E04342 Japan GAAP
前期
160.9億 円
前期比
114.3%
株価
2,440 (04/25)
発行済株式数
1,224,000
EPS(実績)
361.11 円
PER(実績)
6.76 倍
前期
576.6万 円
前期比
101.2%
平均年齢(勤続年数)
45.0歳(15.7年)
従業員数
237人
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(兵機海運株式会社)、子会社1社及び関連会社2社で構成され、内航海運、港湾運送、倉庫、外航海運、不動産賃貸等の事業活動を行っております。
当社のグループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(海運事業)
内航海運 |
… |
当社の主力事業であり、主として国内の海上輸送業務を行っております。関連会社㈱吉美に姫路港での荷役の一部を委託しております。また、関連会社七洋船舶管理㈱は船員派遣等内航海運に関連する事業を行っております。 |
外航海運 |
… |
連結子会社K.S LINES S.A.が傭船として借り受けた船舶を基軸とし、当社が国外の海上輸送業務を行っております。 |
(港運・倉庫事業)
港運 |
… |
当社の事業であり、神戸・大阪・姫路港で主として輸出入貨物を取扱っております。 |
倉庫 |
… |
当社の事業であり、神戸・大阪・姫路港で展開しております。関連会社㈱吉美に姫路港において入出庫荷役を委託しております。 |
(その他事業)
不動産賃貸及び商事業務を行っております。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスによる行動制限が段階的に緩和され、経済活動が平常へと回復していく明るい兆候が見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻が続き、新たな地政学リスクに晒された中での経済活動を余儀なくされました。半導体を始めとする原材料不足による企業の生産スケジュールの混乱、エネルギー資源の高止まり及び食糧供給の不安定化、さらには欧米が実施したインフレ抑制の利上げ対策に影響された為替の乱高下及び金融システム不安などもあり、経済の回復歩調は一進一退の状況で推移しました。
このような状況下におきまして、当社グループは「安全・迅速・信頼」をモットーに、国民生活と企業活動のライフラインを支える物流業者として、如何なる時世にも顧客に対する輸送責任を果たす「堅実な兵機」との信頼を得るべく、事業展開を進めてまいりました。
内航事業では、所属船団の維持と効率配船に努めましたが、航海数及び輸送取扱いトン数が伸び悩みました。また、燃料油価格の高止まりや船舶維持管理コスト増が利益を圧迫しました。
外航事業では、第3四半期末まで建機類の輸送やスポット案件が好調に推移したことに加え、ドル建て海上運賃の収益改善を受け、前期実績を大幅に上回る売上・利益を確保できました。
港運事業では、前期マイナス要因となっていた海上運賃高騰や海上コンテナ不足などの事案は解消しました。倉庫部門及び国際輸送部門などの他部門と連携し、新規貨物受注に努めました。
倉庫事業では、兵庫埠頭物流センター内に3棟目となる危険品倉庫を増築し、危険品取扱いの更なる強化に努めると同時に、大阪物流センターでの毒劇物貨物の集荷営業を展開しました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ176百万円増加し、12,794百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ367百万円減少し、8,793百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ543百万円増加し、4,000百万円となりました。
b.経営成績
当期の売上高は18,387百万円(前期比2,300百万円増 114.3%)と増収になりました。なお、第4四半期に老朽化した倉庫の修繕費として39百万円計上し、人的資本投資の一環として従業員へインフレ特別一時金30百万円を支給しました。また、社内規程(賃金規則)の改定により、賞与引当金の対象期間を見直し、2023年度の夏季賞与支給見込額158百万円を当期末で引当計上したことにより、経常利益は609百万円(前期比86百万円増 116.5%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は442百万円(前期比83百万円増 123.2%)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
1)海運事業
(イ)内航事業・・・・・上半期の鋼材及び原材料スクラップの鉄鋼輸送は、前年同期比で28%増と好調に推移しましたが、下半期は荒天による停船やメーカーの出荷調整などで伸び悩み、通期では前年同期比4.5%減の輸送量となりました。また、所属船の傭船料改定、燃料油価格の高止まり及び船舶維持管理コスト増、さらには乗組員の退職による社艀の不稼働などの影響もありました。
結果としまして、取扱量が1,739千トン(前期比93.9%)と減少しました。売上高は6,729百万円(前期比97百万円増 101.5%)と微増となりましたが、営業利益は164百万円(前期比108百万円減 60.1%)と減益になりました。
(ロ)外航事業・・・・・当社が極東ロシア向けとして定期的に海上輸送を請け負っていた主力国内貨物は、期初より輸出が取り止められ、配船計画の見直しを実施いたしました。一方で、新たに受注した建機類の輸送が好調に推移した事に加えて、円安ドル高の為替相場において、ドル建て運賃の海上輸送契約が利益を押し上げました。しかしながら、第4四半期は建機類の輸送契約が終了したことにより、再度配船計画の見直しを迫られました。
結果としまして、売上高は3,129百万円(前期比1,162百万円増 159.1%)、営業利益は247百万円(前期比138百万円増 227.1%)と大幅な増収増益になりました。
2)港運・倉庫事業
(イ)港運事業・・・・・2020年半ばから続いていた、海外港湾労働者不足や海上コンテナ不足による海上輸送費の高騰は落ち着きを取り戻しました。一方で、原材料供給不足による輸出入スケジュール遅延や昨年12月以降の中国ゼロコロナ政策見直し後の感染再拡大による中国発着貨物の取扱量減少など、不安定な状況下での営業活動となりました。前期より堅調な小売り用食品輸入取り扱いを維持させつつ、倉庫部門など他のセグメントと一体となった営業活動を推進させ、新規貨物の獲得に努めました。
結果としまして、売上高は6,867百万円(前期比882百万円増 114.8%)と増収になりましたが、営業利益は66百万円(前期比17百万円減 79.1%)と減益となりました。
(ロ)倉庫事業・・・・・兵庫埠頭物流センターでは、前期末に倉庫用地の一部を取得したことにより、原価の圧縮効果が見られました。また、前期に引き続き危険品貨物取扱いが順調に推移しました。大阪物流センターでは、小規模ながら高単価の毒劇物取扱いが軌道に乗り始め、収益の改善が見られました。姫路地区倉庫においては、輸出鋼材貨物の取扱いが堅調に推移し、収益の底上げができました。一方で、倉庫事業全体として普通品貨物の作業や保管業務は、収益性が改善せず苦戦を強いられました。
結果としまして、売上高は1,660百万円(前期比156百万円増 110.4%)、営業利益は70百万円(前期比47百万円増 311.3%)と増収増益になりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ174百万円減少、当連結会計年度末には、1,790百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は775百万円(前期は633百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益623百万円、減価償却費369百万円、賞与引当金の増加158百万円等に対して、法人税等の支払額221百万円、売上債権の増加97百万円、仕入債務の減少56百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は302百万円(前期は1,061百万円の使用)となりました。
主な内訳は、固定資産の取得による支出321百万円、短期貸付金の増加37百万円等に対して、固定資産の売却による収入42百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は658百万円(前期は379百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,200百万円、配当金の支払額107百万円等に対して、長期借入れによる収入600百万円等によるものであります。
③事業部門別売上高、輸送品目別トン数及び売上高の実績
(1)事業部門別売上高明細
当連結会計年度における事業部門別売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
数量 (千トン) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
(海運事業) |
|
|
|
内航事業 |
1,739 |
6,729 |
101.5 |
外航事業 |
218 |
3,129 |
159.1 |
(港運・倉庫事業) |
|
|
|
港運事業 |
1,732 |
6,867 |
114.8 |
倉庫事業 |
251 |
1,660 |
110.4 |
(その他事業) |
|
|
|
商事・賃貸事業 |
― |
― |
― |
合計 |
3,942 |
18,387 |
114.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)輸送品目別トン数及び売上高明細
当連結会計年度における輸送品目トン数及び売上高を示すと、次のとおりであります。
輸送品目別 |
数量 (千トン) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
鉄鋼 |
2,011 |
7,746 |
106.6 |
飼料 |
85 |
182 |
176.3 |
農水産品 |
233 |
928 |
115.6 |
油糧 |
94 |
137 |
106.1 |
鉱石類 |
20 |
124 |
119.9 |
機械類 |
187 |
2,945 |
194.0 |
紙・パルプ |
10 |
25 |
137.4 |
自動車関連 |
51 |
268 |
150.6 |
石膏 |
163 |
203 |
102.3 |
その他貨物 |
1,086 |
5,825 |
101.1 |
合計 |
3,941 |
18,387 |
114.3 |
(注)1.外航事業・内航事業・港運・倉庫事業を合算したものであります。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
大和工業株式会社グループ |
3,911 |
24.3 |
4,079 |
22.2 |
日立建機ロジテック株式会社 |
388 |
2.4 |
1,890 |
10.3 |
JFE物流株式会社グループ |
1,185 |
7.4 |
1,334 |
7.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産は12,794百万円となり、前連結会計年度末と比較して176百万円増加いたしました。
流動資産は3,856百万円となり、前連結会計年度末と比較して66百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金の減少174百万円等に対して、売掛金の増加110百万円等によるものであります。
固定資産は8,937百万円となり、前連結会計年度末と比較して242百万円増加いたしました。これは主に、兵庫埠頭物流センター内に危険物倉庫を1棟増設したことを始めとする有形固定資産の増加342百万円、時価の上昇等による投資有価証券の増加281百万円等に対して、減価償却による固定資産の減少369百万円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は8,793百万円となり、前連結会計年度末と比較して367百万円減少いたしました。
流動負債は4,596百万円となり、前連結会計年度末と比較して24百万円増加いたしました。これは主に、賃金規則改定に伴う賞与引当金の増加158百万円等に対して、短期借入金の減少64百万円、買掛金の減少41百万円等によるものであります。
固定負債は4,197百万円となり、前連結会計年度末と比較して392百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少435百万円等に対して、繰延税金負債の増加22百万円、船舶修繕引当金の増加17百万円等によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産は4,000百万円となり、前連結会計年度末と比較して543百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加329百万円、その他有価証券評価差額金の増加189百万円等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前期比2,300百万円増の18,387百万円となりました。
セグメント別では、内航事業6,729百万円(前期比97百万円増)、外航事業3,129百万円(前期比1,162百万円増)、港運事業6,867百万円(前期比882百万円増)、倉庫事業1,660百万円(前期比156百万円増)となり、全セグメントにおいて増収となりました。
これらの要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」をご覧ください。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前期比60百万円増の548百万円となりました。
セグメント別では、内航事業164百万円(前期比108百万円減)、外航事業247百万円(前期比138百万円増)、港運事業66百万円(前期比17百万円減)、倉庫事業70百万円(前期比47百万円増)となりました。
これらの要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」をご覧ください。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前期比30百万円増の109百万円となりました。主な要因は、受取配当金の増加22百万円、持分法による投資利益の増加10百万円等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前期比3百万円増の48百万円となりました。主な要因は、支払利息の増加1百万円等によるものであります。
以上の結果、経常利益は前期比86百万円増の609百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度に計上した特別利益は、固定資産売却益16百万円となっております。
当連結会計年度に計上した特別損失は、関係会社清算損2百万円となっております。
税金等調整前当期純利益623百万円から法人税等合計181百万円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は442百万円となり、前連結会計年度に比べ83百万円増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。
ロ)契約債務
2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
短期借入金 |
2,000 |
2,000 |
― |
― |
― |
長期借入金 |
4,395 |
884 |
1,169 |
652 |
1,689 |
リース債務 |
105 |
42 |
52 |
7 |
4 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、傭船船主・協力会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2023年3月31日現在の債務保証額は、996百万円であります。
ハ)財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は銀行借入により資金調達することとしております。このうち、銀行借入による資金調達に関しましては、運転資金については借入時の金融情勢を考慮して短期借入金及び長期借入金にて調達し、船舶建造、倉庫建設などの設備資金については、一部を除き固定金利の長期借入金にて調達しております。変動金利での借入分は金利の変動リスクに晒されていますが、デリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジを行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。