E04272 IFRS
前期
6,827.1億 円
前期比
201.5%
株価
2,775 (04/19)
発行済株式数
437,143,500
EPS(実績)
78.75 円
PER(実績)
35.24 倍
前期
702.8万 円
前期比
120.6%
平均年齢(勤続年数)
40.8歳(15.9年)
従業員数
12,969人(連結:36,039人)
当社グループは、当社、子会社137社および関連会社53社により構成され、「航空運送事業」および「その他」を営んでおり、その事業内容と各事業に係る位置づけおよび事業の種類別セグメントとの関連は、次のとおりです。
(1)航空運送事業 |
次のとおり、当社、子会社30社および関連会社4社、合計35社が行っております。 |
①航空運送事業 |
フルサービスキャリア(FSC)領域は、当社、子会社の株式会社ジェイエア、日本エアコミューター株式会社、株式会社北海道エアシステム、日本トランスオーシャン航空株式会社、琉球エアーコミューター株式会社が行っております。 ローコストキャリア(LCC)領域は、子会社の株式会社ZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパン株式会社および関連会社であるジェットスター・ジャパン株式会社が行っております。 |
②空港旅客サービス |
航空旅客の搭乗手続きおよび案内業務に加えて、運航補助業務、搭載コントロール業務を株式会社JALスカイ等の子会社が行っております。 |
③グランドハンドリング |
手荷物および貨物の搭載、航空機の誘導、客室や機体外部のクリーニング等、空港内地上サービス業務を株式会社JALグランドサービス等の子会社が行っております。 |
④整備 |
航空機、エンジンおよび航空部品の整備等を株式会社JALエンジニアリング等の子会社が行っております。 |
⑤貨物 |
貨物・郵便の取扱い業務、上屋(貨物取扱施設)業務等を株式会社JALカーゴサービス等の子会社および関連会社が行っております。 |
⑥旅客販売 |
JALグループおよび提携航空会社の航空券販売等を株式会社ジャルセールス等の子会社が行っております。 |
⑦マイレージ |
マイレージプログラムの運営等を子会社の株式会社JALマイレージバンクが行っております。 |
⑧空港周辺事業他 |
機内食調製等をジャルロイヤルケータリング株式会社等の子会社および関連会社が行っております。
|
(2)その他 |
マイル・ライフ・インフラ領域として、卸売業、航空運送を利用した旅行の企画販売、手荷物宅配、システム開発・運用、クレジットカード事業等を株式会社JALUX、株式会社ジャルパック、株式会社JALインフォテック、株式会社ジャルカード等の子会社107社および関連会社49社、合計156社が行っております。 |
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
※画像省略しています。
(3)留意事項
当社を含む当社グループ航空会社9社は、航空法に基づく本邦航空運送事業者として、国土交通省より事業許可を受けて事業を運営しており、当該許可についての有効期限その他の期限は法令等で定められておらず、当該許可の取消は航空法第119条、失効は航空法第120条にてそれぞれ定められております。当社グループは、当該許可の保持を図るべく適正な社内体制を整えており、現時点において当該許可の取消または失効の原因となる事象はありません。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)は、新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた動きが浸透し、国内外における航空旅客需要は着実に回復してまいりました。当社グループは、新型コロナウイルスの感染の状況に合わせて日本国内および日本と海外を結ぶ航空輸送ネットワークの確保に柔軟に対応しました。また、旅客需要は回復基調にあるものの想定より時間を要する中、徹底的なコスト削減の取り組みと貨物事業における売上最大化により収益の改善に努め、コロナ禍からの回復に全力を尽くしました。
2024年3月期以降、アフターコロナの新たな航空需要に対応すべく、当社グループは引き続きこうした努力を継続し、公共交通機関としての社会的使命を果たしてまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境を概括すると、主要国に比べ回復が遅れていた日本発着国際および国内旅客需要は着実に復調してきております。ロシア・ウクライナ情勢の影響、世界的な景気減速への懸念、為替・燃油価格をはじめとする市況の変動等、外部環境に不透明な部分は残っております。しかしながら、中長期的な成長に向けて、人財の採用を再開するなど需要回復に向けた反転攻勢のための体制を確実に整えております。
以下、当連結会計年度における当社グループの経営状況につき概括します。
ESG戦略
当社グループの経営戦略の軸であるESG戦略については、公共交通インフラとして持続可能な航空ネットワークを提供する社会的使命を果たしながら、航空業界の最重要課題の一つであるCO2排出量実質ゼロを達成すべく取り組んでおります。
CO2削減に関する取り組みの柱の一つであるSAF(Sustainable Aviation Fuel)の活用については、2022年11月に世界最大級の再生可能燃料製造会社であるNeste社と、また2023年1月に都市ごみ等の廃棄物から再生可能燃料の製造を目指すRaven社と新たに今後のSAFの調達について合意したことを発表し、海外からの調達先を確実に増やしております。また、2022年11月に本邦初となるCO2排出量実質ゼロの「サステナブルチャーターフライト」を東京(羽田)-沖縄(那覇)線で運航しました。さらに、当社は現在運航中の小型機の更新機材としてボーイング737-8型機21機の導入を決定しており、省燃費性能の高い最新鋭機材への更新を着実に進めております。以上、当社グループのESGに関する情報開示やパフォーマンスが評価され、2022年12月には世界中の投資家から重要な投資判断基準として活用されているESG投資の代表的指数「DJSI Asia Pacific Index」の構成銘柄に初めて選定され、また国際的な環境非営利団体CDPより気候変動「A-」評価を獲得しました。
DEIの観点では、女性・グローバル・シニア人財等、多様な人財の活躍・働き方の整備を推進してまいりました。健康経営にも積極的に取り組んだ結果、当社が「健康経営銘柄2023」に2年連続選定、当社グループ24社が「健康経営優良法人2023」に認定されたほか、若手社員を中心に取り組んだ当社グループの統合報告書が日本経済新聞社主催「日経統合報告書アワード2022」において、環境に関する記載がとりわけ優れていた企業に贈られる「グランプリE賞」を受賞しました。また、日本証券アナリスト協会より「ディスクロージャー優良企業」として運輸部門で2018年以来過去5年間で4回目となる第1位を獲得いたしました。さらに、当社グループのサステナビリティに関する取り組みやサービス品質等が世界最高水準と評価され、APEX社(Airline Passenger Experience Association)「WORLD CLASS」を2年連続で受賞しました。当社グループは今後も持続的な成長に向けて、ESG戦略を推進してまいります。
非航空事業領域
航空運送事業以外の事業領域拡大に向け、当社グループの強みである人財と顧客基盤に先進的なテクノロジーを融合させ、航空運送事業により培われたブランド力・ノウハウを活かした新たな商品・サービスやビジネスの創造に取り組んでおります。
国内最大級のポイントサービス「楽天ポイント」とのマイルの相互交換を開始したほか、スマートフォン決済サービス「JAL Pay」を開始し、お近くの対応店舗や機内販売等でご利用いただけるようになりました。航空機搭乗以外のさまざまな日常の生活シーンでもマイル関連サービスの提供を進めております。2022年3月期に連結子会社化した株式会社JALUXは、「JALふるさと納税」サイトの運営を通じ地域の発展とさらなる交流人口・関係人口創出に向けた仕掛けづくりに取り組んでおります。また、2022年10月に株式会社ジャルセールスの当社への吸収合併を決定し、航空券販売に留まらず当社グループ全体のアセットを活用したソリューション営業体制への転換を図ることで、地域や顧客の皆さまの課題解決につながる取り組みを強化してまいります。さらに、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)において「空飛ぶクルマ」の運航事業者として選定されました。2025年大阪・関西万博において安全・安心に「空飛ぶクルマ」を運航し、実際にお客さまにご搭乗していただきます。当社グループは今後も航空運送事業により培ったノウハウを生かし新たなサービスやビジネスの創造に取り組んでまいります。
安全・安心
当社グループの存立の大前提であり、中期経営計画における経営目標である「安全・安心」については、お客さまと社員の感染防止に努めつつ、国内外の航空ネットワークの維持に努めております。
安全・安心に関する取り組みについては、中期経営計画において、「航空事故ゼロ、重大インシデントゼロ」という経営目標の達成を目指してまいりました。しかしながら、お客さまや客室乗務員の骨折の事象3件が国土交通省により航空事故として認定されました。これらの事象を重く受け止め、国土交通省による事故調査に協力するとともに、再発防止の徹底に取り組み、安全を守るための不断の努力を継続してまいります。また、ロシア・ウクライナ情勢により、ロシア領域内への離着陸および上空の飛行を中止し、安全に飛行できる代替ルートに変更して運航しております。当社グループはこれからも、事業環境の変化に柔軟に対応し、さまざまな安全施策を実施してまいります。さらに、保安検査の高度化と検査に要する時間の短縮、UV殺菌装置の活用による衛生・清潔性向上を実現する保安検査レーン「JAL SMART SECURITY」の羽田空港国内線への導入が完了しました。復便が進む中においても混雑緩和・保安検査の省人化に大いに役立っており、今後もより安全・安心・ストレスフリーな空港サービスの向上に努めてまいります。
財務戦略
財務戦略においては、省燃費性能の高い最新鋭機材への更新を着実に進めるため、2023年3月に航空会社として本邦初となる、資金使途特定型トランジション・リンク・ローンにより約265億円の資金調達を実施しております。また、同月の日経平均株価の構成銘柄の定期見直しにより当社が採用され、4月の算出から反映されております。今後も市場・投資家の皆さまとのより良い対話の実現に向けて、さらなる情報開示の充実と質の向上に努めてまいります。
新型コロナウイルスは、航空を含む多くの業界に甚大な影響を与え、社会・経済の前提を覆す大きな変化をもたらしました。旅客需要は回復傾向にあるものの、リモートワークの浸透、為替の変動や燃油市況の高騰等により、特に日本発の旅客需要の回復スピードは未だ勢いを欠いております。しかしながら、当社グループは急激かつ大幅に需要が減少するという未曽有の事態を乗り越え、中長期的な成長に向けて人財の採用を再開するなど、需要回復に向けた反転攻勢のための体制を確実に整えております。「2021-2025年度JALグループ中期経営計画ローリングプラン2023」に沿って、強固な財務体質の再構築と持続的な成長に向けた取り組みを同時に実現し、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛されるエアライングループ」を目指し、すべてのお客さまに快適な空の旅をご提供できるようチャレンジしてまいります。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産については、前連結会計年度末に比べ1,448億円増加し、2兆5,206億円となりました。負債については、前連結会計年度末に比べ1,339億円増加の1兆6,636億円となりました。資本については、前連結会計年度末に比べ108億円増加の8,569億円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上収益は1兆3,755億円(前年同期比101.5%増加)、営業費用は1兆3,446億円(前年同期比43.0%増加)となり、財務・法人所得税前利益(△は損失)(当社は、当期利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。以下「EBIT」という。)は645億円(前年同期は△2,394億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)は344億円(前年同期は△1,775億円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
<航空運送事業セグメント>
当連結会計年度における航空運送事業セグメントの経営成績については、売上収益は1兆2,610億円(前年同期比 96.3%増加)、投資・財務・法人所得税前利益(△は損失)(以下「セグメント利益(△は損失)」という。)は、507億円(前年同期は△2,501億円)となりました。(売上収益およびセグメント利益(△は損失)はセグメント間連結消去前数値です。)
フルサービスキャリアにおける国際旅客収入は4,175億円(前年同期比507.0%増加)、国内旅客収入は4,511億円(前年同期比91.9%増加)、貨物郵便収入は2,247億円(前年同期比2.9%増加)、LCCにおける国際旅客収入は271億円、国内旅客収入は35億円でした。
部門別売上収益は次のとおりです。
科目 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
構成比 (%) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
構成比 (%) |
対前年 同期比 (%) |
国際線(FSC) |
|
|
|
|
|
旅客収入(百万円) |
68,785 |
10.7 |
417,526 |
33.1 |
607.0 |
貨物収入(百万円) |
182,877 |
28.5 |
188,902 |
15.0 |
103.3 |
郵便収入(百万円) |
11,089 |
1.7 |
12,241 |
1.0 |
110.4 |
手荷物収入(百万円) |
746 |
0.1 |
1,766 |
0.1 |
236.7 |
小計(百万円) |
263,499 |
41.0 |
620,437 |
49.2 |
235.5 |
国内線(FSC) |
|
|
|
|
|
旅客収入(百万円) |
235,100 |
36.6 |
451,127 |
35.8 |
191.9 |
貨物収入(百万円) |
20,751 |
3.2 |
20,017 |
1.6 |
96.5 |
郵便収入(百万円) |
3,653 |
0.6 |
3,631 |
0.3 |
99.4 |
手荷物収入(百万円) |
312 |
0.0 |
409 |
0.0 |
131.4 |
小計(百万円) |
259,817 |
40.4 |
475,187 |
37.7 |
182.9 |
国際線・国内線(FSC) 合計(百万円) |
523,316 |
81.4 |
1,095,624 |
86.9 |
209.4 |
旅客収入(LCC) (百万円) |
|
|
|
|
|
ZIPAIR |
717 |
0.1 |
22,449 |
1.8 |
- |
スプリング・ジャパン |
2,021 |
0.3 |
8,224 |
0.7 |
406.8 |
小計(百万円) |
2,738 |
0.4 |
30,674 |
2.4 |
- |
その他 (百万円) |
116,509 |
18.1 |
134,753 |
10.7 |
115.7 |
合計(百万円) |
642,565 |
100.0 |
1,261,052 |
100.0 |
196.3 |
(注)1.金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
2.FSCはフルサービスキャリアを指します。
3.スプリング・ジャパンについては取得日(2021年6月28日)から2021年6月末までの業績に重要性が
ないため、同社の2021年7月以降の旅客収入を旅客収入(LCC)として含めております。
4.対前年同期比について、増減率が1,000%以上となる場合は「-」を記載しております。
輸送実績(フルサービスキャリア)は次のとおりです。
項目 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
|
国際線 |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
892,471 |
4,348,562 |
487.2% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
6,027,871 |
27,310,618 |
453.1% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
22,780,657 |
38,039,283 |
167.0% |
有償座席利用率 |
(%) |
26.5 |
71.8 |
45.3 |
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
3,113,671 |
2,795,737 |
89.8% |
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
160,474 |
125,904 |
78.5% |
国内線 |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
16,238,833 |
30,109,920 |
185.4% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
12,089,054 |
23,090,624 |
191.0% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
24,535,597 |
35,243,210 |
143.6% |
有償座席利用率 |
(%) |
49.3 |
65.5 |
16.2 |
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
231,515 |
280,599 |
121.2% |
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
22,689 |
22,044 |
97.2% |
合計 |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
17,131,304 |
34,458,482 |
201.1% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
18,116,925 |
50,401,243 |
278.2% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
47,316,254 |
73,282,493 |
154.9% |
有償座席利用率 |
(%) |
38.3 |
68.8 |
30.5 |
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
3,345,186 |
3,076,337 |
92.0% |
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
183,164 |
147,949 |
80.8% |
輸送実績(LCC)は、次のとおりです。
項目 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
|
ZIPAIR |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
25,791 |
488,210 |
- |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
98,667 |
2,471,419 |
- |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
1,791,942 |
4,674,955 |
260.9% |
有償座席利用率 |
(%) |
5.5 |
52.9 |
47.4 |
スプリング・ジャパン |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
82,788 |
481,206 |
581.3% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
77,235 |
409,361 |
530.0% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
163,207 |
760,306 |
465.9% |
有償座席利用率 |
(%) |
47.3 |
53.8 |
6.5 |
(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、
各区間有効座席数(席)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。輸送量(トン・キロ)は、
各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機関)の統計資料に準じた算出基準の大圏距離方式で算出しております。
3.フルサービスキャリア(国際線):日本航空(株)
フルサービスキャリア(国内線):日本航空(株)、(株)ジェイエア、
日本エアコミューター(株)、(株)北海道エアシステム、
日本トランスオーシャン航空(株)、琉球エアーコミューター(株)
4.スプリング・ジャパンの輸送実績には国際線および国内線の合計を記載しております。
5.スプリング・ジャパンについては取得日(2021年6月28日)から2021年6月末までの業績に重要性が
ないため、同社の2021年7月以降の輸送実績をLCCにおける輸送実績として含めております。
6.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
7.対前年同期比について、増減率が1,000%以上となる場合は「-」を記載しています。
<その他>
株式会社ジャルパックと株式会社JALUXおよび株式会社ジャルカードの概況は、次のとおりです。
株式会社ジャルパック
項目 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前年 同期比 (%) |
海外旅行取扱人数(万人) |
0.0 |
1.7 |
- |
国内旅行取扱人数(万人) |
100.4 |
213.1 |
212.3% |
売上収益 (億円)(連結消去前) |
458 |
1,088 |
237.5% |
株式会社JALUX
項目 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前年 同期比 (%) |
売上収益 (億円)(連結消去前) |
- |
279 |
- |
株式会社ジャルカード
項目 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前年 同期比 (%) |
カード会員数 (万人) |
346.1 |
344.3 |
99.5% |
売上収益 (億円)(連結消去前) |
185 |
171 |
92.7% |
※対前年同期比について、増減率が1,000%以上となる場合は「-」を記載しています。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,450億円増加し、6,392億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前利益524億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は2,929億円(前年同期は△1,035億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△1,127億円(前年同期は△1,737億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出およびリース債務の返済による支出を主因として、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△384億円(前年同期は3,592億円のキャッシュ・インフロー)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産、受注及び販売に該当する業種・業態がほとんどないため、「① 財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断および見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財
務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは次のとおりです。
・収益認識
航空輸送に係る収益は、航空輸送役務の完了時に認識しております。
航空輸送に使用される予定のない航空券販売(失効見込の未使用航空券)は、航空券の条件や過去の傾向を考慮して適切な認識のタイミングを見積り、収益認識しております。
また、当社グループは会員顧客向けのマイレージプログラム「JALマイレージバンク」を運営しており、旅客輸送サービス等の利用に応じて付与するマイレージの内、将来顧客が行使することが見込まれる分を履行義務として認識し、顧客がマイレージの利用に際して選択するサービスの構成割合を考慮して独立販売価格を見積り、取引価格はこれらの履行義務に対して独立販売価格の比率に基づいて配分しております。マイレージプログラムの履行義務に配分された取引価格は契約負債として認識し、マイレージの利用に従い収益計上しております。
・航空機等の減価償却費
航空機、航空機エンジン部品および客室関連資産等の各構成要素の耐用年数決定にあたり、将来の経済的使用可能予測期間を考慮して、減価償却費を算定しております。
・固定資産の減損
当社グループは、期末日現在の対象資産について、減損が生じている可能性を示す事象があるかを検討し、減損の兆候が存在する場合には減損損失の計上要否の検討を行っております。
・繰延税金資産の認識
当社グループは、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で繰延税金資産を認識しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっての見積りに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等連
結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産については、現金及び現金同等物の増加などを主因として前連結会計年度末に比べ1,448億円増加し、2兆5,206億円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債については、契約負債の増加などを主因として、前連結会計年度末に比べ1,339億円増加の1兆6,636億円となりました。
(資本合計)
当連結会計年度末における資本については、主に親会社の所有者に帰属する当期利益などにより、前連結会計年度末に比べ108億円増加の8,569億円となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、収入面では、国際旅客収入(FSC)は日本への入国に関する規制の緩和によりインバウンドを中心に需要が回復し、前年対比3,487億円の増収となりました。国内旅客収入(FSC)は、政府の需要喚起策「全国旅行支援」等を追い風に観光需要を中心に回復したことに加え、選好性の向上や生産体制が整っていることで、前年対比2,160億円の増収となりました。この結果、売上収益は1兆3,755億円(前年同期比101.5%増加)となりました。
費用面では、燃油費は復便による使用量の増加や燃油市況上昇による燃油単価の増加等により1,778億円の増加、人件費は業績回復に応じ社外に出向していた人財が戻ってきたことや業績に連動した賞与の増加などにより465億円増加しました。一方、コストマネジメントに努めた結果、営業費用全体としては1兆3,446億円(前年同期比43.0%増加)となりました。
以上の結果、EBITは645億円(前年同期は△2,394億円)となりました。また、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)は、344億円(前年同期は△1,775億円)となりました。
セグメント別の分析は次のとおりです。
<航空運送事業>
当社グループはコロナ禍においても、社員の雇用を維持し安全運航のための知識・技量の向上に努め、国内線の主力航空機を省燃費性能の高い最新鋭のエアバスA350型機へ更新を進めるなど、需要回復に向けて着実に準備してまいりました。
(国際線 フルサービスキャリア事業領域)
国際旅客事業では、2022年10月中旬まで1日5万人とされていた日本への入国制限者数の上限が撤廃されたことに加え、観光目的の短期滞在ビザ取得免除等の大幅な規制緩和が進み、日本発着旅客数はインバウンドを中心に徐々に回復してきました。加えて、需要回復スピードの早いアジア=北米間を中心とする通過需要を取り込むべく成田空港での乗り継ぎ利便性の高い運航ダイヤを設定するなど、環境の変化に柔軟に対応してまいりました。今後は中国の水際緩和措置等を背景に、力強い需要回復が期待されます。当連結会計年度の有償旅客数は前年同期比 387.2%増、有償旅客キロは前年同期比353.1%増、有効座席キロは前年同期比67.0%増、有償座席利用率71.8%となりました。
(国内線 フルサービスキャリア事業領域)
国内旅客事業では、政府の需要喚起策「全国旅行支援」が実施されたことなどもあり、旅客需要は観光を中心に着実に回復しました。当社では臨時便の設定や航空機材の大型化を行うなど万全な供給体制を整え、その結果、ゴールデンウィークや年末年始、春休みの旅客数は2019年比で約9割まで回復するなど、高需要期を中心に多くのお客さまにご搭乗いただきました。当連結会計年度の有償旅客数は前年同期比85.4%増、有償旅客キロは前年同期比91.0%増、有効座席キロは前年同期比43.6%増、有償座席利用率は65.5%となりました。
(貨物)
貨物事業においては、夏以降、航空貨物総需要が減少に転じる中、当社便の需要はアジア=北米間を中心に好調を持続しておりました。旅客機を利用した貨物便や他社貨物便を積極的に活用し、できる限り需要を取り込みました。単価も下落傾向にはあるものの、依然としてコロナ前に比べ高い水準を維持しております。その結果、コロナ前に比べて大きく収入を伸ばしております。当連結会計年度の、貨物郵便収入は前年同期比2.9%増となりました。
(LCC事業領域)
国際線中長距離LCCである株式会社ZIPAIR Tokyo(以下、ZIPAIR)は、日本だけでなく海外においてもお客さまの認知度が高まり利用率が向上、特に高需要期においては満席便が頻出するなど早期に黒字化を達成し、事業運営は順調に推移しております。また、2022年12月から就航したサンノゼ線も好調なスタートを切っており、2023年6月からサンフランシスコ線を新規就航、2023年7月からマニラ線の新規就航を予定するなど国際旅客需要の回復と歩調を合わせ着実に成長しております。中国線にターゲットを置くスプリング・ジャパン株式会社(以下、スプリング・ジャパン)は、厳しい入国規制の影響で当面需要回復が見込めなかったことから、生産資源を有効に活用するため一時的に国内線の運航便数を増やすなど収支改善に努めました。今後は中国の水際緩和措置により力強い需要回復が期待されます。上記2社に加え、主に国内線を運航するジェットスター・ジャパン株式会社(以下、ジェットスター・ジャパン)も含めた特徴の異なるLCC3社による成田空港をハブとしたネットワーク構築に努め、事業規模を拡大してまいります。当連結会計年度のLCCにおけるZIPAIRの旅客事業は、有償旅客数は488,210(人)、有償旅客キロは2,471,419(千人キロ)、有効座席キロは4,674,955(千席キロ)、スプリング・ジャパンの旅客事業は、有償旅客数は481,206(人)、有償旅客キロは409,361(千人キロ)、有効座席キロは760,306(千席キロ)となりました。
(今後の見通し)
当社グループは、「2021-2025年度JALグループ中期経営計画」で掲げた経営ビジョンの達成に向け、より一層ESG経営を推進すべく、2023年5月2日に発表した「2021-2025年度JALグループ中期経営計画ローリングプラン2023」の着実な遂行に向け努力してまいります。
2023年3月期はコロナ禍が収束に向かうなか、通期の連結黒字化を果たすことができ、復配もしております。2024年3月期はアフターコロナにおける安定的な収益構造を確立してまいります。2024年3月期の通期連結業績予想につきましては、同中期経営計画ローリングプランでお示しした事業環境等を踏まえ、連結売上収益1兆6,580億円、EBIT1,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は550億円、と予想いたします。
なお、算出にあたり、米ドル円為替レートは135円、航空燃油費の一指標であるシンガポール・ケロシンの市場価格を1バレルあたり115米ドルとしています。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束を迎え、日本の航空需要が回復する中、不安定な世界情勢を背景とした物価高騰や航空・観光業界の人材不足といった変化が顕在化しております。一方、SDGs達成や気候変動に対する社会の意識はさらに高まり、企業はESG経営を強く意識した上でその対応を加速していくことが求められております。このような環境の変化を踏まえ、当社は、「中期経営計画ローリングプラン2023」を策定し、ESG戦略を価値創造ストーリーに基づく最上位の戦略と定め、目標達成に向けた各事業領域での取組みを加速・具体化いたします。当社グループは、社会インフラ・ライフラインとしての責務を果たし、「安全・安心」と「サステナビリティ」を成長のエンジンとして、「JAL Vision 2030」の実現を目指して全社員一丸となって進んでまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、格付評価上の自己資本比率の水準を50%程度に保ち、「シングルAフラット」以上の信用格付(日本の格付機関)の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、持続的な成長に向けた取り組みも加速させます。設備投資に関しては、当社グループの全ての投資はESG戦略を推進するためと位置付け、ESG戦略と事業構造改革推進のための投資を着実に実施してまいります。投資判断には新たにInternal Carbon Pricingを導入し、GXの推進を進めます。
2)経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大により甚大なる影響を受けた経験を踏まえ、適正な手元現預金の水準について検証を実施した結果、イベントリスク発生時に大きな影響を受ける旅客収入規模に応じ、航空券払戻リスクにも一定程度耐えうる水準を設定しております。リスク耐性の強化および資産効率の両立を図るべく、旅客収入の5.0~5.6か月分(毎月末)を安定的な経営に必要な手元現預金水準(コミットメントライン含む)として確保してまいります。
ESG戦略を加速するための投資を前向きに推進しつつ、業績の回復に伴い、配当性向35%程度の早期実現を目指して株主還元も拡大させることで、企業価値向上に資する経営資源の配分に取り組んでまいります。
3)資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、航空運送事業に関わる燃油費、運航施設利用費、整備費、航空販売手数料、機材費(航空機に関わる償却費、賃借料、保険料など)、サービス費(機内・ラウンジ・貨物などのサービスに関わる費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、全てESG戦略を推進し企業価値向上に資する目的としております。CO2排出量削減に寄与する省燃費性能に優れた航空機の導入(E)、安全・安心の強化や顧客利便性を向上させるための施設設備・ITへの投資(S)、BCP対応やITセキュリティ強化(G)等に関する投資などがあります。
4)資金調達
当社グループは、事業活動の維持および将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
設備投資は、内部資金および外部資金を有効に活用して実施してまいります。設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、十分な手元流動性の確保、資金調達手段の多様化、資本効率の向上を企図し、主要な事業資産である航空機などの調達に当たっては、金融機関からの借入、社債の発行、航空機リース等の有利子負債を一部活用しております。また、今後のESG投資の推進に向けては、2023年3月に航空業界として本邦初となる、資金使途特定型トランジション・リンク・ローンを実行するなど、今後もESGファイナンスを積極的に活用してまいります。
当社は従前から、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、資金調達能力の源泉である強固な財務体質の維持向上に努めてまいります。また、当社は国内2社の格付機関から信用格付を取得しております。本報告書提出時点において、日本格付研究所の格付は「シングルA(ネガティブ)」、格付投資情報センターの格付は「シングルAマイナス(安定的)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、健全な財務体質を有していることから、必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題ないと認識しています。コロナ禍を耐え抜くために機動的な資金調達を実施したことで、有利子負債残高はこの3年間で大幅に増加しましたが、2023年3月末時点においても、格付評価上の自己資本比率は39.3%、ネットD/Eレシオは0.1倍と、航空業界においては世界最高レベルの強固な財務基盤を維持できております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「2021~2025年度JALグループ中期経営計画」において、以下を経営目標としており、経営目標の達成に向け取り組んでまいります。
(安全・安心)
経営目標である「航空事故(注1)ゼロ・重大インシデント(注2)ゼロ」を達成し、安全のリーディングカンパニーを目指します。目標達成に向けて、安全・安心を最優先に考える文化・意識の継承と継続的な浸透を更に進めるとともに安全・安心を取り巻く社内外の環境変化に対応するために、以下を重点に取り組んでまいります。
・ビッグデータを活用した航空機の故障予測で機材トラブルを削減
・観測・通信技術の進化によりタイムリーな気象情報を入手し、飛行中の揺れを防止
2022年度は目標未達成となっておりますが、発生した事案を踏まえて再発防止策を強化し、安全で安心できる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
指標 |
2025年度までの目標 |
2022年度実績 |
航空事故 |
0件 |
3件(注3) |
重大インシデント |
0件 |
0件 |
(注)1.航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災、航行中の航空機の損傷(大修理相当)等
2.航空事故には至らないものの、その恐れがあったと認められる事態。滑走路からの逸脱、非常脱出等
3.航空事故:2022年10月3日、日本トランスオーシャン航空036便において、客室乗務員が骨折した事案、11月7日、日本エアコミューターが運航する日本航空3760便において、お客さまが骨折した事案、および2023年1月7日、日本航空687便において、お客さまが骨折した事案。
安全運航の堅持とともに、顧客満足度はNPS(Net Promoter Score)を指標とし、目標達成に向け取り組んでいます。
2022年度は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2021年度までと比べて需要が回復するなか、衛生・清潔の向上とともに商品・サービス品質の向上を図ってまいりました。前年度に引き続き、2022年10月にAPEX(注1)の「WORLD CLASS」(注2)、2023年2月にSKYTRAX(注3)「5スター」(注4)に認定されるなど高評価をいただいたものの、国際線においては感染症流行を受けたサービス変更や急激な需要回復による混雑への対応が課題となりNPSが低下しました。
今後課題の解決に取り組むほか、お客さまの多様なニーズに合わせて商品・サービスを提供し、心地よい安心をお届けすることで世界トップレベルの顧客体験を実現いたします。
指標 |
2025年度までの目標 (2021年度期初対比) |
2022年度実績 (2021年度期初対比) |
NPS 国内線 |
+4.0ポイント |
+3.0ポイント |
NPS 国際線 |
+4.0ポイント |
△3.3ポイント |
(注)1.お客さまの搭乗体験向上のために航空会社や航空関連メーカー、旅行関連企業などで構成する米国を拠点とする非営利団体
2.ポストコロナ時代に航空会社へ求められる最も重要な価値を「サステナビリティ」、「安全・安心とウェルビーイング」、「サービス品質」と定め、世界トップレベルの評価を認定するアワード
3.英国を拠点とする航空会社の格付け会社
4.格付けプログラム「ワールド・エアライン・スター・レイティング」において世界最高品質を示す評価
(財務)
これまで築き上げた高い収益性と強固な財務安定性を兼ね備えつつ、成長に向けた積極的な投資および経営資源の有効活用により常に成長し続けるために、「EBITマージン(売上高利益率)2025年度に10%以上を達成、ROIC(投資利益率)2025年度に9%を達成、EPS(1株当たり純利益)2025年度に290円レベルを達成」を目指します。
2022年度は未達成となっておりますが、高い収益性と強固な財務安定性を目指してまいります。
指標 |
2025年度までの目標 |
2022年度実績 |
EBITマージン(売上高利益率)(注1) |
10%以上 |
4.7% |
ROIC(投資利益率)(注2) |
9% |
3.3% |
EPS(1株当たり純利益) |
290円レベル |
79円 |
(注)1.EBITマージン=EBIT / 売上収益
2.投資利益率(ROIC)=EBIT(税引後)/ 期首・期末固定資産(*)平均
*固定資産=棚卸資産+非流動資産-繰延税金資産-退職給付に係る資産
なお、ROICは社会的価値を考慮した新しい投資効率指標として、「サステナブルROIC(仮称)」の導入を今後検討してまいります。
(サステナビリティ)
環境目標について、「省燃費機材への更新」「運航の工夫」「持続可能な航空燃料(SAF)の活用」によるCO2排出量削減と、客室・ラウンジでの新規石油由来プラスチック全廃、および貨物・空港での環境配慮素材配合への置き換えによる使い捨てプラスチック削減に取り組んでまいります。
地域社会目標について、多くの人々やさまざまな物の流動を創出し、航空会社の根源的な価値である輸送力を活かして、地域活性化に貢献してまいります。
DEI推進目標について、女性社員の意思決定への参画をさらに促すほか、多様な人財の登用と活躍を推進し、会社の持続的な成長と発展に向けて努めてまいります。
|
指標 |
2025年度までの目標 |
2022年度実績 |
環境 |
CO2削減 |
総排出量909万トン未満 (2019年度実績) |
819万トン |
使い捨てプラスチック削減 |
新規石油由来全廃 環境配慮素材へ100%変更 |
新規石油由来を45%廃止 環境配慮素材へ91%変更 |
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地域社会 |
国内の旅客(注1)・ 貨物輸送量 |
2019年度対比+10% |
旅客△15% 貨物△17% |
人 |
グループ内女性管理職比率 |
30% |
22.8% |
(注)1.観光需要喚起や新規流動の創造による旅客数の増