事業に関する取引システム等については当社グループで開発しているため、多くの固定資産を保有しております。これらの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の兆候があり、減損損失を認識すべきであると判断した場合には、固定資産の減損処理を行っております。なお、将来、営む事業の収益性の悪化や経営環境の変化等により、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりです。

a. 営業収益

当連結会計年度の営業収益は、過去最高収益を計上した前連結会計年度をさらに更新しました。好調を維持した主な理由は、金融商品取引事業において、為替相場の変動率が前連結会計年度よりも低下する市場環境ではあったものの、顧客預り資産金額が引き続き増加を遂げたことで、FX相場の変動率が高い状況においては大きくトレーディング損益を計上できる態勢を整備できたことが最大の要因であると認識しております。当連結会計年度のFX市場は、第1四半期はマイナス金利政策が続く日本円を調達して高金利の外貨で運用するキャリー取引の増加により円安の勢いが強まったとの見方もあり円安基調が続き、営業収益が大きく増加しました。第2四半期は第1四半期の反動で相場の変動率が低く、四半期ベースで見て当連結会計年度の中で最も不調でした。第3四半期はFOMC参加者の政策金利見通しで2024年の利下げ幅が拡大したことで米国の早期利下げ観測が強まり相場が活況となり営業収益は増加しました。第4四半期後半はレンジ相場が続いて営業収益を多く稼ぐことはできなかったものの、通期では5期連続で最高営業収益となりました。営業収益の好調を維持できたことは、顧客預り資産の増加を第一の目標にかかげ、様々な施策を実行してきた当社の成果が実ったものと認識しております。

金融商品取引事業においては、戦略的なマーケティングによる費用対効果の向上を図るとともに、お客様目線に立った魅力ある施策の実行及びお客様に継続して取引を行っていただけるサービスの提供を心掛け事業を推進してまいりました。今後も、お客様に安全で快適な取引を行っていただけるよう最新のシステム環境の整備充実を図るとともに、継続して当社でお取引いただけるようカスタマーサービス体制のさらなる充実及び魅力ある商品の提供を実現するよう同事業を営むトレイダーズ証券に求めていくことが重要であると認識しております。

システム開発・システムコンサルティング事業においては、外部からの大型システム開発案件の受注が無く、さらに既存の大口顧客の事業規模の縮小に伴う案件整理の影響を受け、外部への売上は前連結会計年度に比べ減少しました。当連結会計年度における外部売上減少の要因は、FleGrowthがトレイダーズ証券向けのオンラインFX取引システムの追加開発を行い機能・安全性の強化に努めるとともに、トレイダーズ証券向けの暗号資産CFDアプリケーションの開発に注力したことに起因するものと考えております。

今後も品質の高いシステムをお客様に提供できるように、FleGrowthには、同社の海外子会社を含めてシステム開発・運用管理体制のより一層の整備・強化に努めるよう求めていくとともに、トレイダーズ証券向けのデリバティブ商品の多様化を早期に実現するため商品開発のスピード向上に向けた対応を求めていくことが重要であると認識しております。

b. 純営業収益

当連結会計年度の純営業収益は、前連結会計年度に比べ増加しました。増加の主な理由は、上記 a.と同様の理由により営業収益が増加したことによるものです。

c. 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ増益となりました。販売費及び一般管理費が増加したものの、上記 b.純営業収益が大きく増加したことによります。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費が増加した第1の理由は人件費の増加です。人件費増加の主な理由は、給与水準の引き上げと業績拡大に伴う賞与の増加です。第2の理由は不動産関係費の増加です。不動産関係費増加の主な理由は、本社移転による不動産費の増加と営業収益増加に伴うシステムコストの増加です。

その結果、販売費及び一般管理費合計は前連結会計年度と比較しますと約6.5%増加しました。

販売費及び一般管理費については、費用が適正に配分されているか、支出金額は適正な水準となっているか等を継続して注視してまいります。

d. 経常利益

当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ増益となりました。増益の主な理由は、上記 c. 営業利益までの利益が大きく増加したことによります。

e. 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ増益となりました。増益の主な理由は、特別利益が減少したこと及び法人税等が増加したものの、上記d.経常利益までの利益が大きく増加したことによります。

特別利益減少の主な理由は、前連結会計年度に計上したトレイダーズインベストメントが保有していた投資有価証券の売却益が当連結会計年度では発生しなかったことによります。

法人税等が増加した主な理由は、税金等調整前当期純利益の増加による繰越欠損金の充当を反映して繰延税金資産を取り崩した結果、法人税等調整額が増加したことによります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。

 

(金融商品取引事業)

トレイダーズ証券が営む当セグメントの営業収益は、「②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 営業収益」に記載したとおりです。営業収益が前連結会計年度に比べ10億24百万円増加しましたが、販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べ1億5百万円増加したことで、セグメント利益は前連結会計年度を9億17百万円上回りました。

トレーディング損益増加の源泉となる顧客預り資産の当連結会計年度末残高は、1,010億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ206億50百万円増加しました。

証券会社の財務指標となる自己資本規制比率は当連結会計年度末 609.5%(前連結会計年度末 481.1%)となり、財務の健全性を維持しております。

 

(システム開発・システムコンサルティング事業)

FleGrowthが営む当セグメントの営業収益は、トレイダーズ証券からのFX取引システムの利用料及び外部へのシステム等に係る保守運用収入及び販売収入からなります。当連結会計年度における外部売上は、システム開発等の販売収入が減少し、前連結会計年度を1億8百万円下回りました。一方、内部売上はトレイダーズ証券のトレーディング損益が増加したことから、レベニューシェア型である同システム利用料収入が前連結会計年度に比べ2億9百万円増加しました。その結果、当セグメントの営業収益は、前連結会計年度を1億円上回りました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ人件費等の増加により2億75百万円増加しました。その結果、セグメント利益は、前連結会計年度を2億9百万円下回りました。

FleGrowthではFX取引システム及び暗号資産CFDアプリケーション等の金融商品取引システムの開発を中心に行っており、優秀な開発人員の確保を含め、システム開発・運用管理体制を整備・強化し、当グループ内外へのシステムの安定的な提供を可能とする体制構築を図っております。

翌連結会計年度においては、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ③地政学的リスクへの対応」に記載しましたとおり、国内拠点における中長期的に安定したシステム開発体制の整備・拡充と専門要員の確保によるシステム品質の向上に向けて取り組むことで、中国・ベトナム・日本の3拠点における金融取引システムの開発・運用監視業務のバランスを重視した相互補完体制の構築を推進するために一定の投資を行ってまいります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、当社グループを取り巻く経営環境・事業環境・システム環境等の面から業績に影響を及ぼす事項について「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。

a. キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b. 財務政策

当社グループが注力するFX取引事業は、カバー先金融機関に預託する証拠金や日々の取引損益の値洗いに伴う決済金、顧客区分管理信託の受払に伴う立替資金等多額の運転資金が必要となるため、事業を安定化させるためには多額の長期安定資金の確保が必要となります。資金繰りにおいては顧客の取引損益の増減により生じる日々のカバー先金融機関との決済、顧客区分管理信託の受払に関する必要額が予見しづらく、時として多額に上ることも想定されるため、手許の待機資金を十分厚く保持することが必要になります。とりわけ、海外カバー先金融機関からの資金の受取は1~2営業日の日数を要するため、トレイダーズ証券が一時的に多額の資金を立替えなくてはならない可能性があります。

当社グループの財務基盤は、業績の回復とともに改善してきており、利益の積み上げで資金が増加するとともに、金融機関からの融資の取り組みも徐々に増えてきております。しかしながら、当社の資金は、上記の資金需要をまだ十分に満たすには至っていないため、今後も金融機関に対する融資の交渉を続けるとともに、事業運営上の安定化を促進させるための取り組みを行ってまいります。また、万が一、将来において業績が悪化する等の状況に陥り、資金調達が必要と判断した場合には、金融機関等からの借入だけにとどまらず、第三者割当増資又は新株予約権等のエクイティ・ファイナンス及び社債等のデット・ファイナンス等、可能な限りの資金調達方法を検討し、実行することを考えております。