売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04501 Japan GAAP

売上高

3.01兆 円

前期

2.10兆 円

前期比

142.9%

時価総額

6,218.1億 円

株価

1,236.5 (04/18)

発行済株式数

502,882,585

EPS(実績)

-253.66 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

796.8万 円

前期

793.7万 円

前期比

100.4%

平均年齢(勤続年数)

43.7歳(20.5年)

従業員数

4,901人(連結:24,528人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社企業グループは、当社、子会社54社及び関連会社20社の計75社(2023年3月31日現在)で構成されております。

当社及び当社の関係会社は、火力・原子力及び再生可能エネルギーによる電力の安定的な供給や、小売販売・スマート社会実現事業を行う「発電・販売事業」、中立・公平な電力ネットワークサービスを提供する「送配電事業」、電気・通信・土木・建築工事及び電力供給設備の設計・製作、環境保全に関する調査・測量・測定分析を行う「建設業」において事業展開しております。

当社及び関係会社を事業系統図に示すと、以下のとおりであります。なお、次の事業区分は、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

 

※画像省略しています。

(注) 1 2022年5月11日付で八甲田風力発電㈱を新たに企業グループへ加えました。

   2 2022年6月28日付で(同)白石越河風力を新たに企業グループへ加えました。

   3 2022年10月7日付で田子小国風力発電(同)を新たに企業グループへ加えました。

   4 由利本荘洋上風力O&M(同)は、プロジェクトの事業者公募に落選し、O&M業務を担えなくなったため

     解散となり、会社清算が結了したことから、2022年10月7日付で企業グループから除外しました。

   5 ㈱シナジアパワーは、破産手続開始により、2022年12月1日付で企業グループから除外しました。

   6 東北インテリジェント通信㈱は2023年4月1日付で商号を㈱トークネットに変更しております。

 

23/06/28

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)事業の経過

① 企業グループを取り巻く経営環境

2022年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の抑制と経済活動の両立が進むもとで緩やかに持ち直しているものの、資源高の影響など一部に弱さがみられており東北地域においても同様の傾向にあります。

近年、電力業界においては、不安定な国際情勢による燃料価格や電力調達価格の高騰、大規模自然災害の激甚化及びカーボンニュートラル実現に向けた動きの加速など、事業環境は大きく変容し、複雑化しております。加えて、当社においては、2022年3月の福島県沖を震源とする地震による火力発電所の甚大な被害に伴い電力調達コストの負担が増加するなど、収支に大きな影響を与えております。

このような中、当社企業グループは、東北電力グループスローガン「より、そう、ちから。」のもと、電力供給事業の構造改革による徹底的な競争力強化を果たしながら電力の安定供給を担うとともに、スマート社会を実現していくため、様々な取り組みを展開してまいりました。

 

② 電気料金の値上げとさらなる経営効率化

電力小売全面自由化による販売競争が激化する中、徹底した効率化を進め、継続してコスト競争力の強化を図りながら電力の安定供給に努めてまいりました。一方、燃料価格や電力調達価格の高騰の影響及び地震による甚大な設備被害などの複合的な要因により、電力の供給コストが電気料金の収入を上回る状態となりました。

このままでは電力の安定供給に影響を及ぼしかねない非常に厳しい状況となることから、2022年11月以降、高圧以上の電気料金単価の見直し及び低圧自由料金の燃料費調整制度における上限設定の廃止を実施するとともに、2023年6月からは、低圧規制料金の値上げと低圧自由料金の料金単価等の見直しを実施しております。

引き続き、徹底した経営効率化に取り組み、お客さまに安定的に電気をお届けするとともに、少しでもお客さまの負担軽減につながるよう、電気の効率的な利用方法の提案に取り組んでまいります。

 

③ 新電力のお客さま情報等の不適切な取り扱い

2023年1月以降、当社において、東北電力ネットワーク株式会社が管理する当社以外の小売電気事業者のお客さま情報を当社従業員が閲覧していた事案(東北電力ネットワーク株式会社において非公開とすべき情報が漏洩していた事案)などが確認されました。これを受け、両社において徹底した調査及び詳細な原因分析を行い、ハード・ソフトの両面から再発防止策を策定いたしました。引き続き再発防止策の徹底に努めてまいります。

 

[発電・販売事業]

④ スマート社会実現事業の取り組み

スマート社会実現事業については、「電気+サービス」や「次世代エネルギーサービス」を中心に事業化を進めてまいりました。「電気+サービス」としては、お客さまの安全・安心の実現に向け、当社が空き家の所有者に代わり状況を確認する「空き家管理サービス」などのサービスを開発しました。「次世代エネルギーサービス」としては、分散型エネルギーを活用した事業機会の拡大に向け、当社が再生可能エネルギー事業者に代わり発電量の予測などを行う「再エネアグリゲーションサービス」を開始しました。また、2022年12月、スマート社会実現に向けた法人のお客さまの分散型エネルギー導入促進を加速するため、コーポレートPPA事業室を設置いたしました。

東北電力フロンティア株式会社では、暮らしを彩る様々なサービスの提供により事業領域を拡大してまいりました。具体的には、家計に関する課題解決をお手伝いする「トキメクくらしの家計ご相談サービス」や、オンライン申込型自動車保険「東北電力フロンティアくらしのシンプル保険」などを提供してまいりました。

引き続き、当社企業グループとしてスマート社会実現事業の収益化を進め、東北電力グループならではの価値をお客さまにご提供してまいります。

 

 

⑤ 発電・卸売の競争力向上の取り組み

電力取引の市場化に伴う量的・価格的な不確実性をコントロールするとともに、トレーディング機能も最大限活用しながら、燃料調達から発電・卸売までのバリューチェーンの最適化に取り組んでまいりました。

燃料調達については、価格高騰局面におけるLNGスポットの調達比率を低減するなど、経済的な燃料確保に努めてまいりました。また、2022年4月にシンガポール駐在員事務所を設立し、海外エネルギー動向などの調査機能を強化し、燃料調達における経済性・安定性のさらなる向上に努めてまいりました。

発電については、電源の競争力を高めつつ環境性を確保するため、経年火力発電所の休廃止を進めるとともに、最新鋭の火力電源である上越火力発電所第1号機の建設を着実に進め、2022年12月に営業運転を開始し、世界最高の発電効率を達成しております。

卸売については、東北電力エナジートレーディング株式会社による電力取引市場や燃料先物取引の活用など市場価格を意識した価格の設定や、柔軟な契約条件など付加価値のある提案を積極的に実施し、収益拡大を図ってまいりました。

 

⑥ 調達環境の変化を踏まえた電力小売の取り組み

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、燃料価格や電力調達価格が高騰していることなどから、2022年秋以降、高圧以上のお客さまに対し電気料金の値上げをお願いするとともに、低圧自由料金の燃料費調整制度における上限設定を廃止いたしました。また、2023年6月からは、低圧規制料金の値上げと低圧自由料金の料金単価等の見直しを実施しております。

また、燃料価格の高騰に伴いお客さまの負担が増えている状況を踏まえ、電気料金の負担軽減につながる提案をしてまいりました。家庭分野においては、節電に取り組まれたお客さまによりそうeポイントをプレゼントする「節電チャレンジキャンペーン」やヒートポンプ機器への買い替え費用の一部を補助する「エコ替えキャンペーン」などを実施いたしました。加えて、カーボンニュートラル実現に向け、最新電化機器を月々定額で利用できる「東北電力eライフリース」や太陽光発電と蓄電池の設置サービス「あおぞらチャージサービス」など、当社企業グループのサービスとあわせた提案を実施し収益拡大を図ってまいりました。法人分野においても、節電のコンサルティングや自家消費型太陽光オンサイトサービスなどの提案をグループ一体で実施してまいりました。

 

⑦ 再生可能エネルギーに関する取り組み

再生可能エネルギーについては、風力発電を主軸に、200万kWの開発を目指しており、福井県国見岳における風力発電事業に参画したほか、岩手県沖における浮体式洋上風力発電の事業化に向けた実現可能性調査を開始するなど、新たに4件の開発に取り組んでまいりました。また、開発を進めていた案件のうち、国内初の商業用大型洋上風力プロジェクトである秋田港及び能代港洋上風力発電所や玉川第二水力発電所(山形県)など4件が運転を開始しており、開発案件が事業化された場合の持分出力の累計は、2022年度末時点で約65万kWとなっております。

加えて、再生可能エネルギー電源及び関連設備のメンテナンスやトレーニングなどを担う東北電力リニューアブルエナジー・サービス株式会社においては、2023年3月、秋田火力発電所構内に「風力トレーニングセンター秋田塾」を開設し、風車での高所作業などを安全に行うための訓練サービスの提供を開始いたしました。

引き続き、地域に豊富に賦存する再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでまいります。  

 

⑧ 原子力発電所の安全性向上

原子力発電については、新規制基準への適合にとどまらず、より高いレベルでの安全確保に向けて、最新の知見も取り入れながら、設備面と運用面の両面から、さらなる安全性の向上に取り組んでまいりました。

女川原子力発電所第2号機については、新規性基準に係る原子炉設置変更許可、工事計画認可、原子炉施設保安規定変更認可に関して、原子力規制委員会から許認可を受けました。現在、2023年2月に改正された審査基準に基づく保安規定の変更認可に係る審査に適切に対応しております。引き続き、2023年11月の安全対策工事完了に加え、使用前事業者検査や長期間停止している設備の点検・確認などにも着実に取り組み、2024年2月の再稼働を目指してまいります。また、特定重大事故等対処施設の設置に関し、2022年1月に原子力規制委員会に設置変更許可申請を行っており、現在、審査に適切に対応しております。

東通原子力発電所第1号機については、基準地震動や基準津波の評価に係る審査に適切に取り組んでおり、安全対策工事については、2024年度の完了を目指しております。

 

[送配電事業]

⑨ 電力の安定供給に向けた取り組み

東北電力ネットワーク株式会社は、「電気を安定的に地域のみなさまにお届けする」という使命を果たすため、送配電設備の整備や様々な状況を想定した訓練など、ハード・ソフトの両面から、激甚化し頻発している自然災害への対応力強化及び電力の安定供給に努めてまいりました。

2022年12月に発生した日本海側を中心とした大雪に伴う停電の際には、迅速な復旧に努めたものの、断続的な降雪や倒木により一部復旧が困難となり停電が長期化した地域がありました。このような地域については、ホームページやツイッターの活用、自治体への連絡要員の派遣など、タイムリーな情報提供に努めました。

今後も、訓練などを通じて、両社が連携のうえ電力の安定供給に努めてまいります。

 

⑩ 再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組み

東北北部エリアの電源接続案件募集プロセス及び東北東京間連系線などの系統整備の推進、再生可能エネルギーの予測精度向上による出力制御量低減及び佐渡島における最適な電力需給制御に向けた取り組みなど、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて取り組んでまいりました。

 

⑪ 新託送料金制度に基づく託送供給等約款の認可

電力の安定供給や再生可能エネルギー導入拡大に必要な投資の確保と効率化を両立する新たな託送料金制度(レベニューキャップ制度)に基づく託送供給等約款について認可を受け、2023年4月より本託送供給等約款を実施しております。新たな託送料金制度のもと、2023年度から2027年度における達成目標などを示した事業計画を策定しております。東北6県及び新潟県のお客さまの安全・安心で豊かな暮らしを支えるため、当該事業計画に基づき安定供給とコスト低減の両立に取り組んでまいります。

 

⑫ 新規事業・サービスの展開

収益拡大に向け、東北電力ネットワーク株式会社の設備やノウハウなどのネットワーク資産を活用した新規事業の創出にも取り組んでまいりました。具体的には、お客さまのご自宅における停電や漏電などの電気のトラブルをサポートするサービス「でんきのSOS」や、事業所建物の外壁を利用した広告事業「より、そう、ビジョン@仙台」などに取り組んでまいりました。

 

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度の販売電力量の状況については、当社において、節電の影響や前連結会計年度に比べて冬場の気温が高く暖房需要が減少したことなどから、販売電力量(小売)が減少するとともに、販売電力量(卸売)が減少したことなどから、販売電力量(全体)は、818億kWh(前年度比 2.7%減)となりました。

売上高は、燃料費調整額が増加したことなどから、3兆72億円となり、前連結会計年度に比べ、9,027億円(42.9%)の増収となりました。

経常損益については、燃料価格の高騰や円安の影響に加え、卸電力取引市場の価格の上昇により電力調達コストが大幅に増加したことなどから、前連結会計年度に比べ1,500億円減少し、1,992億円の損失となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ191億円減少し、1,275億円の損失となりました。

この結果、営業損益及び経常損益は過去最大の損失となり、親会社株主に帰属する当期純損益を含めて、2年連続の赤字となりました。

なお、当連結会計年度における連結キャッシュ利益は1,366億円となりました。

 

※「東北電力グループ中長期ビジョン『よりそうnext』」において「連結キャッシュ利益」を財務目標として設定しております。(2024年度に3,200億円以上を目標)

「連結キャッシュ利益」= 営業利益+減価償却費+核燃料減損額+持分法投資損益

(営業利益は、燃料費調整制度のタイムラグ影響を除く。)

 

 

 

 

 

※画像省略しています。

 

 

当連結会計年度におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりであります。

[発電・販売事業]

当社の販売電力量(小売)は、前連結会計年度に比べ節電の影響や冬場の気温が高かったことによる暖房需要の減少などから、2.1%減の659億kWhとなりました。このうち、電灯需要は、4.9%減の200億kWh、電力需要は、0.8%減の460億kWhとなりました。また、販売電力量(卸売)は、常時バックアップの契約及びベースロード市場取引量が増加したものの、東北6県及び新潟県以外への卸売が減少したことなどから、5.0%減の159億kWhとなりました。

この結果、当社の販売電力量(全体)は、2.7%減の818億kWhとなりました。

これに対応する供給については、原子力発電所の運転停止継続や福島県沖地震の影響による一部発電所の運転停止により供給力の減少があったものの、卸電力市場などからの電力調達などにより安定した供給力を確保しました。

売上高は、燃料費調整額が増加したことなどから、2兆3,142億円となり、前連結会計年度に比べ、7,114億円(44.4%)の増収となりました。

経常損益は、燃料価格や卸電力取引市場価格の上昇により電力調達コストが大幅に増加し、収入増加を大きく上回ったことから、前連結会計年度に比べ1,354億円の減益となり、2,184億円の損失となりました。

 

[送配電事業]

当連結会計年度のエリア電力需要は、産業用その他における生産動向などから、2.4%減の771億kWhとなりました。

売上高は、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく購入電力量の増加に伴い卸電力取引市場を通じた販売電力量が増加したことや、加えて販売単価も上昇したことなどにより、1兆1,248億円となり、前連結会計年度に比べ、3,317億円(41.8%)の増収となりました。

経常利益は、調整力・インバランスに係る費用の増加や、追加供給力公募(kW公募)及び追加電力量公募(kWh公募)費用の増加などにより、113億円となり、前連結会計年度に比べ、295億円(72.2%)の減益となりました。

 

[建設業]

売上高は、屋内配線工事や配電線工事が増加したことなどから、3,035億円となり、前連結会計年度に比べ、36億円(1.2%)の増収となりました。

これにより、経常利益は、131億円となり、前連結会計年度に比べ、14億円(12.2%)の増益となりました。

 

[その他]

売上高は、ガス事業における取引量及び単価が増加したことなどから、2,462億円となり、前連結会計年度に比べ、389億円(18.8%)の増収となりました。

これにより、経常利益は、138億円となり、前連結会計年度に比べ、37億円(38.0%)の増益となりました。

 

(3) 財政状態の分析

資産は、流動資産における現金及び預金や売掛金などの増加に加え、繰延税金資産及び燃料貯蔵品などの棚卸資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ、4,862億円(10.3%)増加し、5兆2,119億円となりました。

負債は、安定供給に必要となる電力設備の維持・更新に充当する資金などを社債や借入金で調達したことにより、有利子負債残高が、前連結会計年度末に比べ6,153億円(22.3%)増加し、3兆3,756億円となったことなどから、負債総額は、前連結会計年度末に比べ、6,341億円(16.1%)増加し、4兆5,808億円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ、1,478億円(19.0%)減少し、6,310億円となりました。

これにより、自己資本比率は前連結会計年度に比べ4.3ポイント悪化し、10.5%となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

燃料価格の高騰により燃料及び電力調達支出が増加したことなどから、前連結会計年度の収入から支出に転じ、937億円の支出(前連結会計年度は971億円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

女川原子力発電所第2号機の安全対策工事などによる固定資産の取得支出が増加したものの、投融資の回収による収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ支出が463億円(14.4%)減少し、2,757億円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

社債の発行による収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ収入が3,052億円(104.1%)増加し、5,984億円の収入となりました。

 

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ2,294億円(82.4%)増の5,078億円となりました。

 

フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ1,409億円(66.6%)減の△3,525億円となりました。

 

   ※ フリー・キャッシュ・フロー

     <算出方法>

       営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー - 利息及び配当金の受取額

            - 利息の支払額

                                              (単位:億円)

 

  前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日

  当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日

増 減

営業活動によるキャッシュ・フロー(A)

971

△937

△1,909

投資活動によるキャッシュ・フロー(B)

△3,221

△2,757

463

利息及び配当金の受取額(C)

10

10

△0

利息の支払額(D)

△145

△180

△35

フリー・キャッシュ・フロー(A+B-C-D)

△2,115

△3,525

△1,409

 

 

また、キャッシュ・フロー指標の変動は次のとおりであります。

 

前連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
 至 2023年3月31日)

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

28.4

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

6.7

 

(注) 1 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロ

2 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額

3 当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

① 資金調達方針並びに状況

当社は、電気事業における安定供給に必要な設備投資、社債などの償還資金への充当及び東北電力グループ中長期ビジョンに掲げた再生可能エネルギー事業、スマート社会実現事業への投資などの資金需要に対し、資金調達環境の動向や有利子負債、現金及び現金同等物の適正な保有額を総合的に勘案し、社債の発行及び、金融機関からの借入金等を組み合わせて安定的に資金を調達しております。

一般担保付社債については、当連結会計年度において、総額2,757億円発行しております。これらは、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりA+、株式会社日本格付研究所(JCR)よりAAの長期債格付を取得しております。なお、当社は、2020年3月27日に「電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第47号)」(平成27年6月成立)に基づき、経済産業大臣の認定のもと、2020年度から5年間に限り、一般担保付社債の発行が可能となる経過措置を受けております。

また、当社は、将来の成長に向けた投資資金の確保と財務基盤の強化を両立する資金調達手段として、2022年9月に当社として初めてとなる公募ハイブリッド社債(一般担保無・劣後特約付社債)を総額2,800億円発行しております。これらは、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりA-、株式会社日本格付研究所(JCR)よりA+の長期債格付を取得しております。

さらに、世界的な燃料価格の高騰や電力卸取引市場の価格上昇に加え、福島県沖を震源とする地震の影響などによる厳しい状況を踏まえ、安定的な事業資金の確保のため、2022年12月に借入総額3,500億円のシンジケートローンによる資金調達を実施しております。

加えて、「東北電力グループ“カーボンニュートラルチャレンジ2050”」の実現に向けた取り組みを一層加速していくため、2023年3月に東北東京間連系線の整備、東北北部エリアにおける電源募集プロセスの系統整備、上越火力発電所の開発などを資金使途としたトランジションボンド及びトランジションローンによる資金調達を当社として初めて実施するなど、持続可能な社会の実現に向けたカーボンニュートラルへの積極的な挑戦を資金調達面から支えるとともに、さらなる資金調達の多様性や安定性の確保に努めております。

 

上記による資金調達の結果、当連結会計年度末の社債発行残高及び借入金残高はそれぞれ1兆7,357億円、1兆6,399億円となっております。

短期的な資金需要に対しては、機動的なつなぎ資金調達の手段としてコマーシャル・ペーパーなどを活用しております。コマーシャル・ペーパーは、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりa-1の短期債格付を取得しており、当連結会計年度は2,000億円の発行限度枠を設定しております。

 

② 資金の流動性に係る情報

当社は、月次での資金計画などにより、資金需要を的確に把握することに努めるとともに、金融機関との間に当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結していることから、電力需要の変動などに伴い、営業活動によるキャッシュ・フローが減少した場合でも、必要に応じて極度枠の範囲内で速やかに資金調達ができる体制を整えることにより、充分な流動性を確保しております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

当社企業グループは、固定資産の減損、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」を定義することが困難であります。また、建設業においては請負形態をとっており、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、生産、受注及び販売の実績については、記載可能な情報を「(2)経営成績の分析」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。

なお、当社個別の事業の状況は次のとおりであります。

 

① 供給力実績

種別

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年度比(%)

自社発電電力量

 

 

 

水力発電電力量

(百万kWh)

7,990

99.5

火力発電電力量

(百万kWh)

49,347

95.1

原子力発電電力量

(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量

(百万kWh)

597

97.6

融通・他社受電電力量

(百万kWh)

34,281

△6,681

104.6

130.8

揚水発電所の揚水用電力量等

(百万kWh)

△362

115.3

合計

(百万kWh)

85,172

96.9

出水率

(%)

97.0

 

(注) 1 停止中発電所の所内電力量は、自社事業用電力量として、販売実績に記載しております。

2 融通・他社受電電力量には、連結子会社からの受電電力量(東北電力ネットワーク㈱ 5,135百万kWh、酒田共同火力発電㈱ 3,687百万kWh、東北自然エネルギー㈱ 431百万kWh 他)、送電電力量(東北電力ネットワーク㈱ 5,921百万kWh 他)を含んでおります。

3 融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しております。

4 揚水発電所の揚水用電力量等とは貯水池運営のため揚水用に使用する電力量及び自己託送の電力量であります。

5 出水率は、1991年度から2020年度までの30ヶ年平均に対する比であります。

6 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。

 

② 販売実績

種別

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

前年度比(%)

販売電力量(百万kWh)

電灯

19,959

95.1

電力

45,982

99.2

小売 計

65,940

97.9

卸売

15,885

95.0

合計

81,825

97.3

 

(注) 1  停止中発電所の所内電力量は、自社事業用電力量として、販売実績に記載しております。

2 小売には自社事業用電力量(74百万kWh)を含んでおります。

3 卸売には特定融通等を含んでおります。

4 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。

 

 

 

③ 資材の状況

 石炭及び燃料油等の受払状況

区分

単位

2022年
3月末
在庫量

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

2023年
3月末
在庫量

受入

前年度比
(%)

払出

前年度比
(%)

石炭

t

701,298

8,867,281

99.66

8,603,517

93.54

965,062

重油

kl

66,328

495,764

137.51

469,449

145.88

92,643

LNG

t

183,625

3,773,857

98.04

3,755,774

96.47

201,708