E04242 Japan GAAP
前期
580.6億 円
前期比
112.0%
株価
719 (07/12)
発行済株式数
36,000,000
EPS(実績)
144.15 円
PER(実績)
4.99 倍
前期
701.5万 円
前期比
101.9%
平均年齢(勤続年数)
36.5歳(6.5年)
従業員数
108人(連結:540人)
当社グループは、当社(明海グループ株式会社)、連結子会社17社および関連会社11社により構成され、外航海運業を中心に事業展開を図っています。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
上記の企業集団の状況について事業系統図を示すと次のとおりです。
(事業系統図) [セグメント]
※上記の事業内容は「セグメント情報」の区分と同一です。
※上記の☆は連結子会社、また無印は持分法適用関連会社です。
※明治土地建物株式会社は、持分法適用関連会社であると同時に当社の「その他の関係会社」です。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
<経済環境>
当連結会計年度における世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、イスラエルとハマスの武力衝突、インフレと金融引き締めの継続により、世界経済の成長率は3.2%に減速しました。
米国経済は、金利引き上げにもかかわらず、良好な家計状況と労働市場の改善により予想を上回る成長となりました。欧州経済は、インフレの高止まりと実質賃金の減少により1年を通じて低迷しました。中国経済は、新型コロナウイルスの収束により急回復しましたが、4月以降は不動産バブルの崩壊により停滞が続きました。
我が国経済は、コロナ禍を乗り越え、緩やかな回復基調を取り戻しましたが、業況や収益など企業部門は好調である一方、これが賃金や投資に十分に結び付かず、内需は力強さを欠き、成長率は1.9%に留まりました。
当連結会計年度の為替は、日米金利差を背景に133円台で始まり、7月に米国政策金利が5.5%に上昇した後は更に円安が進行し、11月には151円台を記録しましたが、12月に入ると日銀が金融政策正常化へ踏み出すとの思惑から年末には141円台となりました。年明け後は、米国の早期利下げ観測の修正もあり、3月末は再び151円台と円安となりました。
<外航海運業>
大型タンカー傭船市況は、ウクライナ情勢の継続的な影響と、昨年10月以降の中東情勢の悪化、それに伴いスエズ運河および紅海航行を多くの船社が回避したことにより、市況は波乱含みの展開となりました。しかし、新造船の供給量が比較的少なかったこともあり、市況は通期において概ね高位で推移しました。石油製品船傭船市況も引き続きロシア出し石油製品の代替調達によるトンマイルの伸長やジェット燃料の荷動きの増加などコロナ禍以降の環境改善、加えて中東情勢の悪化によるスエズ運河/紅海の通峡回避に起因したトンマイルの伸長に伴い、市況は比較的堅調に推移しました。また、LPG/LNG船傭船市況についても、引き続きウクライナ情勢による貨物需要の増大や貨物価格の地域差の拡大などを要因として荷動きが活発化し、期中を通じておおむね堅調に推移しました。特にLPG船においては、渇水によるパナマ運河の通峡制限の影響を大きく受け、傭船料は一時歴史的高値を記録するなど、高水準で推移しました。
バルカー傭船市況は、タンカー傭船市況とは対照的に、中国における経済成長鈍化に起因する原材料の需要不振を主要因として、特に大型船について本年2月まで下落基調にて推移しましたが、ようやく底打ちの気配が見られます。中小船型については、大型船ほどの市況の下落幅は見られなかったものの、年間を通して概ね安定したレベルにて推移しました。
自動車船傭船市況は、コロナ禍からの回復に伴う、自動車生産量と荷動きの増加が2023年後半より生じ、一方で2020年の荷動き減退の際に日本と欧州のオペレーターを中心に行われたスクラップの促進など、船腹供給量の絞り込みが如実に市況に反映され、歴史的な高水準にて推移しました。
コンテナ船傭船市況は、2020年半ば以降、コロナ禍に起因する港湾の混雑や一部地域におけるコンテナ不足などを背景とした船腹需要の増加が2022年初めにピークを迎え、状況の落ち着きとともにその後急落したものの、2023年12月以降は中東情勢の悪化に伴うスエズ運河回避の影響により運賃が反発し、市況は高位の状況が維持されています。
このような状況のもと、当連結会計年度の外航海運業部門は、売却による船舶の稼働減もありましたが、前連結会計年度に竣工・取得した船舶の稼働増に加え、タンカー1隻の新規稼働のほか、円安進行の影響もあり、売上高は55,744百万円(前年同期比9.3%増)となりました。費用面においては、前年同期と比べ入渠隻数の減少等、海運業費用の減少もあり、外航海運業利益は10,678百万円(前年同期比20.4%増)となりました。また、特別利益として、当社の連結子会社が所有する船舶5隻の船舶売却益7,191百万円を計上しています。
<ホテル関連事業>
ホテル関連事業部門では、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行されたことにより、国内・海外客双方の旅行需要が急速に回復し、その結果、ホテル関連事業部門の売上高は8,722百万円(前年同期比33.7%増)、ホテル関連事業利益は415百万円(前年同期はホテル関連事業損失400百万円)となり、4期ぶりに黒字転換しました。
<不動産賃貸業>
不動産賃貸業部門では、売上高は551百万円(前年同期比3.6%増)となり、不動産賃貸業利益は304百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度において売上高は65,018百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は前述の海運業費用の減少およびホテル関連事業損失からホテル関連事業利益へ回復したこともあり、11,398百万円(前年同期比30.1%増)となりました。営業外損益においては、支払利息4,443百万円、為替差損3,170百万円の計上があり、経常利益は5,836百万円(前年同期比9.4%減)、最終の親会社株主に帰属する当期純利益は、5,189百万円(前年同期比19.4%減)になりました。
当連結会計年度末における資産の部は、前連結会計年度末より1,510百万円増加し、276,457百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加、在外子会社の為替換算および投資有価証券の増加によるものです。
負債の部は、前連結会計年度末より11,469百万円減少し、195,044百万円になりました。これは主に船舶売却に伴う借入金の減少によるものです。また、純資産の部は、前連結会計年度末より12,979百万円増加し、81,413百万円となりました。これは主に、利益剰余金および非支配株主持分の増加によるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて10,717百万円増加し、37,688百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は、27,946百万円(前年同期比1,568百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益13,222百万円に、減価償却費17,284百万円等を加減算した結果です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によって得られた資金は、8,493百万円(前年同期は18,415百万円の支出)となりました。これは主に船舶売船等の有形固定資産の売却による収入19,399百万円と、有形固定資産の取得による支出9,814百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によって使用した資金は、24,603百万円(前年同期比19,147百万円増)となりました。これは主に長期借入れによる収入12,357百万円と、長期借入金の返済による支出31,800百万円によるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものとして、外航海運業においては海運業費用で、船員費・船舶修繕費等の船費、船舶管理業務に係る労務費やシステム関連費用が含まれます。ホテル関連事業においては原材料仕入や労務費等のホテル運営費、不動産賃貸業においては保有不動産の維持管理費です。その他、各事業における人件費、物件費等の一般管理費があります。
また設備資金需要の主なものとして、外航海運業においては船舶投資、ホテル関連事業や不動産賃貸業においては設備の拡充・更新投資があります。当連結会計年度中に総額9,683百万円の設備投資を実施しました。
(財務政策)
当社グループの事業維持拡大には、低コストで、安定的な資金確保が重要と認識しています。
設備資金需要に対しては、金融機関からの長期借入を中心に調達し、一部の船舶についてはリースの活用も行っています。また運転資金需要に対しては、営業活動から得た資金や内部留保資金、金融機関からの借入および社債発行により賄っています。
流動性確保の観点から、金融機関との当座貸越契約による借入枠を有しているほか、国内外の関係会社の余剰資金について、グループ内金融による資本効率の向上を図っています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたっては、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に基づいて企業の分類を行い、将来の課税所得見込額やタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得見込額については、過去の業績や将来の業績予測、市況等を勘案して見積もっています。
当該見積りや仮定について、その時の業績や将来の経済環境の変化等により課税所得の見積りの見直しが生じた場合、繰延税金資産や法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損)
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたって、主に各セグメントの個別物件ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下している資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしています。なお、回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方としています。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、期末現在の使用状況や事業計画、市況等を勘案して見積もっています。
当該見積りや仮定について、事業計画の変更や市況の変化等により変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。