売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04251 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、物価上昇や海外経済の減速による一部足踏み感はあるものの、雇用・所得環境の改善により緩やかに回復基調となっております。また、企業収益においても企業コスト増加圧力が落ち着き、景況感は持ち直しております。米国経済は、雇用の復元・緩和的な財政政策などによる景気の下支えにより軟着陸に向かう見通しです。また、中国経済は、輸出の低迷や不動産不況などにより回復は乏しく、景気の減速が継続しています。

 海運市況は、大型原油船(VLCC)につきまして、年明けから中国のゼロコロナ政策緩和に伴い石油需要が回復したものの、春に各国製油所の定期修理の影響により市況は下落しました。6月に台風やインド洋の時化により中東域への返船が遅れたことなどを背景に船腹需給が引き締まり、一時市況は上昇しましたが、その後OPECプラスによる協調減産とサウジアラビア・ロシアの更なる自主減産が影響し、低調な荷動きとなりました。第3四半期に入ると、冬場の需要に加え、緊迫化する中東情勢などの要因により再び市況は上昇し、WSは一時70を超えました。

 石油製品船につきましては、第1四半期は中国・インドなどがダークフリートによるロシア産石油製品の輸入を拡大させ、正規のSPOT市況は下落しましたが、安定的な貨物需要、船腹の供給圧力が弱いことなどが下支えとなり、市況は回復、その後も堅調に推移しました。

 大型LPG船(VLGC)は、アフリカ・アジアなどの新興国を中心に、民生燃料用など主要消費国の需要に支えられ活発な荷動きとなりました。またパナマ運河の滞船による船腹需給の引き締め効果、米国産とアジア産のLPGの値差拡大を背景に米国産の輸送需要が拡大してトンマイルが延び、また、中東積みVLGCの需給もひっ迫し、好調な市況となりました。

 ばら積船につきましては、中国の不動産業界の不振による鉄鋼需要鈍化、中国・インドにおける石炭備蓄量の増加などから、第1四半期は全船型で市況が下落しましたが、ケープサイズ型で日本向け石炭輸送が一時的にインドネシア産からオーストラリア産に偏ったことでトンマイルが増加し、他の船型にも好影響を与えました。また、パナマ運河の水不足による通航制限と滞船が市況の下支えになり、更には鉄鉱石を中心に南米積みの輸送需要が増え、市況は堅調に推移しました。

 こうした経営環境の中、当社グループは大型タンカーを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指しており、前期にLPG船“MARIE”を取得した一方で、ばら積船“SAGAR MOTI”を売却するなど船隊構成の整備・拡充に取り組んで参りました。

 また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減やサステナブルな活動に全社を挙げて努めた結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は以下の通りとなりました。

 海運業収益は、前期に取得した船がフル稼働した一方で、ばら積船1隻を売却したことなどにより107億3千6百万円(前年同四半期比2億5千万円減)となりました。営業損失は、船舶のタンクトラブルに伴う修繕費の増加や為替による船費の増加などにより6千8百万円(前年同四半期は6億9千3百万円の営業利益)、経常利益はヘッジ会計の一部を終了したことによる為替差益の計上などにより2千5百万円(前年同四半期比3億7千1百万円減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、1千6百万円(前年同四半期比9億4千9百万円減)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

 資産、負債及び純資産の状況

 当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度末に比べ7億3千万円減少し701億1千2百万円となりました。流動資産は、建中船舶の造船所への支払いなどによる現金及び預金の減少などにより2千2百万円減少し63億3千5百万円となりました。固定資産は、船舶の減価償却などにより7億8百万円減少し637億7千6百万円となりました。

 負債の部は、借入金の返済が進んだことなどにより前連結会計年度末に比べ20億8千8百万円減少し508億5千9百万円となりました。

 純資産の部は、円安や長期金利の上昇により、繰延ヘッジ損益及び為替換算調整勘定が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ13億5千8百万円増加し192億5千2百万円となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(6)主要な設備

当第3四半期連結累計期間に新たに確定した重要な設備の新設計画は次の通りであります。

会社名

セグメントの名称

設備の内容

投資予定金額(百万円)

資金調達方法

起工

竣工

載貨重量屯数(M/T)

総額

既支払額

提出会社または提出会社の連結子会社

外航海運業

船舶

5,115

997

自己資金

及び借入金

2024年7月(予定)

2025年8月~10月(予定)

9,500