佐渡汽船株式会社

上場廃止 (2022/05/06) 株式の併合 海運業海運東証マザーズ

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E04244 Japan GAAP

売上高

121.4億 円

前期

100.9億 円

前期比

120.3%

時価総額

10.4億 円

株価

61 (04/27)

発行済株式数

17,006,000

EPS(実績)

79.87 円

PER(実績)

0.76 倍

平均給与

428.0万 円

前期

425.4万 円

前期比

100.6%

平均年齢(勤続年数)

45.8歳(14.3年)

従業員数

174人(連結:815人)


3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(佐渡汽船株式会社)のほか親会社、連結子会社8社で構成さ

れており、佐渡島~本土間の人流・物流とこれに付帯するサービスを主たる業務としております。

 なお、当連結会計年度において、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社である佐渡汽船シップマネジメ

ント株式会社、佐渡汽船シップメンテナンス株式会社、佐渡汽船観光株式会社及び佐渡汽船商事株式会社を吸収合併

消滅会社とする吸収合併を行っており、その事業を継承しております。

 また、2023年6月30日をみなし取得日として佐渡急送株式会社を取得し、当社グループに含めております。

 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」に記載のとおりであります。

 当社グループの主なサービス内容は次のとおりであります。

 

親会社

会社名

事業の内容

㈱みちのりホールディングス

公共交通に関する人材投入型経営支援事業

 

当社グループ

会社名

事業の内容

サービスの内容

佐渡汽船㈱

海陸輸送事業

旅客・航送・貨物の輸送サービス等

佐渡汽船運輸㈱

海陸輸送事業

貨物輸送・自動車整備サービス

佐渡急送㈱

海陸輸送事業

貨物輸送サービス

小木観光㈱

観光事業

土産等の物品販売・食堂サービス

㈱佐渡西三川ゴールドパーク

観光事業

観光施設サービス

㈱佐渡歴史伝説館

観光事業

観光施設サービス

㈱SADO二ツ亀ビューホテル

観光事業

宿泊サービス

両津南埠頭ビル

不動産・施設管理事業

不動産賃貸・有料駐車場サービス

万代島ビルテクノ㈱

不動産・施設管理事業

ビル管理・清掃サービス

 

(事業系統図)

 事業の系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

24/03/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行による各種規制の緩和等から社会経済活動の正常化が進み、緩やかな回復傾向にあります。一方、ウクライナ及び中東情勢、原油や原材料価格の高騰及び円安の影響、コロナ禍からの需要の回復に伴う人手不足問題等により、わが国経済の先行きは依然として不透明な状況が続いています。

 このような状況の中、当社グループでは、グループ全体の事業再建・価値向上を図ることを目的として、2023年1月1日付で当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社である佐渡汽船シップマネジメント株式会社、佐渡汽船シップメンテナンス株式会社、佐渡汽船観光株式会社及び佐渡汽船商事株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行いました。更に、2023年6月には、佐渡急送株式会社の全株式を取得して連結の範囲に含めております。

 営業施策としては、2023年4月29日からは小木~直江津航路にこれまでのジェットフォイルに替えてカーフェリー「こがね丸」を就航させ、輸送能力の増強及び営業・広告宣伝の強化を図りました。また、当社の貨物部門と連結子会社である佐渡汽船運輸株式会社及び佐渡急送株式会社と一体となり、貨物の海陸一貫輸送を行うこと等により、佐渡~本土間の物流に関する業務の効率化及びサービスの向上に努めました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は12,139,597千円(前年同期比20.3%増)、営業利益は1,166,482千円(前年同期比188.9%増)、経常利益は1,140,193千円(前年同期比217.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,358,257千円(前年同期比47.2%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績等は次の通りであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。

 また、当社グループの売上高は、事業の性質上、下半期に集中する傾向があり、季節的変動が顕著であります。

 

(海陸輸送)

 当連結会計年度の海上輸送における旅客輸送人員は1,205,133人(前年同期比22.4%増)、自動車航送台数は乗用車換算で217,560台(前年同期比11.3%増)、貨物輸送トン数は118,329トン(前年同期比6.6%減)となり、コロナ禍からの需要の回復及び小木~直江津航路にカーフェリー「こがね丸」が就航した効果により、旅客、航送部門において輸送量が増加しております。

 陸上輸送においては、佐渡急送株式会社の全株式を取得して連結の範囲(当セグメント)に含めております。

 当連結会計年度の売上高は11,604,206千円(前年同期比19.9%増)、セグメント利益(営業利益)は1,136,927千円(前年同期比162.4%増)となりました。

 当連結会計年度のセグメント資産は、カーフェリー「こがね丸」の導入、陸上輸送における車両の更新及び佐渡急送取得に伴うのれんの計上により、13,817,397千円(前年同期比16.5%増)となりました。

 

(観光)

 コロナ禍からの需要の回復、小木~直江津航路にカーフェリー「こがね丸」が就航したことにより、観光客、マイカー客の利用が増加したことに加え、グループ各社において地元客を対象とした商品開発・販売に努めたことにより、売上高は増加しセグメント損失は減少しました。

 当連結会計年度の売上高は313,527千円(前年同期比35.8%増)、セグメント損失(営業損失)は12,759千円(前期は40,682千円のセグメント損失)となりました。

 当連結会計年度のセグメント資産は、ホテルにおいて改装工事(2024年3月リニューアルオープン)を行っており、その一部を建設仮勘定として計上していることから、268,434千円(前年同期比9.0%増)となりました。

 

(不動産・施設管理)

 両津港周辺の有料駐車場利用の増加、清掃部門において積極的な営業を行った結果、売上高は増加しました。

 当連結会計年度の売上高は221,864千円(前年同期比20.3%増)、セグメント利益(営業利益)は43,524千円(前年同期比238.7%増)となりました。

 当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の増加に伴い現金及び預金が増加したことから、366,160千円(前年同期比20.9%増)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,965,796千円増加し14,036,786千円となりました。

 流動資産は前連結会計年度末に比べ1,239,646千円増加し6,236,274千円となりました。これは、売上高の増加により現金及び預金が792,316千円、受取手形及び売掛金が437,038千円それぞれ増加したことが主な要因であります。

 固定資産は前連結会計年度末に比べ726,373千円増加し7,800,346千円となりました。これは、有形固定資産

が中古船舶の購入や車両の代替購入により増加したこと、株式の取得により佐渡急送㈱を連結の範囲に加えたことに伴いのれんを計上したことが主な要因であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ611,683千円増加し11,203,732千円となりました。

 流動負債は前連結会計年度末に比べ715,518千円増加し1,958,832千円となりました。これは、金融機関への返済猶予期間が当連結会計年度末にて終了したことに伴い、1年内返済予定の長期借入金が376,095千円増加したこと、支払手形及び買掛金が76,062千円、未払金が129,898千円、未払消費税等が69,787千円それぞれ増加したことが主な要因であります。

 固定負債は前連結会計年度末に比べ103,835千円減少し9,244,900千円となりました。これは、退職給付に係る負債が95,324千円、特別修繕引当金が120,165千円それぞれ増加したものの、長期借入金が321,397千円減少したことが主な要因であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,354,113千円増加し2,833,054千円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益1,358,257千円を計上したことが主な要因であります。この結果、連結ベースの自己資本比率は前連結会計年度末の11.8%から19.8%に、また1株当たり純資産額は26.59円から52.22円になりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、営業活動による資金の増加が1,870,402千円、投資活動による資金の減少が744,454千円、財務活動による資金の減少が253,532千円となり、前連結会計年度末に比べ872,416千円増加し、当連結会計年度末残高は4,027,939千円(前年同期比27.64%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は以下の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は1,870,402千円(前年同期は1,275,023千円の増加)となりました。これは売上債権の増加額が412,923千円、棚卸資産の増加額が52,008千円、利息の支払額が106,792千円あったものの、税金等調整前当期純利益が1,328,286千円、減価償却費が564,232千円、仕入債務の増加が62,594千円、補助金の受取額が177,023千円あったことが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は744,454千円(前年同期は1,005,523千円の減少)となりました。これは定期預金の払戻による収入が206,000千円あったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が853,867千円あったことが主な要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は253,532千円(前年同期は1,007,869千円の増加)となりました。これは長期借入れによる収入が293,964千円あったものの、短期借入金の返済による支出が282,052千円、長期借入金の返済による支出が239,266千円あったことが主な要因であります。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)の営業形態はサービス業であるため、生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における報告セグメントの業績に関連付けて示しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。

 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(当社輸送実績)

 

2022年度

2023年度

輸送目標

前年度差

輸送目標差

旅客輸送人員(人)

984,659

1,205,133

1,142,267

220,474

62,866

自動車航送換算台数(台)

195,540

217,560

193,747

22,020

23,813

貨物輸送トン数(トン)

126,647

118,329

122,100

△8,318

△3,771

 当連結会計年度においては、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行による各種規制の緩和等から社会経済活動の正常化が進み需要の回復が顕著となったことに加え、2023年4月29日から小木~直江津航路にこれまでのジェットフォイルに替えてカーフェリー「こがね丸」を就航させ、輸送能力の増強を図ったことにより、当社の旅客、航送車の輸送量は前連結会計年度と比較して増加しました。これに伴い、観光産業に付帯するサービスを提供する連結子会社の観光客需要も増加しております。また、佐渡島内の連結子会社では、地元客をターゲットとした商品開発を行い、積極的な営業活動を行ったことにより、当連結会計年度の当社グループの売上高は12,139,597千円(前年同期比20.3%増)となりました。

 なお、当社では安定的な輸送量を維持するため、観光客の誘致を経営上の重要な施策と位置付けております。現状においては、当社の旅客輸送量に占めるインバウンドの割合は僅かではありますが、中長期的にはインバウンド誘致は当社にとって重要な課題であり、地元自治体やみちのりグループ各社と連携してインバウンド誘致に努めてまいります。

(船舶主燃料費の推移)

 

2021年度

2022年度

2023年度

船舶主燃料費(千円)

1,239,862

1,425,412

1,522,775

連結売上原価に占める船舶

主燃料費の割合(%)

14.3

16.5

15.3

 当社では、船舶主燃料の購入の一部については入札制度を導入しコスト削減に努めております。一方、当連結会計年度においては、小木~直江津航路にカーフェリー「こがね丸」を導入しており、保有船舶の増加に伴い運航便数が増加していることや、ネルギー価格の高止まり及び円安の影響による燃料油価格の高騰により船舶主燃料費は増加しております。

 なお、当社では燃料油価格の高騰に対応するため燃料油価格変動調整金を導入しておりますが、燃料油価格が著しく急騰した場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす恐れ(「3 事業等のリスク」参照)があるため、燃料油価格の動向を注視しております。

 当社グループの売上原価は9,954,062千円(前年同期比15.0%増)、販売費及び一般管理費は1,019,053千円(前年同期比1.2%減)となりました。売上原価の増加は、売上高増加に伴う原価の増加、上述のとおり保有船舶の増加に伴う燃料費、修繕費、減価償却費の増加の他、需要の回復に伴う人手不足問題に対応するため、コロナ禍において抑制していた労働分配率の改善を図ったことが主な要因であります。また、生産性向上及び収益力向上のため、中長期的な視野に立ちDXの推進やコンサルタント導入等の支出も行っております。

 以上の結果、営業利益は1,166,482千円(前年同期比は188.9%増)、経常利益は1,140,193千円(前年同期比217.1%増)となりました。

 特別利益は199,133千円、特別損失は11,041千円を計上しております。特別損益の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※4~※8」をご参照ください。なお、特別損失については、前連結会計年度において減損損失を計上しておりますが、当連結会計年度はこれが無かったことから、前連結会計年度と比較して著しく減少しております。

 以上の結果、税金等調整前当期純利益1,328,286千円(前年同期比91.8%増)に法人税等調整額△65,411千円(前期は△256,860千円の法人税等調整額)を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,358,257千円(前年同期比47.2%増)となりました。

 

 財政状態の状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ②財政状態の状況」に、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績の状況の概要 ①経営成績の状況」にそれぞれ記載しております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは海運業を主体とした事業を行っており、本土と佐渡島を結ぶ生活航路の要素と、佐渡島への観光客を輸送する観光航路の要素を併せ持っております。このことから、低廉な運賃でサービスを提供する公共交通機関としての使命と、営利を目的とする企業としての使命の二律背反の環境にあります。そのため、航路運営施策や観光客誘致施策に対する行政の支援の状況、景気低迷による観光需要の減少、及び風水害などの自然災害、気象・海象の悪化による欠航等の外的要因による輸送量の減少が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。

 この他、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」をご参照願います。

 

④資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金は、主に海上運送事業に係る船舶燃料費、船舶修繕費、人件費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。また、当社グループを対象としたグループ内融資枠制度を設けることにより、グループ内の余剰資金を一元管理し、グループ外からの借入による資金調達の抑制を行っております。

 なお、2022年3月、当社は取引金融機関から既存借入金のリファイナンスにより返済猶予と15年間での分割返済を内容とする金融支援を受けておりましたが、返済猶予期間は当連結会計年度末にて終了しております。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑤経営上の目標の達成状況について

(単位:千円)

 

2023年度実績

2023年度計画

売上高

12,139,597

11,305,000

営業利益

1,166,482

1,329,000

EBITDA(営業利益+減価償却費)

1,730,714

1,706,000

フリー・キャッシュ・フロー

1,125,948

△207,000