E04256 Japan GAAP
前期
139.3億 円
前期比
94.6%
株価
2,551 (05/08)
発行済株式数
2,200,000
EPS(実績)
-263.92 円
PER(実績)
--- 倍
前期
776.8万 円
前期比
104.5%
平均年齢(勤続年数)
42.8歳(16.2年)
従業員数
193人(連結:365人)
当社グループは、当社、子会社11社および関連会社1社で構成され、その事業は、海運関連事業、商事料飲事業、ホテル事業および旅客自動車運送事業であります。
各事業を構成している当社および主要な関係会社において営んでいる事業の内容は次のとおりであります。
以上の企業集団の概要図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(a) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益は総じて改善しているほか、個人消費が持ち直す等、景気は緩やかに回復しています。先行きについては、社会経済活動の正常化が進展し、景気が本格的に回復していくことが期待されます。ただし、ウクライナ情勢や中東情勢等による不透明感が見られる中で、原油価格の高止まり、物価上昇、供給面での制約等による影響に十分注意する必要があります。
当連結会計年度の事業環境として、アフターコロナにおける観光需要は徐々に戻りつつありますが、人々の意識や行動様式の変化もあり、当社グループが事業を営む東京諸島においては都心部に比して回復のスピードが緩慢であり、前期比では、乗船客数及び関連する大島島内でのホテルやバスなどの利用客数は増加しましたが、コロナ禍以前との比較ではいまだ国内の他の離島航路事業者と同様の約8割の水準に留まり、経営に大きな影響を与えております。また、貨物輸送量においては、前期と比べ微減で推移しています。
このような厳しい事業環境の中、夏季の最多客期において、お盆を直撃した台風7号による旅客の逸失等の影響や、主力客船さるびあ丸の電気推進器に不具合が発生し約3ケ月に亘り変則ダイヤによる運航を余儀なくされ、輸送能力が大幅に低下し旅客を逸失したことも大きく影響しました。(その後、さるびあ丸は10月に臨時ドックに入渠し、通常ダイヤに復帰しました)
この結果、当連結会計年度の業績は、コロナ禍の事業活動を維持するための航路補助金が大幅に減少したこと等から、売上高は131億7千6百万円(前期139億2千9百万円)と減少した上、費用面で船舶燃料費、船舶修繕費等の増加があり、営業損失は6億2千9百万円(前期営業利益4億5千2百万円)、経常損失は5億7千9百万円(前期経常利益2億9千9百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は5億8千万円(前期純利益1億8千万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
《海運関連事業》
主力の伊豆諸島航路において、旅客部門は大島の最大イベント「椿まつり」が通常開催されたことから、個人向け商品の営業を強化したほか、高速ジェット船では東京湾周遊クルーズや臨時運航(江の島、千葉、木更津、御前崎、松崎、焼津)、客船による横浜~東京夜景クルーズや行先当日告知の「ミステリーきっぷ」、全国旅行支援や都内観光促進事業等を活用した企画商品販売やジオパーク教育ツアーなど自然環境型観光をテーマとした新たなツアーを実施し、集客に努めました。しかしながら、夏季の最多客期において、お盆を直撃した台風7号による旅客の逸失等の影響や、主力客船さるびあ丸の電気推進器に不具合が発生し約3ケ月に亘り変則ダイヤによる運航を余儀なくされ、輸送能力が大幅に低下し旅客を逸失したことが大きく影響しました。夏の風物詩である東京湾納涼船に多くのお客様が乗船いただいたこと等により乗船客数は大幅に増加しましたが、本来の計画には大きく及びませんでした。また、貨物部門は引き続きお客様の利便性と集荷効率の引き上げを図り、集荷に遺漏がないように取り組みましたが、貨物取扱量は生活関連品目・工事関連品目共にやや減少しました。
小笠原航路については、5月のGW明けから、事前のPCR検査が終了し、席数制限は完全解除となりました。また、5月のおがさわら丸のドック入渠時には、さるびあ丸が例年通り代替運航しました。
この結果、両航路合わせた乗船客数は73万人(前期63万3千人)、貨物取扱量は29万9千トン(前期30万6千トン)となり、当事業の売上高は、コロナ禍の事業活動を維持するための航路補助金が大幅に減少したこと等から、114億9千4百万円(前期122億4千万円)と減少し、一方、費用面で船舶燃料費、船舶修繕費等の増加があり、営業損失は2億5千5百万円(前期営業利益8億5千万円)となりました。
《商事料飲事業》
伊豆諸島を主力としている商事部門は、関係先と連携を密にし工事情報を積極的に収集するなど販売強化に取り組みましたが、公共工事の低調を主因に島しょ向けセメント販売が減少しました。料飲部門は、旅客の回復により売上が増加し、また納涼船の内容を充実させて損益を改善したほか、自販機ビジネスの委託化や人気機種の導入、船舶レストランのメニュー見直し等を行いました。なお、商事部門における島しょ向け生活通販「ショップ東海」と島産品の全国向け販売「島ぽち」のECサイトは、自社ブランド「東海汽船はこぶね課」のキャラクタービジネスを展開する等、魅力あるサイト運営を行うことで、島民の皆さまの利便性向上と物流の活性化に取り組んでおります。
この結果、当事業の売上高は13億5千1百万円(前期13億8千8百万円)とやや減収となりましたが、自販機ビジネスの委託化に伴う手数料収入の増加等により、営業利益は1億9百万円(前期8千7百万円)と増益となりました。なお、東汽商事株式会社について4月1日付けで東海汽船株式会社が吸収合併し、商事料飲事業を担当する事業本部を組織改編、要員の増強により、旅客部門・貨物部門に続く第三の収益の柱となるべく取り組んでいます。
《ホテル事業》
大島温泉ホテル事業は、大島の豊富な海の幸の料理・高品質の源泉掛け流し温泉・露天風呂からの三原山の眺望など、「島の魅力」を前面に押し出した営業活動を行いました。また、大島の最大イベント「椿まつり」が通常開催され、全国旅行支援や都内観光促進事業等を活用した個人向け宿泊プランを中心に造成したほか、販売チャネルの見直し等により集客に努め、宿泊客は増加しました。また、客室の一部をバリアフリー対応の洋室にリニューアルし、新たなニーズへの対応を進めました。
この結果、当事業の売上高は2億9千4百万円(前期2億6千2百万円)、原価の見直し等もあり営業利益は5百万円(前期営業損失8百万円)と増益となりました。
《旅客自動車運送事業》
当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、お客様に安心してご乗車いただくため、「安全運行」と「良質のサービスの提供」を基本理念とした安全方針に基づき、全社一丸となって安全運行に取り組んでおり、貸切バスにおいては、日本バス協会の安全性評価制度における最高評価となる三ッ星を更新するなど長期優良事業者として認定を受けております。大島の最大イベント「椿まつり」が通常開催され、路線バスや貸切バスの需要も前年を上回り、夏休みシーズンの旅行客の需要もありましたが、秋のオフシーズンに団体需要が伸び悩みました。
この結果、当事業の売上高は2億5千7百万円(前期2億5千7百万円)、車両整備費が増えたこと等から、営業損失は9百万円(前期営業損失4百万円)となりました。なお、路線バスにおいては大島町から継続的な支援を受けております。
(b) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は224億8千万円となり、前連結会計年度末に比べ12億2千5百万円減少しました。その主な要因は、現金及び預金が5億3百万円、船舶の減価償却などにより有形固定資産が9億7千万円減少した一方で、原材料及び貯蔵品が1億1百万円、投資有価証券が1億2千3百万円増加したことによるものです。
負債は166億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億6千3百万円減少しました。その主な要因は、借入金が7億4千1百万円減少したことによるものです。
純資産は58億7千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億6千2百万円減少しました。その主な要因は、利益剰余金が5億8千万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金が9千2百万円増加したことによるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3億8千8百万円のキャッシュ・イン(前期21億3千5百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、資金増加項目である減価償却費13億2千5百万円が、資金減少項目である税金等調整前当期純損失6億1千3百万円、利息の支払額1億2千1百万円、及び法人税等の支払額1億3千万円を上回ったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億4千7百万円のキャッシュ・アウト(前期4億5千5百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出3億6千9百万円が、補助金の受入による収入2億2千4百万円を上回ったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7億4千4百万円のキャッシュ・アウト(前期6億9千2百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、借入金の減少額7億4千1百万円です。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ5億3百万円減少し、40億1千9百万円となりました。
当社グループは、海運関連事業を主な内容としており、商事料飲事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業を展開しております。従って、生産、受注を行っておらず、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額で示すことはしておりません。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
提出会社の部門別営業実績は、下記のとおりであります。
(注) 1 海運業収益は運賃収益(旅客・貨物)、その他海運業収益の合計であります。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
提出会社の航路および就航船舶・就航状況は、下記のとおりであります。
(注)就航船舶「ジェットフォイル」はセブンアイランド「愛」「友」「大漁」「結」の4隻であります。
※ ゴールデンウィーク・夏期の一部期間は、復路のみ大島寄港
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金および設備投資であり、資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合等は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、銀行等から借入等を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率、DEレシオ(負債資本倍率)やROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。