E04251 Japan GAAP
前期
121.4億 円
前期比
117.5%
株価
952 (04/26)
発行済株式数
7,650,000
EPS(実績)
114.52 円
PER(実績)
8.31 倍
前期
981.1万 円
前期比
90.0%
平均年齢(勤続年数)
39.9歳(11.6年)
従業員数
61人(連結:63人)
当社の企業集団は当社及び子会社9社(外国会社9社)、その他の関係会社1社(国内会社)で構成されていて、主な事業の内容は船舶運航業務及び船舶貸渡業であり、当該事業に係る関係会社の位置づけは次のとおりであります。
(当社)
船舶を運航又は貸し渡すことにより、運賃、貸船料等を収受する外航海運事業及びその付帯事業を営んでおります。
(子会社)
(1)船舶を保有し、当社に船舶を貸し渡す事業を営んでおります。(海外子会社5社)
(2)船舶を保有し、得意先に貸し渡す事業を営んでおります。(海外子会社1社)
(3)船舶を当社より借り受け、当社に貸し渡す事業を営んでおります。(海外子会社2社)
(その他の関係会社)
日本郵船株式会社は当社の主要株主であり、子会社間で船舶を共有する等当社の事業上重要且つ緊密な関係にあります。
事業の系統図は下記のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)1.当社は船舶2隻を所有しておりますが、うち1隻が共有船であります。
OCEAN LINK MARITIME S.A.は船舶3隻を所有しておりますが、うち1隻が共有船であります。
2.LYRA MARITIME S.A.は保有する船舶を当連結会計年度において売却したため当連結会計年度末において船
舶貸渡業を行っておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、内需に於いては雇用や賃金が緩やかに改善し個人消費に持ち直しが見られます。一方の外需では円安を背景としたインバウンド消費が進んでいるものの、物価上昇や金利上昇を背景とした海外経済の減速により輸出は減少しています。また米国では、物価や金利の上昇により消費や住宅・設備投資が抑制され、景気が減速する動きが広がっております。中国においても、ウィズコロナ政策への転換によりサービス産業を中心に力強さがあるものの不動産市場の低迷等により経済の回復に足踏みしている状況です。
海運市況は、大型原油船(VLCC)につきまして、第1四半期は、中国/上海を中心としたロックダウンの影響により原油需要が低迷したことや、既存隻数が850隻を超え解撤数も少ないことから船腹需給は緩み、VLCC市況は底値圏で推移しました。しかしながら、西側諸国によるロシア産原油の段階的な禁輸措置の影響が8月頃に表われはじめ、米国やブラジル、西アフリカなど積み地が多様化したことからトンマイルが延びました。第3四半期はこの状況と冬場の需要期が重なり、市況は一時WS129の高値を付けました。年明けからは中国のゼロコロナ政策緩和による石油需要回復が見込まれ、中東、西側共に活発な荷動きが続き、市況は好調を維持しました。
石油製品船は、ロシア・ウクライナ情勢に大きく影響され、ロシア産の石油製品を代替するために中東やシンガポール、極東などから欧州への荷動きが活発化してトンマイルが延びたこと、また世界的なコロナ規制の緩和に伴い航空燃料の需要が増加したことにより、乱高下を繰り返しながらも年間を通して好調な市況を維持しました。
大型LPG船(VLGC)は、アジア圏での民生燃料用など主要消費国での堅調な需要に支えられ、中東出し、北米出しが共に堅調で、またパナマ運河の滞船による船腹需給引き締め効果もあり、期中を通じて好調な市況展開となりました。
ばら積船につきましては、ケープ型ばら積船は中国のコロナ情勢、及びインフラなどの建設事業の動向に大きく影響され、主要航路平均値が日建てで、高値3万6千ドル台から安値2千ドル台と、期を通してボラティリティの高い市況展開でしたが、年明けに発表された中国のコロナ政策の大規模緩和、及び旧正月明けの中国国内産業の活発化・需要の増加を足掛かりに、第4四半期後半にかけて市況が回復しました。パナマックス型以下の中小型ばら積船は、昨年から市況を下支えしていた世界的な滞船が解消されつつあると共に、コンテナ輸送手段としてのばら積船の船腹需要が下落傾向にあり、第1四半期から一貫して下落傾向が継続していましたが、ケープ型ばら積船同様、中国での需要増加を背景に第4四半期後半に市況が回復しました。
こうした経営環境の中、当社グループは大型タンカーを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指しており、前期9月にVLCC“TOKIWA”、2月にはLPG船“MARIE”が竣工致しました。その一方で、12月にばら積船1隻を売却するなど、船隊構成の整備・拡充に取り組んでまいりました。
また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減にも全社を挙げて努めた結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
資産の部は、前連結会計年度末に比べて26億5千3百万円減少し708億4千2百万円となりました。流動資産は、貯蔵品等の増加により8億6千万円増加し63億5千8百万円となりました。固定資産は、ばら積船1隻を売却したことから35億1千4百万円減少し644億8千4百万円となりました。
負債の部は、借入金の減少などにより前連結会計年度末に比べ54億3千1百万円減少し529億4千8百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末に比べ27億7千7百万円増加し178億9千4百万円となりました。
b.経営成績
海運業収益は、ばら積船1隻の売却がありましたが、新造船の稼働や既存船の傭船料更改などにより142億7千万円(前期比21億2千9百万円増)となりました。営業利益は、船舶の取得や円安及びインフレによる船費の増加はありましたが、海運業収益の増加の方が大きく6億8千2百万円(前期比2億6千1百万円増)、経常利益は2億6千7百万円(前期比2億5千万円増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益にばら積船1隻の売却益9億8千2百万円を計上したことから、8億7千6百万円(前期比6百万円減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、固定資産の減価償却などにより、49億2千2百万円の収入となりました。(前期
は60億2千5百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、船舶等の固定資産の取得による支出はありましたが、船舶の売却代金の収入など
により4億3千3百万円の収入となりました。(前期は56億1千5百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、長期借入金の返済による支出などにより55億2千9百万円の支出となりました。
(前期は26億2千3百万円の収入)
この結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、期首に比べて1億1千3百万円減少し
43億7千8百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、外航海運業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、当社グループの区分別に記載しております。
a.運航船腹
区分 |
2022年3月末 |
2023年3月末 |
|||
隻数 |
載貨重量屯数(M/T) |
隻数 |
載貨重量屯数(M/T) |
||
所有船 |
油槽船 当社持分 |
11 |
2,152,534 |
11 |
2,152,695 |
(他社持分) |
(187,235) |
(187,304) |
|||
ばら積船 |
4 |
302,320 |
3 |
244,223 |
|
合計 |
15 |
2,454,854 |
14 |
2,396,918 |
b.海運業収益実績
区分
|
第92期 |
自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
第93期 |
自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
||
千円 |
% |
千円 |
% |
|||
貸船料 |
12,141,402 |
100.0 |
14,270,994 |
100.0 |
||
その他海運業収益 |
- |
- |
- |
- |
||
合計 |
12,141,402 |
100.0 |
14,270,994 |
100.0 |
c.主要な相手先に対する海運業収益
相手先
|
第92期 |
自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
第93期 |
自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
||
千円 |
% |
千円 |
% |
|||
日本郵船㈱ |
5,520,248 |
45.5 |
6,266,355 |
43.9 |
||
コスモ石油㈱ |
4,676,939 |
38.5 |
4,775,102 |
33.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(海運業収益)
当連結会計年度の海運業収益は142億7千万円(前年同期比17.5%増)となりました。貸船料につきましては、新造船の稼働や短期の定期傭船で運航しているばら積船の市況が上昇したこと、また為替が円安に振れたことなどにより前連結会計年度に比べ21億2千9百万円増加しました。
(海運業費用)
当連結会計年度の海運業費用は126億6千3百万円(前年同期比16.5%増)となりました。船費は入渠費用が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ20億4千3百万円増加しました。また、借船料(損益配分)は、共有船の入渠があったことなどから前連結会計年度に比べ2億5千8百万円減少しました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、6億8千2百万円(前年同期比62.2%増)となりました。一般管理費は円安及びインフレの影響などにより7千8百万円増加、また上記の通り海運業費用の増加もありましたが、それ以上に海運業収益が増加したことから、海運業利益が増加し、営業利益も増加しております。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、2億6千7百万円(前年同期比1,426.1%増)となりました。営業外収益は、受取補償金などにより前連結会計年度に比べ1千7百万円増加しました。営業外費用は、為替差損を計上したことなどにより前連結会計年度に比べ2千9百万円増加しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、8億7千6百万円(前年同期比0.8%減)となりました。特別利益は、ばら積船1隻の売船益の計上がありましたが、前年度も2隻の売船益等を計上しているため前連結会計年度に比べ3億8千8百万円減少しました。
法人税等合計は、税金等調整前当期純利益12億5千万円の29.93%に当たる3億7千4百万円を計上しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入や船舶の売却による収入がありましたが、翌連結会計年度に竣工する船舶の取得に充てる為の投資活動や売却した船舶に対する借入金の繰り上げ返済による支出があり、前連結会計年度に比べ1億1千3百万円減少の43億7千8百万円(2,5%減)となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、船舶修繕費をはじめとする船費並びに環境規制に対応するために必要なバラスト水処理装置等の購入、設置費用、及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は船舶の建造、購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの当座貸越契約の融資枠等による短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は480億1千6百万円となっております。
(契約債務)
2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
年度別要支払額(千円) |
||||
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
短期借入金 |
396,000 |
396,000 |
- |
- |
- |
長期借入金 |
47,620,449 |
4,475,188 |
17,044,981 |
11,170,440 |
14,929,840 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財政政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については、長期借入金及び当座貸越契約の融資枠などによる金融機関からの借入金で調達しております。また船舶などの設備投資資金につきましては、傭船期間の残年数等から短期または長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末において、借入金の残高は480億1千6百万円であります。また、当連結会計年度末において、取引金融機関との間で合計30億円の当座貸越契約を締結しております。(借入実行残高0円、借入未実行残高30億円)
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
船舶の減損の見積りにつきましては、減損の兆候がある船舶の期末日時点における正味売却価額の見積りは、中古船市場における直近の類似船舶の売船価額を基に行っております。
特別修繕引当金の見積りにつきましては、実施する検査や工事内容、対象船のコンディション、船齢、同船型の実績、各ヤードからの見積り等を基に行っております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項及び(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。