売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04149 Japan GAAP

売上高

1.40兆 円

前期

9,351.4億 円

前期比

149.7%

時価総額

3.67兆 円

株価

3,566 (04/26)

発行済株式数

1,030,000,000

EPS(実績)

213.03 円

PER(実績)

16.74 倍

平均給与

709.8万 円

前期

687.1万 円

前期比

103.3%

平均年齢(勤続年数)

36.4歳(15.5年)

従業員数

18,727人(連結:29,854人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループの営んでいる主要な事業内容は以下のとおりです。

(1) 運輸業

 東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業を行うほか、バス事業等を行っています。

[主な関係会社]当社、ジェイアール東海バス㈱

(2) 流通業

 JRセントラルタワーズ内で百貨店事業を営むほか、主に、車内・駅構内における物品販売等を行っています。

[主な関係会社]㈱ジェイアール東海髙島屋、東海キヨスク㈱、㈱ジェイアール東海パッセンジャーズ、

ジェイアール東海商事㈱

(3) 不動産業

 駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業を行っています。

[主な関係会社]当社、ジェイアールセントラルビル㈱、ジェイアール東海不動産㈱、

新横浜ステーション開発㈱、東京ステーション開発㈱、名古屋ステーション開発㈱、

ジェイアール東海関西開発㈱

(4) その他

 当社の主要駅等でホテル業を行うほか、旅行業、広告業等を行っています。

 また、鉄道車両等の製造、各種設備の保守・検査・修繕、その他事業を行っています。

[主な関係会社]

ホテル・サービス業 ㈱ジェイアール東海ホテルズ、㈱ジェイアール東海ツアーズ、

               ㈱ジェイアール東海エージェンシー

その他       日本車輌製造㈱、ジェイアール東海建設㈱、日本機械保線㈱、

               中央リネンサプライ㈱、東海交通機械㈱、新生テクノス㈱

以上に述べた事項及び当社の主な関係会社の概要図は次のとおりです。

※画像省略しています。

(注) ※印は持分法適用の関連会社を示しています。

 

23/06/23

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績の概要)

 新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境が続く中、当社グループは、感染拡大防止に取り組みながら、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。また、これまでも不断に取り組んできた設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化を一層強化するとともに、安全・安定輸送の確保や輸送サービスの提供に支障しないことを前提に、可能な限りの費用削減を行いました。さらに、効率的な業務執行体制を構築することで10~15年かけて定常的なコストを単体で800億円削減する「業務改革」を推進するとともに、新しい発想により「収益の拡大」を実現することに挑戦し、経営体力の再強化に取り組みました。

 東海道新幹線については、お客様に安心してご利用いただけるよう感染拡大防止に取り組みながら、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、引き続き大規模改修工事や脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を推進するとともに、新型車両N700Sの追加投入及び既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を進めました。

 在来線についても、お客様に安心してご利用いただけるよう感染拡大防止に取り組みながら、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせ弾力的に増結や増発を行うとともに、3月には「ひだ」の全定期列車をハイブリッド方式の新型特急車両HC85系に統一しました。また、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。

 営業施策については、東海道・山陽新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービスである「エクスプレス予約」及び「スマートEX」をより多くのお客様にご利用いただくため、九州新幹線区間へのサービスエリア延伸等の取組みを実施しました。また、ご利用拡大に向けた取組みとして、「定番」から時間、場所、旅先での移動手段や行動をずらした新しい旅として提案している「ずらし旅」とともに、ご自身の「推し」に会いに行く「推し旅」を各種事業者と協力し、新しい内容にアップデートして提案するキャンペーン「推し旅アップデート」を展開するなど、魅力ある旅行商品等を販売しました。さらに、奈良にスポットをあてた新たな観光キャンペーン「いざいざ奈良」を開始しました。加えて、一時的な打ち合わせやWeb会議等にご利用いただける個室タイプの「ビジネスブース」を一部のN700S車内に試験的に導入したほか、半個室タイプのビジネスコーナーを全ての「のぞみ」停車駅に設置するなど、車内や駅のビジネス環境の整備に取り組みました。

 超電導リニアによる中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、工事については、新たに岐阜県駅(仮称)、長野県駅(仮称)等で本格的な工事に着手したほか、南アルプストンネル長野工区では本坑の掘削を開始し、大深度地下をシールドマシンで掘削する第一首都圏トンネル梶ヶ谷工区及び東百合丘工区では、安全・安心の取組みを実地で確認する調査掘進を開始するなど、沿線各地で着実に工事を進めました。引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、コストを十分に精査しつつ、各種工事を精力的に進めます。

 なお、南アルプストンネル静岡工区においては、静岡県等の理解が得られず、トンネル掘削工事に着手できない状態が続いています。こうした中、大井川の水資源への影響について、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」が一昨年12月に取りまとめた「大井川水資源問題に関する中間報告」を踏まえて、工事の一定期間、例外的に県外へ流出するトンネル湧水量と同量を大井川に戻す方策の検討を進め、昨年4月以降、静岡県等に説明しています。あわせて、大井川の水資源に関する今後の取組みや地域への説明に活かすため、昨年7月以降、意見・質問をお寄せいただく取組みを行っており、個別に回答するとともに、昨年10月に主な意見・質問と回答を公表しました。また、南アルプスの生態系等の環境保全については、昨年6月から有識者会議において議論が進められています。引き続き、地域の理解と協力を得られるよう、真摯に対応していきます。

 一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への導入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を実施するなど、さらなるブラッシュアップ及び営業線の建設・運営・保守のより一層のコストダウンに取り組みました。また、中央新幹線の開業に向けて期待感を醸成するため、改良型試験車による超電導リニアの体験乗車について、一般のお客様を対象とした従来のものに加えて、新たに学生限定の貸切乗車を実施しました。

 海外における高速鉄道プロジェクトへの取組みについては、米国における高速鉄道プロジェクトについて引き続き着実に取り組んだほか、台湾高速鉄道において技術コンサルティングを進めました。また、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを推進しました。

 鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズと開業5周年を迎えたJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図りました。また、「東京駅一番街」、「アスティ一宮」、「アスティ京都」等の駅商業施設のリニューアルや高架下開発を行うなど、競争力、販売力の強化に努めました。さらに、当社グループの駅商業施設で利用できる共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」の10月の開始に向けて、計画的に準備を進めました。

 上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前期比56.7%増の501億8千3百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比49.7%増の1兆4,002億円、経常利益は3,074億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,194億円となりました。

 

 これをセグメントごとに示すと次のとおりです。

 

運輸業

 東海道新幹線については、お客様に安心してご利用いただけるよう感染拡大防止に取り組みながら、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を着実に進めるとともに、地震対策については、脱線防止ガードの敷設を進めるなど、東海道新幹線全線を対象にした脱線・逸脱防止対策に取り組んだほか、鉄道設備の浸水対策について、ハザードマップ等を踏まえて進めました。さらに、車椅子スペースを6席設置したN700Sの投入を進めるとともに、一部の車椅子対応座席における「エクスプレス予約」及び「スマートEX」での予約の試行を実施しました。また、引き続き新型車両N700Sの追加投入及び既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を進めました。加えて、可動柵について新大阪駅20番線ホームでの使用を開始し、「のぞみ」停車駅における可動柵の整備を完了するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。

 在来線についても、東海道新幹線同様、お客様に安心してご利用いただけるよう感染拡大防止に取り組みながら、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせ弾力的に増結や増発を行いました。また、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策を引き続き進めるとともに、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。さらに、昨年3月に営業運転を開始した新形式の通勤型電車315系の追加投入を進めたほか、昨年7月に「ひだ」で営業運転を開始したハイブリッド方式の新型特急車両HC85系の追加投入を進め、3月に「ひだ」の全定期列車をHC85系に統一しました。加えて、1月から車側カメラを設置した車両を用いてホーム上の安全確認の技術検証を開始しました。また、可動柵について、名古屋駅東海道本線下りホームへの設置工事やQRコードを利用したホーム可動柵開閉システムの導入に向けた準備を行いました。内方線付き点状ブロックについては、整備対象を乗降1千人以上の駅に拡大して取替を進めるなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。

 新幹線・在来線共通の取組みとしては、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に対応すべく実践的な訓練等を実施しました。また、地震対策として、駅の吊り天井の脱落防止対策を進めるとともに、駅のプラットホーム上家の耐震補強工事を実施しました。

 営業施策については、「エクスプレス予約」及び「スマートEX」をより多くのお客様にご利用いただくため、九州新幹線区間へのサービスエリア延伸等の取組みを実施しました。また、「エクスプレス予約」及び「スマートEX」の会員及び登録者数が1,000万人に到達したことを記念して、これまでのご愛顧に感謝し「ドクターイエロー」体験乗車イベント等のキャンペーンを展開しました。さらに、本年秋に予定している、新幹線とともにホテルや観光プラン等、ご旅行全体をシームレスに予約・決済いただける新サービス「EX-MaaS(仮称)」の開始に向けた諸準備を着実に進めるとともに、「エクスプレス予約」及び「スマートEX」の画面から沿線のホテル等の各種コンテンツにリンクするポータルサイト「EX 旅のコンテンツポータル」について、旅の目的となるコンテンツを充実させました。今後のご利用拡大に向けては、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」の販売を開始したほか、これからの新しい旅として提案している「ずらし旅」や「推し旅アップデート」について、特設サイトやTwitterアカウントにて発信するとともに、沿線自治体や各種事業者と連携しながら、魅力ある旅行商品等を販売しました。また、奈良にスポットをあてた新たな観光キャンペーン「いざいざ奈良」を開始したほか、京都、東京、飛騨等の観光資源を活用した各種キャンペーンの展開を行いました。さらに、一時的な打ち合わせやWeb会議等にご利用いただける個室タイプの「ビジネスブース」を一部のN700S車内に試験的に導入したほか、半個室タイプのビジネスコーナーを全ての「のぞみ」停車駅に設置するなど、車内や駅のビジネス環境の整備に取り組むとともに、ビジネスユーザーの出張利用を促す取組みとして「会いにいこう」キャンペーンを展開しました。

 当期における輸送実績(輸送人キロ)は、東海道新幹線は前期比68.5%増の424億1千8百万人キロ、在来線は前期比13.5%増の77億6千5百万人キロとなりました。

 バス事業においては、感染拡大防止に取り組みながら、安全の確保を最優先として顧客ニーズを踏まえた商品設定を行い、収益の確保に努めました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比58.0%増の1兆1,340億円、営業利益は3,385億円となりました。

 

 また、運輸業の大部分を占める当社の鉄道事業の営業成績は次のとおりです。

区分

単位

前事業年度

(自 令和3年4月1日

 至 令和4年3月31日)

当事業年度

(自 令和4年4月1日

 至 令和5年3月31日)

新幹線

在来線

合計

新幹線

在来線

合計

営業日数

365

365

365

365

365

365

営業キロ

キロ

552.6

1,418.2

1,970.8

552.6

1,418.2

1,970.8

客車走行キロ

千キロ

911,762

221,292

1,133,054

970,018

227,590

1,197,608

定期

千人

10,289

231,319

239,899

11,275

236,132

245,535

定期外

千人

73,221

88,520

156,478

120,060

115,003

226,858

千人

83,511

319,839

396,377

131,335

351,135

472,393

旅客輸送人キロ

百万人キロ

25,176

6,840

32,016

42,418

7,765

50,183

定期

百万円

11,790

29,581

41,372

12,909

30,183

43,092

定期外

百万円

578,055

37,815

615,870

973,264

53,621

1,026,885

百万円

589,846

67,396

657,242

986,173

83,805

1,069,978

小荷物運賃・

料金

百万円

2

2

2

2

合計

百万円

589,846

67,398

657,244

986,173

83,807

1,069,980

鉄道線路使用料収入

百万円

3,564

3,798

運輸雑収

百万円

50,587

52,944

収入合計

百万円

711,396

1,126,724

輸送効率

座席利用率

33.4

乗車効率

23.7

座席利用率

52.9

乗車効率

26.2

 (注) 1 旅客運輸収入の新幹線及び在来線区分は、旅客輸送計数により区分しています。また、旅客輸送人員の合計については、新幹線、在来線の重複人員を除いて計上しています。

2 輸送効率の算出方法は次のとおりです。

新幹線座席利用率=

旅客輸送人キロ

×100

 

座席キロ(編成別列車キロ×座席数)

 

在来線乗車効率 =

旅客輸送人キロ

×100

 

客車走行キロ×平均定員

3 旅客運輸収入のうち主要なJR他社(当該会社の旅行代理店等を含む。)による発売額の構成比は、次のとおりです。

会社名

前事業年度(%)

当事業年度(%)

 

東日本旅客鉄道株式会社

17.7

19.7

 

西日本旅客鉄道株式会社

15.3

15.6

 

 

 

流通業

 流通業においては、「ジェイアール名古屋タカシマヤ」においてラグジュアリーゾーンの大規模リニューアルを進め一部店舗を開業するとともに、イオンモール岡崎に食料品売場を出店したほか、開業5周年を迎えた「タカシマヤ ゲートタワーモール」において顧客ニーズを捉えた営業施策を展開するなど、収益力の強化に努めました。また、駅やホテルの人気商品やオリジナル鉄道グッズ等を取り揃えた多彩なオンラインショップが集うショッピングサイト「JR東海MARKET」では、「のぞみ」号が運行開始30周年を迎えたことを記念した商品のほか、引退した新幹線車両のアルミニウムを再利用した「東海道新幹線再生アルミ」を用いた商品を新たに販売するなど、商品力の強化に取り組みました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比35.1%増の1,387億円、営業利益は83億円となりました。

 

不動産業

 不動産業においては、JRゲートタワーにおいて開業5周年をテーマに様々な企画を開催したほか、「東京駅一番街」、「アスティ一宮」、「アスティ京都」等の駅商業施設のリニューアルや高架下開発を行うなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。また、駅構内や駅直結ビル等におけるワークスペース事業「EXPRESS WORK」のさらなる拡充を進めました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比7.2%増の773億円、営業利益は前期比16.3%増の173億円となりました。

 

その他

 ホテル業においては、感染拡大防止に取り組みながら、高品質なサービスの提供に努めたほか、各種事業者と連携した魅力ある客室の提供等により、需要を喚起しました。

 旅行業においては、これからの新しい旅として提案している「ずらし旅」と連動し、京都、奈良、東京、飛騨等の各方面へ向けた魅力ある旅行商品を販売したほか、「推し旅アップデート」として各種事業者と協力した新たな観光プランを販売しました。

 鉄道車両等製造業においては、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比6.4%増の2,494億円、営業利益は755.9%増の100億円となりました。

 

 

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営成績

① 営業収益

営業収益は、前期比4,651億円(49.7%)増の1兆4,002億円となりました。

運輸業においては、当社の運輸収入は前期比4,127億円(62.8%)増の1兆699億円となりました。東海道新幹線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比68.5%増加した結果、運輸収入は前期比67.2%増の9,861億円となりました。また、在来線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比13.5%増加した結果、運輸収入は前期比24.3%増の838億円となりました。

運輸業以外の流通業、不動産業、その他の事業においても、それぞれ前期比35.1%、7.2%、6.4%増加し、すべての事業区分において増収となりました。

② 営業費

営業費は、前期比923億円(9.9%)増の1兆257億円となりました。

③ 営業利益

営業利益は、前期比3,727億円増の3,745億円となりました。

④ 営業外損益

営業外損益は、前期と比べて19億円改善しました。

⑤ 経常損益

経常利益は3,074億円となり、前期が672億円の経常損失であったことと比べ、3,747億円改善しました。

⑥ 親会社株主に帰属する当期純損益

上記に法人税等などを加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,194億円となり、前期が519億円の親会社株主に帰属する当期純損失であったことと比べ、2,713億円改善しました。

 

(2) 財政状態

当期末の資産残高は、前期末から638億円増加し9兆5,144億円となりました。また、セグメント別の資産残高について、運輸業は前期末から1,545億円減少し8兆5,592億円、流通業は前期末から187億円増加し1,363億円、不動産業は前期末から151億円増加し3,665億円、その他は前期末から307億円増加し4,204億円となりました。

当期末の負債残高は、前期末から1,339億円減少し5兆7,072億円となりました。なお、長期債務の当期末残高は、4兆9,498億円となりました。そのうち、中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆9,498億円となり、前期末と比べ81億円増加しました。

当期末の純資産残高は、前期末から1,978億円増加して3兆8,071億円となり、自己資本比率は前期末の37.7%から当期末は39.5%になりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比べ910億円増の7,105億円となり、資金の流動性を確保していると判断しています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、4,867億円の資金の増加となりました。前期が717億円の資金の増加であったことと比べ、当社の運輸収入が増加したことなどから、4,149億円の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,750億円の資金の減少となりました。前期が1,530億円の資金の減少であったことと比べ、資金運用の償還等による収入が減少したことなどから、219億円の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,206億円の資金の減少となりました。前期が191億円の資金の減少であったことと比べ、短期社債の償還による支出が増加したことなどから、2,014億円の減少となりました。

② 重要な資本的支出の予定及びその資金の源泉

「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。

③ 株主還元

「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。

④ 資金調達

資金調達については、中央新幹線などの設備投資計画や債務償還計画等を考慮し、経済情勢、金融市場動向を踏まえた上で、必要な資金を安定的、機動的かつ低利に確保することを基本としています。

当期は、債務の償還及び設備資金等に充当するため、国内普通社債(グリーンボンド)180億円を発行し、長期借入金により844億円を調達しました。また、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少が続いた場合に備え、短期社債2,000億円を発行しました。

なお、中央新幹線の建設については、財政投融資を活用した長期借入を行い、当面必要となる資金を確保しています。

当社では、円滑な資金調達を行うため、当期末時点でムーディーズ・ジャパン株式会社よりA2、株式会社格付投資情報センターよりAA、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、株式会社日本格付研究所よりAAAの格付けを取得しています。

また、短期的な流動性確保のため、当期末現在1,000億円のコミットメントラインを設定しています。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループにおける見積りのうち、退職給付に係る負債及び退職給付費用については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(退職給付関係)」において割引率、長期期待運用収益率等を記載しています。なお、割引率、長期期待運用収益率等に変動が生じた場合には、退職給付債務が増減することに伴い、退職給付に係る負債及び退職給付費用に増減が生じます。

また、繰延税金資産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

 

 

※画像省略しています。