売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E04336 Japan GAAP

売上高

125.2億 円

前期

118.7億 円

前期比

105.5%

時価総額

59.6億 円

株価

595 (07/16)

発行済株式数

10,010,000

EPS(実績)

57.21 円

PER(実績)

10.40 倍

平均給与

987.2万 円

前期

949.2万 円

前期比

104.0%

平均年齢(勤続年数)

41.2歳(17.4年)

従業員数

232人(連結:483人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社及び当社の関係会社は、当社、連結子会社5社、持分法適用非連結子会社3社及び持分法適用関連会社8社で構成され、曳船事業、旅客船事業、売店・食堂事業等のサービスを提供しております。

各事業における当社グループ各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

(1) 曳船事業      …事業内容は、曳船サービス、貸船サービス、海上防災事業、洋上風力発電交通船(CTV)の運航等であります。

当社及び連結子会社東港サービス㈱が曳船サービスの提供を行っているほか所有船舶の貸船も行っております。また、連結子会社東亜汽船㈱、持分法適用関連会社防災特殊曳船㈱他3社及びその他の関係会社から曳船及び洋上風力発電交通船(CTV)を用船しております。

なお、持分法適用関連会社SOUTH CHINA TOWING CO.,LTD.は香港において曳船事業を行っております。

(2) 旅客船事業    …事業内容は、カーフェリー事業、観光船事業等であります。

連結子会社東京湾フェリー㈱が久里浜~金谷間のカーフェリー事業、連結子会社㈱ポートサービスが横浜港の観光船事業等を行っております。

(3) 売店・食堂事業…事業内容は、カーフェリー事業に伴う物品販売やレストラン食堂事業等であり、連結子会社フェリー興業㈱が売店・食堂事業を営業しております。

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

11,865

12,515

650

5.5%

売上原価

9,909

10,190

281

2.8%

販売費及び一般管理費

1,863

1,957

94

5.1%

営業利益

92

368

275

296.3%

経常利益

438

684

245

56.0%

親会社株主に帰属する当期純利益

416

572

156

37.6%

 

 

当連結会計年度は、地政学リスクを背景とした資源高と円安によるインフレの影響を受けながらも、コロナウイルスの感染症法上の分類が緩和されたことや、2023年春闘でのベアを含めた賃上げにより個人消費が上向き、経済活動が正常化に向かうなか景気は緩やかに回復いたしました。

一方、中国経済の景気減速やロシアとウクライナの戦争長期化に加え中東情勢の緊迫化で、世界経済は不透明な状況が続きました。

当社グループの主たる事業である曳船事業を取り巻く状況につきましては、曳船作業対象船舶の東京湾への入出港数は、自動車専用船、コンテナ船は堅調に推移し、コロナウイルス感染症が落ち着いたことで大型客船の入港数が増加いたしました。一方、洋上風力発電交通船(CTV)は、富山県・入善港や北海道・石狩新港での新規の作業がありましたが、秋田港・能代港での建設作業が終了し、大幅な減収となりました。

旅客船事業では賃上げや、コロナウイルス感染症の取扱いが緩和されたこともあり、横浜港における観光船部門ではレストラン船の利用客が増加し増収となりました。

このような経済環境のなかで、当社グループは総力を挙げて業績向上に努めた結果、売上高は650百万円増加し12,515百万円(前期比5.5%増)となりました。

利益面では、人件費が213百万円増加し、原油価格の上昇に加え為替は円安基調となったことで、燃料費は106百万円の増加となりました。一方、洋上風力発電交通船(CTV)の稼働縮小に伴い用船料が233百万円減少いたしました。

この結果、368百万円の営業利益(前期比296.3%増)となり、持分法による投資利益が176百万円計上され、経常利益は684百万円(前期比56.0%増)となりました。

また、特別利益として固定資産(曳船)売却益が442百万円、環境負荷低減型の電気推進曳船建造にかかる国庫補助金が452百万円発生し、特別損失として固定資産圧縮損を431百万円計上し、弔慰金が106百万円発生したことで親会社株主に帰属する当期純利益は572百万円(前期比37.6%増)となりました。

 

 

セグメント別の売上高(上段)及び営業損益(下段)の概況は下記のとおりです。

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

曳船事業

9,269

9,565

296

3.2%

316

397

80

25.4%

旅客船事業

2,067

2,386

319

15.5%

△234

△29

205

売店・食堂事業

528

563

34

6.6%

△10

△5

4

 

(注)売上高は外部顧客に対する売上高を表示しております。

 

曳船事業

曳船事業は、横浜川崎地区では、作業対象船舶のうち自動車船やコンテナ船の入出港数の増加傾向は続いており、大型客船が増加し、2022年11月からの港湾曳船料率値上げ効果もあり増収となりました。作業対象船舶がコンテナ船中心である東京地区でも同様に、入出港数の増加と2022年12月からの値上げも奏功し増収となりました。また、横須賀地区では、大型タンカーやLNG船の減少傾向が響き、エスコート作業と着桟中の警戒作業が減少しましたが、コンテナ船と大型客船が増加し微増となりました。千葉地区では、昨年度の前半は危険物積載船の入港数は堅調で推移したものの後半から低迷し、今年度に入ってからも戻らず、港湾曳船料率値上げ効果で増収を確保できました。

また、洋上風力発電交通船(CTV)の運航は、富山県・入善港と北海道・石狩新港での洋上風力発電建設にかかる作業があったものの、秋田港・能代港での作業が終了したため、前期に比べ大幅な減収となりました。

この結果、曳船事業セグメントの売上高は296百万円増加し9,565百万円(前期比3.2%増)となり、397百万円の営業利益(前期比25.4%増)となりました。

 

旅客船事業

旅客船事業は、横浜港における観光船部門では、山下公園発着所の改修工事による閉鎖があったものの、レストラン船マリーンルージュの利用客が増加し、売上高は過去最高となりました。

一方、久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門ではゴールデンウィークとお盆期間の悪天候や、冬場の強風による欠航が痛手となりました。また、インフレ進行やガソリン価格の高止まりの影響もあり、観光バス団体客やマイカーでの利用客は減少し、売上高は前期並みに留まりました。

この結果、旅客船事業セグメントの売上高は319百万円増加し2,386百万円(前期比15.5%増)となりましたが、29百万円の営業損失(前期は234百万円の営業損失)となりました。

 

売店・食堂事業

売店・食堂事業は、コロナウイルス感染症の収束による反動需要があったものの、カーフェリー部門同様に団体客が低迷し、本格的な回復とはなりませんでした。

この結果、売店・食堂事業セグメントの売上高は34百万円増加し563百万円(前期比6.6%増)となり、営業損失は5百万円(前期は10百万円の営業損失)となりました。

 

 

②財政状態の概況

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ444百万円増加し29,118百万円となりました。

流動資産の部では、現金及び預金は1,480百万円減少し、その他流動資産が808百万円増加いたしました。固定資産の部では、曳船の代替船建造により船舶が264百万円、CTVの新規発注により建設仮勘定が497百万円それぞれ増加し、投資有価証券が314百万円増加いたしました。

負債は、前連結会計年度末に比べ、504百万円減少し6,516百万円となりました。流動負債の部では、短期借入金が1年以内返済の長期借入金を含め164百万円増加し、未払法人税等が96百万円減少いたしました。固定負債の部では、長期借入金が313百万円増加し、リース債務がリース契約の解約と返済により348百万円、役員退職慰労引当金が502百万円減少いたしました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ、949百万円増加し22,601百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益が572百万円となり、剰余金の配当を198百万円実施したことにより利益剰余金が373百万円増加、その他有価証券評価差額金が289百万円、退職給付に係る調整累計額が106百万円それぞれ増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の72.3%から74.2%と1.9ポイント増加いたしました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加し5,355百万円となりました。

(単位:百万円)

科目

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

現金及び現金同等物の期首残高

6,494

5,236

△1,257

Ⅰ.営業活動によるキャッシュ・フロー

1,502

618

△883

Ⅱ.投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,728

△639

2,089

Ⅲ.財務活動によるキャッシュ・フロー

△31

120

151

現金及び現金同等物の増加額(△は減少)

△1,257

119

1,377

現金及び現金同等物に係る換算差額

20

20

現金及び現金同等物の期末残高

5,236

5,355

119

 

 

当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ883百万円減少し618百万円の資金取得となりました。資金収支の主な内訳は、税金等調整前当期純利益が963百万円となり、減価償却費が1,365百万円計上されました。また、役員退職慰労引当金の増減額が502百万円、その他流動資産の増減額が278百万円、その他流動負債の増減額が141百万円それぞれ減少し、弔慰金の支払額が106百万円、法人税等の支払額が280百万円発生したことです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,089百万円支出が減少し639百万円の資金支出となりました。資金収支の主な内訳は、曳船の購入と設備更新(曳船の代替)に加え洋上風力発電交通船(CTV)の建造により有形固定資産取得による支出が3,416百万円発生しましたが、有形固定資産売却による収入が767百万円、預入期間が3カ月を超える定期預金の解約による収入が預入による支出を1,600百万円上回り、国庫補助金による収入が452百万円発生したことです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ151百万円増加し120百万円の資金取得となりました。資金収支の主な内訳は、長期借入による収入が413百万円増加し、リース債務の返済が151百万円、配当金の支払い額が198百万円発生したことです。

 

④生産、受注及び販売の実績

当社グループの報告セグメントは、曳船事業、旅客船事業、売店・食堂事業であり、生産及び受注を伴う事業ではないため生産及び受注の実績については記載を省略し、販売の実績については「①経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて記載しております。

最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京湾海事事業協同組合

1,289,428

10.87

1,301,520

10.40

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点における当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

A.経営成績

(売上高)

当社グループ全体の売上高は、650百万円増加し12,515百万円(前期比5.5%増)となりました。

曳船事業においては、東京湾への曳船作業対象船舶のうちLNG船や大型タンカーの入港数は低迷が続いております。

横浜川崎地区や千葉地区、また横須賀地区のハーバー作業では2022年11月から、東京地区では2022年12月から港湾曳船料率の値上げを実施いたしました。この値上げ効果が年間を通じて寄与し、コロナウイルス感染症の取扱いが緩和され大型客船の入港数が増加し、さらに、コンテナ船、自動車専用船の入出港数が堅調に推移したことで増収となりました。

CTV事業では、秋田港・能代港で建設用の洋上風力発電交通船(CTV)の稼働が終了し、新たに富山県・入善港と北海道・石狩新港の作業が始まりましたが、大幅な減収となりました。

旅客船事業においては、新型コロナウイルス感染症の取扱いが緩和されたことが追い風となり、特に横浜港の観光船部門では、レストラン船マリーンルージュの利用客が増加し、過去最高の売上を達成できました。しかし、山下公園発着所の老朽化による改修工事の遅延による閉鎖期間の延長の影響で、利用客の取込みに苦戦を強いられました。

久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門では、天候不順に加えガソリン価格高騰の煽りを受けマイカー利用客需要に水を差す結果となりました。さらに、円安による輸入インフレが進行し、資源高に加え諸物価が高騰し、団体バスツアー料金の値上げの影響もあり盛り上りを欠く展開となりました。

カーフェリーに附随する売店・食堂事業でも同様に値上げを実施し増収にはなったものの、団体客の低迷が響き、本格的な回復にはいたりませんでした。

 

 

(営業利益)

売上原価は、281百万円増加し10,190百万円(前期比2.8%増)となりました。当社グループの業績に大きく影響を与える原油価格は、地政学リスクを背景に値上がりし、燃料油調達価格は円安により106百万円増加いたしました。

また、人件費が213百万円増加しましたが、用船料はCTVの運航が秋田港・能代港で終了したことを主因として233百万円減少いたしました。

その結果、営業利益は前期に比べ275百万円増加し368百万円(前期比296.3%)と大幅な増益となりました。

曳船事業セグメントでは、人件費や燃料費が増加しましたが、用船料が減少し397百万円の営業利益(前期比25.4%増)となりました。

旅客船事業セグメントでは、レストラン船の増収に伴う変動原価増に加えインフレが進行し食材費が増加し、さらに修繕費も増加し、前期に比べ増収とはなりましたが29百万円の営業損失(前期は234百万円の営業損失)となりました。

売店・食堂事業セグメントでは、前期に比べ値上げ効果で増収にはなりましたが、本格的な回復には至らず5百万円の営業損失(前期は10百万円の営業損失)となりました。

 

(経常利益)

経常損益は、受取配当金が78百万円(前期比15百万円減)、持分法による投資利益が176百万円(前期比18百万円減)計上され、684百万円の経常利益(前期比56.0%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、曳船3隻等を売却し固定資産売却益を442百万円計上し、環境負荷低減型の電気推進曳船建造に伴い452百万円の国庫補助金収入がありました。特別損失は、同補助金の固定資産圧縮損を431百万円計上し、弔慰金が106百万円発生いたしました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は572百万円(前期比37.6%増)となりました。

 

B.財政状態

財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に曳船の設備更新と洋上風力発電交通船(CTV)の建造資金です。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては自己資金及びファイナンス・リースを基本としております。

重要な設備投資等の予定及びその資金調達方法については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 

 

④次期の見通しについて

今後の見通しにつきましては、低迷する中国経済、ロシア・ウクライナ戦争の長期化に加え、緊迫度を増す中東情勢により海上物流が打撃を受け、さらなる資源価格高騰の懸念が高まっております。

主力の曳船事業では、東京湾への入港数の漸減傾向が続くなか、船隊規模の最適化のため2024年5月から湾口水先艇1隻を減船いたしました。さらに、エスコート作業や湾口水先艇作業の料金適正化と、曳船の配船効率化を進め収支改善を図っていく方針です。

当社にとっての成長戦略として、11年前から新規事業として取組んでいる洋上風力発電関連分野においては、政府の進める洋上風力発電設備設置計画の新規案件へのCTV投入を模索すると同時に、マリンコーディネーション業務なども拡充していく計画です。

旅客船事業においては、コロナウイルス禍で抑制された反動需要で観光客が増加し、特にレストラン船は好調を維持しております。一方、今季の春闘では、大企業を中心に賃上げが実現されましたが物価上昇には追いついておらず、消費マインドの低下による利用客への影響が懸念されます。

カーフェリー部門では、横須賀市の「新たなにぎわい創出事業補助」を受け、ペリー率いる黒船艦隊来航170周年を記念して、2023年11月に船体に黒船(サスケハナ号)のラッピングを施し集客を期待しましたが、2024年3月に突風の影響で船尾部分が損傷し、交換部品の調達には約5か月程度を要する模様で、2024年10月に復帰する見込みです。

これを踏まえ通期の連結業績予想につきましては、売上高を12,277百万円、営業損失98百万円、経常利益114百万円、親会社株主に帰属する当期純利益383百万円を予想しております。