E04366 Japan GAAP
前期
103.8億 円
前期比
106.3%
株価
883 (03/28)
発行済株式数
13,510,000
EPS(実績)
37.82 円
PER(実績)
23.35 倍
前期
522.8万 円
前期比
110.2%
平均年齢(勤続年数)
41.5歳(15.6年)
従業員数
613人(連結:662人)
当社の企業集団は、当社、連結子会社3社及び持分法適用会社2社で構成され、駐機中の航空機へ電力、冷暖房等を提供する動力供給事業、並びに空港内外の特殊設備、建物・諸設備およびセキュリティ機器の保守管理、ビジネスジェットの支援サービスを行うエンジニアリング事業を主な事業内容とし、更にフードシステム販売、GSE等販売等を含む商品販売事業を行っております。
当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントを変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当期においては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除されたことや、政府の「全国旅行支援」などにより、国内航空需要は順調な回復が見られました。国際航空需要についても、中国のゼロコロナ政策の影響を受けたものの、日本政府による出入国の水際対策が段階的に緩和された以降、回復が進んでいます。
一方、ウクライナ情勢の長期化や円安が急激に進行したこと等の影響を受け、エネルギー価格及び原材料価格の高騰や物価上昇により、厳しい状況で推移いたしました。
このような状況における当社業績は、動力供給事業、エンジニアリング事業は増収となり、売上高合計は110億39百万円と前期末比6億58百万円(6.3%)の増収となりました。
損益については、原材料費は増加しておりますが、継続して各種のコスト削減策を進め、営業利益は5億27百万円と前期末比4億5百万円(333.1%)の増益、経常利益は5億12百万円と前期末比2億76百万円(117.2%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は5億10百万円と前期末比4億99百万円(4,373.2%)の増益となりました。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に発生した固定資産の減損損失(特別損失)に加え、当連結会計年度に繰延税金資産の回収可能性の見直しを行ったことにより税金費用が減少したことなどが影響し、前連結会計年度を大幅に上回る結果となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
① 動力供給事業
航空需要の回復により、国内線を中心に運航便数が大幅に回復したことで電力供給機会が増加し、売上高は42億67百万円と前期末比6億19百万円(17.0%)の増収となりました。
セグメント利益は、電力を始めとした原材料費は上昇しているものの、増便に伴う設備稼働の改善により、2億46百万円(前期末 セグメント損失1億13百万円)と前期末比3億59百万円の増益となり、黒字に転換しました。
空港内の業務は特殊機械設備*1の稼働再開等による保守業務需要が高まったことにより増収となりました。加えて、空港外ではEC物販市場の堅調な伸びを受けて物流倉庫関連設備の施工管理、設備保守等への技術者支援業務が拡大した結果、売上高は58億70百万円と前期末比1億60百万円(2.8%)の増収となりました。
セグメント利益は、増収に加え、コスト削減等により、12億88百万円と前期末比1億94百万円(17.8%)の増益となりました。
GSE*2の販売が回復傾向にある一方で、フードカート販売は更新案件が減少したこと等により、売上高は9億2百万円と前期末比1億21百万円(11.9%)の減収となりました。
セグメント損失は、フードカート販売の減収が影響し、36百万円(前期末 セグメント利益37百万円)となりました。
*1 特殊機械設備とは旅客手荷物搬送設備及び旅客搭乗橋設備
*2 GSEはGround Support Equipment の略称で、航空機地上支援機材の総称
※ 全社費用は、主に報告セグメントに帰属していない一般管理費です。
なお、当連結会計年度の期首より、「動力事業」、「整備事業」及び「付帯事業」としていた従来の報告セグメントを、「動力供給事業」、「エンジニアリング事業」及び「商品販売事業」に変更いたしました。
また、前連結会計年度の数値については、変更後の報告セグメントの区分に組替ております。
流動資産は、前期末比7億62百万円(9.6%)減少の71億40百万円となりました。これは、現金及び預金が7億42百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前期末比1億33百万円(2.1%)減少の62億14百万円となりました。これは、有形固定資産が1億70百万円、無形固定資産が26百万円減少し、投資その他の資産が63百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、前期末比8億95百万円(6.3%)減少の133億54百万円となりました。
流動負債・固定負債は、前期末比7億18百万円(14.7%)減少の41億74百万円となりました。これは、賞与引当金が2億68百万円、流動負債・固定負債を合算した借入金が2億49百万円、営業未払金が90百万円、未払費用が53百万円減少したこと等によります。
純資産合計は、前期末比1億77百万円(1.9%)減少の91億80百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により5億10百万円増加し、剰余金の配当により1億39百万円、自己株式の取得により6億38百万円減少したこと等によります。
なお、2023年2月に自己株式3億19百万円を消却したことに伴い、利益剰余金も減少しております。この自己株式の消却による純資産額の変動はありません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期末比7億42百万円(14.9%)減少の42億30百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前期末比2億51百万円(54.7%)増加の7億10百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益が4億33百万円となり、減価償却費が6億56百万円、賞与引当金の減少額が2億68百万円、仕入債務の減少額が90百万円であったこと等によります。
投資活動の結果支出した資金は、前期末比1億9百万円(34.9%)増加の4億22百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が4億1百万円、敷金及び保証金の差入による支出が14百万円であったこと等によります。
財務活動の結果支出した資金は、前期末比9億75百万円増加の10億34百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出が6億38百万円、長期借入金の返済が2億49百万円、配当金の支払額が1億39百万円であったこと等によります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 動力供給事業は受注生産を行っていないため、記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 当社グループは、事業の性質上国内航空2社(日本航空株式会社および全日本空輸株式会社)への売上高の総販売実績に占める割合が高くなっております。
当連結会計年度の国内航空2社に対する売上高合計の連結売上高に占める割合は、39.1%であります。
3 各地域別の販売実績は以下のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りは、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。具体的には、一般に入手可能な市場情報や、国内の航空マーケット需要をもとに、航空需要の回復スピードを仮定し、過去の実績等も勘案し、当社設備の利用率を算定し、繰延税金資産の回収可能性等の会計上見積りを行っております。なお、繰延税金資産について回収可能性がないと見込まれる金額まで評価性引当金を計上しておりますが、将来繰延税金資産が回収可能と判断されれば、評価性引当金を戻し入れます。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(経営成績等の状況の概要)」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは財務戦略の基本方針として、資本コストを意識し、資本効率の高い経営を推進することにより、ROE向上と営業キャッシュ最大化を図ることとしています。さらに有利子負債を有効活用した資金調達も行い、資本効率の改善を推し進めながら、中期経営計画期間のキャッシュアロケーションを100億円とする計画にしております。
資金調達については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するために、財務指標を総合的に勘案しながら、安全性の観点からD/Eレシオ0.5を上回らない範囲で財務レバレッジを利かせ、最適な資金調達を進めることとしています。
これら資金は、設備維持投資に留まらず、収益性と効率性を重視した成長分野への積極投資に加え、ESG経営の推進を念頭に入れた人的資本投資と研究開発投資を推し進めることとし、ROEの向上を目指しております。あわせて、株主還元の拡充も重視しており、中期経営計画期間中の総還元性向は100%以上を目指し、これら施策により自己資本比率を50%台の水準とすることを計画しています。
2023年3月期においては安定的な配当に加え、増配と自己株式取得・消却等の株主還元を機動的に実施しましたが、空港再編計画の遅れによる設備更新投資の後倒しや戦略投資の遅れにより自己資本比率68.7%と資本効率は改善できておりません。前述の財務戦略に基づいた資本マネジメントサイクルを適切に運用し、引き続き資本効率改善を図ってまいります。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、42億30百万円となっており、安全な水準を維持しております。