売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04336 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

  当第3四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前第3四半期
連結累計期間

当第3四半期
連結累計期間

増減額

増減率

売上高

8,903

9,520

617

6.9%

売上原価

7,460

7,699

239

3.2%

販売費及び一般管理費

1,396

1,437

41

3.0%

営業利益

47

383

336

712.7%

経常利益

293

654

361

123.1%

親会社株主に帰属する四半期純利益

129

560

431

334.0%

 

 

当第3四半期連結累計期間は、資源高と円安によるインフレの影響を受けながらも、コロナウイルスの感染症法上の分類が緩和されたことや、春闘でのベアを含めた賃上げにより個人消費が上向き、経済活動が正常化に向かうなか緩やかに景気は回復いたしました。

一方、中国経済の景気減速やロシアとウクライナの戦争長期化に加え中東情勢の緊迫化で、世界経済は先行き不透明な状況が続きました。

当社グループの主たる事業である曳船事業を取り巻く状況につきましては、曳船作業対象船舶の東京湾への入出港数は、自動車専用船、コンテナ船は堅調に推移し、コロナウイルス感染症が落ち着いたことで大型客船の入港数が増加いたしました。一方、洋上風力発電交通船(CTV)部門は、新規の作業がありましたが、秋田港・能代港での建設作業が終了し、大幅な減収となりました。

旅客船事業では賃上げや、コロナウイルス感染症の取扱いが緩和されたこともあり、横浜港における観光船部門ではレストラン船の利用客が増加し増収となりました。

このような経済環境のなかで、当社グループは総力を挙げて業績向上に努めた結果、売上高は617百万円増加し9,520百万円(前年同期比6.9%増)となりました。

利益面では、人件費が178百万円増加し、原油価格の上昇に加え為替は円安基調となったことで燃料費は95百万円の増加となりました。一方、CTVの稼働縮小に伴い用船料が176百万円減少いたしました。

この結果、383百万円の営業利益(前年同期比712.7%増)となり、持分法による投資利益の増加で経常利益は654百万円(前年同期比123.1%増)となりました。

また、特別利益として固定資産(曳船)売却益が323百万円、環境負荷低減型の電気推進曳船建造にかかる国庫補助金が452百万円発生し、特別損失として固定資産圧縮損を431百万円計上し、弔慰金が106百万円発生したことで560百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益(前年同期比334.0%増)となりました。

 

 

セグメント別の売上高(上段)及び営業損益(下段)の概況は下記のとおりです。

(単位:百万円)

セグメントの名称

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

増減額

増減率

曳船事業

6,915

7,216

300

4.3%

200

347

147

73.3%

旅客船事業

1,584

1,869

284

18.0%

△159

25

184

売店・食堂事業

403

434

31

7.8%

△7

△3

4

 

(注)売上高は外部顧客に対する売上高を表示しております。

 

曳船事業

曳船事業は、横浜川崎地区では、作業対象船舶のうち自動車船やコンテナ船の入出港数の増加傾向は続いており、大型客船が戻り始め、2022年11月からの港湾曳船料率値上げ効果もあり増収となりました。作業対象船舶がコンテナ船中心である東京地区でも同様に、入出港数の増加と2022年12月からの値上げも奏功し増収となりました。また、横須賀地区では、大型タンカーやLNG船の減少傾向が響き、エスコート作業と着桟中の警戒作業が減少しましたが、コンテナ船と大型客船が増加し微増となりました。千葉地区では、昨年度の前半は危険物積載船の入港数は堅調に推移したものの後半から低迷し、今年度に入ってからも戻らず作業数は減少しましたが、港湾曳船料率値上げ効果で増収を確保できました。

また、洋上風力発電交通船(CTV)の運航は、富山県・入善港と北海道・石狩新港での洋上風力発電建設にかかる作業があったものの、秋田港・能代港での作業が終了したため、前年同期に比べ大幅な減収となりました。

この結果、曳船事業セグメントの売上高は300百万円増加し7,216百万円(前年同期比4.3%増)となり、港湾曳船料率の値上げ効果もあり347百万円の営業利益(前年同期比73.3%増)となりました。

 

旅客船事業

旅客船事業は、横浜港における観光船部門では、コロナウイルス感染症が落ち着いたことでレストラン船の利用客が増加し、定期航路以外の新規イベントクルーズも好評で大幅な増収となりました。

一方、久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門ではゴールデンウィークとお盆期間の悪天候や、冬場の強風による欠航が痛手となりました。また、インフレ進行やガソリン価格の高止まりの影響もあり、観光バス団体客やマイカーでの利用客は減少し、売上高は前年同期並みに留まりました。

この結果、旅客船事業セグメントの売上高は284百万円増加し1,869百万円(前年同期比18.0%増)となり、25百万円の営業利益(前年同期は159百万円の営業損失)となりました。

 

売店・食堂事業

売店・食堂事業は、コロナウイルス感染症の収束による反動需要があったものの、カーフェリー部門同様に団体客が低迷し、本格的な回復とはなりませんでした。

この結果、売店・食堂事業セグメントの売上高は31百万円増加し434百万円(前年同期比7.8%増)となり、3百万円の営業損失(前年同期は7百万円の営業損失)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ318百万円増加し28,992百万円となりました。

流動資産の部では、現金及び預金が設備投資の大幅な増加で1,394百万円減少し、売掛金が78百万円及びその他流動資産が195百万円増加いたしました。固定資産の部では、船舶が297百万円増加し、曳船事業の設備更新と洋上風力発電交通船(CTV)の新規建造等で建設仮勘定が778百万円増加いたしました。

負債は、前連結会計年度末に比べ436百万円減少し6,584百万円となりました。流動負債の部では、短期借入金が176百万円増加し、未払法人税等が122百万円減少し、賞与引当金が152百万円減少いたしました。固定負債の部では、役員退職慰労引当金が役員退任に伴う取崩と制度廃止により542百万円減少し、その他固定負債が182百万円増加いたしました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ、755百万円増加し22,407百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益が560百万円となり、剰余金の配当を198百万円実施したことにより利益剰余金が361百万円増加し、その他有価証券評価差額金が164百万円及び為替換算調整勘定が161百万円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の72.3%から73.8%と1.5ポイント増加いたしました。

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。