売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E00723 Japan GAAP

売上高

30.3億 円

前期

31.7億 円

前期比

95.6%

時価総額

23.1億 円

株価

525 (04/25)

発行済株式数

4,398,464

EPS(実績)

12.28 円

PER(実績)

42.75 倍

平均給与

681.0万 円

前期

687.5万 円

前期比

99.1%

平均年齢(勤続年数)

40.0歳(14.0年)

従業員数

67人(連結:90人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

 当社グループは、当社及び子会社5社で構成され、企業経営全般及びその他分野に関する書籍、雑誌の出版・販売を行う「出版事業」と主に広告請負代理等を行う「出版付帯事業」からなっております。
 また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。当社グループの各社の事業に関わる位置付け及び事業別の内容との関連は次のとおりであります。
 なお、当社グループの事業は、出版事業及び出版付帯事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。

(1) 出版事業

 当社グループの書籍は、経営、経済、法律、会計、税務、情報の各分野における学術研究書、企業の経営問題に関する専門実務書、ビジネス実用書、大学・短期大学向けの教科書、各種の資格試験・検定試験用学習書、インターネットなどITに関する実用書など多岐にわたっております。
 また、当社グループの雑誌出版は、会計学の理論や経理規範の研究・解説を目的とする「企業会計」、税実務に正しい法解釈と処理指針を提供する「税務弘報」、経理・税務・金融・証券・法務のニュースと解説を提供する「旬刊経理情報」、企業の法律実務の解説と東京商工会議所・各地商工会議所主催のビジネス実務法務検定試験のための試験情報を紹介する「ビジネス法務」の4誌であります。なお、公認会計士・税理士・簿記の受験指導を目的にした「会計人コース」は2020年8月号をもって休刊し、電子版の「会計人コースWeb」に移行しております。
 株式会社中央経済社は上記書籍、雑誌の企画、編集を事業としております。また、株式会社シーオーツーは、雑誌、書籍及びムックの編集制作等を行っており、あわせて企業のPR誌、会報誌の企画・制作も行っております。
 株式会社中央経済グループパブリッシングは株式会社中央経済社が企画、編集した書籍、雑誌の制作及び販売、並びに株式会社シーオーツーが編集制作を行った書籍及びムック等の一部商品の販売を事業としております。

 

(2) 出版付帯事業

 出版付帯事業は、子会社における以下の事業です。
 株式会社プランニングセンターは、税務、会計、法務分野を中心とした媒体向けの広告宣伝の請負代理等を行っており、あわせて企業の商品カタログ、販売促進用パンフレットの企画・制作も行っております。当社グループにおける位置付けは、当社発行の雑誌における掲載広告の請負代理を行っております。
 株式会社CKDは、出版物の保管・入出庫・在庫管理等を行っており、また不動産の管理・賃貸業務も行っております。当社グループにおける位置付けは、当社の出版物の保管・入出庫・在庫管理を請け負っております。

事業の系統図は、次のとおりです。

 

※画像省略しています。
23/12/15

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

 当社グループの事業は、出版事業及び出版付帯事業の単一のセグメントであるため、事業別に記載しております。

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対応した各種規制が緩和され、経済活動と感染症対策を両立したwithコロナへと移行した結果、個人消費や雇用情勢が持ち直すなど、経済活動の正常化へ向け緩やかな回復が続きました。しかし、世界的な物価高と、それに対応する世界各国の金融引き締めの影響などによる円安の進行、消費者物価の上昇、長期化するウクライナ情勢をはじめとする世界情勢の不安定化により、本格的な景気の回復にはまだ時間がかかるものと思われます。
 当社グループの事業領域であります出版業界は、長期的に続く市場規模縮小への対策として業界全体で出版流通の改善に取り組むなど、様々な改革を試みているものの、本格的な回復には至っておりません。出版科学研究所によりますと、出版物の推定販売金額は、当連結会計年度では書籍および雑誌がともに前年を下回り、合計で前期比マイナス6.3%となりました。
 このような状況の中、当社グループは、前期に引き続き実務書の開発や大学教材の適切な供給に注力いたしましたが、コロナ禍での行動制限などにより企画点数が減少した影響が顕著となり、5年ぶりに刊行点数が400点を割り込みました。
 以上により、当連結会計年度の業績は、売上高3,031,434千円(前年同期比4.4%減)、営業利益89,909千円(前年同期比38.5%減)、経常利益103,856千円(前年同期比38.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益54,022千円(前年同期比68.7%減)となりました。
 事業別の概況は次のとおりであります。

 

 (出版事業)

 出版事業では、当連結会計年度において特に市場の評価が高かったものを分野別に取り上げます。
 会計分野では、任意適用企業が増加しているIFRS会計基準に関して、わが国唯一の公式翻訳書『IFRS会計基準2023〈注釈付き〉』をはじめ関連書の開発を行ってきました。特に『詳細解説 IFRS実務適用ガイドブック〈第3版〉』は7年ぶりの改訂となり、売れ行きも好調に推移しています。また、IFRSサステナビリティ開示基準が本年6月に公表されており、今年度以降、関連書を投入していく予定です。一方、企業のデータ活用がますます重視されている中で、『Pythonではじめる 会計データサイエンス』は、これまでにない切り口の書籍として話題となり、好評を博しました。
 学術分野では『利益調整』、『日本の会計基準(全3巻)』『デジタル技術の進展と会計情報』『非財務情報の意思決定有用性』が高水準の研究書として高い評価を得ました。また、ハイレベルな大学の教科書として『財務会計のファンダメンタルズ』を刊行いたしました。
 経営・経済分野では、全国レベルの検定試験の公式テキストであり、大学テキストとしても好評の『マネジメント検定試験公式テキスト(全3巻)』や、多数の執筆陣によるテキスト『入門 国際経済Q&A100』を刊行いたしました。また、前期に出版し話題となった『婚活戦略』の姉妹書として『婚活との付き合いかた』を刊行いたしました。
 税務分野の注目すべき新刊の多くは、やはりインボイス適用前の消費税関連書籍となります。まずは、制度改正の変遷を重要資料とともに綴った『日本の消費税』が嚆矢となり、その後『よくわかる消費税インボイス制度』『逐条放談 消費税のインボイスQ&A〈第2版〉』『同〈決定版〉』『消費税インボイスの実務対応ガイドブック』『これだけは押さえておきたいインボイスと電帳法のルール』が適宜、改正等を踏まえ刊行され、好調に売上を伸ばしました。その他、類書が少ない合同会社をテーマにした『詳解 合同会社の法務と税務』や新制度の動き出しに合わせた『ケーススタディでわかるグループ通算制度の申告書の作り方』が好評を博しました。
 法律分野では、今年爆発的に普及した対話型生成AIの法的留意点を他社に先駆けてまとめた『ChatGPTの法律』を刊行いたしました。同書は異例の初版部数に加え大幅な重版となり、刊行スピードと内容の正確さの両面による、当社の読者ニーズへの対応力を示す一冊となりました。また、データ・個人情報やESG等の新たな論点を追加し、法改正・最新の実務に対応した『M&Aを成功に導く 法務デューデリジェンスの実務〈第4版〉』は9年ぶりの改訂で話題となり、刊行後間もなく増刷するなど好調に推移しております。『令和3年改正法対応 発信者情報開示命令活用マニュアル』はニーズの高いテーマについて詳細な解説を行いながらも、他社に先駆けて刊行することで早々に増刷となりました。
 他にも、『企業法務のための経済安全保障入門』『基礎からわかる「ビジネスと人権」の法務』『一族内紛争を予防・解決するファミリーガバナンスの法務・税務』『暗号資産の法律〈第2版〉』など、時流のテーマを扱った書籍を多く出版いたしました。さらに、『逐条解説FATF勧告』『商標の法律実務』『集団的労使関係の法律実務』『大系租税法〈第4版〉』といった、各々のテーマを掘り下げた大型の実務書・学術書を刊行しております。
 企業実務分野では、東京証券取引所の市場再編や、人的資本への投資をはじめとする企業情報開示を充実するよう社会的な要請が強まっている中、『「株主との対話」ガイドブック』が注目を集め、版を重ねたほか、いち早く『人的資本経営のマネジメント』を刊行し、増刷を重ねました。その他、デジタル社会における企業活動の中で最低限押さえておくべきことをまとめた『サイバーセキュリティ対応の企業実務』が好調です。
 資格試験分野では、『ビジネスマネジャー検定試験公式問題集〈2023年版〉』を初めてアプリ付きで刊行し、例年以上の売上となりました。他にも『司法試験・予備試験 出題趣旨・採点実感アナリティクス』『公認会計士試験 社会人合格者のリアル』『宅建士 出るとこ集中プログラム〈2023年版〉』『同・10分ドリル』『税理士試験 税法理論のすごい暗記法』『会計人材のキャリア名鑑』が好評を得ております。なかでも『TikTokerばななちゃん、行政書士になる!』はSNSで注目を集め、また販売面でも好調でした。
 高水準の研究成果の書籍として、会計分野では『中小企業会計とその保証』が中小企業研究奨励賞を、『組織間マネジメント・コントロール論』が日本原価計算研究学会学会賞(著作賞)と日本管理会計学会文献賞を、『管理会計担当者の役割・知識・スキル』が日本原価計算研究学会学会賞(著作賞)を、『ポスト実証主義の会計学』および『危険とリスクの会計』が会計理論学会学会賞を受賞するなど、多くの書籍が表彰されました。また、経営分野でも『成熟産業の連続M&A戦略』がM&Aフォーラム賞およびファミリービジネス学会賞を受賞し、『カゴメの人事改革』がHRアワード最優秀賞を受賞して増刷を重ねました。
 生活実用分野では、毎年好評を博している愛犬家、愛猫家からの投稿を集めた日めくりカレンダー『犬めくり2024』『猫めくり2024』を刊行いたしました。また、カレンダーとハワイのガイドブックをひとつにした『Risa's Hawaii WEEKLY CALENDAR 2024』、独創的なアレンジメント作品で癒される『花ことばと誕生花の週めくりカレンダー 2024』などは、自社の編集的スキルを生かした内容で他社商品との差別化を図り、人気商品として継続刊行いたしました。
 雑誌については、次のとおりであります。
 「企業会計」は会計研究と実務の両面から、DX、AI、人的資本、サステナビリティ等の最新の論点のみならず伝統的・普遍的な論点も交え、読者の知的好奇心を満たす企画づくりを行っております。「税務弘報」は新制度への対応を狙いとしたインタビューや座談会など、多くの読者に共感されるような業務に役立つ税理士の生の声をお届けし、可能な限り実務に密着したオリジナリティの高い企画を優先的に掲載した誌面づくりを心掛けております。「旬刊経理情報」はお陰様で8月20日・9月1日合併号で創刊50周年となりましたが、今後もタイムリーな制度解説はもちろん経営企画的なテーマにも注力し、実務に役立つ情報を提供してまいります。「ビジネス法務」は8月号において創刊25周年記念と銘打ち、会社法分野の名だたる学者と実務家による論考を一挙掲載し好評を得るとともに、高まる法務ニーズを背景にして電子の購読者数や広告収入を伸ばしております。
 その結果、当社グループの出版事業では売上高2,937,561千円(前年同期比4.5%減)、営業利益79,926千円(前年同期比41.4%減)となりました。
 (出版付帯事業)

 当社グループの専門雑誌を中心とする広告宣伝の請負代理が主である出版付帯事業は、広告媒体が多様化し紙媒体への広告が大幅に減少する中で、いくつかの新規顧客を開拓いたしました。
 その結果、売上高93,872千円(前年同期比0.1%減)、営業利益22,822千円(前年同期比0.3%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

 (資産)

 流動資産につきましては、売上債権の増加114,654千円、未収還付消費税等の増加96,953千円があったものの、現金及び預金の減少506,269千円などにより前連結会計年度末に比べ278,460千円減少して、3,355,033千円となりました。
 固定資産につきましては、新社屋の竣工により建設仮勘定の減少532,684千円があったものの、建物及び構築物の増加950,212千円などによる有形固定資産の増加455,362千円などにより前連結会計年度末に比べ487,008千円増加して、2,576,709千円となりました。
 以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ208,548千円増加して、5,931,743千円となりました。

 (負債)

 流動負債につきましては、1年以内返済長期借入金の増加13,793千円があったものの、仕入債務の減少35,902千円、未払法人税等の減少9,986千円及び返金負債の減少9,444千円があったことなどにより前連結会計年度末に比べ45,831千円減少して、805,796千円となりました。
 固定負債につきましては、長期借入金の増加178,533千円及びリース債務の増加9,434千円などにより前連結会計年度末に比べ200,222千円増加して、868,188千円となりました。
 以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ154,391千円増加して、1,673,985千円となりました。

 (純資産)

 純資産につきましては、その他有価証券評価差額金の増加37,358千円があったことなどにより前連結会計年度末に比べ54,157千円増加して、4,257,758千円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は1,449,523千円となり、前連結会計年度末に比べて499,752千円の減少となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は179,202千円(前年同期は203,347千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益103,215千円があったものの、売上債権の増加114,654千円、未収還付消費税の増加96,953千円、法人税等の支払額59,430千円及び仕入債務の減少35,902千円などがあったことによるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は476,034千円(前年同期比126,340千円増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出482,923千円などがあったことによるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は155,072千円(前年同期比97,418千円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額37,239千円及び長期借入金の返済による支出17,674千円があったものの、長期借入れによる収入210,000千円があったことによるものです。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2019年9月期

2020年9月期

2021年9月期

2022年9月期

2023年9月期

自己資本比率(%)

78.1

77.0

77.5

73.4

71.8

時価ベースの自己資本比率(%)

35.7

38.6

39.6

32.2

28.5

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(%)

142.6

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

 

(注)1 各指標の算出は、以下の算式を使用しております。

自己資本比率            :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率      :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ  :営業キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。自己株式数には「株式給付信託(J-ESOP)」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式287,681株を含めております。

4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。

5 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。

6 2019年9月期、2020年9月期及び2021年9月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、有利子負債及び利払いがないため記載しておりません。

7 2022年9月期のインタレスト・カバレッジ・レシオは、期末借入であり利払いがないため記載しておりません。

8 2023年9月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

 

(生産、受注及び販売の実績)

 当社グループの事業は、出版事業及び出版付帯事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

 

事   業

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

(千円)

前年同期比(%)

出版事業

2,960,426

95.6

出版付帯事業

93,872

99.9

合計

3,054,298

95.7

 

(注) 1 事業間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

 

(2) 受注状況

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

事   業

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

(千円)

前年同期比(%)

出版事業

2,937,561

95.5

出版付帯事業

93,872

99.9

合計

3,031,434

95.6

 

(注) 1 事業間取引については、相殺消去しております。

2 総販売実績に対する割合が、100分の10以上の相手先別の販売実績及びその割合は、次のとおりであります。

前連結会計年度

日本出版販売㈱

825,919千円

26.1%

 

㈱トーハン

640,834千円

20.2%

当連結会計年度

日本出版販売㈱

699,455千円

23.1%

 

㈱トーハン

663,311千円

21.9%

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年9月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況等を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、その結果を資産・負債及び収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の前半は、2020年初頭から発生した新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響を引き続き受けたものの、前年までの経験をもとにできる限りの市場対応を果たすことに努めました。また、当連結会計年度の後半は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴い、通常の業務体制にシフトいたしました。
 このような状況の中、当社グループの中核事業である出版事業では、大都市圏主要書店への活動強化と大学教材採用活動の再開とともに、これまでどおり製作時期・数量、販売ルートを精査して適量送本の徹底を図りました。しかしながら、コロナ禍での出版企画開発活動停滞の影響が出版点数の減少として表れ、5年ぶりに出版点数が400点を割り込みました。結果として、返品数が減少したものの売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益とも前年度より減少いたしました。
 これにより、経営成績は以下のとおりとなりました。

 (売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ138,496千円減少し、3,031,434千円(4.4%減)となりました。これは主に、新刊刊行点数の減少によるものです。

 (売上原価・販売費及び一般管理費)

 売上原価は、前連結会計年度より減少し、1,977,212千円(6.3%減)となりました。その結果、売上総利益は6,057千円減少し、1,054,222千円(0.6%減)となりました。
 販売費及び一般管理費は、荷造運搬費及び賞与などが減少したものの、支払手数料、減価償却費並びに旅費及び交通費などが増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ50,296千円増加し、964,312千円(5.5%増)となりました。

 (営業利益)

 営業利益は、上記により前連結会計年度に比べ56,354千円減少し、89,909千円(38.5%減)となりました。

 (営業外損益・特別損益)

 経常利益は、営業外収益16,352千円、営業外費用2,406千円を計上したものの、前連結会計年度に比べ65,618千円減少し、103,856千円(38.7%減)となりました。これにより、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ141,881千円減少し、103,215千円(57.9%減)となりました。

 (法人税、住民税及び事業税)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ118,322千円減少し、54,022千円(68.7%減)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税49,562千円を計上したことによるものです。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
 当社グループの事業運営上必要な運転資金は、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も、所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉とした自己資金調達を原則とする方針であります。また、多額の資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。
 なお、当連結会計年度において新社屋の建設費に充当するため、金融機関より長期借入金として210,000千円の借入を行いました。

 

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
 そのため、当社グループは、外部環境の変化に留意しつつ、人材の確保・育成、リスク分散、社内の統制を維持・向上させることなどにより、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスクを分散、回避し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
 経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

 当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
 当社グループは、安定した経営基盤を維持・構築し、もって良質な出版を継続し、かつ、安定した株主還元を行うことを目標としており、そのため1株当たり純資産額を重視し、その増大を意識しながら経営を行っております。

 当連結会計年度の1株当たり純資産額は1,141.26円となり、前連結会計年度に比べ1.28%増加いたしました。また、第81期を基準として5会計年度を比較すると、微増傾向で推移しているものと認識しております。

 

第82期

第83期

第84期

第85期

第86期

1株当たり純資産額(円)

1,072.23

1,054.28

1,097.50

1,126.79

1,141.26

第81期を基準とした増減率(%)

99.9

98.2

102.2

105.0

106.3

(参考)東証スタンダード市場の増減率(%)

100.5

101.1

103.2

93.7

94.1

 

(注) 東京証券取引所スタンダード市場のデータ算出にあたっては、同取引所の資料によっております。なお、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の変更により、2021年9月までは旧東証第二部市場の1株当たり純資産額を採用し、2022年9月以降は東証スタンダード市場の1株当たり純資産額を採用しております。