E04242 Japan GAAP
<経済環境>
当中間連結会計期間における世界経済は、インフレ率の鈍化や金融政策の転換が進む中で、緩やかな回復基調を維持しました。ただし、地政学リスクや供給網の不安定さが依然として不確実性を高めています。
米国経済は、利下げ観測が強まる中で個人消費と雇用が堅調に推移し、景気は底堅さを見せました。一方で、商業不動産市場の調整や政府債務問題などが懸念材料となっています。
欧州経済は、エネルギー価格の安定化とインフレの沈静化により一部改善が見られましたが、域内の成長格差や政治的不安定要因により、回復は限定的でした。
中国経済は、政府による景気刺激策の影響で一部分野に回復の兆しが見られたものの、不動産市場の構造的な問題や若年層の高失業率が足かせとなり、全体としては低調な推移となりました。
我が国経済は、観光需要の回復や設備投資の増加により持ち直しの動きが見られましたが、円安による輸入物価の上昇や賃金上昇の遅れが家計の購買力を圧迫し、消費の伸びは限定的となりました。
対ドル為替相場は、米国の追加関税政策や地政学リスクが円高要因となる一方、日米交渉の妥結や原油高が円安を後押ししました。
<外航海運業>
当期の海運市況は、地政学的緊張、気候変動や米国の通商政策の変遷など複合的な要因により、不透明感の強い展開となりました。その結果、船種によって地域的な需給バランスの変化が生じ、市況に影響を与えました。例えば、エネルギー・穀物・ボーキサイト輸送は底堅い需要が支えとなった一方で、米国の関税強化は自動車・コンテナ輸送に新たな不確実性をもたらしています。
タンカー傭船市況は、紅海・スエズ運河周辺の緊張が継続する中、OPECプラスによる減産継続や米国のシェールオイル生産の伸び悩みが供給面に影響を与えました。これにより原油船については、スポット運賃が一時的に上昇する局面も見られたものの、需要の季節変動や中国経済の減速懸念もあり、全体としては変動幅の大きい不安定な市況となりました。加えて、タンカーの老朽化や環境規制強化による船腹供給の制約も、市況の不安定化に拍車をかけています。石油製品船については、ロシア産製品の制裁回避を目的とした迂回輸送が継続する中、インドおよび中東からの製品輸出が増加し、季節要因による一時的な調整局面も見られましたが、特にアジア域内での輸送需要が高まり、比較的堅調に推移しました。LPG/LNGなどガス船については、欧州およびアジアにおける旺盛なエネルギー需要を背景として堅調なLPG船とは対照的に、LNGの荷動きは大型輸出プロジェクトの遅れから船腹量過剰の状態にあり、LNG傭船市況は歴史的な低水準で推移しています。
バルカー傭船市況について大型船では、中国経済の減速懸念が鉄鉱石・石炭輸送に影響を与えたものの、インド・東南アジア向けの需要が下支えとなりました。特にボーキサイト輸送においては、ギニア出し中国向けの需要が堅調で、これらアフリカ航路の活況が市況を押し上げました。中国経済の先行きは不透明ながらも、アルミニウム需要の回復を背景として、ボーキサイト輸送は、鉄鉱石や石炭の海上輸送量の減少を補い、注目される分野となっています。
中小型船では、北米・南米の穀物輸送需要が底堅く、収穫期に向けて市況は上昇基調を維持しています。特にブラジル・アルゼンチン発の穀物輸送が活発化しており、船腹需給の逼迫が見られました。加えて、肥料や飼料原料の輸送も堅調で、船種ごとの稼働率に差が出ていますが、大型船に比べて安定的に推移しました。
自動車船傭船市況については、EV(電気自動車)の世界的な生産拡大と輸送需要の増加が続いており、船腹需給は依然として逼迫しています。特に欧州・北米向けの輸送量が増加しており、比較的高水準を維持している一方で、2025年から2026年には新造船竣工量が過去最大規模となり、船腹需給のアンバランスは拮抗に向かう見通しです。さらに、米国による自動車関税の引き上げにより、各国から米国向けの完成車輸送量の減少が予想されており、中長期的には船腹供給過多となる懸念があります。
コンテナ船傭船市況は、引き続き紅海情勢の緊迫化によりスエズ運河回避による輸送日数の増加や、米国西岸港湾の混雑、欧州港湾のストライキなどの運航効率の低下が市況の上昇要因として挙げられるものの、2023年以降の新造船大量投入により、船腹供給過多の懸念も強まっており、米国関税問題に端を発する一時的な船腹需要増加が垣間見える中、比較的低調に推移しています。また、米国の関税政策変更によりコンテナ貨物の米国向け駆け込み需要が収束し、コンテナ輸送量は減少傾向にあり、特に日本発の貨物に対するコスト上昇が市況の下押し要因となっています。
このような状況のもと、当社外航海運業部門は、当期に売却した船舶の稼働減、期中平均レートが前年同期と比べ円高に推移したこと、連結子会社1社の連結範囲からの除外もあり、売上高は24,872百万円(前中間連結会計期間比12.7%減)、費用面では売上同様の減少要因はありましたが、前年同期と比べ入渠隻数の増加に伴う船費の増加もあり、外航海運業利益は3,079百万円(前中間連結会計期間比44.4%減)となりました。また、連結子会社が保有する船舶3隻の売却により、特別利益に船舶売却益9,184百万円を計上しています。
<ホテル関連事業>
ホテル関連事業部門では、国内・海外客双方の旅行需要の回復を受けて、各部門収益が前年同期を上回り、特に宿泊部門が牽引し、売上高は4,687百万円(前中間連結会計期間比13.7%増)となりました。一方で人件費や業務委託費をはじめ、食材費やエネルギーコスト等の営業費用も増加したため、ホテル関連事業損失は217百万円(前中間連結会計期間はホテル関連事業損失178百万円)となりました。
<不動産賃貸業>
不動産賃貸業部門は、稼働率は安定して推移し、売上高は304百万円(前中間連結会計期間比9.3%増)、不動産賃貸業利益は99百万円(前中間連結会計期間比5.2%減)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は29,864百万円(前中間連結会計期間比9.2%減)、営業利益は2,962百万円(前中間連結会計期間比45.8%減)、営業外費用に為替差損1,434百万円、デリバティブ評価損628百万円の計上もあり、経常利益は357百万円(前中間連結会計期間比82.8%減)、前述の特別利益(船舶売却益)9,184百万円の計上、税金等調整前中間純利益の変動に応じ法人税等調整額2,242百万円の計上があり、親会社株主に帰属する中間純利益は2,816百万円(前中間連結会計期間比263.4%増)となりました。
当中間連結会計期間末における資産の部は、前連結会計年度末より18,382百万円減少し、274,895百万円となりました。また負債の部は前連結会計年度末より18,896百万円減少し、183,168百万円となりました。これらは主に、連結子会社1社の連結範囲からの除外、在外子会社の為替換算によるものです。
純資産の部は、前連結会計年度末より513百万円増加し、91,727百万円となりました。これは主に円高により為替換算調整勘定や非支配株主持分が減少したものの、利益剰余金が増加したことによるものです。
キャッシュ・フローにおいては、当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて7,128百万円増加し、54,998百万円となりました。 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によって得られた資金は、8,877百万円(前中間連結会計期間比35.8%減) となりました。これは主に税金等調整前中間純利益9,390百万円に、減価償却費7,539百万円を加算し、その他非資金項目を加減算した結果です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動によって得られた資金は、5,500百万円(前中間連結会計期間は704百万円の支出) となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入12,709百万円、有形固定資産の取得による支出4,510百万円、投資有価証券の取得による支出1,897百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動に使用した資金は、2,615百万円(前中間連結会計期間は4,685百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出11,885百万円、長期借入れによる収入6,999百万円によるものです。
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末に計画中の船舶2隻に加えて新たに2隻の取得を計画し、これにより当中間連結会計期間末現在、重要な設備の新設計画は以下のとおりです。
なお、決算日の異なる連結子会社については、各連結子会社の決算日現在にて記載しています。