E04425 IFRS
前期
5.45兆 円
前期比
104.1%
株価
4,392 (06/05)
発行済株式数
2,302,712,308
EPS(実績)
320.66 円
PER(実績)
13.70 倍
前期
948.5万 円
前期比
99.7%
平均年齢(勤続年数)
42.5歳(17.2年)
従業員数
10,455人(連結:48,829人)
(1)事業の概要
当社の企業集団は、当社及び連結子会社159社(国内102社、海外57社)、持分法適用関連会社38社(国内31社、海外7社)により構成されており、「パーソナル事業」、「ビジネス事業」を主な事業としております。
当社グループの事業における当社、連結子会社及び持分法適用関連会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より組織変更に伴い一部の連結子会社の所管セグメントを見直しております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.セグメント情報」に記載しております。
パーソナル事業
主要なサービス |
日本国内及び海外における、個人のお客さま向け通信サービス(モバイル、固定通信等)及びライフデザインサービス(コマース、金融、エネルギー、エンターテインメント、教育等)の提供 |
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〔親会社〕 |
KDDI(株) |
主要な関係会社
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〔連結子会社〕
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沖縄セルラー電話(株)、JCOM(株)、UQコミュニケーションズ(株)、ビッグローブ(株)、(株)イーオンホールディングス、中部テレコミュニケーション(株)、(株)ワイヤ・アンド・ワイヤレス、auフィナンシャルホールディングス(株)、Supershipホールディングス(株)、ジュピターショップチャンネル(株)、ジュピターエンタテインメント(株)、(株)エナリス、KDDI Summit Global Myanmar Co., Ltd.、MobiCom Corporation LLC |
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〔持分法適用関連会社〕 |
KKCompany Inc.、(株)カカクコム、auカブコム証券(株) |
ビジネス事業
主要なサービス |
日本国内及び海外における、法人のお客さま向け通信サービス(モバイル、固定通信等)及びICTソリューション、データセンターサービス等の提供 |
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〔親会社〕 |
KDDI(株) |
主要な関係会社
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〔連結子会社〕
〔持分法適用関連会社〕 |
中部テレコミュニケーション(株)、KDDIまとめてオフィス(株)、 (株)KDDIエボルバ、日本インターネットエクスチェンジ(株) KDDI America, Inc.、KDDI Europe Limited、北京凱迪迪愛通信技術有限公司、KDDI Asia Pacific Pte Ltd、TELEHOUSE International Corporation of America、TELEHOUSE International Corporation of Europe Ltd. (株)ラック |
その他
主要なサービス |
通信設備建設及び保守、情報通信技術の研究及び開発等 |
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主要な関係会社
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〔親会社〕 |
KDDI(株) |
〔連結子会社〕
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KDDIエンジニアリング(株)、(株)KDDI総合研究所、 国際ケーブル・シップ(株)、日本通信エンジニアリングサービス(株) |
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〔持分法適用関連会社〕 |
京セラコミュニケーションシステム(株) |
以上の企業集団の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。
※画像省略しています。
(2)その他
事業に係る法的規制
当社及び子会社等のうち、国内において電気通信サービスを提供する会社においては、電気通信事業を行うにあたり電気通信事業法に基づく登録等を受ける必要があります。また、無線局に係る電気通信設備の設置にあたっては、電波法の免許等を受ける必要があります。
電気通信事業法は、電気通信事業の公共性に鑑み、その運営を適正かつ合理的なものとするとともに、その公正な競争を促進することにより、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し、もって電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的として制定されています。これにより、低廉で多種多様なサービス、確実かつ安定したネットワーク及び誰もが安心して利用できる環境の実現が図られています。
当社及び子会社等がそれらの法律により直接規律される主な事項の概要は下記のとおりです。なお、海外において電気通信サービスを提供する子会社等については各国法令に基づき事業を行っております。
①電気通信事業法
電気通信事業法による規制は次のとおりです。
a電気通信事業の登録等
・電気通信事業の開始にあたり総務大臣の登録を受けること(第9条)、電気通信事業の登録を受けた者が合併等を行う際は総務大臣の登録更新を受けること(第12条の2)、電気通信事業の登録を受けた者が業務区域または電気通信設備の変更を行う際は総務大臣の変更登録を受けること(第13条)、電気通信事業者が電気事業の休止及び廃止等を行った際は総務大臣への届出及び利用者への周知を行うこと(第18条)等の定めがあります。
b電気通信事業の業務等
(a) 消費者保護
・電気通信事業者は、利用者に対し、契約締結前に提供条件を説明すること(第26条)、契約成立後に書面を交付すること(第26条の2)、初期契約の書面による解除を行うこと(第26条の3)、電気通信業務の休止及び廃止の周知を行うこと(第26条の4)、苦情等を処理すること(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為を禁止すること(第27条の2)、媒介等業務受託者に対する指導等の措置を講じること(第27条の4)等が課されています。
(b) 相互接続・卸電気通信役務
・電気通信事業者は、他の電気通信事業者から電気通信設備への接続の請求を受けたときは応じること(第32条)が課されています。
・第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届け出ること(第34条)、当該第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止又は廃止しようとするときは当該機能を利用するものに対し、その旨を周知すること(第34条の2)、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始する際に総務大臣への届け出ること等の定めがあります。
(c) 公正競争確保
・総務大臣より指定を受けた移動電気通信役務を提供する電気通信事業者は、端末を販売等する際の通信料金を端末を販売等しない場合よりも有利にすること、期間拘束などの行き過ぎた囲い込みをすること等が禁止されています(第27条の3)。
(d) 外国政府等との協定等
・電気通信事業者は、外国政府または外国人若しくは外国法人との間で電気通信業務に関する協定を締結する際は総務大臣の認可を受けること(第40条)等の定めがあります。
補足
株式会社NTTドコモ、ソフトバンク株式会社、Wireless City Planning 株式会社、当社、沖縄セルラー電話株式会社及びUQコミュニケーションズ株式会社は、接続約款を届け出る義務等を負う第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に指定されています。
なお、NTT東日本及びNTT西日本は電気通信事業法により、指定電気通信設備を設置する第一種指定電気通信事業者として接続料金及び接続条件を定めた接続約款の認可を受けることとされており、当社は当該接続約款に応じて接続を行うこととなっています。
②電波法
a 無線局の開設(第4条)
無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。
b 欠格事由(第5条)
(a) 次の各号のいずれかに該当する者には、無線局の免許を与えないことができる。
ⅰ)この法律又は放送法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
ⅱ) 無線局の免許の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
ⅲ) 特定基地局の開設計画の認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
ⅳ) 無線局の登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
(b) 開設指針に定める納付の期限までに規定する特定基地局開設料を納付していないものには、当該特定基地局開設料が納付されるまでの間、特定基地局の免許を与えないことができる。
c 免許の申請(第6条)
無線局の免許を受けようとする者は、申請書に、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、総務大臣に提出しなければならない。
(a) 目的
(b) 開設を必要とする理由
(c) 通信の相手方及び通信事項
(d) 無線設備の設置場所
(e) 電波の型式並びに希望する周波数の範囲及び空中線電力
(f) 希望する運用許容時間(運用することができる時間をいう。)
(g) 無線設備の工事設計及び工事落成の予定期日
(h) 運用開始の予定期日
(i) 他の無線局の免許人又は登録人(以下「免許人等」という。)との間で混信その他の妨害を防止するために必要な措置に関する契約を締結しているときは、その契約の内容
d 変更等の許可(第17条)
免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、放送事項、放送区域、無線設備の設置場所若しくは基幹放送の業務に用いられる電気通信設備を変更し、又は無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。
e 免許の承継(第20条)
(a) 免許人について相続があったときは、その相続人は、免許人の地位を承継する。
(b) 免許人たる法人が合併又は分割(無線局をその用に供する事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該事業の全部を承継した法人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。
(c) 免許人が無線局をその用に供する事業の全部の譲渡しをしたときは、譲受人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。
f 無線局の廃止(第22条)
免許人は、その無線局を廃止するときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
g 免許状の返納(第24条)
免許がその効力を失ったときは、免許人であった者は、1ヶ月以内にその免許状を返納しなければならない。
h 検査等事業者の登録(第24条の2)
無線設備等の検査又は点検の事業を行う者は、総務大臣の登録を受けることができる。
i 検査等事業者の登録の取消し(第24条の10)
総務大臣は、登録検査等事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてその登録に係る検査又は点検の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
(a) 電波法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられる(第24条の2第五項各号(第二号を除く。))に至ったとき。
(b) 登録検査等事業者の氏名、住所等の変更の届出(第24条の5第一項)又は登録検査等事業者の地位承継届出(第24条の6第二項)の規定に違反したとき。
(c) 総務大臣による適合命令(第24条の7第一項又は第二項)に違反したとき。
(d) 工事落成後の検査(第10条第一項)、無線局の変更検査(第18条第一項)若しくは定期検査(第73条第一項)を受けた者に対し、その登録に係る点検の結果を偽って通知したこと又は登録に係る検査を行い、各種規定に違反していない旨を記載した証明書(第73条第三項)に虚偽の記載をしたことが判明したとき。
(e) その登録に係る業務の実施の方法によらないでその登録に係る検査又は点検の業務を行ったとき。
(f) 不正な手段により検査等事業者の登録又はその更新を受けたとき。
j 開設計画の認定の取消し(第27条の15)
(a) 総務大臣は、認定開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消さなければならない。
ⅰ) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が電気通信事業法第14条第一項の規定により同法第9条の登録を取り消されたとき。
(b) 総務大臣は、認定開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
ⅰ) 正当な理由がないのに、認定計画に係る特定基地局を当該認定計画に従って開設せず、又は認定計画に係る高度既設特定基地局を当該認定計画に従って運用していないと認めるとき。
ⅱ) 正当な理由がないのに、認定計画に係る開設指針に定める納付の期限までに特定基地局開設料を納付していないとき。
ⅲ) 不正な手段により開設計画の認定を受け、又は周波数の指定の変更を行わせたとき。
ⅳ) 認定開設者が電波法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられるに該当するに至ったとき。
ⅴ) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が次のいずれかに該当するとき。
1 電気通信事業法第12条第一項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき。
2 電気通信事業法第12条の2第一項の規定により同法第9条の登録がその効力を失ったとき。
3 電気通信事業法第13条第三項において準用する同法第12条第一項の規定により同法第13条第一項の変更登録を拒否されたとき。
4 電気通信事業法第18条の規定によりその電気通信事業の全部の廃止又は解散の届出があったとき。
(c) 総務大臣は、開設計画の認定の取消しをしたときは、当該認定開設者であった者が受けている他の開設計画の認定又は無線局の免許等を取り消すことができる。
(d) 総務大臣は、(a)から(c)の規定による処分をしたときは、理由を記載した文書をその認定開設者に送付しなければならない。
k 目的外使用の禁止等(第52条)
無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(特定地上基幹放送局については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。
l 目的外使用の禁止等(第53条)
無線局を運用する場合においては、無線設備の設置場所、識別信号、電波の型式及び周波数は、免許状等に記載されたところによらなければならない。
m 目的外使用の禁止等(第54条)
無線局を運用する場合においては、空中線電力は、次の各号の定めるところによらなければならない。
(a) 免許状等に記載されたものの範囲内であること。
(b) 通信を行うため必要最小のものであること。
n 目的外使用の禁止等(第55条)
無線局は、免許状に記載された運用許容時間内でなければ、運用してはならない。
o 混信等の防止(第56条)
無線局は、他の無線局又は電波天文業務の用に供する受信設備その他の総務省令で定める受信設備(無線局のものを除く。)で総務大臣が指定するものにその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用しなければならない。
p 秘密の保護(第59条)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第一項又は第164条第三項の通信であるものを除く。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。
q 検査(第73条)
総務大臣は、総務省令で定める時期ごとに、あらかじめ通知する期日に、その職員を無線局(総務省令で定めるものを除く。)に派遣し、その無線設備等を検査させる。
r 無線局の免許の取消し等(第76条)
(a) 総務大臣は、免許人等がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3ヶ月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。
(b) 総務大臣は、包括免許人又は包括登録人がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3ヶ月以内の期間を定めて、包括免許又は包括登録(第27条の29第一項)に係る無線局の新たな開設を禁止することができる。
(c) 総務大臣は、前2項の規定によるほか、登録人が第三章に定める技術基準に適合しない無線設備を使用することにより他の登録局の運用に悪影響を及ぼすおそれがあるとき、その他登録局の運用が適正を欠くため電波の能率的な利用を阻害するおそれが著しいときは、3ヶ月以内の期間を定めて、その登録に係る無線局の運用の停止を命じ、運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限し、又は新たな開設を禁止することができる。
(d) 総務大臣は、免許人(包括免許人を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すことができる。
ⅰ) 正当な理由がないのに、無線局の運用を引き続き6ヶ月以上休止したとき。
ⅱ) 不正な手段により無線局の免許若しくは変更等の許可(第17条)を受け、又は周波数等の指定の変更(第19条)を行わせたとき。
ⅲ) (a)の規定による命令又は制限に従わないとき。
ⅳ) 免許人が電波法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられる(第5条第三項第一号)に至ったとき。
(e) 総務大臣は、包括免許人が次の各号のいずれかに該当するときは、その包括免許を取り消すことができる。
ⅰ) 包括免許の運用開始の期限(第27条の5第一項第四号)までに特定無線局の運用を全く開始しないとき。
ⅱ) 正当な理由がないのに、その包括免許に係るすべての特定無線局の運用を引き続き6ヶ月以上休止したとき。
ⅲ) 不正な手段により包括免許若しくは包括免許の変更等の許可(第27条の8第一項)を受け、又は周波数等の指定の変更(第27条の9)を行わせたとき。
ⅳ) (a)の規定による命令若しくは制限又は(b)の規定による禁止に従わないとき。
ⅴ) 包括免許人が電波法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられる(第5条第三項第一号)に至ったとき。
(f) 総務大臣は、登録人が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
ⅰ) 不正な手段により無線局の登録(第27条の18第一項)又は変更登録(第27条の23第一項又は第27条の30第一項)を受けたとき。
ⅱ) (a)の規定による命令若しくは制限、(b)の規定による禁止又は(c)の規定による命令、制限若しくは禁止に従わないとき。
ⅲ) 登録人が電波法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられる(第5条第三項第一号)に至ったとき。
(g) 総務大臣は、(d)から(f)の規定によるほか、電気通信業務を行うことを目的とする無線局の免許人等が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許等を取り消すことができる。
ⅰ) 電気通信事業法第12条第一項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき。
ⅱ) 電気通信事業法第13条第三項において準用する同法第12条第一項の規定により同法第13条第一項の変更登録を拒否されたとき。
ⅲ) 電気通信事業法第15条の規定により同法第9条の登録を抹消されたとき。
(h) 総務大臣は、(d)((ⅳ)を除く。)及び(e)((ⅴ)を除く。)の規定により免許の取消しをしたとき並びに(f)((ⅲ)を除く。)の規定により登録の取消しをしたときは、当該免許人等であった者が受けている他の無線局の免許等又は特定基地局の開設計画の認定(第27条の13第一項)を取り消すことができる。
(注)上記の内容は2022年3月31日時点における電気通信事業法及び電波法に基づき記載しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
■業界動向と当社の状況
新型コロナウイルス感染症の流行により、これまで当たり前だと思っていた日常が一変し、あらゆる領域で急速なデジタルシフトが進んだことで、通信の果たす役割もますます重要になっています。
こうした時代の変化に即応するとともに中長期のビジョンを推進していくため、当社は、「中期経営計画(2019-21年度)」において、「既存事業の持続的成長」と「新たなイノベーションへの挑戦」という両軸での成長を目指してまいりました。
個人のお客さまには、「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」をスローガンに、広い通信エリアと高品質なネットワークをベースとして、「安心の使い放題」の「au」、「シンプルを、みんなに。」の「UQ mobile」、「ゼロから始めるオールトッピング」の「povo(ポヴォ)」を通じて、多様なニーズや生活スタイルに寄り添った料金の提供に努めています。また、パートナーとの連携による、バーチャルとリアルを融合したバーチャルシティなどのメタバース(仮想空間)の提供によって、5Gならではの体験価値を創出するとともに、お客さま接点となる「au PAY」のさらなる普及促進など、「通信とライフデザインの融合」を着実に進め、お客さまに新たな体験価値をお届けしてまいりました。
法人のお客さまにおかれましては、さまざまな業界、利用シーンで企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速し、ビジネスモデルが大きく変化していくなかで、お客さまとともにDXに挑戦し、ともに事業成長することを目指してまいりました。また、新規ビジネスの開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」をはじめ、昨年5月に設立したDXGoGo(ディーエックスゴーゴー)株式会社やさまざまなグループ会社のアセットを最大限活用し、新しい体験価値とビジネスの創造を進め、あらゆる"モノ"に通信が溶け込む時代のデジタルインテグレーターを目指してまいりました。
当社は人財を最も大切なリソースと捉え、その育成・強化を経営の根幹に置く「人財ファースト企業」への変革を、「KDDI版ジョブ型人事制度」・「社内DXの推進」・「KDDI 新働き方宣言の実現」の三位一体改革の取り組みで推し進めています。
また、2030年を見据えたKDDIのSDGs「KDDI Sustainable Action」を策定し、5GやIoTなどを活用しながら、パートナーとともに事業を通じて、「命をつなぐ」、「暮らしをつなぐ」、「心をつなぐ」で、社会の持続的な成長への貢献を目指しています。
地球温暖化による影響は年々深刻化しており、それに伴う気象災害が国内外で増加しています。当社は昨年4月、「気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD)」の提言への賛同を表明し、昨年9月に公開した「サステナビリティレポート2021」では、TCFD提言に沿った情報開示を初めて行いました。また、本年4月には、昨年7月の発表において2050年としていたCO2排出量実質ゼロ実現(当社単体)の目標時期を見直し、2030年度の実現を目指すこととしました。
なおKDDIグループは、CO2排出量削減目標について、国際的な気候変動イニシアチブ「SBTi(Science Based Targets initiative)」によるSBT認定を取得しています(※)。今後も、非財務情報の開示を充実させるとともに、CO2排出量削減に向け、携帯電話基地局や通信設備などでの省電力化や、再生可能エネルギーへのシフトを推進していきます。
また、昨年11月にはSBIインベストメント株式会社と共同で、気候変動に関連する幅広い課題に取り組むスタートアップ企業への出資を行う「KDDI Green Partners Fund」を設立し、本年3月には1号案件として、次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の開発を行う、株式会社エネコートテクノロジーズへの出資を行いました。
当社は、事業環境の変化に迅速に対応しながら持続的な成長を実現するため、「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を新たに掲げ、さらに、長期的な視点で社会課題と当社の経営の重要度を総合的に網羅した新重要課題(マテリアリティ)を策定いたしました。これらを踏まえ、次の3カ年において「中期経営戦略(2022-24年度)」を推進してまいります。
今回の中期経営戦略では、パートナーとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す-サステナビリティ経営-を根幹に置き、5Gによる通信事業の進化と通信を核とした注力領域の拡大、さらにそれを支える経営基盤の強化を推進してまいります。
※ 2022年3月9日 サステナビリティニュース「国際的な気候変動イニシアチブのSBT認定を取得」
(https://news.kddi.com/kddi/corporate/csr-topic/2022/03/09/5933.html)
■連結業績
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(単位:百万円) |
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2021年3月期 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
2022年3月期 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
比較増減
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増減率 (%) |
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売上高 |
|
5,312,599 |
5,446,708 |
134,108 |
2.5 |
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売上原価 |
|
2,928,175 |
2,984,589 |
56,414 |
1.9 |
|
売上総利益 |
|
2,384,424 |
2,462,119 |
77,695 |
3.3 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
|
1,364,234 |
1,422,539 |
58,304 |
4.3 |
|
|
その他の損益(△損失) |
|
12,322 |
15,221 |
2,899 |
23.5 |
|
|
持分法による投資利益 |
|
4,884 |
5,791 |
907 |
18.6 |
|
営業利益 |
|
1,037,395 |
1,060,592 |
23,197 |
2.2 |
|
|
|
金融損益(△損失) |
|
△1,772 |
2,457 |
4,229 |
- |
|
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その他の営業外損益(△損失) |
|
2,433 |
1,448 |
△985 |
△40.5 |
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税引前当期利益 |
|
1,038,056 |
1,064,497 |
26,441 |
2.5 |
|
|
|
法人所得税費用 |
|
331,451 |
331,957 |
506 |
0.2 |
|
当期利益 |
|
706,605 |
732,540 |
25,934 |
3.7 |
|
|
|
親会社の所有者 |
|
651,496 |
672,486 |
20,990 |
3.2 |
|
|
非支配持分 |
|
55,109 |
60,054 |
4,944 |
9.0 |
当期の売上高は、前期と比較し、端末販売収入やエネルギー事業収入の増加等により、5,446,708百万円(2.5%増)となりました。
営業利益は、前期と比較し、売上高の増加等により、1,060,592百万円(2.2%増)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、672,486百万円(3.2%増)となりました。
当社を取り巻く事業環境において、新型コロナウイルス感染症による影響が生じておりますが、事業戦略の推進及び経営基盤の強化に引き続き取り組んできており、当期における業績においては重要な影響を与えておりません。
b.セグメント別の状況
パーソナルセグメント |
パーソナルセグメントでは、個人のお客さま向けにサービスを提供しています。
日本国内においては、通信サービス(スマートフォン・携帯電話、FTTH/CATVサービスなど)を中心に、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育・ヘルスケアなどのライフデザインサービスを連携しながら拡充することで、新たな体験価値の提供を目指しています。
モバイル通信サービスでは、5Gにも対応した「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドを通じて、市場環境やお客さまニーズに即したさまざまなサービスを機動的に提供するとともに、ライフデザイン領域では、au PAYやauスマートパスといったお客さま接点を起点に、金融・エネルギー・コマースといったサービスを提供しており、さらなるお客さま接点の強化とポイント流通によるau経済圏の拡大を目指しています。
また、海外においては、国内で培った事業ノウハウを生かし、ミャンマーやモンゴルをはじめとするアジア地域を中心とした個人のお客さま向けに、通信サービス及びライフデザインサービスの提供に積極的に取り組んでいます。
<当期のトピックス>
●お客さま一人ひとりのニーズに寄り添った料金プランとして、「安心の使い放題」の「au」、「シンプルを、みんなに。」の「UQ mobile」、「ゼロから始めるオールトッピング」の「povo」を、5Gにも対応し提供しています。
auでは、動画・音楽配信などエンタメサービスがセットになったデータ使い放題の料金プラン「使い放題MAX 5G ALL STARパック」(※1)を料金据え置きでサービス拡充するなど、5Gの高速・大容量通信を生かした、auならではの5Gサービスを提供しています。
UQ mobileでは、「くりこしプラン +5G」をご家族全員が月額990円(税込)からお得にご利用いただける「自宅セット割」(※2)を提供するなど、お客さまの声にお応えするとともに、新しい体験価値を提供しています。
加えて、au Styleとauショップの全店舗で、auとUQ mobileの両ブランドを取り扱い、ブランドの垣根を越えて、対面でのサポートサービスのみならず、当社のさまざまなライフデザインサービスの提供を通じて、ご家族一人ひとりのライフスタイルに寄り添い続けられるよう、取り組んでいます。
また、オンライン専用ブランドとして、基本料0円のベースプランに、お客さまのご利用スタイルに合わせて、11種類のトッピング(データ容量・通話かけ放題・動画コンテンツ視聴し放題など)を自由に選択できるオールトッピングの「povo2.0」を提供しています。
「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドを通じて、お客さま一人ひとりがご自分のライフスタイルに合わせてご利用いただけるよう、取り組みを進めています。
●当社は、「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」をスローガンに、つながり続ける通信サービスの提供を目指し、5Gをご利用いただけるエリアの構築にも全社を挙げて取り組んでいますが、お客さまの生活動線上を重視し、JR・私鉄の駅ホームおよび駅間の5Gエリア化を進めており、これからもお客さまに寄り添った5Gのエリア化を進めていきます。
●ライフデザイン領域においては、昨年9月から、auじぶん銀行でau PAY、au PAY カード及びauカブコム証券の証券口座と連携したお客さまを対象に、円普通預金金利年0.20%(税引後年0.15%)を提供する「auまとめて金利優遇」を開始し、さらに本年3月からは、au PAY カード決済によるauカブコム証券の投資信託の積立を可能にするなど、金融サービスの連携を一層強化しています。
電気サービスの契約件数は昨年8月に300万件を突破し、昨年9月には再生可能エネルギー比率実質100%の「auでんき ecoプラン」の提供を開始しました。
5Gの新たな体験価値創出では、昨年10月に開催した「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021」で、世界中から約55万人のお客さまにご参加いただきました。また、新たな都市連動型メタバースとして、本年2月にオープンした「バーチャル大阪」と「バーチャル渋谷」をつなぎ、本年2月から3月にかけて「バーチャル渋谷 au 5G シブハル祭 2022」を開催しました。
さらに、新たな体験拡張のためのデバイスとして、「Nreal Ltd.(エンリアル)」のスマートグラス「Nreal Air(エンリアルエアー)」を本年3月に発売しました。
●ミャンマーでは(※3)、昨年2月の政変後も、「KDDIグループ人権方針」に従い、関係者の安全確保を念頭に、ミャンマー国民の生活に不可欠な通信サービスの維持に努めています。
また、モンゴルでは、連結子会社であるMobiCom Corporation LLCが創業25周年を迎え、ブランドの刷新を行いました。同社はモンゴル初のデジタル社債サービス提供などの先進的な取り組みを進めており、同国第1位の通信事業者として、同国の経済発展と国民生活の充実に寄与しています。
※1 動画・音楽配信などエンタメサービスがセットになったデータ使い放題の料金プランです。テザリング・データシェア・国際ローミング通信 (世界データ定額) には、月間合計80GBのデータ容量の上限があります。大量のデータ通信のご利用時、混雑時間帯の通信速度を制限する場合があります。動画などの視聴時には通信速度を制限します。
※2 対象のサービス(インターネット又は電気)とセットでご利用いただくことで、UQ mobileの月額料金を割り引くサービスです。
※3 連結子会社であるKDDI Summit Global Myanmar Co., Ltd.が、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)と共同で、ミャンマー国内の通信事業を行っています。
パーソナルセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
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(単位:百万円) |
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2021年3月期 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
2022年3月期 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
比較増減
|
増減率 (%) |
|
売上高 |
|
4,585,116 |
4,669,993 |
84,877 |
1.9 |
|
営業利益 |
|
862,858 |
865,476 |
2,618 |
0.3 |
当期の売上高は、前期と比較し、端末販売収入やエネルギー事業収入の増加等により、4,669,993百万円(1.9%増)となりました。
営業利益は、前期と比較し、売上高の増加等により、865,476百万円(0.3%増)となりました。
ビジネスセグメント |
ビジネスセグメントでは、日本国内及び海外において、幅広い法人のお客さま向けに、スマートフォン等のデバ イス、ネットワーク・クラウド等の多様なソリューションに加え、「TELEHOUSE」ブランドでのデータセンターサー ビス等を提供しています。
さらに、5GやIoTなどの技術を活用し、グローバル規模でお客さまのビジネスの発展・拡大に貢献するソリューションを、パートナー企業との連携によってワンストップで提供することで、お客さまのDXを共創しています。
また、日本国内の中小企業のお客さまについては、連結子会社のKDDIまとめてオフィスグループによる地域に密着したサポート体制を全国規模で実現しています。
<当期のトピックス>
●当社と株式会社ラック及び株式会社野村総合研究所は、クラウドやテレワークを活用した多様化する企業活動を支援するため、本年2月より、クラウドネイティブセキュリティ(※1)やゼロトラストセキュリティ(※2)の推進に向けた共創を開始しました。
企業のクラウドサービス導入/活用を安全・安心に実施するには、サイバーセキュリティ対策が必須です。また、テレワークなどITを活用した働き方の多様性を発揮するには、複数の通信デバイスの認証によるゼロトラストセキュリティが鍵となります。このような社会課題の解決に向け、3社は本共創により新たな技術分野に対するセキュリティソリューションの開発、開拓を進め、急速に進化する企業のデジタルトランスフォーメーションをサイバーセキュリティで支援し、日本のデジタル社会の発展に貢献します。
●当社は、2020年から提供しているノンスタンドアローン方式による5Gサービスに加えて、本年2月より、5G専用のコア設備と5G基地局を組み合わせた5G SA(スタンドアローン)を、法人のお客さま向けに提供開始しました。5G SAは、高速・大容量の通信に加え、5G専用の技術のみで設備を構成することにより、ネットワークスライシングなどの新たな機能を提供することができるようになります。
本年2月には、株式会社AbemaTVが運営する新しい未来のテレビ「ABEMA」と共同で、日本で初めて5G SAを活用した映像の生中継を実施しました。当社は、今後も5G SA時代のビジネスユースケースや新たなサービスの創出に向けた取り組みを進めていくとともに、映像中継のDXと新たな映像体験の実現を支援していきます。
●成長分野と位置付けているデータセンター事業では、2021年度にロンドンで接続性の強みに加え、カーボンニュートラル対応の「TELEHOUSE South」を新たに開業しました。加えて、東南アジアでの事業拡大に向け、欧州を中心に30年以上の実績がある「TELEHOUSE」ブランドを冠した「TELEHOUSE Bangkok」を、2023年春に新設します。国内外のコンテンツ事業者、通信事業者、エンドユーザーをつなぎ、今後も快適なデジタルライフの実現を支援していきます。
●株式会社J.D.パワー ジャパンによる「2021年法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査(SM)」(※3)において、大企業・中堅企業市場部門総合満足度6年連続第1位に加えて、中小企業市場においても総合満足度第1位を2年連続で受賞しました。さらに、「2021年法人向けネットワークサービス顧客満足度調査(SM)」(※4)<大企業市場部門>において総合満足度第1位を3年連続、「法人向けIP電話・直収電話サービス顧客満足度調査(SM)」(※5)において総合満足度第1位を9年連続で受賞しました。
今後も、“社会の持続的な成長に貢献する会社”として、法人のお客さまのビジネスに貢献し、新しい体験価値を創造していきます。
当社は、法人のお客さまのビジネスの発展・拡大に一層貢献し、お客さまから真の事業パートナーとしてお選びいただけることを目指し、事業の変革に取り組んでいきます。
※1 クラウドプラットフォーム上に作成されたアプリケーションに対し、クラウドの備える機能を活用してセキュリティを強化する考え。
※2 社内・社外のすべてのトラフィックを信頼せず、サービスのアクセス時などデバイスごとに検査、ログ取得を行うことで、セキュリティを強化する考え。
※3 出典:J.D. パワー 2021年 法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査(大企業・中堅企業市場(回答数2,482件)及び中小企業市場(回答数1,719件)による。jdpower-japan.com)
※4 出典:J.D. パワー 2021年 法人向けネットワークサービス顧客満足度調査<大企業市場部門>(回答数396件による。jdpower-japan.com)
※5 出典:J.D. パワー 2021年 法人向けIP電話・直収電話サービス顧客満足度調査(回答数1,097件による。jdpower-japan.com)
ビジネスセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
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(単位:百万円) |
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2021年3月期 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
2022年3月期 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
比較増減
|
増減率 (%) |
|
売上高 |
|
996,629 |
1,042,644 |
46,014 |
4.6 |
|
営業利益 |
|
167,486 |
186,049 |
18,563 |
11.1 |
当期の売上高は、前期と比較し、コーポレートDX・ビジネスDX・事業基盤サービスで構成されるNEXTコア事業の成長によるソリューション収入の増加等により、1,042,644百万円(4.6%増)となりました。
営業利益は、前期と比較し、売上高の増加等により、186,049百万円(11.1%増)となりました。
c. 財政状態の状況
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
比較増減 |
資産合計(百万円) |
10,535,326 |
11,084,379 |
549,053 |
負債合計(百万円) |
5,275,857 |
5,573,715 |
297,858 |
資本合計(百万円) |
5,259,469 |
5,510,663 |
251,194 |
親会社の所有者に帰属する持分(百万円) |
4,759,720 |
4,982,586 |
222,866 |
親会社所有者帰属持分比率(%) |
45.2 |
45.0 |
△0.2 |
1株当たり親会社所有者帰属持分(円) |
2,091.82 |
2,249.27 |
157.45 |
有利子負債残高(百万円) |
1,645,481 |
1,600,104 |
△45,377 |
(資産)
資産は、現金及び現金同等物等が減少したものの、金融事業の貸出金、有形固定資産等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、549,053百万円増加し、11,084,379百万円となりました。
(負債)
負債は、未払法人所得税等が減少したものの、金融事業の預金、営業債務及びその他の債務等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、297,858百万円増加し、5,573,715百万円となりました。
(資本)
資本は、親会社の所有者に帰属する持分の増加等により、5,510,663百万円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の45.2%から45.0%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
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|
(単位:百万円) |
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
比較増減 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,682,166 |
1,468,648 |
△213,518 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△658,925 |
△761,593 |
△102,668 |
フリー・キャッシュ・フロー ※ |
1,023,241 |
707,056 |
△316,185 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△585,571 |
△727,257 |
△141,686 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
2,930 |
7,012 |
4,082 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
440,600 |
△13,189 |
△453,789 |
現金及び現金同等物の期首残高 |
369,202 |
809,802 |
440,600 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
809,802 |
796,613 |
△13,189 |
※ フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
営業活動によるキャッシュ・フロー(収入)は、前期と比較し、営業債務及びその他の債務や金融事業の預金の増加幅が小さくなったこと等により、213,518百万円減少し、1,468,648百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前期と比較し、金融事業の有価証券の取得による支出の増加等により、102,668百万円増加し、761,593百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前期と比較し、自己株式の取得による支出の増加等により、141,686百万円増加し、727,257百万円の支出となりました。
また、上記キャッシュ・フローに加えて、現金及び現金同等物に係る換算差額により7,012百万円増加した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較し、13,189百万円減少し、796,613百万円となりました。
③ 営業実績
当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
パーソナル |
4,669,993 |
1.9 |
ビジネス |
1,042,644 |
4.6 |
その他 |
84,114 |
15.1 |
セグメント間の内部売上高 |
△350,043 |
- |
合計 |
5,446,708 |
2.5 |
(注)金額は外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高の合計であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。
前連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染症による影響は、少なくとも2021年度を通して影響を及ぼすとの仮定をおいておりましたが、当社を取り巻く事業環境は予断を許さない状況が続いていることから、当期の連結財務諸表の作成にあたって、今般の状況を踏まえ現時点で入手可能な情報に基づき、少なくとも2022年度を通して影響を及ぼすとの仮定に変更し、会計上の見積りを行っております。なお、当該変更による当期連結財務諸表への影響は軽微です。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
前期と比較し、端末販売収入やエネルギー事業収入の増加等により、5,446,708百万円(2.5%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 24.売上高」をご参照ください。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
前期と比較し、エネルギー事業原価や端末販売コストの増加等により4,407,127百万円(2.7%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 25.費用の性質別内訳」をご参照ください。
(その他の収益及びその他の費用)
補助金収入等2,902百万円、固定資産売却益1,658百万円の計上等により15,221百万円の利益(23.5%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 26.その他の収益及びその他の費用」をご参照ください。
(持分法による投資利益)
持分法適用関連会社のauカブコム証券株式会社における投資利益の増加等により、5,791百万円(18.6%増)となりました。
(営業利益)
以上の結果、営業利益は1,060,592百万円(2.2%増)となりました。なお、営業利益率は、前連結会計年度と同様の19.5%となりました。
(金融収益及び金融費用)
支払利息6,681百万円、受取配当金5,989百万円の計上等により、2,457百万円の利益となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 27.金融収益及び金融費用」をご参照ください。
(その他の営業外損益)
持分変動損益1,309百万円の計上等により、1,448百万円(40.5%減)の利益となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 28.その他の営業外損益」をご参照ください。
(法人所得税費用)
課税所得の増加等の影響により331,957百万円(0.2%増)となりました。なお、2022年3月期の法人税等負担率は31.2%となりました。法人所得税費用に関する詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.繰延税金及び法人所得税」をご参照ください。
(非支配持分に帰属する当期利益)
主に株式会社エナリスの業績改善等の影響により、60,054百万円(9.0%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
上記の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は672,486百万円(3.2%増)となりました。
なお、報告セグメントの売上と営業利益の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループは、運転資金及び設備投資については、自己資金及び借入金等により資金調達することとしております。このうち、借入金等による資金調達に関しては、通常の運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金は固定金利の長期借入金及び社債で調達することを基本としております。また金融事業については、資金調達やリスクアセットの削減を目標として、債権流動化を行っております。
なお、当連結会計年度末における借入金等を含む有利子負債の残高は1,600,104百万円、現金及び現金同等物の残高は796,613百万円となっております。
流動性リスクとその管理方法につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記31.金融商品」に記載しております。
c.経営上の財務目標の達成状況について
当社グループは、事業環境の変化に迅速に対応しながら、持続的な成長を実現し、企業理念に掲げる「豊かなコミュニケーション社会の発展」に貢献するため、中期経営計画(2019-21年度)を策定しておりました。財務目標において、営業利益については、持続的な成長を目指し、EPSについては、2024年度1.5倍(2018年度比)の実現、株主還元については、安定的な配当を継続し、連結配当性向は40%超を掲げております。
当連結会計年度においては、通信サービスを中心に、成長事業を拡大していくことで、事業戦略の中核となる「通信とライフデザインの融合」をより一層進めたことにより、利益成長は概ね目標通り遂行し、期初予想の営業利益1兆500億円及び配当性向40%超を達成いたしました。
今後も営業利益の持続的成長と株主還元強化の両立を目指します。